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5.シーラの謀
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ベルローズ王子は最初に宣言していた通り、蜜の月でも文武の鍛錬を怠らず、寝る時と食事の時以外は部屋に帰ってこなかった。
そのためアンリーゼは昼間は自室で一人の時間を読書をして潰していた。だが、あと数日で密の月を終えるというのに、王子と大した信頼関係も築けず、城のこともいまだにさっぱりわからない。果たしてこんなのんびりしていてもいいのだろうかと思い直し、今日は書棚に伸ばしかけた手を戻して、本を取るのをやめた。
扉を開けて廊下に出れば、柱の陰に隠れてこちらをチラチラと覗いていたソアン王太子に気づく。アンリーゼがソアン王太子に声を掛けようと近づくと、慌てて廊下を走って逃げてしまった。
アンリーゼはそんなソアン王太子を追いかければ、すぐに迷子になってしまう。
「え……確かこっちだったわよね……?」
城の廊下は特徴なく同じような景色が続き、思っていた以上に城の規模が大きく、もはや自分の部屋にすら戻れなくなっていた。この城が建ったのは三百年以上前で、当初は軍事目的に建てられた城塞だった。長い年月の間に様々な用途で使われ、平和な時代が訪れた後は王城として豪華絢爛な部屋が増改築された。同じような景色の廊下は敵を撹乱するため。何度も増改築された城は、見取り図が何枚も存在する。つまりは、国王であろうと誰でも迷うのだ。
アンリーゼはやっとの思いで違う景色に辿り着き、上りの階段を見つけた。
北側に来てしまったのか、ここは窓の外を見ても太陽は見当たらず、少し薄暗い。階段を覗き込めば、魔物でも隠しているのかと思う程暗く、禍々しく、先が見えない。
「……新しい発見があるかもしれないわよね。誰かいれば部屋の方向を聞けるし」
アンリーゼは意を決して階段に足を踏み出すと、後ろから肩を掴まれる。
「アンリーゼ様、なりませんっ」
振り返ると、呼び止めたのは侍女のシーラだった。
「ここは立ち入らないようにと、王妃様よりきつく申し付かっております。それはアンリーゼ様も同様との事でした」
「この先は何があるの?」
「それは……私も存じません。ただ、もしもここに立ち入れば、国王の命に背いた罪で処刑すると言われております」
「処刑されるほど大事なものがあるの!?」
「アンリーゼ様、あなた様は王家の一員になられた方です。立場的に、いずれ教えていただける可能性が十分あります。ですので、それまでは自ら探るような事は決してされてはいけません」
「シーラの言うとおりね……あなたが侍女で良かったわ」
「勿体ないお言葉です」
シーラの案内で無事にアンリーゼの部屋に戻る事が出来た。
「シーラ、今日はいつもとは違う一日にしたいの。一緒にティータイムをして貰えるかしら?」
「承知致しました。すぐにお茶とお菓子を準備いたします」
シーラの手配で部屋のテーブルには、三段重ねのティースタンドとカップとティーポットが準備された。
「シーラはいつからこの城で働いているの?」
「マリー前妃がお隠れになった後、最初はソアン様の乳母としてです」
「まあ、ソアン様の乳母だったのね」
「王室専属医師であるマリー前妃の御父上から、ソアン様の乳母をしてくれないかとお願いされました。
母乳を卒業されていたので、元々の乳母は随分前に役目を終えて城を出ていました。しかし母親を無くしたソアン様には乳母がいた方がいいだろうとなり、マリー前妃の親族であり、前妃と年の近い私なら、ソアン様にとって母に近い肌と温もりを与えられるだろうとの事でした」
「シーラが来てくれて、ソアン様は心穏やかに過ごせているのでしょうね。
私はね、婚約を破棄されて完全に売れ残りだったの。貴族の令嬢とは不便なもので、男や町娘のように働くことは許されず、嫁ぎ先がないと生きていけないのよ。ここで拾って貰えて、本当に助かったの。だから、ベルローズ王子にもソアン王太子にも、精一杯尽くすつもりだし、可能な限り家族として心を通わせたいと思ってる」
私の言葉を聞いていたシーラが一瞬だけ頬を緩ませた気がした。少しだけ打ち解け合えたかと思い、もう少しだけ質問をしてみる。
「でも、なぜ乳母だったのに、私の侍女をすることに?」
「ああ、それは……ソアン様が国王陛下にお願いして下さったのです。年齢も七つになるソアン様には、もう乳母ではなく家庭教師が必要でしたので、そろそろ私のお役目もお終いだったので、私をバージリウス様の新しい妃の侍女にして、この城に残してくれと」
「まあ、ソアン様はやはり自分を育ててくれたシーラに愛着があるのね。私もソアン様と仲良くなりたいから、色々とコツを教えてね」
「承知いたしました」
シーラはティーカップをやっと持ち上げ、口を湿らす程度にひと口だけ口につけると、すぐにソーサーに戻す。
「アンリーゼ様、私からもご質問してもよろしいでしょうか?」
「もちろんよ! 何でも聞いて」
「では僭越ながら、バージリウス様とは白い結婚なのでしょうか?」
シーラは聞きにくそうにする訳でもなく、むしろ真っ直ぐにこちらを見つめて質問をし、返事を待っていた。
王室の侍女というものは、やはり夜の事情も把握しておかなくてはいけないのだろうか……。
「私達には世継ぎを求められていないそうなの」
「アンリーゼ様ご自身も、ベルローズ様との子は求めていないのですか?」
アンリーゼは、まさかシーラがそこまで食い込んだ話をするとは思ってもいなかった。
しかもアンリーゼは愛のない結婚を受け入れていたので、信頼関係は築きたいと思ってはいたが、ベルローズの方から子供が必要ないと言われれば、それすらも受け入れられた。
「私は……ベルローズ様のマリー前妃への想いを尊重したいし、それを受け入れての結婚だったから……」
「では、もしベルローズ様が求めてきたらどうされますか?」
「そんな事あるかしら? でもそうね、そういう事があれば、妃としてしっかりと受け止めるつもりよ」
あまり表情を変化させないシーラが、思わず反応したのがわかった。
「では、そのような雰囲気になれば、迷わず身を任せてください」
「ふふっ。シーラは意外と大胆な事を言うのね」
「お二人に幸せになって貰いたいのです」
すでにシーラの表情はいつも通りに戻っており、無表情で口にする言葉は少し白々しかった。
「出会って間もないのに、そんな風に願ってもらえて感謝するわ」
——だがその晩、そろそろ眠ろうかという時に、ベルローズ王子が苦しそうにし始めた。
心配したアンリーゼが彼の身体に触れると、ベルローズ王子は必死に抑えていたものが抑えきれなくなり、そのままアンリーゼを求めてきた。
アンリーゼは、触れるベルローズ王子の唇から薬品のような味がすれば、自身も身体が熱りだし、うずきが治らなくなってくる。男性の香りが鼻を掠めれば、理性が飛びそうになった。
ベルローズ王子に抱き抱えられながらベッドに向かう時、テーブルの上に飲みかけのワイングラスがあった。
「ベルローズ様……あれは……」
止まらないキスの合間に、なんとか声を出して聞けば、ベルローズ王子は熱い吐息に悔しさを滲ませながら答えた。
「すまない……かなり強い……媚薬だ。どうにも鎮まらない……」
アンリーゼはすぐにシーラが置いたのだと勘づいた。おそらく夕食の後、就寝前にアンリーゼが一度湯に浸かりに部屋から出た際に、それとなくテーブルに置いたのだろう。
ベルローズはアンリーゼをベッドの上に寝かせると、苦しそうにしながらその場を立ち去ろうとした。
アンリーゼは慌てて追いかけて彼の腕を掴む。
「ベルローズ様……来て」
この日、王子の部屋のベッドが初めて乱された。
そのためアンリーゼは昼間は自室で一人の時間を読書をして潰していた。だが、あと数日で密の月を終えるというのに、王子と大した信頼関係も築けず、城のこともいまだにさっぱりわからない。果たしてこんなのんびりしていてもいいのだろうかと思い直し、今日は書棚に伸ばしかけた手を戻して、本を取るのをやめた。
扉を開けて廊下に出れば、柱の陰に隠れてこちらをチラチラと覗いていたソアン王太子に気づく。アンリーゼがソアン王太子に声を掛けようと近づくと、慌てて廊下を走って逃げてしまった。
アンリーゼはそんなソアン王太子を追いかければ、すぐに迷子になってしまう。
「え……確かこっちだったわよね……?」
城の廊下は特徴なく同じような景色が続き、思っていた以上に城の規模が大きく、もはや自分の部屋にすら戻れなくなっていた。この城が建ったのは三百年以上前で、当初は軍事目的に建てられた城塞だった。長い年月の間に様々な用途で使われ、平和な時代が訪れた後は王城として豪華絢爛な部屋が増改築された。同じような景色の廊下は敵を撹乱するため。何度も増改築された城は、見取り図が何枚も存在する。つまりは、国王であろうと誰でも迷うのだ。
アンリーゼはやっとの思いで違う景色に辿り着き、上りの階段を見つけた。
北側に来てしまったのか、ここは窓の外を見ても太陽は見当たらず、少し薄暗い。階段を覗き込めば、魔物でも隠しているのかと思う程暗く、禍々しく、先が見えない。
「……新しい発見があるかもしれないわよね。誰かいれば部屋の方向を聞けるし」
アンリーゼは意を決して階段に足を踏み出すと、後ろから肩を掴まれる。
「アンリーゼ様、なりませんっ」
振り返ると、呼び止めたのは侍女のシーラだった。
「ここは立ち入らないようにと、王妃様よりきつく申し付かっております。それはアンリーゼ様も同様との事でした」
「この先は何があるの?」
「それは……私も存じません。ただ、もしもここに立ち入れば、国王の命に背いた罪で処刑すると言われております」
「処刑されるほど大事なものがあるの!?」
「アンリーゼ様、あなた様は王家の一員になられた方です。立場的に、いずれ教えていただける可能性が十分あります。ですので、それまでは自ら探るような事は決してされてはいけません」
「シーラの言うとおりね……あなたが侍女で良かったわ」
「勿体ないお言葉です」
シーラの案内で無事にアンリーゼの部屋に戻る事が出来た。
「シーラ、今日はいつもとは違う一日にしたいの。一緒にティータイムをして貰えるかしら?」
「承知致しました。すぐにお茶とお菓子を準備いたします」
シーラの手配で部屋のテーブルには、三段重ねのティースタンドとカップとティーポットが準備された。
「シーラはいつからこの城で働いているの?」
「マリー前妃がお隠れになった後、最初はソアン様の乳母としてです」
「まあ、ソアン様の乳母だったのね」
「王室専属医師であるマリー前妃の御父上から、ソアン様の乳母をしてくれないかとお願いされました。
母乳を卒業されていたので、元々の乳母は随分前に役目を終えて城を出ていました。しかし母親を無くしたソアン様には乳母がいた方がいいだろうとなり、マリー前妃の親族であり、前妃と年の近い私なら、ソアン様にとって母に近い肌と温もりを与えられるだろうとの事でした」
「シーラが来てくれて、ソアン様は心穏やかに過ごせているのでしょうね。
私はね、婚約を破棄されて完全に売れ残りだったの。貴族の令嬢とは不便なもので、男や町娘のように働くことは許されず、嫁ぎ先がないと生きていけないのよ。ここで拾って貰えて、本当に助かったの。だから、ベルローズ王子にもソアン王太子にも、精一杯尽くすつもりだし、可能な限り家族として心を通わせたいと思ってる」
私の言葉を聞いていたシーラが一瞬だけ頬を緩ませた気がした。少しだけ打ち解け合えたかと思い、もう少しだけ質問をしてみる。
「でも、なぜ乳母だったのに、私の侍女をすることに?」
「ああ、それは……ソアン様が国王陛下にお願いして下さったのです。年齢も七つになるソアン様には、もう乳母ではなく家庭教師が必要でしたので、そろそろ私のお役目もお終いだったので、私をバージリウス様の新しい妃の侍女にして、この城に残してくれと」
「まあ、ソアン様はやはり自分を育ててくれたシーラに愛着があるのね。私もソアン様と仲良くなりたいから、色々とコツを教えてね」
「承知いたしました」
シーラはティーカップをやっと持ち上げ、口を湿らす程度にひと口だけ口につけると、すぐにソーサーに戻す。
「アンリーゼ様、私からもご質問してもよろしいでしょうか?」
「もちろんよ! 何でも聞いて」
「では僭越ながら、バージリウス様とは白い結婚なのでしょうか?」
シーラは聞きにくそうにする訳でもなく、むしろ真っ直ぐにこちらを見つめて質問をし、返事を待っていた。
王室の侍女というものは、やはり夜の事情も把握しておかなくてはいけないのだろうか……。
「私達には世継ぎを求められていないそうなの」
「アンリーゼ様ご自身も、ベルローズ様との子は求めていないのですか?」
アンリーゼは、まさかシーラがそこまで食い込んだ話をするとは思ってもいなかった。
しかもアンリーゼは愛のない結婚を受け入れていたので、信頼関係は築きたいと思ってはいたが、ベルローズの方から子供が必要ないと言われれば、それすらも受け入れられた。
「私は……ベルローズ様のマリー前妃への想いを尊重したいし、それを受け入れての結婚だったから……」
「では、もしベルローズ様が求めてきたらどうされますか?」
「そんな事あるかしら? でもそうね、そういう事があれば、妃としてしっかりと受け止めるつもりよ」
あまり表情を変化させないシーラが、思わず反応したのがわかった。
「では、そのような雰囲気になれば、迷わず身を任せてください」
「ふふっ。シーラは意外と大胆な事を言うのね」
「お二人に幸せになって貰いたいのです」
すでにシーラの表情はいつも通りに戻っており、無表情で口にする言葉は少し白々しかった。
「出会って間もないのに、そんな風に願ってもらえて感謝するわ」
——だがその晩、そろそろ眠ろうかという時に、ベルローズ王子が苦しそうにし始めた。
心配したアンリーゼが彼の身体に触れると、ベルローズ王子は必死に抑えていたものが抑えきれなくなり、そのままアンリーゼを求めてきた。
アンリーゼは、触れるベルローズ王子の唇から薬品のような味がすれば、自身も身体が熱りだし、うずきが治らなくなってくる。男性の香りが鼻を掠めれば、理性が飛びそうになった。
ベルローズ王子に抱き抱えられながらベッドに向かう時、テーブルの上に飲みかけのワイングラスがあった。
「ベルローズ様……あれは……」
止まらないキスの合間に、なんとか声を出して聞けば、ベルローズ王子は熱い吐息に悔しさを滲ませながら答えた。
「すまない……かなり強い……媚薬だ。どうにも鎮まらない……」
アンリーゼはすぐにシーラが置いたのだと勘づいた。おそらく夕食の後、就寝前にアンリーゼが一度湯に浸かりに部屋から出た際に、それとなくテーブルに置いたのだろう。
ベルローズはアンリーゼをベッドの上に寝かせると、苦しそうにしながらその場を立ち去ろうとした。
アンリーゼは慌てて追いかけて彼の腕を掴む。
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