49 / 203
turning point
桑乃瑞希 14
しおりを挟む
-7月19日 PM 7:25-
明滅していた視界が戻ってきた。
「くそ、あいつ逃げやがった」
貨物用エレベーターが上階へ稼働している。
この倉庫部屋に身を隠せる場所は多い。だが、たとえ物陰に潜もうと、羽子ならば感知できる。
身体に移植された亜人の能力ではない。戦場で培った技だ。
ビル内の侵入者にも真っ先に気づいた。単独で撃退に出たのは、侵入者のあたりがついたからだ。
最初に遭遇したのは上海での仕事中だった。二度目は桑乃邸。第一印象はそのときで、ぼんやりした男だと感じた。
新田大吉。
羽子の中で妙な存在感を得つつある。
実力の差は歴然としていた。
羽子は得物を追い詰める狼のように、大吉を倉庫内の袋小路に追い詰めた。
仕留めようとした時、スタングレネードを食らわされた。
咄嗟に腕で目を庇ったが、僅かに閃光を浴びた。視力が戻るのにそう時間はかからなかったものの、その間に大吉を取り逃がした。
耳鳴りは尾を引いている。
羽子との闘いを放り投げた大吉は、瑞希がいる最上階を目指しているはずだ。
「虚仮にしやがって」
羽子はエレベーターの扉を強引にこじ開けた。簡易リフトが昇っていく。
「逃がすか」
四面の壁を利用し、蹴り上がっていく。
貨物用エレベーターは最上階へは繋がっていない。瑞希のもとへ向かうには階段か、乗用のエレベーターを使わなければならない。
貨物エレベーターが終わる中層階の廊下に出た。
成樟の兵が二人、打ち倒されていた。
羽子は舌打ちした。
曲がり角を折れると、乗用エレベーターの扉が閉まるところだった。
「くそ」
エレベーターの操作盤を殴りつけた。
焦る必要はなかった。大吉が瑞希の元へ辿り着いたとしても、そこから脱出する術はない。
「悪足掻きばかりしやがって」
羽子を襲う感情は、焦燥ではなく苛立ちだ。
平気で無謀を犯し、希望はないのに諦めない。
新田大吉の行動原理が、羽子にはまるで理解できない。
殴って、殴られる。その繰り返しだった。
徹平もストライカーも、互いの拳を避けようとしない。
ストライカーの戦闘スタイルは、ボクシングがベースになっている。体格でいえば、ヘヴィ級だ。
おそらく、ストライカーの魔術『ハイテンション』の効果対象が、拳打だけなのだ。
気分が高揚すればするほど攻撃力を増す魔術については、ストライカーの外見とともに、大吉から聞いていた。
「そぉおい!」
ストライカーの拳がボディに突き刺さる。
徹平は右ストレートをフルスイングする。テンプルを掠めた。
「っつ」
ストライカーがはじめて下がった。
そこに生じた余地に踏み込む。徹平の追撃を、スウェーバックで躱そうとしてくる。
「おぉぉら!」
徹平のジャブが、ストライカーの顔面を弾く。口と鼻から噴き出た鮮血を胸に浴びる。
「伸びやがった。メキシカンジャブか」
「あぁ? なんだそりゃ」
「ちっ、知らねえでやったのかよ」
逃げるのを追うつもりで、踏み込みの深さを途中で変えた。その分、パンチを出すのが遅れた。ストライカーにはその徹平の拳が、伸びてきたように見えたようだ。
「戦闘センスがあるのはわかった」
ストライカーは鼻腔に詰まった血を吹いた。
「しかし、わからねえ」
ストライカーは、植込みのココヤシの太い幹に裏拳を放った。
植樹が音を立ててへし折れた。
「俺の魔術は機能してる。それを防御もなにもなしに何発も食らって、なんで立っていられる?」
「本物の拳を、知ってるからかもな」
思い浮かべたのは隆子、そして大吉だ。
「それじゃあ俺のは偽物か」
「お前も十分強えよ。でも、それだけだ」
「なに」
隆子には、人として道を誤りそうになる度に殴られた。
「本物の拳ってのは、心で打つんだ」
「こころ、ね」
口に含むように、ストライカーは徹平の言葉を反芻した。
「なあお前、名前聞いてなかったな。なんて言うんだ」
「左門徹平だ」
「テッペイ、ウチに来ないか?」
「はぁ?」
「あんな男だか女だかわからんガキのために、躰張ってなんになる。あと数分もすれば成樟のお嬢が数百人って護衛を引き連れて来る。そうなりゃ終わりだろう。お前ほどの男が、有象無象を相手につまらん死に方をするのは惜しい」
ストライカーは叩き折ったヤシの葉を数枚掴んで千切り、宙に放った。葉は頼りなく舞い落ちる。
「隆子がいなきゃ、俺もお前みたいになっていたのかもな」
「なんだって?」
「なにもわかってねえと言ったのさ」
「ほう。俺がなにをわかってねえって?」
「まず、瑞希は瑞希だ。それと、俺がここにいるのは、瑞希だけが理由じゃねえ」
徹平は人差し指を、次いで中指を立てて言った。
「ダチの頼みでな。大吉って、お前も会ったやつさ」
「あいつか。大したやつには感じなかったが」
「見る目がねえや」
立体駐車場で大吉と闘った。
あのとき、大吉は隆子と同じ目をしていた。同情や哀れみではなく、なにかもっと大きなところで、相手を受けとめる目。
大吉の拳も、隆子の拳同様に効いた。
「大吉はでかいぞ。俺なんかよりよっぽど、でかい」
「いいな。そんなふうに言えるダチを、俺は持ったことがない。ストリートで育って、仲間も敵も一皮むけば似たようなもんだった」
「誰にだって色々ある。俺にもあった。俺はツイてたとも思う」
「そうかよ。なら仕方ねえな」
ストライカーがポケットからイヤホンを取り出し、耳にはめる。音楽が漏れてくる。膝や肩でリズムを取り、頭を揺らす。
「アスリートが試合前に音楽を聴くって話は知ってるが、なるほどな。確かにお前の魔術とやらとは相性がよさそうだ」
音楽のテンポにノリながら、ストライカーが歩いてくる。
「喧嘩は終いだ。戦闘屋として、テッペイ、お前を殺す」
音楽の音量のせいで、ストライカーの声までデカい。
靴のつま先が当たるか当たらないかのところで、ストライカーが立ち止まる。
睨み合う。
互いの呼吸が伝わる距離。
両者の間の空気が、過熱していく。
熱の臨界点。先に達したのは、ストライカーの方だった。
腕を大きく振り、腰に回転をかける。下半身のバネによって、超々至近距離で大砲が打ち出される。
ガードはしなかった。砲弾と化したストライカーの右フックを、全身を使って受け止める。
シャツが裂け、筋肉が波打ち、骨が震えた。踏みしめた地面が、徹平を要にして扇状に砕ける。
視界が白くなった。
行ってこい、バカ息子。
隆子の声。
出番だ、徹平。
おう大吉、遅すぎるってもんだぜ。
途切れかけていた意識が、戻る。
フックを打ち終えたストライカーの頭が、徹平の懐にあった。
「これでも倒れねえか」
「勝手に終わらすんじゃねえ」
徹平は双腕を掲げ、頭上で手と手を合体させた。
その瞬間、躰の中で歯車が噛み合うような感覚がした。燃えるような熱が、臍あたりから噴射する。
躰に広がった熱が、腕の先に集まっていく。
爀い焔を纏った鉄槌を、今度は徹平が全力で振り下ろす。
勝負は決した。
ストライカーが、地に沈んでいた。
「どちらかが倒れるまで終わらないのが、喧嘩だ」
そして徹平は、骨が折れようが、気を失おうが、仮に命を落とそうとも、倒れない。
殺しなら、ストライカーの方が上だったかもしれない。だが徹平は、喧嘩という自分の土俵を譲らなかった。
「この喧嘩、俺の、勝ちだっ!」
徹平の雄叫びが夏の夜雲に轟いた。
明滅していた視界が戻ってきた。
「くそ、あいつ逃げやがった」
貨物用エレベーターが上階へ稼働している。
この倉庫部屋に身を隠せる場所は多い。だが、たとえ物陰に潜もうと、羽子ならば感知できる。
身体に移植された亜人の能力ではない。戦場で培った技だ。
ビル内の侵入者にも真っ先に気づいた。単独で撃退に出たのは、侵入者のあたりがついたからだ。
最初に遭遇したのは上海での仕事中だった。二度目は桑乃邸。第一印象はそのときで、ぼんやりした男だと感じた。
新田大吉。
羽子の中で妙な存在感を得つつある。
実力の差は歴然としていた。
羽子は得物を追い詰める狼のように、大吉を倉庫内の袋小路に追い詰めた。
仕留めようとした時、スタングレネードを食らわされた。
咄嗟に腕で目を庇ったが、僅かに閃光を浴びた。視力が戻るのにそう時間はかからなかったものの、その間に大吉を取り逃がした。
耳鳴りは尾を引いている。
羽子との闘いを放り投げた大吉は、瑞希がいる最上階を目指しているはずだ。
「虚仮にしやがって」
羽子はエレベーターの扉を強引にこじ開けた。簡易リフトが昇っていく。
「逃がすか」
四面の壁を利用し、蹴り上がっていく。
貨物用エレベーターは最上階へは繋がっていない。瑞希のもとへ向かうには階段か、乗用のエレベーターを使わなければならない。
貨物エレベーターが終わる中層階の廊下に出た。
成樟の兵が二人、打ち倒されていた。
羽子は舌打ちした。
曲がり角を折れると、乗用エレベーターの扉が閉まるところだった。
「くそ」
エレベーターの操作盤を殴りつけた。
焦る必要はなかった。大吉が瑞希の元へ辿り着いたとしても、そこから脱出する術はない。
「悪足掻きばかりしやがって」
羽子を襲う感情は、焦燥ではなく苛立ちだ。
平気で無謀を犯し、希望はないのに諦めない。
新田大吉の行動原理が、羽子にはまるで理解できない。
殴って、殴られる。その繰り返しだった。
徹平もストライカーも、互いの拳を避けようとしない。
ストライカーの戦闘スタイルは、ボクシングがベースになっている。体格でいえば、ヘヴィ級だ。
おそらく、ストライカーの魔術『ハイテンション』の効果対象が、拳打だけなのだ。
気分が高揚すればするほど攻撃力を増す魔術については、ストライカーの外見とともに、大吉から聞いていた。
「そぉおい!」
ストライカーの拳がボディに突き刺さる。
徹平は右ストレートをフルスイングする。テンプルを掠めた。
「っつ」
ストライカーがはじめて下がった。
そこに生じた余地に踏み込む。徹平の追撃を、スウェーバックで躱そうとしてくる。
「おぉぉら!」
徹平のジャブが、ストライカーの顔面を弾く。口と鼻から噴き出た鮮血を胸に浴びる。
「伸びやがった。メキシカンジャブか」
「あぁ? なんだそりゃ」
「ちっ、知らねえでやったのかよ」
逃げるのを追うつもりで、踏み込みの深さを途中で変えた。その分、パンチを出すのが遅れた。ストライカーにはその徹平の拳が、伸びてきたように見えたようだ。
「戦闘センスがあるのはわかった」
ストライカーは鼻腔に詰まった血を吹いた。
「しかし、わからねえ」
ストライカーは、植込みのココヤシの太い幹に裏拳を放った。
植樹が音を立ててへし折れた。
「俺の魔術は機能してる。それを防御もなにもなしに何発も食らって、なんで立っていられる?」
「本物の拳を、知ってるからかもな」
思い浮かべたのは隆子、そして大吉だ。
「それじゃあ俺のは偽物か」
「お前も十分強えよ。でも、それだけだ」
「なに」
隆子には、人として道を誤りそうになる度に殴られた。
「本物の拳ってのは、心で打つんだ」
「こころ、ね」
口に含むように、ストライカーは徹平の言葉を反芻した。
「なあお前、名前聞いてなかったな。なんて言うんだ」
「左門徹平だ」
「テッペイ、ウチに来ないか?」
「はぁ?」
「あんな男だか女だかわからんガキのために、躰張ってなんになる。あと数分もすれば成樟のお嬢が数百人って護衛を引き連れて来る。そうなりゃ終わりだろう。お前ほどの男が、有象無象を相手につまらん死に方をするのは惜しい」
ストライカーは叩き折ったヤシの葉を数枚掴んで千切り、宙に放った。葉は頼りなく舞い落ちる。
「隆子がいなきゃ、俺もお前みたいになっていたのかもな」
「なんだって?」
「なにもわかってねえと言ったのさ」
「ほう。俺がなにをわかってねえって?」
「まず、瑞希は瑞希だ。それと、俺がここにいるのは、瑞希だけが理由じゃねえ」
徹平は人差し指を、次いで中指を立てて言った。
「ダチの頼みでな。大吉って、お前も会ったやつさ」
「あいつか。大したやつには感じなかったが」
「見る目がねえや」
立体駐車場で大吉と闘った。
あのとき、大吉は隆子と同じ目をしていた。同情や哀れみではなく、なにかもっと大きなところで、相手を受けとめる目。
大吉の拳も、隆子の拳同様に効いた。
「大吉はでかいぞ。俺なんかよりよっぽど、でかい」
「いいな。そんなふうに言えるダチを、俺は持ったことがない。ストリートで育って、仲間も敵も一皮むけば似たようなもんだった」
「誰にだって色々ある。俺にもあった。俺はツイてたとも思う」
「そうかよ。なら仕方ねえな」
ストライカーがポケットからイヤホンを取り出し、耳にはめる。音楽が漏れてくる。膝や肩でリズムを取り、頭を揺らす。
「アスリートが試合前に音楽を聴くって話は知ってるが、なるほどな。確かにお前の魔術とやらとは相性がよさそうだ」
音楽のテンポにノリながら、ストライカーが歩いてくる。
「喧嘩は終いだ。戦闘屋として、テッペイ、お前を殺す」
音楽の音量のせいで、ストライカーの声までデカい。
靴のつま先が当たるか当たらないかのところで、ストライカーが立ち止まる。
睨み合う。
互いの呼吸が伝わる距離。
両者の間の空気が、過熱していく。
熱の臨界点。先に達したのは、ストライカーの方だった。
腕を大きく振り、腰に回転をかける。下半身のバネによって、超々至近距離で大砲が打ち出される。
ガードはしなかった。砲弾と化したストライカーの右フックを、全身を使って受け止める。
シャツが裂け、筋肉が波打ち、骨が震えた。踏みしめた地面が、徹平を要にして扇状に砕ける。
視界が白くなった。
行ってこい、バカ息子。
隆子の声。
出番だ、徹平。
おう大吉、遅すぎるってもんだぜ。
途切れかけていた意識が、戻る。
フックを打ち終えたストライカーの頭が、徹平の懐にあった。
「これでも倒れねえか」
「勝手に終わらすんじゃねえ」
徹平は双腕を掲げ、頭上で手と手を合体させた。
その瞬間、躰の中で歯車が噛み合うような感覚がした。燃えるような熱が、臍あたりから噴射する。
躰に広がった熱が、腕の先に集まっていく。
爀い焔を纏った鉄槌を、今度は徹平が全力で振り下ろす。
勝負は決した。
ストライカーが、地に沈んでいた。
「どちらかが倒れるまで終わらないのが、喧嘩だ」
そして徹平は、骨が折れようが、気を失おうが、仮に命を落とそうとも、倒れない。
殺しなら、ストライカーの方が上だったかもしれない。だが徹平は、喧嘩という自分の土俵を譲らなかった。
「この喧嘩、俺の、勝ちだっ!」
徹平の雄叫びが夏の夜雲に轟いた。
0
あなたにおすすめの小説
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。
高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」
そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。
彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。
この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。
その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。
そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。
すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。
光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Hand in Hand - 二人で進むフィギュアスケート青春小説
宮 都
青春
幼なじみへの気持ちの変化を自覚できずにいた中2の夏。ライバルとの出会いが、少年を未知のスポーツへと向わせた。
美少女と手に手をとって進むその競技の名は、アイスダンス!!
【2022/6/11完結】
その日僕たちの教室は、朝から転校生が来るという噂に落ち着きをなくしていた。帰国子女らしいという情報も入り、誰もがますます転校生への期待を募らせていた。
そんな中でただ一人、果歩(かほ)だけは違っていた。
「制覇、今日は五時からだから。来てね」
隣の席に座る彼女は大きな瞳を輝かせて、にっこりこちらを覗きこんだ。
担任が一人の生徒とともに教室に入ってきた。みんなの目が一斉にそちらに向かった。それでも果歩だけはずっと僕の方を見ていた。
◇
こんな二人の居場所に現れたアメリカ帰りの転校生。少年はアイスダンスをするという彼に強い焦りを感じ、彼と同じ道に飛び込んでいく……
――小説家になろう、カクヨム(別タイトル)にも掲載――
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
幽縁ノ季楼守
儚方ノ堂
キャラ文芸
「季楼庵当主の代理を務めてもらう」
幼少期、神隠しにあった過去を待つ青年ユメビシ。
迷い込んだ先で、事件に巻き込まれ両手を失い、生死を彷徨うことに。
ただ「死にたくない」と望んだ願いは、ある故人の手を移植することで実現した。
これを境に不死の体質へと変貌したユメビシは、約70年の時を経て、因縁の土地『瞑之島(みんのとう)』へ帰還する。
しかし、どうして今自分がここにいるのか、その理由となる記憶がすっぽり抜け落ちた状態で……。
奇妙な忘却に焦りを抱えながら、手がかりを求め探索するさなか、島の中枢を担う組織『季楼庵(きろうあん)』の面々と関わりを持ち、次々と巻き起こる騒動に身を投じていくのだった。
現代において、人と人ならざる者が共存する瞑之島を舞台に、半ば強制的に当主代理に据えられたユメビシの非日常。
異色の現代ファンタジー✖️和風奇譚✖️ミステリー
様々な思惑が交錯する中、彼の帰還を以て、物語は一つの結末へ動き出す。
その約束は、何十年何百年経ち、たとえ本人達が覚えていなくとも。
幽かな縁で繋がり続け、決して解けない糸となる。
それを人は、因縁――またの名を『呪い』と呼ぶのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる