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それぞれの懺悔

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 風間くんの詳しい状況はまだわからないけれど、たとえ少しの情報であっても薫子に報告しておかないと......

 陽子は不安に押し潰されそうになりながらも、薫子への使命感によって持ちこたえていた。

 廊下を歩きながら、先程の情景が脳裏に蘇る。

 大和の動揺ぶりは、彼をよく知らない陽子にですら衝撃だった。そして、彼が美姫に縋り付く様子を見て、大和の美姫への恋心の火はまだ消えていないのだということを感じた。

 なぜふたりが別れることになったのか、その理由は分からない。

 けれど、抱き締め合い、慰め合うふたりを見ていたら、そこには真奈美の入る隙間などないように思えた。

 出口に立った際、美姫の傘を持って来てしまったことに気づいたが、戻ることなど出来ない。

 陽子は空色の傘を差すと、曇天の暗い雪景色の中へと歩き出した。
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