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ースペンサーsideー
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そしてある日、旦那様に呼ばれた。
「もうすぐアリアは16歳を迎える。実は……ハミルトン家にはある仕来りがあり、それを……お前に任せたいんだ」
「え……」
私が、お嬢様に夜伽の手解きを!?
それは、予想もしていない展開だった。
添い遂げることはできないけれど……お嬢様の肌に触れ、初めての快感を与えられるというならば、お応えしよう
あくまで、執事として。感情を見せてはいけない。
これは、『儀式』なのだから。
それなのに、私は……どんどん彼女に溺れていくのを感じた。
いけない、このままでは。
「……では、儀式はこれで終わりです」
これ以上、深みにはまってはいけない。執事という立場に戻れなくなってしまう。
「今日は朝からパーティーでお疲れになったでしょう? ゆっくり休んでくださいね」
そう、朝になれば私はお嬢様の執事。
貴女の初めての熱、感触、そして吐息を感じられた。それで私は、明日からの孤独な日々を耐えてゆける。
たとえ、貴女がいつか誰か他の男のものになろうとも……
そんな私を、追いかけてくれたお嬢様。
「好き、好きなの……ずっと、スペンサーが好きだったの。
お願い。私のことを好きじゃなくてもいい。私の初めてをもらって。
スペンサーじゃなきゃ、嫌なの……」
お嬢様の覚悟を前に、もう身分など、立場などどうでもよくなってしまった。
あれほど世話になり、感謝し、一生を捧げる気でいた旦那様に対しても、背徳心よりも、お嬢様を自分のものにしたい欲情が勝り、抑えることなど出来なかった。
そうして私は、手に入れた。私の愛しい人を。
この先、ふたりにどんな険しく辛い道が立ち塞がろうとも、私は、守ってみせる。
貴女を、絶対に手放しはしない。
「愛していますよ、愛しのアリア」
スペンサーは安らかな寝息を立てて眠るアリアの額に、そっと口づけを落とした。
静かな夜の闇だけが、禁忌の恋愛に踏み込んだふたりを優しく包み込んでいた。
「もうすぐアリアは16歳を迎える。実は……ハミルトン家にはある仕来りがあり、それを……お前に任せたいんだ」
「え……」
私が、お嬢様に夜伽の手解きを!?
それは、予想もしていない展開だった。
添い遂げることはできないけれど……お嬢様の肌に触れ、初めての快感を与えられるというならば、お応えしよう
あくまで、執事として。感情を見せてはいけない。
これは、『儀式』なのだから。
それなのに、私は……どんどん彼女に溺れていくのを感じた。
いけない、このままでは。
「……では、儀式はこれで終わりです」
これ以上、深みにはまってはいけない。執事という立場に戻れなくなってしまう。
「今日は朝からパーティーでお疲れになったでしょう? ゆっくり休んでくださいね」
そう、朝になれば私はお嬢様の執事。
貴女の初めての熱、感触、そして吐息を感じられた。それで私は、明日からの孤独な日々を耐えてゆける。
たとえ、貴女がいつか誰か他の男のものになろうとも……
そんな私を、追いかけてくれたお嬢様。
「好き、好きなの……ずっと、スペンサーが好きだったの。
お願い。私のことを好きじゃなくてもいい。私の初めてをもらって。
スペンサーじゃなきゃ、嫌なの……」
お嬢様の覚悟を前に、もう身分など、立場などどうでもよくなってしまった。
あれほど世話になり、感謝し、一生を捧げる気でいた旦那様に対しても、背徳心よりも、お嬢様を自分のものにしたい欲情が勝り、抑えることなど出来なかった。
そうして私は、手に入れた。私の愛しい人を。
この先、ふたりにどんな険しく辛い道が立ち塞がろうとも、私は、守ってみせる。
貴女を、絶対に手放しはしない。
「愛していますよ、愛しのアリア」
スペンサーは安らかな寝息を立てて眠るアリアの額に、そっと口づけを落とした。
静かな夜の闇だけが、禁忌の恋愛に踏み込んだふたりを優しく包み込んでいた。
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