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憧れの先輩に告白されて舞い上がってたら、怪しいビジネスに誘われました
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「俺……朋子ちゃんのこと、前からいいなって思ってたんだよね。良かったら、付き合ってくれないかな」
う、嘘……
私、今……山代先輩に、告白されてるの!?
目の前に立つ、ミルクティーベージュのクシャクシャッと崩した緩くパーマのかかった髪を揺らし、少し垂れ目の大きくて可愛らしいチェスナッツカラーの瞳で見つめられると、胸がキュンキュンする。
あー、ずっと憧れてた山代先輩に告白されてるなんて、夢みたい!
山代先輩は大学の構内でいつも大勢のイケてる女子を引き連れてるし、同じサークルに所属してても近寄る隙すらなくて、まともに喋ったことすらなかった。
「もちろんです!
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします!!」
これからどんな恋人ライフが待ってるんだろうと夢見る暇もなく、山代先輩に腕を取られた。
うわっ、いきなり!?
「じゃ、どっかでお茶でもしようよ」
「は、はいっっ」
これから3限の講義があるんだけど……せっかく山代先輩に誘ってもらってるんだもん。断れないよね。
大学を出て、近くのカフェに入る。
ふたりきりで向かい合わせに座ってるだけで緊張しちゃう。だって、山代先輩、顔面偏差値高すぎて……周りの女の子たちがチラチラと先輩を見つめてるのを感じる。
こんな人が、私の彼氏……なんだぁ。
頬を緩めてると、先輩が膝をついて私を覗き込んだ。
「ねぇ、朋子ちゃん。朋子ちゃんて、かなり貯金してるんだって?」
「え? あぁ、はい。
親からの仕送りには手をつけずに、かてきょのバイトとかでなんとか生活費は賄ってます。私、将来的に自分でビジネス始めたいなって思ってるんで、少しでも今のうちに貯めておこうと思って」
「凄いなぁ。しっかりしてるよね、朋子ちゃんって」
「い、いえ……そんなことないです」
褒められて、嬉しくて舞い上がってると、更に山代先輩がずりずりっと私の方に体を傾けてきた。
「でも今の時代、普通に貯金してても全然利子つかないし、貯まらないでしょ? 俺の知り合いでさ、投資でめちゃめちゃ儲けてる奴がいるんだよね。それで、そいつが会社起こしてて、100万預けたら、3ヶ月ごとに1万を配当金として受け取れるんだ。1年預けたら4万もらえるってて凄くね?
俺の信頼してる人だから絶対に怪しくないし、今度会ってやってくんないかな?」
ちょちょちょちょ……ちょっと、待って。
これって、間違いなくポンジ・スキームだよね。詐欺じゃん、犯罪じゃん。
でも山代先輩はポンジ・スキームと知らずにその知り合いに騙されて巻き込まれてるんだよね。私は彼女なんだし、なんとか説得して、関わらせないようにしないと。
「あ、あの……山代先輩も、その知り合いの方にお金預けてるんですか?」
「俺はそんな金ないから、預けてないよ。もし、大金あったら、絶対乗ってんだけどなー」
そっか。先輩はやってないんだ、良かった……
「せっかくのお誘いですけど、私はいいです……」
「え、なんで!? こんないい話、なんで蹴るわけ?」
山代先輩が不機嫌な顔を見せた。
「知らない方にお金預けるの、不安ですし」
「俺の信頼できる人だって言ってんじゃん!」
「でも……私が信頼できるかどうかは分からないですし……」
「だから、会わせるって! 会ったら、分かるから!!」
山代先輩が、必死に食らい付いてくる。まさか、グルなのかな……
「あー、でも……いいです。
ある程度お金貯まったら、自分で投資やるつもりでいるので」
「朋子ちゃんより、絶対アキラの方が儲けるから! あいつに預けた方がいいって!!」
「いや、私は……」
「俺の周りの女の子たちは、みんなアキラに金預けてるよ? それで、お金もらって喜んでるよ。
せっかく朋子ちゃんにもいい話もってきてあげたのに、なんでそんな頑ななわけ?」
うわっ、私だけじゃなくて、他の女の子たちにももう話してたんだ。しかも、騙されてるし……
もうこの時点で、というか、だいぶ前から分かってしまった。
山代先輩は私に告白したんじゃなくて、ポンジ・スキームにかけようとしてたってこと。
それで、私の先輩への恋心も一気に冷めてしまった。
「山代先輩、それってポンジ・スキームですよね?」
「ポンジ? なに、それ?」
スマホを取り出して検索し、ウィキを読み上げる。
「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元するなどと謳っておきながら、実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金を、以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用によって利益が生まれ、その利益を出資者に配当しているかのように装うもののこと。
昔からおこなわれてる、詐欺商法ですよ。これに関わってたら、先輩も犯罪者として訴えられますよ?」
山代先輩がギョッとして後退りした。
「お、俺は……ただ、紹介料もらってただけだし!
アキラが何してたとか、全然知らねーし!!」
ハァ、と息を吐いて席を立った。
「もう二度と声かけないでもらえますか?
その怪しげなビジネスにも、山代先輩にも興味ありませんから」
あー、告白されたと思って浮かれてた数時間前の自分が恥ずかしくなるー!! こんなことだと知ってたら、3限の講義出れば良かった。
これからもう、詐欺にも男にも、絶対ひっかかんないんだから!!
う、嘘……
私、今……山代先輩に、告白されてるの!?
目の前に立つ、ミルクティーベージュのクシャクシャッと崩した緩くパーマのかかった髪を揺らし、少し垂れ目の大きくて可愛らしいチェスナッツカラーの瞳で見つめられると、胸がキュンキュンする。
あー、ずっと憧れてた山代先輩に告白されてるなんて、夢みたい!
山代先輩は大学の構内でいつも大勢のイケてる女子を引き連れてるし、同じサークルに所属してても近寄る隙すらなくて、まともに喋ったことすらなかった。
「もちろんです!
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします!!」
これからどんな恋人ライフが待ってるんだろうと夢見る暇もなく、山代先輩に腕を取られた。
うわっ、いきなり!?
「じゃ、どっかでお茶でもしようよ」
「は、はいっっ」
これから3限の講義があるんだけど……せっかく山代先輩に誘ってもらってるんだもん。断れないよね。
大学を出て、近くのカフェに入る。
ふたりきりで向かい合わせに座ってるだけで緊張しちゃう。だって、山代先輩、顔面偏差値高すぎて……周りの女の子たちがチラチラと先輩を見つめてるのを感じる。
こんな人が、私の彼氏……なんだぁ。
頬を緩めてると、先輩が膝をついて私を覗き込んだ。
「ねぇ、朋子ちゃん。朋子ちゃんて、かなり貯金してるんだって?」
「え? あぁ、はい。
親からの仕送りには手をつけずに、かてきょのバイトとかでなんとか生活費は賄ってます。私、将来的に自分でビジネス始めたいなって思ってるんで、少しでも今のうちに貯めておこうと思って」
「凄いなぁ。しっかりしてるよね、朋子ちゃんって」
「い、いえ……そんなことないです」
褒められて、嬉しくて舞い上がってると、更に山代先輩がずりずりっと私の方に体を傾けてきた。
「でも今の時代、普通に貯金してても全然利子つかないし、貯まらないでしょ? 俺の知り合いでさ、投資でめちゃめちゃ儲けてる奴がいるんだよね。それで、そいつが会社起こしてて、100万預けたら、3ヶ月ごとに1万を配当金として受け取れるんだ。1年預けたら4万もらえるってて凄くね?
俺の信頼してる人だから絶対に怪しくないし、今度会ってやってくんないかな?」
ちょちょちょちょ……ちょっと、待って。
これって、間違いなくポンジ・スキームだよね。詐欺じゃん、犯罪じゃん。
でも山代先輩はポンジ・スキームと知らずにその知り合いに騙されて巻き込まれてるんだよね。私は彼女なんだし、なんとか説得して、関わらせないようにしないと。
「あ、あの……山代先輩も、その知り合いの方にお金預けてるんですか?」
「俺はそんな金ないから、預けてないよ。もし、大金あったら、絶対乗ってんだけどなー」
そっか。先輩はやってないんだ、良かった……
「せっかくのお誘いですけど、私はいいです……」
「え、なんで!? こんないい話、なんで蹴るわけ?」
山代先輩が不機嫌な顔を見せた。
「知らない方にお金預けるの、不安ですし」
「俺の信頼できる人だって言ってんじゃん!」
「でも……私が信頼できるかどうかは分からないですし……」
「だから、会わせるって! 会ったら、分かるから!!」
山代先輩が、必死に食らい付いてくる。まさか、グルなのかな……
「あー、でも……いいです。
ある程度お金貯まったら、自分で投資やるつもりでいるので」
「朋子ちゃんより、絶対アキラの方が儲けるから! あいつに預けた方がいいって!!」
「いや、私は……」
「俺の周りの女の子たちは、みんなアキラに金預けてるよ? それで、お金もらって喜んでるよ。
せっかく朋子ちゃんにもいい話もってきてあげたのに、なんでそんな頑ななわけ?」
うわっ、私だけじゃなくて、他の女の子たちにももう話してたんだ。しかも、騙されてるし……
もうこの時点で、というか、だいぶ前から分かってしまった。
山代先輩は私に告白したんじゃなくて、ポンジ・スキームにかけようとしてたってこと。
それで、私の先輩への恋心も一気に冷めてしまった。
「山代先輩、それってポンジ・スキームですよね?」
「ポンジ? なに、それ?」
スマホを取り出して検索し、ウィキを読み上げる。
「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元するなどと謳っておきながら、実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金を、以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用によって利益が生まれ、その利益を出資者に配当しているかのように装うもののこと。
昔からおこなわれてる、詐欺商法ですよ。これに関わってたら、先輩も犯罪者として訴えられますよ?」
山代先輩がギョッとして後退りした。
「お、俺は……ただ、紹介料もらってただけだし!
アキラが何してたとか、全然知らねーし!!」
ハァ、と息を吐いて席を立った。
「もう二度と声かけないでもらえますか?
その怪しげなビジネスにも、山代先輩にも興味ありませんから」
あー、告白されたと思って浮かれてた数時間前の自分が恥ずかしくなるー!! こんなことだと知ってたら、3限の講義出れば良かった。
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