<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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初めてを捧げた人 ー美姫過去編ー

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 翌日。
 鬱々とした気持ちで、足を引き摺るようにして学校へ向かっていた。

 秀一さんの見送りに行くこともできず、かといって、学校を休んで一日中部屋に閉じこもっている気にもなれない。

 秀一さん……

 私の気持ちを嘲笑うかのように空は澄み切って晴れ晴れとしており、絶好のフライト日和だった。見上げた空には、一筋の飛行機雲が流れている。 

 もう今頃秀一さんは、雲の上を飛んでいるのかな。

 瞳の奥が熱く焼け付いた。

 校門の前には、薫子が立っていた。私を見つけた途端、小走りで寄ってきた。

「美姫、おはよう! もう体調大丈夫なの? 昨日LINE送ったんだけど、返信ないから心配しちゃった」
「うん......ご、めんね」

 こんな時、既読機能があるLINEは面倒だと思った。普通読んですぐ返信する私が何も返事しなかったので、薫子は不審に思ったのだろう。

 いつもと違う雰囲気を感じたのか、薫子が私の顔を覗き込む。

「美姫......何か、あった?」

 話し、たい。でも……

「......ううん、何でも、ない。まだ体調が万全じゃないだけ、だから」
「そう?もし、気分が悪くなったら言ってね」

 薫子は優しく微笑むと、私の手を握った。

 いつもならその微笑みが嬉しくて私の心を温かくさせるのに……今日は、その笑顔が憎らしい。

 薫子に......私の気持ちなんて、分かるわけない。


 薫子の教室の前で彼女と別れ、少しの安堵と罪悪感を胸に2つ離れた自分の教室に向かう。開け放たれた教室の扉の中からは笑い声が溢れ、足を踏み入れた途端にたくさんの友達に囲まれて笑っている大和の姿が目に飛び込む。

「おは、よう......」

 少し照れたように挨拶する大和に、昨日の出来事が脳裏に蘇る。

 そうだ、私。昨日、大和に告白されたんだ。

 あまりにもいろんなことが起こりすぎて、自分の中で消化出来ずにいた。

「おはよう......」

 いつもなら笑って真っ直ぐに大和のところに向かうのに、そのまま窓際の自分の席についた。

 そんな私を見て、周りのみんなが怪訝な顔をする。

「なに、お前ら喧嘩でもしたの?」
「なに、なにぃー?」

 ざわつく周囲の声に、大和が焦った声を上げる。

「い、いやっ!別に、なんでもねーよ」

 けれど、私にはそんな周囲のざわめきなど聞こえず、机に座ったままどこを見るともなく窓の外へと視線を向けた。

 秀一さんは今、どうしてるんだろう……

 心が止まり、ただ時間だけが過ぎていった。

 お昼休みに薫子と悠の仲の良い姿を見たくないし、大和の顔を見るのも気まずい。

「今日、私......一人でお昼ご飯食べるね」

 大和に告げると、返事も聞かずに教室を出て行った。

 いつもの屋上には行けず、ウロウロと校内を歩き回る。ようやく校舎から離れた場所にあるローズガーデン近くのベンチが空いているのを見つけ、そこに腰を下ろした。

 食べる気にもなれず、ただぼぉーっと時間が流れていくのを見つめた。

「美姫」

 大和が、私の元へと走り寄ってきた。

「大和......」
「ごめん、一人になりたいのは分かってんだけど。どうしても気になってさ......」

 一人、に……
 一人になりたくないのに、でも誰かといると辛くて......距離を置きたいって思ってた。

「ううん。大和、座って」

 けれどなぜか、こうして隣に座る大和の存在を疎ましく思う気持ちはなく、むしろ有り難かった。

「......あのさ、ごめんな。あんなこと突然言われて、戸惑うの普通だよな。俺達、今までずっといい友達だったのに......
 悠と薫子が付き合いだして、俺......焦ったんだ。俺も美姫とあんな風に手を繋いだり、もっと二人の時間を過ごしたいって考えるようになってた」

 大和が私の瞳を正面から見つめる。

 大和……

 「でもさ、美姫がそれを望まないなら......これまで通り、友達でいよう。俺も、今までみたいに美姫に接するから気にしないで欲しい」

 どこまでも真っ直ぐで、眩しいほどに純粋な思い。

 この人の優しさに......甘えたい。縋りたい。傍に、いて欲しい......

「大和、私……大和のこと、今まで友達としてしか見たことなくて......」
「わ、かってる......」

 立ち上がろうとした大和の腕を取る。

 大和が驚いたように、視線を向けた。

「ううん、聞いて。大和の気持ち聞いて、嬉しかったの。私、大和のこともっと知りたい。友達として、じゃなくて。
 大和のこと、好きに......なりたい」

 それは偽りなんかじゃなく、本当に心から思った。

 大和のことを、好きになりたい。秀一さんのことが考えられなくなるくらい......

「………」

 大和は暫く何も言わず、ただ私の瞳をじっと見つめるだけだった。

 やっぱり......こんなの、自分勝手だよね。真剣に告白してきた相手に、これから好きになりたい、だなんて……

「......嬉しい」

 大和が、小さい声で噛みしめるように呟いた。

 と、「めっちゃくちゃ嬉しいっっっ!!!!!」大声で叫ぶと、ギューーーッと強い力で抱き締められた。

「や、大和ぉっ!!! く、くるしいっっ!!!」
「わ、わわっ!!! ご、ごめん......嬉しすぎて、つい」

 そして、今度は恐る恐る私に触れ、拒絶されないのを確認してから優しく抱き締めた。

「俺、美姫のこと大事にするから......俺のこと、好きになって欲しい」
「うん......」

 大和のこと……好きに、なりたい。
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