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『知らない』という幸福
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玄関の扉が乱暴に叩かれる
光さん?
でも彼は
こんな乱暴なことしない
家の鍵も持ってるはず
ガヤガヤと騒がしい音が響き
続いて
階段を駆け上がる地鳴りが
私のいる部屋を揺らす
いったい
何が起こってるの?
部屋の扉がガタンと鳴った
『開かないぞ!』
『誰か、いますか?』
『聞こえたら、返事してください!』
え。
え。
……誰?
男達の怒号が飛び交う
ガチャガチャと錠前が差し込まれる
恐い……
恐いよ……
助けて、光さん……
ガチャッと勢い良く開いた扉
大勢の人たちが中に入ってくる
『いたぞ、女の子だ!』
『怪我がないか、確認しろ!』
一人の男が近づく
『こわがらなくていいよ、警察の者だ。
もう、大丈夫だからね』
もう大丈夫、って……
いったい、何が?
連れて行かれた先にいたのは
知らないおじさんとおばさん
『あぁ!ほんとに……ッッ本当に、良かった……ウゥッ』
涙を流し
私を抱きしめる腕
あなたたちは、誰?
光さんは、どこなの?
おばさんが涙を拭う
『貴女が赤ちゃんの時に誘拐されてから、
私たちはずっと探し続けていたのよ』
おじさんが潤んだ瞳で私を見つめる
『ようやく……ようやく、見つけた。
ごめんな、長い間……辛かっただろう……』
何を、言ってるの?
私は、ずっと幸せだった。
光さんと二人で生きてきて……
光さんに、愛されて。
とっても
とっても、幸せで
満たされていたのに
私を見つけた男が口を開く
『あの男は幼児性愛者で、彼女の前にも幼児を誘拐したことがありました。
出所後、今度は幼児ではなく乳児に目をつけたようです。
彼は、紫の上を自分好みに変えた光源氏に心頭しており、
自らを「光」と名乗り、そう呼ばせていたそうです』
ヨウジセイアイシャ……って、なに?
どういう、意味なの?
光さんには、もう会えないの?
『お願い!
光さんに会わせて!!
光さんに会いたいの!!
彼は、私の全てなの!!奪わないで!!』
狂ったように
泣き叫ぶ
『な、何を言ってるんだ……あの男は、犯罪者なんだぞ!?
お前を誘拐し、虐待した犯人なんだぞ!?』
虐待なんてされてない
光さんは……
私を深く
深く、愛してくれた
『ヒック……
お、ねが……ひ、かりさ……ウゥッ……会わ、せて』
躰を折り畳み泣き崩れる
手でお腹をそっと抑えた
この子の父親にどうか、会わせて……
光さん?
でも彼は
こんな乱暴なことしない
家の鍵も持ってるはず
ガヤガヤと騒がしい音が響き
続いて
階段を駆け上がる地鳴りが
私のいる部屋を揺らす
いったい
何が起こってるの?
部屋の扉がガタンと鳴った
『開かないぞ!』
『誰か、いますか?』
『聞こえたら、返事してください!』
え。
え。
……誰?
男達の怒号が飛び交う
ガチャガチャと錠前が差し込まれる
恐い……
恐いよ……
助けて、光さん……
ガチャッと勢い良く開いた扉
大勢の人たちが中に入ってくる
『いたぞ、女の子だ!』
『怪我がないか、確認しろ!』
一人の男が近づく
『こわがらなくていいよ、警察の者だ。
もう、大丈夫だからね』
もう大丈夫、って……
いったい、何が?
連れて行かれた先にいたのは
知らないおじさんとおばさん
『あぁ!ほんとに……ッッ本当に、良かった……ウゥッ』
涙を流し
私を抱きしめる腕
あなたたちは、誰?
光さんは、どこなの?
おばさんが涙を拭う
『貴女が赤ちゃんの時に誘拐されてから、
私たちはずっと探し続けていたのよ』
おじさんが潤んだ瞳で私を見つめる
『ようやく……ようやく、見つけた。
ごめんな、長い間……辛かっただろう……』
何を、言ってるの?
私は、ずっと幸せだった。
光さんと二人で生きてきて……
光さんに、愛されて。
とっても
とっても、幸せで
満たされていたのに
私を見つけた男が口を開く
『あの男は幼児性愛者で、彼女の前にも幼児を誘拐したことがありました。
出所後、今度は幼児ではなく乳児に目をつけたようです。
彼は、紫の上を自分好みに変えた光源氏に心頭しており、
自らを「光」と名乗り、そう呼ばせていたそうです』
ヨウジセイアイシャ……って、なに?
どういう、意味なの?
光さんには、もう会えないの?
『お願い!
光さんに会わせて!!
光さんに会いたいの!!
彼は、私の全てなの!!奪わないで!!』
狂ったように
泣き叫ぶ
『な、何を言ってるんだ……あの男は、犯罪者なんだぞ!?
お前を誘拐し、虐待した犯人なんだぞ!?』
虐待なんてされてない
光さんは……
私を深く
深く、愛してくれた
『ヒック……
お、ねが……ひ、かりさ……ウゥッ……会わ、せて』
躰を折り畳み泣き崩れる
手でお腹をそっと抑えた
この子の父親にどうか、会わせて……
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