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しおりを挟む思ってもいない告白に、フィーナは目を丸くした。ジークハルトは続ける。
「最初は、いつもこちらの注文通り以上の仕事をしてくれている君の事がずっと気になっていた。
ここに来た時にお茶を出してくれる君がそのコだと知って、こんなに可愛らしいコがと、そのギャップに惹かれた。君に会える日が待ち遠しく、楽しみだった。
そうだな、君への想いを自覚したのは、回復薬ポーションのことを楽しく語る君と話した時だ 」
「あの時、私は嫌われてしまったかと…… 」
ジークハルトは、「やっぱり、怖がらせていたんだな 」と呻いた。
「俺が求婚したあの日、確かに出された紅茶からハラヒラの花の香りがした気がした。タイランは花の香りなどしないと言っていたから、君も俺を特別に想っていてくれているのかと思って歓喜してしまったんだ。……しかし、あれは薬の香りだったのか 」
途中から独り言のようにブツブツと言いながら、こちらへと大股で向かって歩いてくる。後退りながら、フィーナは反対側の壁際に追い詰められてしまった。
顔の横の壁に腕を当て、ジークハルトはフィーナが逃げられないよう壁と自分の間に閉じ込める。心臓の音が壊れたみたいに煩い。
見つめる深く青い瞳に、心ごと吸い込まれてしまいそうだ。
「フィーナ、君は、君への告白も、口付けも、全部、その薬の所為だと思ったのか? 俺が君に触れる時、どんなに緊張していたのか、どんなに嬉しかったのかも知らないで 」
近付いてくる、端正な顔に動けなくなる。ハラリと銀色の髪が落ちてきたと思ったら、次には口唇が重ねられていた。
合わせるだけの口付けは直ぐに離れていき、「ラピ・ルト岳で言ってくれた言葉は本当? 」と耳元で聞かれる。
フィーナがコクコクと頷くと、ジークハルトが後ろに隠し持っていたものを渡された。目の前が突然、真っ白な花でいっぱいになってびっくりする。
それは、沢山のハラヒラの花を束ねた花束。
「俺の答えはイエスだ。俺も、どうしても君に贈りたくて、ここ数日間、探し回っていたんだ 」
フィーナの愛するその人は、自分の方が好きだとでもいうように、「俺の方が沢山あるだろう? 」と自慢げに優しく笑った。
《fin》
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