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双子の姉を愛し、艶かしい彼女の躰に溺れた僕が辿る運命は……
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わざと嫌悪の表情を浮かべてみせる。
「表でいい顔しときながら裏で陰口叩いたり、友達だとか言いながら平気で裏切ったり、力ある癖に頼りない女を演じたり、ブスな癖にかわいこぶったり、それではっきり言ってやると泣き出して、集団で罵ってきて厄介だし」
もちろんこれは、ミューのことじゃない。ミュー以外の女のことだ。
幼稚園から小学校低学年にかけては、僕のことを女みたいだと虐めてた癖に、成長するにつれて態度をコロッと変え、今度は褒めたり、持て囃したり、色目を使ってみせたりする。てか、そんなこと言われても全然嬉しくないし、吐き気すら覚える。告白をことごとく切り捨てていったら、僕はいつのまにか『鬼畜王子』なんて呼ばれていた。モテナイ女のやっかみだ。
だからさ、女は嫌いなんだ。
ミューが傷付いた表情を浮かべる。
「ねぇ、私のこともそう思ってるの? だって……私だって女だよ」
嬉しそうな顔も、幸せそうな顔も、欲情した顔ももちろん好きだけど……こんな風に傷ついたり、悲しそうな顔をしてるミューも好き。僕の言葉に一喜一憂してるんだって思うと、ゾクゾクする。
もっと傷つけたらどうなるのかな、なんて考えてしまう。
ま、しないけどね。
俯いたミューの顔を下から覗き込んで、クスリと微笑む。それから、唇を半開きにし、ペロリと口角を舐めた。
ねぇ、本気でそう思ってるの? 僕がミューを嫌ってると?
それとも、これは僕の同情を引くための、演技?
「ほんと分かってないね、ミューは。
ミューは僕の中で『女』ってカテゴリーに含まれないぐらい、特別な存在なんだよ」
ペロリと舌を舐め回し、ミューの前に両膝をつく。
こういう時には、ドラマティックな演出が必要でしょ。
「ミューだけいればいい。僕の世界には、ミューしかいらない。
愛してる、ミュー……」
でも、これは心からの言葉。
ミューさえいれば、他には誰もいらない。
クラスメートも、友達も、両親さえも……
僕は、両親の愛情に固執したことが一度もなかった。
母親はプライドが高く自慢したがりの女で、美しい双子の僕たちの存在はそんな彼女の虚栄心を満たしていた。父親は仕事が忙しく、なかなか一緒に過ごす時間がない。それでも僕たちは両親からそれなりの愛情は受け取ってもいたし、何不自由なく育てられたと思う。
けれど、そんな両親よりも、何よりも大切なのはミューで、時に両親の存在が鬱陶しく感じることもあるほどだった。僕は、大切な何かをミューの中に置き忘れてきたようだ。
「類。わた、しも……好き。大好き……」
優しいミューは、そんな僕の感情を知りつつ、知らないフリをしてくれる。両親を大切に思いつつ、何よりも僕の愛情を優先してくれる。
そんなミューが、大好きだよ。
爪をたてながらゆっくりと膝から内腿へとなぞると、ミューの腰がひくついた。
「ンッ、ファ……」
もっと僕を愛してる証明が、欲しいんだ。
「あぁ、ミュー……これじゃ、良く見えないよ」
ミューの膝裏をグイと持ち上げる。
「ねぇ、こっち抱えて上げてて?」
「えっ、嘘……や、やだっ」
戸惑い、焦るミューを尻目にキッチンの引き出しを少し開けてみせる。
「じゃ、ここに足置いて。そしたら疲れないでしょ?」
こんな卑猥な格好、恥ずかしいよね。
でもミューはやってくれるんだよね、僕を愛してるから……
にっこりと笑いかけられてしまえば、ミューは抵抗出来ない。ミューがおそるおそる引き出しの上に軽く足を乗せ、僕は密かにほくそ笑む。
「ふふっ、いい感じ」
「表でいい顔しときながら裏で陰口叩いたり、友達だとか言いながら平気で裏切ったり、力ある癖に頼りない女を演じたり、ブスな癖にかわいこぶったり、それではっきり言ってやると泣き出して、集団で罵ってきて厄介だし」
もちろんこれは、ミューのことじゃない。ミュー以外の女のことだ。
幼稚園から小学校低学年にかけては、僕のことを女みたいだと虐めてた癖に、成長するにつれて態度をコロッと変え、今度は褒めたり、持て囃したり、色目を使ってみせたりする。てか、そんなこと言われても全然嬉しくないし、吐き気すら覚える。告白をことごとく切り捨てていったら、僕はいつのまにか『鬼畜王子』なんて呼ばれていた。モテナイ女のやっかみだ。
だからさ、女は嫌いなんだ。
ミューが傷付いた表情を浮かべる。
「ねぇ、私のこともそう思ってるの? だって……私だって女だよ」
嬉しそうな顔も、幸せそうな顔も、欲情した顔ももちろん好きだけど……こんな風に傷ついたり、悲しそうな顔をしてるミューも好き。僕の言葉に一喜一憂してるんだって思うと、ゾクゾクする。
もっと傷つけたらどうなるのかな、なんて考えてしまう。
ま、しないけどね。
俯いたミューの顔を下から覗き込んで、クスリと微笑む。それから、唇を半開きにし、ペロリと口角を舐めた。
ねぇ、本気でそう思ってるの? 僕がミューを嫌ってると?
それとも、これは僕の同情を引くための、演技?
「ほんと分かってないね、ミューは。
ミューは僕の中で『女』ってカテゴリーに含まれないぐらい、特別な存在なんだよ」
ペロリと舌を舐め回し、ミューの前に両膝をつく。
こういう時には、ドラマティックな演出が必要でしょ。
「ミューだけいればいい。僕の世界には、ミューしかいらない。
愛してる、ミュー……」
でも、これは心からの言葉。
ミューさえいれば、他には誰もいらない。
クラスメートも、友達も、両親さえも……
僕は、両親の愛情に固執したことが一度もなかった。
母親はプライドが高く自慢したがりの女で、美しい双子の僕たちの存在はそんな彼女の虚栄心を満たしていた。父親は仕事が忙しく、なかなか一緒に過ごす時間がない。それでも僕たちは両親からそれなりの愛情は受け取ってもいたし、何不自由なく育てられたと思う。
けれど、そんな両親よりも、何よりも大切なのはミューで、時に両親の存在が鬱陶しく感じることもあるほどだった。僕は、大切な何かをミューの中に置き忘れてきたようだ。
「類。わた、しも……好き。大好き……」
優しいミューは、そんな僕の感情を知りつつ、知らないフリをしてくれる。両親を大切に思いつつ、何よりも僕の愛情を優先してくれる。
そんなミューが、大好きだよ。
爪をたてながらゆっくりと膝から内腿へとなぞると、ミューの腰がひくついた。
「ンッ、ファ……」
もっと僕を愛してる証明が、欲しいんだ。
「あぁ、ミュー……これじゃ、良く見えないよ」
ミューの膝裏をグイと持ち上げる。
「ねぇ、こっち抱えて上げてて?」
「えっ、嘘……や、やだっ」
戸惑い、焦るミューを尻目にキッチンの引き出しを少し開けてみせる。
「じゃ、ここに足置いて。そしたら疲れないでしょ?」
こんな卑猥な格好、恥ずかしいよね。
でもミューはやってくれるんだよね、僕を愛してるから……
にっこりと笑いかけられてしまえば、ミューは抵抗出来ない。ミューがおそるおそる引き出しの上に軽く足を乗せ、僕は密かにほくそ笑む。
「ふふっ、いい感じ」
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