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僕の優しい貴公子
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心地よい眠りから覚めると、隣の温もりが消えている。
あれ、直は……
天蓋から垂れる赤いレースをぼんやりと眺め、それからゆっくりと温もりの残り香を抱き締めるようにして横になると、上から柔らかい声が降ってきた。
「Oh, you finally woke up(おや、やっと起きたんだね)」
「Loyal……」
優雅な笑みを浮かべ、ロイヤルが見下ろしている。彼が纏っている雰囲気は、気品を備えた貴公子のようだ。
でも、今はどこか落ち着きがないのは、彼が手にしている洋服のせいだろう。
『ユーキ、君の為に新しい服を取り寄せたんだ。着てみてくれるかな?』
ロイヤルは手にしていた洋服をベッドの上へ、次々と並べていった。
レースのたっぷりついた、真っ白のフリルのブラウス。胸元には大きなリボンがついていて、真ん中にはエドワーディアン(英国エドワード7世の時代の文化)を意識してデザインされたブローチが留められている。
紺と黒のレースでゴテゴテに飾られた、ゴスロリを思わせるダブルのジャケット。右肩にはシフォンで作られた黒薔薇が飾られ、そこから左下のボタンへシルバーチェーンが斜めに掛けられている。ショートパンツはジャケットと揃いのデザインだ。
黒の長靴下には、黒革の靴下留めまでご丁寧に添えられている。靴は厚底ヒールの編み上げショートブーツ。
『19世紀後半の英国貴族の子女をイメージしてデザインされた、王子系ロリータファッションだよ。1ヶ月前に注文してたのが、さっきようやく届いたんだ』
ロイヤルは僕に着せ替えするのが好きで、いつも何かしら取り寄せては嬉しそうに持ってくる。
『ユーキはなんでも似合うから、見ていて飽きないんだ』
愛おしげな瞳で言われてしまうと、こちらとしても断りにくい。
愛する人の頼みなら、聞いてあげたくなるものでしょ?
僕はフリルのブラウスを手に取ると、少しはにかんでみせた。
『コスプレみたいで、なんか恥ずかしいかも……』
そうやって恥じらいを見せる僕を見るのが、ロイヤルは好きなんだ。僕の本心を彼だって分かってるけど、だってもう遊戯は始まってるんだもの。
ロイヤルがふわりと僕の肩を抱き、耳朶に口付けた。唇が耳朶に触れるまでの速さ、吐息のかかり方、唇を押し付ける強さ、そして余韻を残して離れていくタイミングまで、まるで計算されているかのように、僕の官能を擽る。
『大丈夫。絶対に似合うから……
ねぇ、見せて?』
着ても、またすぐに脱ぐことになるんだろうけど、衣服を纏ってから脱がせていくのも大事な戯れのプロセスだからね。
僕はロイヤルの瞳を見つめたまま、ブラウスに飾られている冷たいブローチに口づけた。
「Alright……As you wish(分かったよ、仰せのままに)」
シルクのシャツのボタンに触れると、上からロイヤルの手が重ねられた。
『僕に任せて?』
あれ、直は……
天蓋から垂れる赤いレースをぼんやりと眺め、それからゆっくりと温もりの残り香を抱き締めるようにして横になると、上から柔らかい声が降ってきた。
「Oh, you finally woke up(おや、やっと起きたんだね)」
「Loyal……」
優雅な笑みを浮かべ、ロイヤルが見下ろしている。彼が纏っている雰囲気は、気品を備えた貴公子のようだ。
でも、今はどこか落ち着きがないのは、彼が手にしている洋服のせいだろう。
『ユーキ、君の為に新しい服を取り寄せたんだ。着てみてくれるかな?』
ロイヤルは手にしていた洋服をベッドの上へ、次々と並べていった。
レースのたっぷりついた、真っ白のフリルのブラウス。胸元には大きなリボンがついていて、真ん中にはエドワーディアン(英国エドワード7世の時代の文化)を意識してデザインされたブローチが留められている。
紺と黒のレースでゴテゴテに飾られた、ゴスロリを思わせるダブルのジャケット。右肩にはシフォンで作られた黒薔薇が飾られ、そこから左下のボタンへシルバーチェーンが斜めに掛けられている。ショートパンツはジャケットと揃いのデザインだ。
黒の長靴下には、黒革の靴下留めまでご丁寧に添えられている。靴は厚底ヒールの編み上げショートブーツ。
『19世紀後半の英国貴族の子女をイメージしてデザインされた、王子系ロリータファッションだよ。1ヶ月前に注文してたのが、さっきようやく届いたんだ』
ロイヤルは僕に着せ替えするのが好きで、いつも何かしら取り寄せては嬉しそうに持ってくる。
『ユーキはなんでも似合うから、見ていて飽きないんだ』
愛おしげな瞳で言われてしまうと、こちらとしても断りにくい。
愛する人の頼みなら、聞いてあげたくなるものでしょ?
僕はフリルのブラウスを手に取ると、少しはにかんでみせた。
『コスプレみたいで、なんか恥ずかしいかも……』
そうやって恥じらいを見せる僕を見るのが、ロイヤルは好きなんだ。僕の本心を彼だって分かってるけど、だってもう遊戯は始まってるんだもの。
ロイヤルがふわりと僕の肩を抱き、耳朶に口付けた。唇が耳朶に触れるまでの速さ、吐息のかかり方、唇を押し付ける強さ、そして余韻を残して離れていくタイミングまで、まるで計算されているかのように、僕の官能を擽る。
『大丈夫。絶対に似合うから……
ねぇ、見せて?』
着ても、またすぐに脱ぐことになるんだろうけど、衣服を纏ってから脱がせていくのも大事な戯れのプロセスだからね。
僕はロイヤルの瞳を見つめたまま、ブラウスに飾られている冷たいブローチに口づけた。
「Alright……As you wish(分かったよ、仰せのままに)」
シルクのシャツのボタンに触れると、上からロイヤルの手が重ねられた。
『僕に任せて?』
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