25 / 31
25.停
しおりを挟む
周期性発熱症候群を発症する予定日をだいぶ過ぎたが、体調の変化は未だ見られなかった。ファーストキスをした日以降、ラミにキスはされていない。
たった一度のキスは今でも私の胸を焦がしている。正直なところ、発熱の兆しがあればもう一度キスをして貰えるんだと少し期待して待ってしまっていた……。
ラミは手のひらを相手に向けるだけで振動吸収は出来ると言っていたから、もしかしたら私の知らないうちに、吸収してくれていたのかもしれない。
そんな事を街中で悶々と考えていれば、いつの間にかラミとの約束の時間になっていたようで、ふわりと肩に手が乗せられたのがわかった。
「難しい顔して、何を考えていたの?」
手が乗せられた方へ顔を見上げれば、ラミが優しく笑って私を見ていた。今日はメルヴィさんとファリードさんが、完成した制御アクセサリーをラミの家まで持ってきてくれることになっている。二人にお礼のケーキを買ってからラミの家に向かうと伝えたら、ラミも私と一緒に買いに行くと言うので待ち合わせしたのだ。
「発熱の兆しがないなぁ……って」
「ああ、それなら良かった。発熱しないようにプルムから出来る限り毎日振動吸収してるんだ。術が掛けられてて中々スムーズに流れてこないから少しずつの吸収だけど、効果が出てるなら安心した」
「あ……やっぱりそうなのね……」
「あれ? 何だか嬉しくない様子だね??」
ラミの視線は歯痒い。本当は全てを分かっている気がする。
「実は……キスを期待してました……」
言ったはいいが、恥ずかしすぎて即両手で顔を隠した。
ラミは何も言わないので、不安になって指の間を少し開けて覗き見たら、困り顔のラミと目が合ってしまった。
「見えてるよ」
「すいません……」
私は両手をおろすと、ラミがその手を握ってくれた。
「キスしたら……また暴走したら、プルムに避けられるかもしれないから、我慢してるんだよ……」
「暴……走……」
その言葉にファーストキスの夜を思い出す。あの夜はラミがいつものラミじゃなくなって、朝まで眠らせてもらえなかった……。確かに暴走か。そして、その後私は恥ずかしくてラミを避けてしまった……。
「す、好きな人と、初めてあんな夜を過ごせたら、胸がドキドキして顔を合わせられなくなるものでしょ?」
顔を真っ赤にしてラミに伝えた。チラッとラミを見れば、彼も耳まで赤くなっている。なんだかその姿が可愛くて、少し意地悪がしたくなってしまった。
「ラミ、じゃあさ……」
「うん、なに?」
「ちょっと屈んでくれる?」
「こう?」
「いや、もう少し」
背の高いラミが、私の顔の高さまで屈んでくれた瞬間、私はラミに軽く触れる位のキスをした。
ら、ラミの長い腕が私に撒きつき、がっつりと捕獲され、気づくと転移魔法でラミの部屋に転移させられていた。
「我慢してるって言ったじゃん」
「へ?」
ラミの目付きは完全にスイッチが入っており、ギラギラと獰猛な光を放つ。
「ラミ、時間ないわよ!? メルヴィさん達が来ちゃうっ!!」
「大丈夫。ほんの少しだから」
ラミは擦り寄る様に唇を重ねて来た。我慢していたというのは本当だろう。唇がしっかりと重なり合ってしまえば、あとは息継ぎが大変なくらい、ラミのキスが止まらない。これのどこがほんの少しなのか。そう思いつつも私も止められず、身を任せてしまう。ラミはそのまま私をベッドの上に押し倒し、子犬の様にじゃれてきた。そして甘えるようなキスをしてきたかと思えば、私の上にラミの体重がのしかかって来る。
「ラミ、だめ、それ以上は……って……お゛……重……」
私はラミの愛を受け止めていたはずだが、気がつけば彼の全体重を受け止めていた。
このままでは圧迫死しそうなので、両手を使い、なんとかラミをベッドの上に滑らせると、ラミはころんと仰向けになってスース―眠っていた。
「ええ?」
ラミの肩をゆするが、起きる気配がない。どうしたものかと、頭を真っ白にすれば、丁度メルヴィさん達が到着し、ラミの部屋まで尋ねて来てくれた。
「メルヴィさん! ラミが突然眠ってしまって……」
メルヴィさんにそう言うと、とても慌てた様子でラミに駆け寄り、状態を確認し始める。その様子から、只事ではないのだと心に不安が広がり始める。
「プルム、ラミは眠る前に君に何かした?」
それには心当たりがありすぎるが、恥ずかしがっている場合ではないので、羞恥心を捨て、か細い声だが素直に答えた。
「……キ……スです」
「……遅咲きの我が弟は暴走が激しかろう……」
「私も経験がないもので、何が標準なのか……」
ファリードさんが苦笑いしながら声を掛けてくる。
「さすがに今日のキスだけで倒れないでしょ。普段からプルムさんから振動吸収していたんじゃないかな?」
「ええ、可能な限り毎日してくれていたようです」
私は超真面目に答えたのに、なぜか二人はニヤニヤと笑い出す。
「え? あ、違いますよ!! キスは今日で二回目で、普段は何かしらの方法で私の気づかないうちに吸収してくれていたそうです!」
メルヴィさんは何に頷いているのかわからないが、首を縦に振りながら私の肩をトントン叩く。
「二人が仲が良ければ私は嬉しい限りだよ。どんどんキスをして弟を結婚まで導いてくれ。ただし、プルムの術を解術して、振動数が落ち着いてからの方が、ラミの身体の負担を考えれば適切かな。それにしても弟を昏睡状態にまで出来るほどの振動数とは、随分と大きな力だ。解放されるのが少し怖い」
メルヴィさんの言葉で、自分のせいでラミを危険な目に合わせていたのがわかり、とても怖くなった。このままラミが目覚めなかったら、きっと後悔だけじゃなく、私の心も死んでしまうだろう……。
「メルヴィ、もう制御アクセサリーは完成してる。解放しても問題ない」
ファリードさんがメルヴィさんに小さな宝石箱を渡した。
「そうだな。ではまず持って来た制御アクセサリーをつけよう。それから私の魔法でラミを治療すればすぐに目覚める。私の治癒魔法は一級品だよ」
メルヴィさんは宝石箱を開けて、中を見せてくれた。ファリードさんと同じ金の輪っかのピアスが入っているかと思えば、中にはシルバーのシンプルな腕輪が入っていた。
「これをつけて、メルヴィさんが治癒魔法をラミに施してくれたらラミは目覚めるんですね……ああ、良かった……ラミが目覚めなかったらと思ったら……」
ホッとして気が緩んだら、急に目から涙が溢れてきてしまった。メルヴィさんは笑いながら私の涙を拭いてくれていると、ふと外が騒がしくなっていることに気がつく。
何事かと首を傾げながら三人で視線を交わし、窓の外を覗けば、街は冷静さを失っており、大混乱に包まれていた。
いつもは空を飛び交っている箒も一本も飛んでいない。稼働中は輝く魔導具も、全て暗く沈んでいる。街を行き交う人々は皆驚きや戸惑いの表情と叫び声を上げていた。
「なんだこれは……」
メルヴィさんが食い入るように窓に手を当てて外を覗き見ると、階下からバタバタと慌てた足音が駆け上がってくる。扉を勢いよく開けたのはメイドのサンナで、顔を真っ青にしていた。
「お……お嬢様……振動数が……魔力が……」
「サンナ、どうした? はっきり言うんだ」
「魔法が使えません」
たった一度のキスは今でも私の胸を焦がしている。正直なところ、発熱の兆しがあればもう一度キスをして貰えるんだと少し期待して待ってしまっていた……。
ラミは手のひらを相手に向けるだけで振動吸収は出来ると言っていたから、もしかしたら私の知らないうちに、吸収してくれていたのかもしれない。
そんな事を街中で悶々と考えていれば、いつの間にかラミとの約束の時間になっていたようで、ふわりと肩に手が乗せられたのがわかった。
「難しい顔して、何を考えていたの?」
手が乗せられた方へ顔を見上げれば、ラミが優しく笑って私を見ていた。今日はメルヴィさんとファリードさんが、完成した制御アクセサリーをラミの家まで持ってきてくれることになっている。二人にお礼のケーキを買ってからラミの家に向かうと伝えたら、ラミも私と一緒に買いに行くと言うので待ち合わせしたのだ。
「発熱の兆しがないなぁ……って」
「ああ、それなら良かった。発熱しないようにプルムから出来る限り毎日振動吸収してるんだ。術が掛けられてて中々スムーズに流れてこないから少しずつの吸収だけど、効果が出てるなら安心した」
「あ……やっぱりそうなのね……」
「あれ? 何だか嬉しくない様子だね??」
ラミの視線は歯痒い。本当は全てを分かっている気がする。
「実は……キスを期待してました……」
言ったはいいが、恥ずかしすぎて即両手で顔を隠した。
ラミは何も言わないので、不安になって指の間を少し開けて覗き見たら、困り顔のラミと目が合ってしまった。
「見えてるよ」
「すいません……」
私は両手をおろすと、ラミがその手を握ってくれた。
「キスしたら……また暴走したら、プルムに避けられるかもしれないから、我慢してるんだよ……」
「暴……走……」
その言葉にファーストキスの夜を思い出す。あの夜はラミがいつものラミじゃなくなって、朝まで眠らせてもらえなかった……。確かに暴走か。そして、その後私は恥ずかしくてラミを避けてしまった……。
「す、好きな人と、初めてあんな夜を過ごせたら、胸がドキドキして顔を合わせられなくなるものでしょ?」
顔を真っ赤にしてラミに伝えた。チラッとラミを見れば、彼も耳まで赤くなっている。なんだかその姿が可愛くて、少し意地悪がしたくなってしまった。
「ラミ、じゃあさ……」
「うん、なに?」
「ちょっと屈んでくれる?」
「こう?」
「いや、もう少し」
背の高いラミが、私の顔の高さまで屈んでくれた瞬間、私はラミに軽く触れる位のキスをした。
ら、ラミの長い腕が私に撒きつき、がっつりと捕獲され、気づくと転移魔法でラミの部屋に転移させられていた。
「我慢してるって言ったじゃん」
「へ?」
ラミの目付きは完全にスイッチが入っており、ギラギラと獰猛な光を放つ。
「ラミ、時間ないわよ!? メルヴィさん達が来ちゃうっ!!」
「大丈夫。ほんの少しだから」
ラミは擦り寄る様に唇を重ねて来た。我慢していたというのは本当だろう。唇がしっかりと重なり合ってしまえば、あとは息継ぎが大変なくらい、ラミのキスが止まらない。これのどこがほんの少しなのか。そう思いつつも私も止められず、身を任せてしまう。ラミはそのまま私をベッドの上に押し倒し、子犬の様にじゃれてきた。そして甘えるようなキスをしてきたかと思えば、私の上にラミの体重がのしかかって来る。
「ラミ、だめ、それ以上は……って……お゛……重……」
私はラミの愛を受け止めていたはずだが、気がつけば彼の全体重を受け止めていた。
このままでは圧迫死しそうなので、両手を使い、なんとかラミをベッドの上に滑らせると、ラミはころんと仰向けになってスース―眠っていた。
「ええ?」
ラミの肩をゆするが、起きる気配がない。どうしたものかと、頭を真っ白にすれば、丁度メルヴィさん達が到着し、ラミの部屋まで尋ねて来てくれた。
「メルヴィさん! ラミが突然眠ってしまって……」
メルヴィさんにそう言うと、とても慌てた様子でラミに駆け寄り、状態を確認し始める。その様子から、只事ではないのだと心に不安が広がり始める。
「プルム、ラミは眠る前に君に何かした?」
それには心当たりがありすぎるが、恥ずかしがっている場合ではないので、羞恥心を捨て、か細い声だが素直に答えた。
「……キ……スです」
「……遅咲きの我が弟は暴走が激しかろう……」
「私も経験がないもので、何が標準なのか……」
ファリードさんが苦笑いしながら声を掛けてくる。
「さすがに今日のキスだけで倒れないでしょ。普段からプルムさんから振動吸収していたんじゃないかな?」
「ええ、可能な限り毎日してくれていたようです」
私は超真面目に答えたのに、なぜか二人はニヤニヤと笑い出す。
「え? あ、違いますよ!! キスは今日で二回目で、普段は何かしらの方法で私の気づかないうちに吸収してくれていたそうです!」
メルヴィさんは何に頷いているのかわからないが、首を縦に振りながら私の肩をトントン叩く。
「二人が仲が良ければ私は嬉しい限りだよ。どんどんキスをして弟を結婚まで導いてくれ。ただし、プルムの術を解術して、振動数が落ち着いてからの方が、ラミの身体の負担を考えれば適切かな。それにしても弟を昏睡状態にまで出来るほどの振動数とは、随分と大きな力だ。解放されるのが少し怖い」
メルヴィさんの言葉で、自分のせいでラミを危険な目に合わせていたのがわかり、とても怖くなった。このままラミが目覚めなかったら、きっと後悔だけじゃなく、私の心も死んでしまうだろう……。
「メルヴィ、もう制御アクセサリーは完成してる。解放しても問題ない」
ファリードさんがメルヴィさんに小さな宝石箱を渡した。
「そうだな。ではまず持って来た制御アクセサリーをつけよう。それから私の魔法でラミを治療すればすぐに目覚める。私の治癒魔法は一級品だよ」
メルヴィさんは宝石箱を開けて、中を見せてくれた。ファリードさんと同じ金の輪っかのピアスが入っているかと思えば、中にはシルバーのシンプルな腕輪が入っていた。
「これをつけて、メルヴィさんが治癒魔法をラミに施してくれたらラミは目覚めるんですね……ああ、良かった……ラミが目覚めなかったらと思ったら……」
ホッとして気が緩んだら、急に目から涙が溢れてきてしまった。メルヴィさんは笑いながら私の涙を拭いてくれていると、ふと外が騒がしくなっていることに気がつく。
何事かと首を傾げながら三人で視線を交わし、窓の外を覗けば、街は冷静さを失っており、大混乱に包まれていた。
いつもは空を飛び交っている箒も一本も飛んでいない。稼働中は輝く魔導具も、全て暗く沈んでいる。街を行き交う人々は皆驚きや戸惑いの表情と叫び声を上げていた。
「なんだこれは……」
メルヴィさんが食い入るように窓に手を当てて外を覗き見ると、階下からバタバタと慌てた足音が駆け上がってくる。扉を勢いよく開けたのはメイドのサンナで、顔を真っ青にしていた。
「お……お嬢様……振動数が……魔力が……」
「サンナ、どうした? はっきり言うんだ」
「魔法が使えません」
12
あなたにおすすめの小説
『有能すぎる王太子秘書官、馬鹿がいいと言われ婚約破棄されましたが、国を賢者にして去ります』
しおしお
恋愛
王太子の秘書官として、陰で国政を支えてきたアヴェンタドール。
どれほど杜撰な政策案でも整え、形にし、成果へ導いてきたのは彼女だった。
しかし王太子エリシオンは、その功績に気づくことなく、
「女は馬鹿なくらいがいい」
という傲慢な理由で婚約破棄を言い渡す。
出しゃばりすぎる女は、妃に相応しくない――
そう断じられ、王宮から追い出された彼女を待っていたのは、
さらに危険な第二王子の婚約話と、国家を揺るがす陰謀だった。
王太子は無能さを露呈し、
第二王子は野心のために手段を選ばない。
そして隣国と帝国の影が、静かに国を包囲していく。
ならば――
関わらないために、関わるしかない。
アヴェンタドールは王国を救うため、
政治の最前線に立つことを選ぶ。
だがそれは、権力を欲したからではない。
国を“賢く”して、
自分がいなくても回るようにするため。
有能すぎたがゆえに切り捨てられた一人の女性が、
ざまぁの先で選んだのは、復讐でも栄光でもない、
静かな勝利だった。
---
さよなら、悪女に夢中な王子様〜婚約破棄された令嬢は、真の聖女として平和な学園生活を謳歌する〜
平山和人
恋愛
公爵令嬢アイリス・ヴェスペリアは、婚約者である第二王子レオンハルトから、王女のエステルのために理不尽な糾弾を受け、婚約破棄と社交界からの追放を言い渡される。
心身を蝕まれ憔悴しきったその時、アイリスは前世の記憶と、自らの家系が代々受け継いできた『浄化の聖女』の真の力を覚醒させる。自分が陥れられた原因が、エステルの持つ邪悪な魔力に触発されたレオンハルトの歪んだ欲望だったことを知ったアイリスは、力を隠し、追放先の辺境の学園へ進学。
そこで出会ったのは、学園の異端児でありながら、彼女の真の力を見抜く魔術師クライヴと、彼女の過去を知り静かに見守る優秀な生徒会長アシェル。
一方、アイリスを失った王都では、エステルの影響力が増し、国政が混乱を極め始める。アイリスは、愛と権力を失った代わりに手に入れた静かな幸せと、聖女としての使命の間で揺れ動く。
これは、真実の愛と自己肯定を見つけた令嬢が、元婚約者の愚かさに裁きを下し、やがて来る国の危機を救うまでの物語。
枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉
狭山ひびき
恋愛
ある日、イアナ・アントネッラは父親に言われた。
「来月、フェルナンド・ステファーニ公爵に嫁いでもらう」と。
フェルナンド・ステファーニ公爵は御年六十二歳。息子が一人いるが三十年ほど前に妻を亡くしてからは独り身だ。
対してイアナは二十歳。さすがに年齢が離れすぎているが、父はもっともらしい顔で続けた。
「ジョルジアナが慰謝料を請求された。ステファーニ公爵に嫁げば支度金としてまとまった金が入る。これは当主である私の決定だ」
聞けば、妹のジョルジアナは既婚者と不倫して相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたらしい。
「お前のような年頃の娘らしくない人間にはちょうどいい縁談だろう。向こうはどうやらステファーニ公爵の介護要員が欲しいようだからな。お前にはぴったりだ」
そう言って父はステファーニ公爵の肖像画を差し出した。この縁談は公爵自身ではなく息子が持ちかけてきたものらしい。
イオナはその肖像画を見た瞬間、ぴしゃーんと雷に打たれたような衝撃を受けた。
ロマンスグレーの老紳士。なんて素敵なのかしら‼
そう、前世で六十歳まで生きたイオナにとって、若い男は眼中にない。イオナは枯れ専なのだ!
イオナは傷つくと思っていた両親たちの思惑とは裏腹に、喜び勇んでステファーニ公爵家に向かった。
しかし……。
「え? ロマンスグレーの紳士はどこ⁉」
そこでイオナを待ち受けていたのは、どこからどう見ても二十歳くらいにしか見えない年若い紳士だったのだ。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる