<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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 自宅に戻ると、大和は無言で部屋へと向かおうとする美姫の腕を取った。

「おい美姫、どうしたんだよ!」
「触らないで!!」

 思い切り手を振り払い、悲鳴にも似た声を美姫が上げる。あまりの剣幕に驚いた大和の躰がビクッと震え、美姫を見つめた。

「ほん、とに......どうしたんだよ......」

 わけが分からないといった態度を見せる大和に、美姫の苛立ちが募る。

「『どうしたの?』って言いたいのは、こっちだよ!!
 どれだけ私が惨めな思いをしてるか......大和には分からないの!?」

 ヒステリックに叫ぶ美姫を宥めるように、大和は声のトーンを落とした。

「分かった。話を聞くから......とにかく、座って話そう」

 大和と美姫は向かい合わせに座った。間のテーブルが、軍事境界線のように二人を大きく隔てる。

「授賞式が終わってから、ずっと美姫黙ったまんまで一言も話してくれないよな」

 いつもなら「ごめんね」と笑顔で取り繕える美姫だが、今日はそんな気力もなかった。

「何言ってるの。
 最近私たちに、夫婦らしい会話すらないじゃない......」

 駄目だと思っていても、刺々しい言葉しか出て来ない。

「夫婦らしい会話させてくれないのは、どっちだよ! 最近仕事が忙しいからって残業ばっかで、休日も出勤して、クリスマスすら一緒に過ごしてないんだぞ。顔すら合わせてくれないやつに、どうやって会話しろって言うんだ!!」

 イライラした調子で声が大きくなった大和に、美姫はビクッと肩を震わせた。

 大和はハッとした後、右手を顔に当て、ハァーッと大きく息を吐き出した。

「ご、め......心配、してんだ。
 なぁ、お前最近すげぇ痩せたよな。ちゃんと食ってんのか? 顔色も悪いし......
 一回、病院で診てもらった方がいいんじゃねーか?それにカウンセリングだって、白川さんが紹介してくれた人に未だに連絡してないだろ」

 今までならそんな大和の優しさが嬉しかったし、有難かったはずなのに、それが煩わしく思えて仕方ない。上辺だけの優しさにしか感じられなかった。

「ほっといてよ! 大和には関係ないでしょ!!」

 言ってから、しまった......と思うものの、もう取り返しがつかない。

 大和は眉を顰めた。

「なにヒステリックになってんだ。
 なぁ、ちゃんと薬飲んでんのか? やっぱりカウンセリング受けた方がいいって。俺からその人に連絡して、ついてってやるから」
「必要ないって言ってるでしょ!!」
「美姫......」

 大和は、どうしていいのか分からないというように眉を下げ、溜息を吐いた。

「最近のおまえ、ほんと変だぞ」

 美姫の頭にカーッと血が上り、今まで押し込めに押し込めてきた感情が一気に爆発した。


「変なのは大和の方でしょ? どうして浮気なんてしたの?
 知ってるんだよ、赤坂の芸妓の千代菊って人と会って、ラブホテルに行ったって!

 どう、して......私とはセックスしないのに、その人とはラブホテルに行くの? セックスするの?

 もう、大和のこと......ッグ信じ、られ......ウッ、ウッない......ヒクッウッウッ」


 言いたいことはもっともっとあるのに、限界を超えてしまった感情が堰を切って流れ出し、涙と共に溢れると嗚咽にしかならなかった。
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