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秘めた想い

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 その日僕は、直貴よりも遅く寝ることにした。

 机に向かって勉強する僕に、直貴が声をかける。

「夕貴、まだ寝ないのか?」
「うん。ちょっと分からないところがあって、これを解き終えたら寝るつもり」
「夕貴に解けない問題があるなんて、意外だな。学年では常にトップなのに」
「フフッ、僕だって完璧な人間じゃないよ? ねぇ直貴、僕のことは気にせず寝てて」

 そう言っても、直貴はしばらく落ち着かなさそうに部屋を歩き回っていた。掃除してみたり、机の上を片付けたり……

「あのさぁ、気が散るんだけど?」
「ご、ごめん!もう寝るから……」

 直貴は僕と反対側の壁にあるベッドに寝ると、布団を被った。

「おやすみ」
「おやすみ、直貴」

 直貴が寝てないことは、なんとなく気配で感じた。毎日のように僕が寝てる時に触れてるから、それをするまでは落ち着かなくて眠れないんだろう。

 本当に直貴が寝落ちしてしまわないうちにベッドの明かりを消し、服を脱いだ。緊張と興奮で、もうあそこが硬くなってきていた。

 裸のままベッドに入ると、彼が唾を飲み込むのが分かった。

 それから布団をガバッと捲り、露わになっている下半身の中心を手で握った。

「ンッ……フ……ぁ、気持ちいぃ……」

 先端から溢れ出す蜜を親指でクリクリと刺激し、それをたっぷり手につけ、上下に扱く。クチュクチュと厭らしい音が、やけに大きく響いた。

 そんな音を直貴に聞かせているのかと思うと、僕の興奮がますます高まっていく。

「ぁ、な、おきぃぃっ!!アン……ハァッ、ハァッ」

 自分の名前を呼ばれた途端、直貴の布団から衣擦れの音が僅かにした。

 そう、直貴を思ってシテルんだよ? ねぇ、興奮するでしょ?

 ますます蜜が溢れ、僕は夢中で手を上下に激しく扱いた。

「アッ、アッ、アッ……直貴ぃ……ンフ……ぁぁああ、も……で、出るっっ……」

 勢い良く先端から白濁が飛び散った。荒く息を吐き出し、快感の余韻に浸る。

 直貴。僕をもっと、欲しがってよ……

 その夜から、僕たちの立場は逆転した。直貴は僕より早く眠りにつくようになり、僕は直貴に毎晩淫らな声を聞かせてあげた。

 だからと言って、昼間の僕たちの関係に変化はない。直貴は、僕を好きだという素振りを微塵も見せようとはしなかった。

 変わったのは、勝太との関係だ。勝太は、僕に対してのスキンシップが少しずつ多くなっていった。顔が寄せられたり、後ろから抱きつかれたり、手を握られたり……僕には勝太を受け入れる準備はバッチリだったけど、素直じゃない勝太は僕が誘うと真っ赤になって否定した。

「お、俺がお前を好きなわけねーだろ! 何言ってんだ、バカが」

 素直になればいいのに。勝太も、直貴も……
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