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変わらぬ思い
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大和は背負っていたバッグパックを下ろし、ファスナーを開けた。
「これ、日本からの土産」
お茶漬けやチャーハンの素、インスタントラーメンやお茶の煮出しパック等がどんどん出てくる。
「う、わぁー! マジ嬉しい!! ありがとな」
「プライベートジェットじゃなかったら、荷物になるから絶対に持ってこなかったけどな」
「んだよ、嫌味なやつだな」
「てか、遼。いつ結婚祝い送ってくるんだよ?」
「あ? じゃ、このボールペンやる」
「いらねーよ! めちゃめちゃ適当だな」
「え、大学の名前入りだぞ」
なんか......デジャブが......
美姫はそんなふたりを見ながら、いそいそと部屋を片付けた。
「なんかわりいな。部屋まで綺麗にしてもらって」
満面の笑みを見せる遼に、美姫もつられて笑った。
「こちらこそ、勝手に片付けてごめんね。なんか、落ち着かなくて」
「いや、絶対これ遼の作戦だろ」
大和は遼を軽く睨んだ。
「まぁまぁ、部屋も綺麗になったとこで、どっか飯食いに行こーぜ。
俺、貧乏学生だから当然お前らの奢りな」
美姫は両手を軽く上げた。
「あ、じゃあ二人で行ってきたら?
私、お腹空いてないし、男同士で色々話したいこととかあるだろうし」
せっかくの親友との再会なんだから、邪魔しちゃ悪いよね......
遼が、美姫の肩に腕をのせた。
「なーに言ってんだ、お前も行くに決まってんだろ!
......あぁっ!!!」
遼が突然仰け反った。
「ご、ごめ......おま、ダメだったよな、こういうの......」
美姫は、笑みを見せた。
「大丈夫だよ。もうね、かなり克服できたの。今は男の人に触れられても、理性を保てるようになったから。
大和の、お陰だよ」
「っていうよりも、白川さんのお陰だろ。俺は何もしてないよ」
そういうけど......優子さんのところに連れて行ってくれたのは大和だし、大和がいなければ私は会いに行く勇気すらもてなかった。
本当に、大和のお陰......
その夜は、大和と遼と美姫と3人で飲み明かした。飲み明かしたとは言っても、飲んだのは遼だけで、翌日に帰国までのロングフライトを控えている大和と美姫は付き合い程度に飲んだだけだった。けれど、まるでお酒が入っているかのように楽しく、くだらないことで笑い合った。
遼が、突然思い出したように声をあげた。
「そうだ、結婚式見たぞ」
「えっ、どうやって!?」
大和が驚いて仰け反る。
「海外のTV番組が見られるケーブルボックスってのがあってさ、ネット環境があれば、ここからリアルタイムの日本のTV番組が見られんだ。
てか、すげぇな、結婚式中継とか。芸能人並みだな!」
美姫を抱き締めて泣いている姿も見られたのかと思うと、大和は気まずい思いで項垂れた。
「......悠と、薫子も、来てたな......」
少し寂しげな表情を見せた遼に、美姫は小さく頷いた。
「子供産んだばっかりだったし、無理なんじゃないかって思ったけど、どうしてもお祝いしたいからって、来てくれたの......」
「子供、無事に産まれたんだな。よかった」
そういって笑う遼の笑顔に、いつもの元気はない。
「......まだ、薫子のこと......好きなの?」
思わずそんな問いかけをしてしまった美姫に、遼は眉を寄せた後、明るく笑った。
「ガキの頃からだからな。
そんな簡単に気持ちは変えられねぇよ」
---そんな簡単に気持ちは変えられない。
遼の言葉が、美姫の胸に突き刺さった。
「ジュリアは遼のこと、彼氏って言ってたよな」
大和が面白そうに笑った。
「はぁ? んなの、ジョークに決まってんだろ!
ジュリアのこと同じ研究生としては尊敬してるし、いいダチだけど、あいつに女を感じねー」
「いい雰囲気に見えたけどね、フフッ」
「おい、美姫までかよ。勘弁してくれー」
ジュリアさんとのことはどうなるか分からないけど、遼ちゃんがいつか大切だと思える人に出会えるといいな。
薫子のことをずっと思っていたって、苦しいだけだから......
美姫は、大和とふざけ合う遼をまるで遠くにいるかのように見つめた。
「これ、日本からの土産」
お茶漬けやチャーハンの素、インスタントラーメンやお茶の煮出しパック等がどんどん出てくる。
「う、わぁー! マジ嬉しい!! ありがとな」
「プライベートジェットじゃなかったら、荷物になるから絶対に持ってこなかったけどな」
「んだよ、嫌味なやつだな」
「てか、遼。いつ結婚祝い送ってくるんだよ?」
「あ? じゃ、このボールペンやる」
「いらねーよ! めちゃめちゃ適当だな」
「え、大学の名前入りだぞ」
なんか......デジャブが......
美姫はそんなふたりを見ながら、いそいそと部屋を片付けた。
「なんかわりいな。部屋まで綺麗にしてもらって」
満面の笑みを見せる遼に、美姫もつられて笑った。
「こちらこそ、勝手に片付けてごめんね。なんか、落ち着かなくて」
「いや、絶対これ遼の作戦だろ」
大和は遼を軽く睨んだ。
「まぁまぁ、部屋も綺麗になったとこで、どっか飯食いに行こーぜ。
俺、貧乏学生だから当然お前らの奢りな」
美姫は両手を軽く上げた。
「あ、じゃあ二人で行ってきたら?
私、お腹空いてないし、男同士で色々話したいこととかあるだろうし」
せっかくの親友との再会なんだから、邪魔しちゃ悪いよね......
遼が、美姫の肩に腕をのせた。
「なーに言ってんだ、お前も行くに決まってんだろ!
......あぁっ!!!」
遼が突然仰け反った。
「ご、ごめ......おま、ダメだったよな、こういうの......」
美姫は、笑みを見せた。
「大丈夫だよ。もうね、かなり克服できたの。今は男の人に触れられても、理性を保てるようになったから。
大和の、お陰だよ」
「っていうよりも、白川さんのお陰だろ。俺は何もしてないよ」
そういうけど......優子さんのところに連れて行ってくれたのは大和だし、大和がいなければ私は会いに行く勇気すらもてなかった。
本当に、大和のお陰......
その夜は、大和と遼と美姫と3人で飲み明かした。飲み明かしたとは言っても、飲んだのは遼だけで、翌日に帰国までのロングフライトを控えている大和と美姫は付き合い程度に飲んだだけだった。けれど、まるでお酒が入っているかのように楽しく、くだらないことで笑い合った。
遼が、突然思い出したように声をあげた。
「そうだ、結婚式見たぞ」
「えっ、どうやって!?」
大和が驚いて仰け反る。
「海外のTV番組が見られるケーブルボックスってのがあってさ、ネット環境があれば、ここからリアルタイムの日本のTV番組が見られんだ。
てか、すげぇな、結婚式中継とか。芸能人並みだな!」
美姫を抱き締めて泣いている姿も見られたのかと思うと、大和は気まずい思いで項垂れた。
「......悠と、薫子も、来てたな......」
少し寂しげな表情を見せた遼に、美姫は小さく頷いた。
「子供産んだばっかりだったし、無理なんじゃないかって思ったけど、どうしてもお祝いしたいからって、来てくれたの......」
「子供、無事に産まれたんだな。よかった」
そういって笑う遼の笑顔に、いつもの元気はない。
「......まだ、薫子のこと......好きなの?」
思わずそんな問いかけをしてしまった美姫に、遼は眉を寄せた後、明るく笑った。
「ガキの頃からだからな。
そんな簡単に気持ちは変えられねぇよ」
---そんな簡単に気持ちは変えられない。
遼の言葉が、美姫の胸に突き刺さった。
「ジュリアは遼のこと、彼氏って言ってたよな」
大和が面白そうに笑った。
「はぁ? んなの、ジョークに決まってんだろ!
ジュリアのこと同じ研究生としては尊敬してるし、いいダチだけど、あいつに女を感じねー」
「いい雰囲気に見えたけどね、フフッ」
「おい、美姫までかよ。勘弁してくれー」
ジュリアさんとのことはどうなるか分からないけど、遼ちゃんがいつか大切だと思える人に出会えるといいな。
薫子のことをずっと思っていたって、苦しいだけだから......
美姫は、大和とふざけ合う遼をまるで遠くにいるかのように見つめた。
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