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28. 海
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お泊まりセットや水着を詰め込んだボストンバッグを持って、螺旋階段を降りていくと、リビングでは伊勢さんとフローライトさんがお茶をしていた。
「あれ? 伊勢さん、今日はオフですか?」
「ああ、そうなんだ。透子ちゃんはお友達と海だったね。セラドナイトは現地で集合かい?」
「さあ、わかりません。じゃあ、電車の時間あるので、行ってきます」
「気を付けていってらっしゃい」
伊勢さんは穏やかな笑顔で見送ってくれた。
友達同士とはいえ、メンバーには男子もいるし、キスまでしたセラもいるのに、伊勢さんは特に反対することもなかった。やはり、父親代わりは父親ではないのだと感じ、少し寂しかった。
乃杏のところはシングルマザーで、世の父親から許可を貰うよりも遥かにハードルが低いと言っていた。
乃杏のことは失礼ながらずっと両親に甘やかされて育った子かと思ってたけど、話しをするうちに、乃杏のお母さんはお医者さんでシングルマザーと知った。
乃杏のお母さんは病院の宿直や学会出張なども頻繁にあり、しょっちゅう一人で留守番していると聞いた時は、意外な共通点があり、心の中で勝手に親近感を覚えた。
まだ私のことは話してはいないけど、もう少し距離が近くなれば話せる日が来る気もした。
真斗はごく平凡な家庭と本人は言っていたけど、乃杏曰く、運送会社を経営している家とかで、真斗の両親は元ヤンのやんちゃな社員をまとめられるくらい強面と言っていた。
真斗からはまったく想像つかないけど、とにかく、ご両親が高校時代にはかなり羽目を外していたらしく、今回の旅行はむしろ大賛成で二つ返事で別荘の鍵を貸してくれたそう。
この旅行がきっかけで二人のバックストーリーが垣間見え、二人に対する印象に奥行きがでた。
東京駅で三人で待ち合わせ、湘南まで電車で向かった。
電車の中で何度か乃杏がしかめっ面で遠くを見ていたのが気になったけど、どうしたのか尋ねても「うーん、気のせいかも」と言って特に何も言ってくれなかった。
目的地の駅に到着すると、東京と違って建物が低く、真っ白な入道雲と爽快な青空が高く広がっていた。
駅は海水浴へ向かう人々の陽気な空気に溢れており、まだ磯の香りもしないし海も見えないけど、気持ちが浮ついているのを感じずにはいられない。
真斗の道案内で風情ある商店街を抜けていくと、段々と磯の香りがして海に近づいているのがわかった。
道を歩く人も水着姿の人が現れ始め、いよいよかと胸が弾むのに、まだ視界には建物や道路ばかりが広がっていた。
そう思っていたのも束の間、ふっと日常の景色が途切れると、その先に青い地平線が見えた。
「海だ……」
乗り気じゃなかった海なのに、果てしなく続く海の景色に感動してしまった。
「やっほー! 海だぁー!!」
「乃杏、今日は海の家のバイトだ。海で遊ぶのは明日だからな」
「まじかあ……」
がっくりと肩を落とした乃杏に、クスっと笑ってしまった。
「真斗ぉー。そういえば、瀬楽はいつ来るの?」
「バイトの開始時間までには来るって言ってたけど……あ、あそこ」
真斗が指さした先にある海の家は、これぞ海の家といった素朴な佇まいで、看板もこだわりのない書体で書かれた手書きであった。
「なんか……女子ウケは断トツあっちの方がよさそうなのに、真斗の親戚の海の家だけやたら女性客多くない?」
乃杏は奥に見える南国リゾートをイメージしたような海の家や、アメリカの海岸とかにありそうなカフェっぽい海の家などを指差しながらそう言った。
嫌な予感がするなと思って近づいていけば、案の定、Tシャツにハーフパンツ姿のセラが汗だくで焼きそばを焼いていて、水着姿の女性達がちらちらとセラを気にしていた。
真っ黒に日焼けした、白髪まじりのおじさんが嬉しそうな顔で真斗に近づいてきた。
「真斗! お前の友達はモデルみたいにイケメンだな! 店が繁盛して笑いが止まらん」
「瀬楽の方が先についてたんだね。僕達も荷物置いたらすぐ手伝うよ」
お店のエプロンを借りて、私達も真斗の親戚の海の家の仕事を始めた。
「透子、エプロン良く似合ってるね」
真斗がそう言って私の頭をぽんと軽くたたいた。
乃杏のことを考えるとこういう状況は居心地が悪く、ちらっと彼女を見れば、なぜか親指を立てて私ににっこり笑っていた。
あの子は……何を考えているんだろう。
本気で私と真斗をくっつけるつもりなのだろうか。
背中に視線を感じて振り返ると、セラと目が合う。なのに、こっちにはプイッと顔を背けられた。
あいつは何をそんなに不貞腐れてるの? そもそも嘘ばっかりついてたのはあっちで、怒っているのはこっちなのに。
腹が立って私もプイッと顔を背けて仕事に戻った。
「すいませーん、さっき電話貰った追加のケグ持って来ましたー」
酒屋さんがビール樽を持ってきてくれた。
「あ、はい。今行きます」
辺りを見回せば真斗と乃杏は接客対応で追われているし、他の店員さんは調理中だし、真斗の親戚の人も見当たらない。
これは、私が受け取って運ぶべきだよね?
酒屋さんの伝票にサインをして二十リットルのビール樽を受け取った。
「さて……運ぶか……」
砂の上に直置きされたビール樽を睨んでいても仕方ない。意を決して樽の手持ち部分に両手を掛けると、その上から大きな手の平につつまれた。
中腰で顔を上げれば、セラがいた。
「そんなに重いの持っちゃダメだよ。僕が持って行くから」
「い……いいよ。これくらい持てるし」
「いいから」
セラが私の手を優しくつかんでビール樽から離すと、すぐに樽を持ち上げて厨房まで運んで行った。
あんなに重いビール樽を軽々と運ぶ姿はたくましく、汗で張りついたTシャツに浮かぶ引き締まった身体を目で追ってしまった。
毎日レッスンを夜遅くまでやっているようだと伊勢さんから聞いていたけど、疲れてはいないのだろうか。
遠目にセラを見ていれば、立ち止まることなくずっと手と足を動かし黙々と働いていた。
すでに星空と街の灯りが煌めく時間になり、バイトも終わる時間となった。
別荘までは真斗の親戚のおじさんが車で送ってくれる手筈になっていた。
真斗の親戚のおじさんが車を駐車場まで取りにいっている間、海の家近くの砂浜で四人で待つことになった。
さざ波の音と遠くに聴こえる夏の夜のグルーヴサウンドが、心地良く砂浜に広がっていた。
真斗と乃杏は砂浜で棒崩しを始め、二人で盛り上がっていた。
少し離れた場所で座って眺めていれば、やっぱり真斗と乃杏はお似合いだと思った。
生暖かい夜の潮風を感じていれば、頬に急に冷やりとしたものがあてられた。
斜め上を見上げれば、セラがジンジャーエールを私の頬にあてて立っていた。
「のど、乾いてるかと思って」
「ありがと……」
素直に受け取ろうと手を伸ばせば、スカッと掴み損ねた。
私が飲む反応を返したから、セラがペットボトルの蓋を開けてくれていた。
「はい」
「ありがとう」
今度はちゃんと受け取れた。
冷え冷えのジンジャーエールを飲めば、甘くて刺激的で、蒸し暑い夏の夜の喉をこれでもかと癒してくれた。
「美味しい」
セラはしゃがんで私に目線を合わせ、嬉しそうに笑った。
「良かった」
特に、何も話さず、 ジンジャーエールをまた一口飲んだ。
遠くから車が到着したとの声が聞こえてきた。
「車、来たって。行こうか」
「いや、バイトの穴を開けれないから来ただけで、もう戻って稽古しないといけないから」
「戻るって、今から東京に?」
「そうだよ」
セラは私にスッと手を差し出してきた。
「一緒に……抜け出そう」
「二人を残して行けるわけないでしょ」
「透子についた嘘はあと一つあるんだ」
「急に何?」
「透子の気をひくために、すぐ魔力が枯渇するフリをしていたけど、僕の魔力はそう簡単にはなくならない」
「……なんとなく気づいてたし、セラの嘘にはもう驚かないから」
「もう嘘はつかない」
「じゃあ、セラはどれだけ魔法を使ったら危ないの?」
「わからないけど、魔力をかなり消費するのは異世界転移と、複数人数の転移。転移させる人数が増えれば増えるほどキツイ。
単独転移は消費は少なくないけど、多いわけではないからあまり問題ない。特に今は、女王陛下がポーションの材料を持ってきてくださったから、魔力を使い過ぎても何とかなる」
「そう。なら聖配の役目は終わりだね」
「そうじゃなくて、だから……」
「だから、なに?」
「ただ、透子に触れたい」
セラが私の頬に手を伸ばしてきた時、離れていたはずの真斗と乃杏が現れた。
「迎えの車、来たよ」
真斗の静かな声に、セラは伸ばした手をゆっくりと引いた。
「ありがとう。でも、僕はもう帰らないといけないから一緒にいけない。三人で楽しんで」
「帰る? 今から?」
「ああ。でも、僕がいないからって、透子に触れないでね」
セラは真斗に微笑むと、指をパチンと鳴らして消えてしまった。
「え……どういうこと……?」
真斗と乃杏は状況を理解できずに困惑しきっていた。
「あれ? 伊勢さん、今日はオフですか?」
「ああ、そうなんだ。透子ちゃんはお友達と海だったね。セラドナイトは現地で集合かい?」
「さあ、わかりません。じゃあ、電車の時間あるので、行ってきます」
「気を付けていってらっしゃい」
伊勢さんは穏やかな笑顔で見送ってくれた。
友達同士とはいえ、メンバーには男子もいるし、キスまでしたセラもいるのに、伊勢さんは特に反対することもなかった。やはり、父親代わりは父親ではないのだと感じ、少し寂しかった。
乃杏のところはシングルマザーで、世の父親から許可を貰うよりも遥かにハードルが低いと言っていた。
乃杏のことは失礼ながらずっと両親に甘やかされて育った子かと思ってたけど、話しをするうちに、乃杏のお母さんはお医者さんでシングルマザーと知った。
乃杏のお母さんは病院の宿直や学会出張なども頻繁にあり、しょっちゅう一人で留守番していると聞いた時は、意外な共通点があり、心の中で勝手に親近感を覚えた。
まだ私のことは話してはいないけど、もう少し距離が近くなれば話せる日が来る気もした。
真斗はごく平凡な家庭と本人は言っていたけど、乃杏曰く、運送会社を経営している家とかで、真斗の両親は元ヤンのやんちゃな社員をまとめられるくらい強面と言っていた。
真斗からはまったく想像つかないけど、とにかく、ご両親が高校時代にはかなり羽目を外していたらしく、今回の旅行はむしろ大賛成で二つ返事で別荘の鍵を貸してくれたそう。
この旅行がきっかけで二人のバックストーリーが垣間見え、二人に対する印象に奥行きがでた。
東京駅で三人で待ち合わせ、湘南まで電車で向かった。
電車の中で何度か乃杏がしかめっ面で遠くを見ていたのが気になったけど、どうしたのか尋ねても「うーん、気のせいかも」と言って特に何も言ってくれなかった。
目的地の駅に到着すると、東京と違って建物が低く、真っ白な入道雲と爽快な青空が高く広がっていた。
駅は海水浴へ向かう人々の陽気な空気に溢れており、まだ磯の香りもしないし海も見えないけど、気持ちが浮ついているのを感じずにはいられない。
真斗の道案内で風情ある商店街を抜けていくと、段々と磯の香りがして海に近づいているのがわかった。
道を歩く人も水着姿の人が現れ始め、いよいよかと胸が弾むのに、まだ視界には建物や道路ばかりが広がっていた。
そう思っていたのも束の間、ふっと日常の景色が途切れると、その先に青い地平線が見えた。
「海だ……」
乗り気じゃなかった海なのに、果てしなく続く海の景色に感動してしまった。
「やっほー! 海だぁー!!」
「乃杏、今日は海の家のバイトだ。海で遊ぶのは明日だからな」
「まじかあ……」
がっくりと肩を落とした乃杏に、クスっと笑ってしまった。
「真斗ぉー。そういえば、瀬楽はいつ来るの?」
「バイトの開始時間までには来るって言ってたけど……あ、あそこ」
真斗が指さした先にある海の家は、これぞ海の家といった素朴な佇まいで、看板もこだわりのない書体で書かれた手書きであった。
「なんか……女子ウケは断トツあっちの方がよさそうなのに、真斗の親戚の海の家だけやたら女性客多くない?」
乃杏は奥に見える南国リゾートをイメージしたような海の家や、アメリカの海岸とかにありそうなカフェっぽい海の家などを指差しながらそう言った。
嫌な予感がするなと思って近づいていけば、案の定、Tシャツにハーフパンツ姿のセラが汗だくで焼きそばを焼いていて、水着姿の女性達がちらちらとセラを気にしていた。
真っ黒に日焼けした、白髪まじりのおじさんが嬉しそうな顔で真斗に近づいてきた。
「真斗! お前の友達はモデルみたいにイケメンだな! 店が繁盛して笑いが止まらん」
「瀬楽の方が先についてたんだね。僕達も荷物置いたらすぐ手伝うよ」
お店のエプロンを借りて、私達も真斗の親戚の海の家の仕事を始めた。
「透子、エプロン良く似合ってるね」
真斗がそう言って私の頭をぽんと軽くたたいた。
乃杏のことを考えるとこういう状況は居心地が悪く、ちらっと彼女を見れば、なぜか親指を立てて私ににっこり笑っていた。
あの子は……何を考えているんだろう。
本気で私と真斗をくっつけるつもりなのだろうか。
背中に視線を感じて振り返ると、セラと目が合う。なのに、こっちにはプイッと顔を背けられた。
あいつは何をそんなに不貞腐れてるの? そもそも嘘ばっかりついてたのはあっちで、怒っているのはこっちなのに。
腹が立って私もプイッと顔を背けて仕事に戻った。
「すいませーん、さっき電話貰った追加のケグ持って来ましたー」
酒屋さんがビール樽を持ってきてくれた。
「あ、はい。今行きます」
辺りを見回せば真斗と乃杏は接客対応で追われているし、他の店員さんは調理中だし、真斗の親戚の人も見当たらない。
これは、私が受け取って運ぶべきだよね?
酒屋さんの伝票にサインをして二十リットルのビール樽を受け取った。
「さて……運ぶか……」
砂の上に直置きされたビール樽を睨んでいても仕方ない。意を決して樽の手持ち部分に両手を掛けると、その上から大きな手の平につつまれた。
中腰で顔を上げれば、セラがいた。
「そんなに重いの持っちゃダメだよ。僕が持って行くから」
「い……いいよ。これくらい持てるし」
「いいから」
セラが私の手を優しくつかんでビール樽から離すと、すぐに樽を持ち上げて厨房まで運んで行った。
あんなに重いビール樽を軽々と運ぶ姿はたくましく、汗で張りついたTシャツに浮かぶ引き締まった身体を目で追ってしまった。
毎日レッスンを夜遅くまでやっているようだと伊勢さんから聞いていたけど、疲れてはいないのだろうか。
遠目にセラを見ていれば、立ち止まることなくずっと手と足を動かし黙々と働いていた。
すでに星空と街の灯りが煌めく時間になり、バイトも終わる時間となった。
別荘までは真斗の親戚のおじさんが車で送ってくれる手筈になっていた。
真斗の親戚のおじさんが車を駐車場まで取りにいっている間、海の家近くの砂浜で四人で待つことになった。
さざ波の音と遠くに聴こえる夏の夜のグルーヴサウンドが、心地良く砂浜に広がっていた。
真斗と乃杏は砂浜で棒崩しを始め、二人で盛り上がっていた。
少し離れた場所で座って眺めていれば、やっぱり真斗と乃杏はお似合いだと思った。
生暖かい夜の潮風を感じていれば、頬に急に冷やりとしたものがあてられた。
斜め上を見上げれば、セラがジンジャーエールを私の頬にあてて立っていた。
「のど、乾いてるかと思って」
「ありがと……」
素直に受け取ろうと手を伸ばせば、スカッと掴み損ねた。
私が飲む反応を返したから、セラがペットボトルの蓋を開けてくれていた。
「はい」
「ありがとう」
今度はちゃんと受け取れた。
冷え冷えのジンジャーエールを飲めば、甘くて刺激的で、蒸し暑い夏の夜の喉をこれでもかと癒してくれた。
「美味しい」
セラはしゃがんで私に目線を合わせ、嬉しそうに笑った。
「良かった」
特に、何も話さず、 ジンジャーエールをまた一口飲んだ。
遠くから車が到着したとの声が聞こえてきた。
「車、来たって。行こうか」
「いや、バイトの穴を開けれないから来ただけで、もう戻って稽古しないといけないから」
「戻るって、今から東京に?」
「そうだよ」
セラは私にスッと手を差し出してきた。
「一緒に……抜け出そう」
「二人を残して行けるわけないでしょ」
「透子についた嘘はあと一つあるんだ」
「急に何?」
「透子の気をひくために、すぐ魔力が枯渇するフリをしていたけど、僕の魔力はそう簡単にはなくならない」
「……なんとなく気づいてたし、セラの嘘にはもう驚かないから」
「もう嘘はつかない」
「じゃあ、セラはどれだけ魔法を使ったら危ないの?」
「わからないけど、魔力をかなり消費するのは異世界転移と、複数人数の転移。転移させる人数が増えれば増えるほどキツイ。
単独転移は消費は少なくないけど、多いわけではないからあまり問題ない。特に今は、女王陛下がポーションの材料を持ってきてくださったから、魔力を使い過ぎても何とかなる」
「そう。なら聖配の役目は終わりだね」
「そうじゃなくて、だから……」
「だから、なに?」
「ただ、透子に触れたい」
セラが私の頬に手を伸ばしてきた時、離れていたはずの真斗と乃杏が現れた。
「迎えの車、来たよ」
真斗の静かな声に、セラは伸ばした手をゆっくりと引いた。
「ありがとう。でも、僕はもう帰らないといけないから一緒にいけない。三人で楽しんで」
「帰る? 今から?」
「ああ。でも、僕がいないからって、透子に触れないでね」
セラは真斗に微笑むと、指をパチンと鳴らして消えてしまった。
「え……どういうこと……?」
真斗と乃杏は状況を理解できずに困惑しきっていた。
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