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行方不明だった叔父に新撰組の剣士としてタイムスリップした先の幕末で再会し、祝言を挙げて本日夫婦となりました
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屯所を出て長屋へと向かう途中、剣一がふっと空を見上げる。
「今夜は、月が明るいな」
その声に従って、美唯も空を見上げた。
「ほんと! 今日は、一段と美しく見えますね」
いつも二人を優しく照らし出してくれていた、月の光。今夜は二人の明るい未来を映し出すように、今まで以上に優しい光を二人に降り注いでいた。
ふと、空を見上げていた視線を横へずらすと、そこには剣一の顔があった。
男の人にこんなこと言うなんて失礼かもしれないけど……天馬さんの横顔、すごく綺麗。
思わず、魅入ってしまう。
天馬さんが生き別れた叔父の剣一さんだったと分かり、別れようと思った時もあったけど、結局私たちは離れられなくて……恋仲になり、今日祝言をあげた。
これからは、天馬さんとずっと一緒にいられる。ずっと一緒に、生きていく……
幼い頃、美唯を優しく見守ってくれていた叔父、剣一。
それから時を経て、違う時代での再会。
本当は、出会うはずなかったかもしれない二人。
たくさんの葛藤を乗り越え、時代も環境も超越し、お互いに一緒にいることを誓い、こうして肩を並べている。
「どうした?」
視線に気付き、剣一が優しく美唯を見やる。
「いえ……幸せだな、と思っていました」
それを聞くと、剣一はふっと笑みを溢した。
「そう、か」
繋いでいた手を、ギュッと強く握った。
長屋の一角の部屋へと辿り着く。部屋の中は、事前に美唯が掃除と手入れをしていた為、古くはあるが小綺麗に片付いていた。
足を踏み入れた途端、美唯が緊張に身を震わす。
これからここで、天馬さんと新たな生活が始まるんだ。
突然、背中に温もりが伝わって来る。
「天馬さん!?」
剣一に背中を抱き締められ、美唯の鼓動がドクドクと速まる。
「……ずっと、こうしたかった」
剣一が、美唯のうなじに顔を埋めた。途端に、美唯の首筋が急激に熱を上げる。
剣一は右手で優しく美唯の髪を掻き上げ片方へ寄せると、舌でツツーッと首筋をなぞった。
「ンフッ」
思わず、美唯の口から声が溢れる。
「熱い、な……」
そう呟くと剣一が唇を寄せ、美唯の細く白い首筋に紅い華を咲かせた。背中から剣一の逞しい腕が回され、美唯の襟元に差し込まれる。
「ま、待って下さい!」
美唯が、躰を剣一へと捩らせる。
「どうした」
「あ、の……いいですか?」
おずおずと美唯は、剣一の右の瞳が隠されている包帯へと手を伸ばした。
「あぁ、お前が望むのなら」
剣一は目を細め、クスリと微笑んだ。
ロシア人とのクォーターである剣一は、右の瞳だけがエメラルドのような美しい緑色をしている。その為、何度命を狙われたかしらない。それを隠す為、普段は眼帯をしているのだった。
美唯にそれを見られたのは、偶然だった。美唯といる時に刺客に狙われ、彼女を庇った時に眼帯が取れてしまい、それがきっかけで美唯は彼が叔父の剣一であることを見抜いたのだった。
それ以来、剣一は美唯といる時にだけ眼帯を外してくれるようになった。
私にだけ見せてくれる、本当の天馬さん……
丁寧に眼帯を外すと、そこには汚れたものを見続けてきたとは思えないほど、美しく澄んだエメラルドグリーンの瞳が美唯を優しく見つめていた。
「綺麗……」
思わずぼぉーっと見惚れ、声を溢す美唯に剣一が苦笑する。
「俺は、一体いつまで待っていればいいのだ?」
ハッと美唯が剣一を見上げた。
「す、すみませんっ」
「今夜は、月が明るいな」
その声に従って、美唯も空を見上げた。
「ほんと! 今日は、一段と美しく見えますね」
いつも二人を優しく照らし出してくれていた、月の光。今夜は二人の明るい未来を映し出すように、今まで以上に優しい光を二人に降り注いでいた。
ふと、空を見上げていた視線を横へずらすと、そこには剣一の顔があった。
男の人にこんなこと言うなんて失礼かもしれないけど……天馬さんの横顔、すごく綺麗。
思わず、魅入ってしまう。
天馬さんが生き別れた叔父の剣一さんだったと分かり、別れようと思った時もあったけど、結局私たちは離れられなくて……恋仲になり、今日祝言をあげた。
これからは、天馬さんとずっと一緒にいられる。ずっと一緒に、生きていく……
幼い頃、美唯を優しく見守ってくれていた叔父、剣一。
それから時を経て、違う時代での再会。
本当は、出会うはずなかったかもしれない二人。
たくさんの葛藤を乗り越え、時代も環境も超越し、お互いに一緒にいることを誓い、こうして肩を並べている。
「どうした?」
視線に気付き、剣一が優しく美唯を見やる。
「いえ……幸せだな、と思っていました」
それを聞くと、剣一はふっと笑みを溢した。
「そう、か」
繋いでいた手を、ギュッと強く握った。
長屋の一角の部屋へと辿り着く。部屋の中は、事前に美唯が掃除と手入れをしていた為、古くはあるが小綺麗に片付いていた。
足を踏み入れた途端、美唯が緊張に身を震わす。
これからここで、天馬さんと新たな生活が始まるんだ。
突然、背中に温もりが伝わって来る。
「天馬さん!?」
剣一に背中を抱き締められ、美唯の鼓動がドクドクと速まる。
「……ずっと、こうしたかった」
剣一が、美唯のうなじに顔を埋めた。途端に、美唯の首筋が急激に熱を上げる。
剣一は右手で優しく美唯の髪を掻き上げ片方へ寄せると、舌でツツーッと首筋をなぞった。
「ンフッ」
思わず、美唯の口から声が溢れる。
「熱い、な……」
そう呟くと剣一が唇を寄せ、美唯の細く白い首筋に紅い華を咲かせた。背中から剣一の逞しい腕が回され、美唯の襟元に差し込まれる。
「ま、待って下さい!」
美唯が、躰を剣一へと捩らせる。
「どうした」
「あ、の……いいですか?」
おずおずと美唯は、剣一の右の瞳が隠されている包帯へと手を伸ばした。
「あぁ、お前が望むのなら」
剣一は目を細め、クスリと微笑んだ。
ロシア人とのクォーターである剣一は、右の瞳だけがエメラルドのような美しい緑色をしている。その為、何度命を狙われたかしらない。それを隠す為、普段は眼帯をしているのだった。
美唯にそれを見られたのは、偶然だった。美唯といる時に刺客に狙われ、彼女を庇った時に眼帯が取れてしまい、それがきっかけで美唯は彼が叔父の剣一であることを見抜いたのだった。
それ以来、剣一は美唯といる時にだけ眼帯を外してくれるようになった。
私にだけ見せてくれる、本当の天馬さん……
丁寧に眼帯を外すと、そこには汚れたものを見続けてきたとは思えないほど、美しく澄んだエメラルドグリーンの瞳が美唯を優しく見つめていた。
「綺麗……」
思わずぼぉーっと見惚れ、声を溢す美唯に剣一が苦笑する。
「俺は、一体いつまで待っていればいいのだ?」
ハッと美唯が剣一を見上げた。
「す、すみませんっ」
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