【BLーR18】5人との、甘美で危険な戯れ

奏音 美都

文字の大きさ
4 / 108
僕の優しい貴公子

しおりを挟む
 心地よい眠りから覚めると、隣の温もりが消えている。

 あれ、直は……

 天蓋から垂れる赤いレースをぼんやりと眺め、それからゆっくりと温もりの残り香を抱き締めるようにして横になると、上から柔らかい声が降ってきた。

「Oh, you finally woke up(おや、やっと起きたんだね)」
「Loyal……」

 優雅な笑みを浮かべ、ロイヤルが見下ろしている。彼が纏っている雰囲気は、気品を備えた貴公子のようだ。

 でも、今はどこか落ち着きがないのは、彼が手にしている洋服のせいだろう。

『ユーキ、君の為に新しい服を取り寄せたんだ。着てみてくれるかな?』

 ロイヤルは手にしていた洋服をベッドの上へ、次々と並べていった。

 レースのたっぷりついた、真っ白のフリルのブラウス。胸元には大きなリボンがついていて、真ん中にはエドワーディアン(英国エドワード7世の時代の文化)を意識してデザインされたブローチが留められている。

 紺と黒のレースでゴテゴテに飾られた、ゴスロリを思わせるダブルのジャケット。右肩にはシフォンで作られた黒薔薇が飾られ、そこから左下のボタンへシルバーチェーンが斜めに掛けられている。ショートパンツはジャケットと揃いのデザインだ。

 黒の長靴下には、黒革の靴下留めまでご丁寧に添えられている。靴は厚底ヒールの編み上げショートブーツ。

『19世紀後半の英国貴族の子女をイメージしてデザインされた、王子系ロリータファッションだよ。1ヶ月前に注文してたのが、さっきようやく届いたんだ』

 ロイヤルは僕に着せ替えするのが好きで、いつも何かしら取り寄せては嬉しそうに持ってくる。

『ユーキはなんでも似合うから、見ていて飽きないんだ』

 愛おしげな瞳で言われてしまうと、こちらとしても断りにくい。

 愛する人の頼みなら、聞いてあげたくなるものでしょ?

 僕はフリルのブラウスを手に取ると、少しはにかんでみせた。

『コスプレみたいで、なんか恥ずかしいかも……』

 そうやって恥じらいを見せる僕を見るのが、ロイヤルは好きなんだ。僕の本心を彼だって分かってるけど、だってもう遊戯プレイは始まってるんだもの。

 ロイヤルがふわりと僕の肩を抱き、耳朶みみたぶに口付けた。唇が耳朶に触れるまでの速さ、吐息のかかり方、唇を押し付ける強さ、そして余韻を残して離れていくタイミングまで、まるで計算されているかのように、僕の官能を擽る。

『大丈夫。絶対に似合うから……
 ねぇ、見せて?』

 着ても、またすぐに脱ぐことになるんだろうけど、衣服を纏ってから脱がせていくのも大事な戯れのプロセスだからね。

 僕はロイヤルの瞳を見つめたまま、ブラウスに飾られている冷たいブローチに口づけた。

「Alright……As you wish(分かったよ、仰せのままに)」

 シルクのシャツのボタンに触れると、上からロイヤルの手が重ねられた。

『僕に任せて?』
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。

かとらり。
BL
 セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。  オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。  それは……重度の被虐趣味だ。  虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。  だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?  そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。  ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。

山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。 お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。 サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。

「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された

あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると… 「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」 気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 初めましてです。お手柔らかにお願いします。

処理中です...