<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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After Story3 ー怖いぐらいに幸せな……溺愛蜜月旅行❤️ー

DAY1ー1

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 秀一の手に取られてリムジンから降りた美姫は、目の前に立ちはだかる大きな壁に息を呑んだ。



 す、凄い……!!



 世界中の名だたるホテルに宿泊した経験のある彼女だが、クルーズ船に乗るのは初めてだった。

 ロワイヤル・カリビアンの誇る「シンフォニー・オブ・ザ・シーズン」は、世界最大の豪華客船であり、総トン数22万8081トン、客室は6680人と、まさに『動くホテル』だ。

 それだけではない。22のレストランにバーやブランド店、プール、ウォータースライダー、ワイヤースライダー、ロッククライミングウォール、スパ、メリーゴーラウンド、ゲームセンター、更には劇場やアイススケートリンクまであるのだから、『動くエンターテイメントセンター』と言った方がいいのかもしれない。

 そのあまりの迫力に圧倒されていると、隣でクスッと笑い声が聞こえてきた。

「ポーターが運転手から荷物を全て引き取ったようですし、そろそろ行きましょうか?」
「は、はいっ!!」

 これから秀一さんと、このクルーズ船に乗って新婚旅行だなんて……夢みたい。

 美姫の頬が緩み、旅が始まる前からすでに幸福で心が満ち、浮き立っていた。

「さ、美姫」

 秀一にすっと手を差し出され、美姫はほんの僅かの間をおいてその手を取って握った。

 叔父と姪という禁忌の恋愛関係、しかも秀一は世界的に有名なピアニストであるため、恋人であってもふたりが公共の場で堂々と手を繋ぐことは今まで出来なかった。

 それが今では、戸籍上ではまだだが事実婚としての夫婦として生活し、なんの躊躇いもなく手を繋いだり、腕を組んだりすることが出来ている。

 いや、何の躊躇いもないというのは語弊がある。ここに至るまでの間、二人が一緒になるために多くの人を傷つけ、人生を変えてしまった。その罪の意識は、一生消えることがない。

 けれど、その十字架を背負ってまで秀一と共に生きていくことを決意し、誓ったのだ。繋いだ手の温もりが、どれだけ価値のあるものか……それを美姫は自覚し、重く感じている。

 既にタンパ港にはクルーズ船に乗船するために集まった客たちが大勢いた。
あちこちから聞こえてくるアメリカ英語に、少し懐かしさを覚える。

 美姫たちがオーストリア近郊からの乗船ではなく、アメリカからの乗船にしたのには理由があった。

 ヨーロッパ発着のクルーズツアーにしてしまうと、ヨーロッパで顔の知られている秀一はどうしても目立ってしまう。そこで、ヨーロッパよりは知名度が低く、たくさんクルーズツアーがあり、美姫の希望するカリブ海に近いアメリカをクルーズ発着地にしたのだった。

 また、秀一がニューヨークのカーネギーホールでのピアノリサイタルが入っていたことももうひとつの理由であった。

 ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港からタンパ空港までは3時間ほどのフライトとなる。日本の感覚でいえば遠いと感じるかもしれないが、オーストリアから飛ぶよりは断然近い。

 そこで、ニューヨークで5日間ほど滞在した後にクルーズ旅行をすることにした。

 秀一自身がアメリカでの知名度は低いと話していたために美姫は彼の言葉に従ったのだが、実際チケットは販売後30分で完売し、リサイタルには多くの著名人や批評家、マスコミたちがこぞって訪れ、ニューヨークだけでなく全米の新聞や雑誌、ニュースを賑わすこととなった。
 
 列に沿って歩きながら、周りの視線を感じる。少し離れたところで、子供が秀一を指差して何か言っているのが視界に入った。

 美姫は思わず秀一の手を離しそうになったが、強く握り返された。見上げると、薄い色のついたサングラス越しに魅惑的なグレーの瞳が美姫をしっかりと捉える。

「美姫、手を離さないでください。何かあれば私がいますから、大丈夫です」
「えぇ」

 頼もしい言葉に、美姫もまた強くその手を握り返した。
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