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新世界の創生
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僕は創一様の掌に頬を沿わせた。初めて会った時の衝動を叶えるように。
「すべ、てを……?」
「そうです、夕貴の全て。貴方の躰も心も魂も、何もかも……私に預け、身を委ねるのです。
そうすれば、私は貴方の奥底に眠っている欲望を引き摺り出して差し上げますよ」
それは、身震いするほどの魅惑的な誘惑だった。
僕は欲情に潤んだ瞳で創一様を見上げた。
「創一様は、僕を求めてくれているの? セックスの対象として、欲してくれてる?」
「クスクス……随分ストレートな物言いですね。もちろん、貴方の躰が欲しいというのは、そういう意味で言っているのですよ」
僕の躰が急激に熱を与えられ、熱くなる。
僕は、創一様の指先を唇で触れた。
「全てを委ねてしまったら、どうなるの? 欲望を引き摺り出されてしまったら、僕はどうなってしまうの?」
創一様は口角を上げ、指で僕の唇を押し開き、咥えさせた。
「ッフ……ぁ……ンフ……」
夢中で創一様の指に舌を絡ませ、口を上下させて彼の男塊を愛撫するかのように卑猥に扱く。もう既に硬くなった僕のモノが、痛いほどに疼きを感じてジンジンする。
「新たな快楽の扉が、開かれるのですよ……欲しいでしょう?」
「ンッ……ほ、しぃ……ッグ……創一、様……くだ、さい……ハァッ」
帝王を崇めるように、懇願した。
創一様の言った通り、彼は新たな快楽の扉を開いてくれた。それまでローション以外の道具を使ったことなかった僕に、彼は次々と玩具を与えてくれた。僕は子供が新しいおもちゃに夢中になるように、その玩具の虜になり、夢中になった。
それだけではなく、創一様は僕の全てを支配する。
彼の赦しがなければイかせてもらえない。彼の望む言葉を言わなければならない。彼に自分の思いの丈を全て晒さなければならない。
そう、全て……
身も心も委ねることが、こんなに苦しくて、辛くて……極上の快楽を齎すのかなんて、知らなかった。
だからと言って、創一様だけに心酔していたわけではない。
癒しを与えてくれる、直との時間も。
軽口叩きあってじゃれる、勝太との時間も。
濃厚な愛の囁きで溺愛してくれる、ロイヤルとの時間も。
母親のように世話し、無償の愛を与えてくれる、ダリアとの時間も。
それぞれ必要だったし、大切にしてた。
創一様はそれを理解し、新世界に均衡を齎し、平和を与えてくれた。
勝太やロイヤルは独占欲を胸の奥に抑え、表向きには争うことはなくなった。僕は、ひとりひとりとじっくり向き合い、愛しい時間を過ごせるようになった。
欲しいものは、全て与えられる。
ここに、全てある。
ーー僕たちの世界は、完璧だった。
「すべ、てを……?」
「そうです、夕貴の全て。貴方の躰も心も魂も、何もかも……私に預け、身を委ねるのです。
そうすれば、私は貴方の奥底に眠っている欲望を引き摺り出して差し上げますよ」
それは、身震いするほどの魅惑的な誘惑だった。
僕は欲情に潤んだ瞳で創一様を見上げた。
「創一様は、僕を求めてくれているの? セックスの対象として、欲してくれてる?」
「クスクス……随分ストレートな物言いですね。もちろん、貴方の躰が欲しいというのは、そういう意味で言っているのですよ」
僕の躰が急激に熱を与えられ、熱くなる。
僕は、創一様の指先を唇で触れた。
「全てを委ねてしまったら、どうなるの? 欲望を引き摺り出されてしまったら、僕はどうなってしまうの?」
創一様は口角を上げ、指で僕の唇を押し開き、咥えさせた。
「ッフ……ぁ……ンフ……」
夢中で創一様の指に舌を絡ませ、口を上下させて彼の男塊を愛撫するかのように卑猥に扱く。もう既に硬くなった僕のモノが、痛いほどに疼きを感じてジンジンする。
「新たな快楽の扉が、開かれるのですよ……欲しいでしょう?」
「ンッ……ほ、しぃ……ッグ……創一、様……くだ、さい……ハァッ」
帝王を崇めるように、懇願した。
創一様の言った通り、彼は新たな快楽の扉を開いてくれた。それまでローション以外の道具を使ったことなかった僕に、彼は次々と玩具を与えてくれた。僕は子供が新しいおもちゃに夢中になるように、その玩具の虜になり、夢中になった。
それだけではなく、創一様は僕の全てを支配する。
彼の赦しがなければイかせてもらえない。彼の望む言葉を言わなければならない。彼に自分の思いの丈を全て晒さなければならない。
そう、全て……
身も心も委ねることが、こんなに苦しくて、辛くて……極上の快楽を齎すのかなんて、知らなかった。
だからと言って、創一様だけに心酔していたわけではない。
癒しを与えてくれる、直との時間も。
軽口叩きあってじゃれる、勝太との時間も。
濃厚な愛の囁きで溺愛してくれる、ロイヤルとの時間も。
母親のように世話し、無償の愛を与えてくれる、ダリアとの時間も。
それぞれ必要だったし、大切にしてた。
創一様はそれを理解し、新世界に均衡を齎し、平和を与えてくれた。
勝太やロイヤルは独占欲を胸の奥に抑え、表向きには争うことはなくなった。僕は、ひとりひとりとじっくり向き合い、愛しい時間を過ごせるようになった。
欲しいものは、全て与えられる。
ここに、全てある。
ーー僕たちの世界は、完璧だった。
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