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After Story2 ー和解と決裂ー
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母親の絶叫と突然の大きな音に驚き、詩織が激しく泣き出した。今まで泣くと言っても弱々しくぐずるような泣き方しかしたことのなかった詩織が、火がついたように泣いている。
さすがの龍太郎も顔を青ざめ、茫然としている。
「悠っ! 悠っ! 大丈夫!?」
泣き喚く詩織を胸に抑えながら、薫子が床に膝を下ろす。
ばあやが下川に顔を向ける。
「ッ......下川さん、車椅子から悠様を外してあげて下さい」
「は、はいっ!」
「それ、から......フロントに電話して、怪我人を運びたいから数人来るように要請して下さい」
「はいっ!」
駆けつけた華子はこの惨事を目の当たりにし、顔を蒼白にした。それから全身をワナワナとさせた後、龍太郎を睨みつけた。
「あなたが......ここまで酷いことをする人だと思いませんでした」
パシッ
乾いた音が龍太郎の頬で弾いた。頬を叩かれた龍太郎は、目を大きく開いて華子を驚愕の眼差しで見つめた。
「もう私に、話しかけないで下さい」
そう言うと、華子は下川が車椅子を起こそうとしているのを手伝った。
「悠...悠......しっかりして。悠......」
薫子の瞳から涙が溢れる。
お父様に会いに来るんじゃなかった。あの人が、変わるなんてあるはずないんだ。
詩織を見せたいなんて。孫の顔を見たら、気持ちが変わるんじゃないかだなんて……思った私が、馬鹿だった。
頭を下げて挨拶しようとした悠に罵声を浴びせ、抵抗できない彼に暴行するなんて......
ずっと献身的に櫻井家に仕えてきたばあやを裏切り者扱いして、しかも押し飛ばすなんて......
---絶対に、許せない。
「薫子、俺は大丈夫。どこも、怪我してないから」
悠が安心させるように笑みを見せ、薫子に手を伸ばした。
「詩織が怖がってるから、貸して......」
震える薫子の腕から未だ泣き止まない詩織を受け取り、胸に抱く。
「大丈夫。怖がらなくて、大丈夫だから......」
詩織の頭を撫で、もう一方の手で背中を優しく撫でる。
あれほど激しく泣いていた詩織が、悠の胸に抱かれ、優しい声音に包まれながら撫でられているうちに落ち着きを取り戻し、いつものような穏やかな表情に戻っていく。
「す、すまん......」
初めて耳にする父の謝罪の言葉も、薫子の気持ちを動かすことはなかった。
「今日私は、お父様に孫の顔を見せたくて参りました。孫の顔を見せれば、お父様の頑なな心を動かすことが出来るのではないかと密かに期待して......
でも、お父様は何一つ変わることはありませんでした。未だに私を道具の一つだとしか思っておらず、悠を......私の大切な夫を、こんな酷い目にあわせるなんて......」
薫子は、怒りで全身を震わせた。薫子は龍太郎の顔を見据えた。
「私達は今日、風間家の人間として来栖家の披露宴に出席します。私はもう、悠との関係や詩織のことを隠したりはしません。
私達は愛し合い、結婚し、子供を産んだだけ。世間に恥じる事など、ありません」
薫子の堂々とした態度に龍太郎は仰天し、その内容に驚愕した。
「風間家の人間として、とはどういうことだ!? お前は櫻井の人間だろうが!!!
そんな勝手なことは絶対に許さんぞ!!!」
今後に及んでもまだ自分のことや櫻井財閥のことしか頭にない父に、薫子は悲しさと共に憎しみも覚えた。
「『おまえはもう、櫻井の人間ではない』と仰っていた舌の根も乾かぬうちに、よくもそんなことが言えますね。
私の名前は、風間薫子です。櫻井の名前は捨てました。
私は風間家の人間として、生きていきます。あなたは櫻井財閥のトップとして、どうぞ財閥をお守り下さい」
---もうこの人を『お父様』だなんて、呼ばない。
その意思を込めて、『あなた』と薫子は言った。
さすがの龍太郎も顔を青ざめ、茫然としている。
「悠っ! 悠っ! 大丈夫!?」
泣き喚く詩織を胸に抑えながら、薫子が床に膝を下ろす。
ばあやが下川に顔を向ける。
「ッ......下川さん、車椅子から悠様を外してあげて下さい」
「は、はいっ!」
「それ、から......フロントに電話して、怪我人を運びたいから数人来るように要請して下さい」
「はいっ!」
駆けつけた華子はこの惨事を目の当たりにし、顔を蒼白にした。それから全身をワナワナとさせた後、龍太郎を睨みつけた。
「あなたが......ここまで酷いことをする人だと思いませんでした」
パシッ
乾いた音が龍太郎の頬で弾いた。頬を叩かれた龍太郎は、目を大きく開いて華子を驚愕の眼差しで見つめた。
「もう私に、話しかけないで下さい」
そう言うと、華子は下川が車椅子を起こそうとしているのを手伝った。
「悠...悠......しっかりして。悠......」
薫子の瞳から涙が溢れる。
お父様に会いに来るんじゃなかった。あの人が、変わるなんてあるはずないんだ。
詩織を見せたいなんて。孫の顔を見たら、気持ちが変わるんじゃないかだなんて……思った私が、馬鹿だった。
頭を下げて挨拶しようとした悠に罵声を浴びせ、抵抗できない彼に暴行するなんて......
ずっと献身的に櫻井家に仕えてきたばあやを裏切り者扱いして、しかも押し飛ばすなんて......
---絶対に、許せない。
「薫子、俺は大丈夫。どこも、怪我してないから」
悠が安心させるように笑みを見せ、薫子に手を伸ばした。
「詩織が怖がってるから、貸して......」
震える薫子の腕から未だ泣き止まない詩織を受け取り、胸に抱く。
「大丈夫。怖がらなくて、大丈夫だから......」
詩織の頭を撫で、もう一方の手で背中を優しく撫でる。
あれほど激しく泣いていた詩織が、悠の胸に抱かれ、優しい声音に包まれながら撫でられているうちに落ち着きを取り戻し、いつものような穏やかな表情に戻っていく。
「す、すまん......」
初めて耳にする父の謝罪の言葉も、薫子の気持ちを動かすことはなかった。
「今日私は、お父様に孫の顔を見せたくて参りました。孫の顔を見せれば、お父様の頑なな心を動かすことが出来るのではないかと密かに期待して......
でも、お父様は何一つ変わることはありませんでした。未だに私を道具の一つだとしか思っておらず、悠を......私の大切な夫を、こんな酷い目にあわせるなんて......」
薫子は、怒りで全身を震わせた。薫子は龍太郎の顔を見据えた。
「私達は今日、風間家の人間として来栖家の披露宴に出席します。私はもう、悠との関係や詩織のことを隠したりはしません。
私達は愛し合い、結婚し、子供を産んだだけ。世間に恥じる事など、ありません」
薫子の堂々とした態度に龍太郎は仰天し、その内容に驚愕した。
「風間家の人間として、とはどういうことだ!? お前は櫻井の人間だろうが!!!
そんな勝手なことは絶対に許さんぞ!!!」
今後に及んでもまだ自分のことや櫻井財閥のことしか頭にない父に、薫子は悲しさと共に憎しみも覚えた。
「『おまえはもう、櫻井の人間ではない』と仰っていた舌の根も乾かぬうちに、よくもそんなことが言えますね。
私の名前は、風間薫子です。櫻井の名前は捨てました。
私は風間家の人間として、生きていきます。あなたは櫻井財閥のトップとして、どうぞ財閥をお守り下さい」
---もうこの人を『お父様』だなんて、呼ばない。
その意思を込めて、『あなた』と薫子は言った。
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