【R18】箱入り令嬢は密かに慕う執事に夜伽の手解きを受け、快楽に沈む

奏音 美都

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ースペンサーsideー

 そしてある日、旦那様に呼ばれた。

「もうすぐアリアは16歳を迎える。実は……ハミルトン家にはある仕来りがあり、それを……お前に任せたいんだ」
「え……」

 私が、お嬢様に夜伽の手解きを!?

 それは、予想もしていない展開だった。

 添い遂げることはできないけれど……お嬢様の肌に触れ、初めての快感を与えられるというならば、お応えしよう
 あくまで、執事として。感情を見せてはいけない。

 これは、『儀式』なのだから。

 それなのに、私は……どんどん彼女に溺れていくのを感じた。

 いけない、このままでは。

「……では、儀式はこれで終わりです」

 これ以上、深みにはまってはいけない。執事という立場に戻れなくなってしまう。

「今日は朝からパーティーでお疲れになったでしょう? ゆっくり休んでくださいね」

 そう、朝になれば私はお嬢様の執事。
 貴女の初めての熱、感触、そして吐息を感じられた。それで私は、明日からの孤独な日々を耐えてゆける。

 たとえ、貴女がいつか誰か他の男のものになろうとも……

 そんな私を、追いかけてくれたお嬢様。

「好き、好きなの……ずっと、スペンサーが好きだったの。
 お願い。私のことを好きじゃなくてもいい。私の初めてをもらって。

 スペンサーじゃなきゃ、嫌なの……」

 お嬢様の覚悟を前に、もう身分など、立場などどうでもよくなってしまった。

 あれほど世話になり、感謝し、一生を捧げる気でいた旦那様に対しても、背徳心よりも、お嬢様を自分のものにしたい欲情が勝り、抑えることなど出来なかった。


 そうして私は、手に入れた。私の愛しい人を。
 この先、ふたりにどんな険しく辛い道が立ち塞がろうとも、私は、守ってみせる。

 貴女を、絶対に手放しはしない。


「愛していますよ、愛しのアリア」

 スペンサーは安らかな寝息を立てて眠るアリアの額に、そっと口づけを落とした。

 静かな夜の闇だけが、禁忌の恋愛に踏み込んだふたりを優しく包み込んでいた。
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