<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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愛憎の果て

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 美姫の心が強く秀一を求める。絶対者である秀一に、心が従おうとしてしまう。

 だが、美姫は強い意志でそれを押し留めた。

「私が、いては......ダメ、なんです。

 秀一さんは、私がいることで、私を愛するあまり、周りが見えなくなってしまう。狂気へと駆り立てられてしまう。

 苦しいんです。

 もう、誰も傷つけたくない......
 誰にも、不幸になって欲しくない......」

 秀一の瞳に、憎しみの炎が燃え上がる。

 ログハウスを去る前、美姫は私の愛を苦しいと告げました。私たちの愛に未来はない、と。
 それでも貴女は、私と生きる道を選んだというのに......

 ---美姫が心変わりをしてしまった原因は、あの男に違いありません。

「羽鳥大和に何か吹き込まれたのですね?
 私よりも、あの男を信じるというのですか?」

 美姫の両腕を掴む秀一の手に更に力が籠り、ギリギリと骨を締め付ける。

 美姫は慌てて弁明した。

「ち、違います! 大和には、何も言われていません。
 私は大和に全てを話した後、私から彼にお願いしました。『私と婚約し、来栖財閥の後継者として会社を救って欲しい』、と。
 彼は全て受け止めてくれ、記者会見の手筈まで整えてくれました」

 秀一の誤解を解こうと、美姫は必死に大和は何も悪くないのだと主張した。だが、美姫の弁明は、逆に秀一の怒りの炎に更に油を注ぐことになった。

 秀一が美姫の両肩に手を置き、彼女に迫る。

「貴女が愛しているのは、羽鳥大和ではありません。私なのですよ。

 忘れられるはずなど、ないでしょう。私たちは躰も精神も見えない鎖で縛られているのです。離れられるはずなど、ありません

 絶対に......離さない」

 美姫は、ギリギリと締め付けられる肩の痛みに顔を引き攣らせた。秀一のライトグレーの瞳は、あのピアノルームで見せた狂気の色と共に悲痛な哀しみの色も含んでいた。

 美姫は涙を堪えながら、必死に訴えた。

「秀一さん...の、言う通り......私は、秀一さん以外の人を愛せません。秀一さんと離れても......きっと、ずっと、貴方の鎖に縛られたまま......愛し続けるでしょう。

 でも大和は、そんな私を受け入れてくれました。秀一さんをずっと忘れられず、愛し続けるであろう私を、まるごと受け入れてくれたんです。

 私は、来栖財閥の為だけじゃない。彼、だから......大和、だから......私は彼に、プロポーズしたんです」

「は、とり......大和になど、渡しません。
 貴女は、私のものです。私、だけのもの......」

 秀一の手が美姫の肩から離れ、その華奢な躰をきつく抱き締めた。誰にも渡すまいとする秀一の想いがヒシヒシと伝わってきて、美姫の全身が熱くなり、耐えていた涙が堰を切って溢れ出した。

「ッグ愛し合って、いても......ウグッ...どう、にも......ならない......ウッ、ウッ。わだ......ッフゥ...たち、は......ウゥッ...結、ばれる...事のない、運命.....なんで、ヒクッ......す」

 美姫は溢れる涙を袖で拭い、秀一に顔を上げると嗚咽を飲み込んだ。

「ッッど、うか......ウィーンで、世界に誇る、ピアニストとして活躍してください。
 ……ッどこで生きていても、私の心は貴方のもの。貴方だけのもの......ック

 躰は寄り添うことが出来なくても、魂は常に貴方を求めています」

 やっぱり私は......叔父と姪に生まれてよかっただなんて、思えない。

 こうして別れなければいけないことが、辛くて堪らない。
 どうして結ばれてはいけないのだろうと、思わずにはいられない。


 それでも、こうするしかないんだ。

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