87 / 203
老天狗は忘却に奏す
畿一 8
しおりを挟む
携帯電話が鳴った。
幽奏会から支給されている方ではない、日限が個人で契約している方の電話だ。
幽奏会で妖退治などの実働を担当する部署にいる同期からだった。
「そうか。ああ、わかった。ああ、ありがとう」
日限の身を案じる同期に礼を言い、通話を切った。
代々木で死んだ部下の葬儀が終わったこと、拘留されていた畝本が逃亡したことを、同期は報せてくれた。
自らの背任行為も含めて綴った告発文で、日限は術式を凍結され、幽奏会における一切の権限も解かれた。
現状では観察処分の扱いだが、これからどう転ぶともしれなかった。
情報を手にしにくくなった日限を気遣い、同期は連絡をくれた。
畝本は、内部告発をしたのが自分だと勘づいたはずだ。
葉榁町商店街を歩きながら、日限は考えた。
解任と同時に拘束された畝本が、外部から情報を得る手段はない。だが、頭は働く男だ。あらゆる可能性を排除していけば、日限の名が残ることはわかる。
畝本に渡され銭豆神社襲撃に使った呪い札のことは、日限しか知る者はいない。あれが最大の証拠品だった。
気にしても仕方なかった。すべてを受け入れる。今の日限は、そんな心境になっている。
それはそれとして、腹はへる。
商店街で軒を連ねる中華屋が目についた。
入った。
春香と束早と尚継、そして珠木が、一つの卓を囲っていた。卓上は中皿に盛られた料理の数々で埋め尽くされていた。
仕事とはいえ町にそれなりの迷惑をかけた珠木が、詫びていた。靜の姿はない。食事の申し出はしたものの断わられたか。
日限も銭豆神社へ赴き、謝罪は受け入れられたが、それで許されたとは思っていなかった。
「あ、日限さん」
「どうも」
日限は会釈だけして、四人から少し離れたカウンター席に座った。
注文を待つ間、春香たちのいる卓から話が聞こえてくる。
大吉は、畿一と奪われた土地の力を返すため北にいて、戻るのはそれを終えてからになる、とのことだ。
「大吉は、怪我とかしてないですか」
「天逆毎を自分の身体に引き受けた。その反動は小さくなかったけど、吸血鬼の血で事なきを得た。私が別れた時は、平気そうだったよ」
「また、フェンの血を使ったんだ」
「春香ちゃん? 怒ってる?」
注文のラーメンがカウンター越しに出された。日限は割り箸を取る。
「珠木さんは、これから南で奪われた土地の力を返しに行くんですよね。どこまで行くんですか?」
束早が話題を替えた。
「一番遠いのは、九州かな。独角っていう鬼の一族が暮らす場所でね」
「半狼に天狗、鬼。日本で確認されている亜人は、そんなとこですよね」
尚継が話に加わる。黙っている春香に、気を遣っている感じだ。
「返し終わったら、どうするんですか」
「んー、とくに決めてないかな」
「アパートの部屋、そのままになってます」
「ん。でも、束早ちゃんはいいの?」
「銭豆神社でのことは、謝ってもらいました。事情も教えてもらいましたし。珠木さんが酔って遊びに来ると、賑やかになっていいです」
「束早ちゃん」
珠木が感極まって瞳を潤ませる。
日限は、どこか嘘くさく思えてしまう。束早たちは、そういう穿った受け取り方はしないのだろう。
「ごちそうさまでした」
席を立とうとすると、珠木から声がかかる。
「日限っち、まだ食べれたらこっちに来ない?」
「いえ、もう満腹なので」
やんわりと断るための嘘だ。
珠木が苦手だった。
謝罪し、それが受け入れられたからと、詫びがてら食事を共にする。日限には、ちょっと理解できない感覚だった。
日限は人間で、珠木は中身が妖だが、そういう問題でもない。
人同士でも、肌が合わないということは往々にしてある。悪事に加担した以上、然るべき罰は受けなければならない。日限はそういう性分で、いわば裁きを待っている身の上なのだ。
店を出た。
滞在さしている駅前のビジネスホテルに戻ろうとして、商店街を行き交う人々の中に、男の姿を見つけた。
「日限」
「畝本さん」
距離は十メートルほど離れている。
畝本は、どす黒い顔色をしていた。襟元の汚れたシャツに、よれたジャケットを重ねている。畝本が好んで着ていた、サイドベンツのジャケットだ。
「今回の事件、なんと呼ばれているか聞いたか。逆波事件だとよ。妖どもが着ていた羽織、あったろう。あれから取ったらしい。覚えているか」
「ええ」
白地に黒の逆波模様が入った羽織。天邪鬼の呼びかけに応じた妖の中でも、妖力の強い幹部格が、あれを着て行動していた。
「馬鹿々々しい。あいつらは、踊っていただけだ」
すべては自分の掌の上だった。畝本はそう言いたげだ。
「幽奏会は、どうなるんでしょうね」
「成樟の人間を中心とした諮問機関が設置された。幽奏会はこれまでそれなりに独立性が認められてきたが、今後は成樟所管の組織に再編される流れができつつある」
話しながら、畝本が近づいてくる。通行人が畝本の姿を二度見する。関りを避け、道を開ける。
「対応が早いですね」
「連中は、はじめからこの国の術士を飼い慣らす腹積もりだったのよ。ずっとその機を窺っていやがった。俺は、政治屋の犬になるなぞまっぴらだと思い続けてきた」
だから、幽奏会の地位を盤石なものにしようとしたのか。
政治屋という畝本の言葉に、この男が元は商人だったことを思い出した。
「しかし、もう終わりだな。なにもかも、終わった」
畝本が、日限の目前で立ち止まった。脱力しきっていた。押せば倒れそうだが、日限は動けなかった。畝本はここまで、一度も瞬きせず日限を見据えている。
「なぜ、裏切った」
「代々木支局で、仲間を撃ったでしょう。あれが、私の引き金になった。弾は、ずっと私の腹の中にはありましたよ」
「面従腹背か」
それとは、少し違う。そう思ったが、言葉で説明するのは難しかった。
傷つけられてはいけないものを、傷つけられた。そんな言葉しか浮かんでこない。
「俺の引き金は、どこにあると思うね、日限」
畝本の低い声。さぁ、と日限はとぼけた。
「ここだよ」
畝本がジャケットの内側に隠れていた腰のベルトから、自動拳銃を引き抜き、銃口を日限の腹に押し当ててきた。ショートリコイル式。怒りで、そのことが頭から抜け落ちているのか。
「畝本、お前は私とともに、正当な裁きを受けるんだ」
「上司を呼び捨てにするな、くそったれ」
銃声。腹に衝撃がきて、次いで焼きごてでも押し付けられるような熱さが襲ってくる。
銃口を離して、引き金を引いた。自暴自棄になっても、頭の一部は冴えている。畝本らしかった。
膝から崩れ、仰向けに倒れた。腹を押さえた掌を見た。赤い。死んだ同期と同じ、赤い血だ。
銃声からだいぶ遅れて、悲鳴があがった。
中華屋の入口にぶら下がっていた鈴の音。店内から飛び出してきて誰かが、日限の傷の止血を試みる。
必死な形相の森宮春香が見えた。
こんなとき、真っ先に飛び出してくるんだな。
日限の意識は、そこで途切れた。
幽奏会から支給されている方ではない、日限が個人で契約している方の電話だ。
幽奏会で妖退治などの実働を担当する部署にいる同期からだった。
「そうか。ああ、わかった。ああ、ありがとう」
日限の身を案じる同期に礼を言い、通話を切った。
代々木で死んだ部下の葬儀が終わったこと、拘留されていた畝本が逃亡したことを、同期は報せてくれた。
自らの背任行為も含めて綴った告発文で、日限は術式を凍結され、幽奏会における一切の権限も解かれた。
現状では観察処分の扱いだが、これからどう転ぶともしれなかった。
情報を手にしにくくなった日限を気遣い、同期は連絡をくれた。
畝本は、内部告発をしたのが自分だと勘づいたはずだ。
葉榁町商店街を歩きながら、日限は考えた。
解任と同時に拘束された畝本が、外部から情報を得る手段はない。だが、頭は働く男だ。あらゆる可能性を排除していけば、日限の名が残ることはわかる。
畝本に渡され銭豆神社襲撃に使った呪い札のことは、日限しか知る者はいない。あれが最大の証拠品だった。
気にしても仕方なかった。すべてを受け入れる。今の日限は、そんな心境になっている。
それはそれとして、腹はへる。
商店街で軒を連ねる中華屋が目についた。
入った。
春香と束早と尚継、そして珠木が、一つの卓を囲っていた。卓上は中皿に盛られた料理の数々で埋め尽くされていた。
仕事とはいえ町にそれなりの迷惑をかけた珠木が、詫びていた。靜の姿はない。食事の申し出はしたものの断わられたか。
日限も銭豆神社へ赴き、謝罪は受け入れられたが、それで許されたとは思っていなかった。
「あ、日限さん」
「どうも」
日限は会釈だけして、四人から少し離れたカウンター席に座った。
注文を待つ間、春香たちのいる卓から話が聞こえてくる。
大吉は、畿一と奪われた土地の力を返すため北にいて、戻るのはそれを終えてからになる、とのことだ。
「大吉は、怪我とかしてないですか」
「天逆毎を自分の身体に引き受けた。その反動は小さくなかったけど、吸血鬼の血で事なきを得た。私が別れた時は、平気そうだったよ」
「また、フェンの血を使ったんだ」
「春香ちゃん? 怒ってる?」
注文のラーメンがカウンター越しに出された。日限は割り箸を取る。
「珠木さんは、これから南で奪われた土地の力を返しに行くんですよね。どこまで行くんですか?」
束早が話題を替えた。
「一番遠いのは、九州かな。独角っていう鬼の一族が暮らす場所でね」
「半狼に天狗、鬼。日本で確認されている亜人は、そんなとこですよね」
尚継が話に加わる。黙っている春香に、気を遣っている感じだ。
「返し終わったら、どうするんですか」
「んー、とくに決めてないかな」
「アパートの部屋、そのままになってます」
「ん。でも、束早ちゃんはいいの?」
「銭豆神社でのことは、謝ってもらいました。事情も教えてもらいましたし。珠木さんが酔って遊びに来ると、賑やかになっていいです」
「束早ちゃん」
珠木が感極まって瞳を潤ませる。
日限は、どこか嘘くさく思えてしまう。束早たちは、そういう穿った受け取り方はしないのだろう。
「ごちそうさまでした」
席を立とうとすると、珠木から声がかかる。
「日限っち、まだ食べれたらこっちに来ない?」
「いえ、もう満腹なので」
やんわりと断るための嘘だ。
珠木が苦手だった。
謝罪し、それが受け入れられたからと、詫びがてら食事を共にする。日限には、ちょっと理解できない感覚だった。
日限は人間で、珠木は中身が妖だが、そういう問題でもない。
人同士でも、肌が合わないということは往々にしてある。悪事に加担した以上、然るべき罰は受けなければならない。日限はそういう性分で、いわば裁きを待っている身の上なのだ。
店を出た。
滞在さしている駅前のビジネスホテルに戻ろうとして、商店街を行き交う人々の中に、男の姿を見つけた。
「日限」
「畝本さん」
距離は十メートルほど離れている。
畝本は、どす黒い顔色をしていた。襟元の汚れたシャツに、よれたジャケットを重ねている。畝本が好んで着ていた、サイドベンツのジャケットだ。
「今回の事件、なんと呼ばれているか聞いたか。逆波事件だとよ。妖どもが着ていた羽織、あったろう。あれから取ったらしい。覚えているか」
「ええ」
白地に黒の逆波模様が入った羽織。天邪鬼の呼びかけに応じた妖の中でも、妖力の強い幹部格が、あれを着て行動していた。
「馬鹿々々しい。あいつらは、踊っていただけだ」
すべては自分の掌の上だった。畝本はそう言いたげだ。
「幽奏会は、どうなるんでしょうね」
「成樟の人間を中心とした諮問機関が設置された。幽奏会はこれまでそれなりに独立性が認められてきたが、今後は成樟所管の組織に再編される流れができつつある」
話しながら、畝本が近づいてくる。通行人が畝本の姿を二度見する。関りを避け、道を開ける。
「対応が早いですね」
「連中は、はじめからこの国の術士を飼い慣らす腹積もりだったのよ。ずっとその機を窺っていやがった。俺は、政治屋の犬になるなぞまっぴらだと思い続けてきた」
だから、幽奏会の地位を盤石なものにしようとしたのか。
政治屋という畝本の言葉に、この男が元は商人だったことを思い出した。
「しかし、もう終わりだな。なにもかも、終わった」
畝本が、日限の目前で立ち止まった。脱力しきっていた。押せば倒れそうだが、日限は動けなかった。畝本はここまで、一度も瞬きせず日限を見据えている。
「なぜ、裏切った」
「代々木支局で、仲間を撃ったでしょう。あれが、私の引き金になった。弾は、ずっと私の腹の中にはありましたよ」
「面従腹背か」
それとは、少し違う。そう思ったが、言葉で説明するのは難しかった。
傷つけられてはいけないものを、傷つけられた。そんな言葉しか浮かんでこない。
「俺の引き金は、どこにあると思うね、日限」
畝本の低い声。さぁ、と日限はとぼけた。
「ここだよ」
畝本がジャケットの内側に隠れていた腰のベルトから、自動拳銃を引き抜き、銃口を日限の腹に押し当ててきた。ショートリコイル式。怒りで、そのことが頭から抜け落ちているのか。
「畝本、お前は私とともに、正当な裁きを受けるんだ」
「上司を呼び捨てにするな、くそったれ」
銃声。腹に衝撃がきて、次いで焼きごてでも押し付けられるような熱さが襲ってくる。
銃口を離して、引き金を引いた。自暴自棄になっても、頭の一部は冴えている。畝本らしかった。
膝から崩れ、仰向けに倒れた。腹を押さえた掌を見た。赤い。死んだ同期と同じ、赤い血だ。
銃声からだいぶ遅れて、悲鳴があがった。
中華屋の入口にぶら下がっていた鈴の音。店内から飛び出してきて誰かが、日限の傷の止血を試みる。
必死な形相の森宮春香が見えた。
こんなとき、真っ先に飛び出してくるんだな。
日限の意識は、そこで途切れた。
0
あなたにおすすめの小説
黒に染まった華を摘む
馬場 蓮実
青春
夏の終わりに転校してきたのは、忘れられない初恋の相手だった——。
高須明希は、人生で“二番目”に好きになった相手——河西栞に密かに想いを寄せている。
「夏休み明けの初日。この席替えで、彼女との距離を縮めたい。話すきっかけがほしい——」
そんな願いを胸に登校したその朝、クラスに一人の転校生がやってくる。
彼女の名は、立石麻美。
昔の面影を残しながらも、まるで別人のような気配をまとう彼女は——明希にとって、忘れられない“初恋の人”だった。
この再会が、静かだった日常に波紋を広げていく。
その日の放課後。
明希は、"性の衝動"に溺れる自身の姿を、麻美に見られてしまう——。
塞がっていた何かが、ゆっくりと崩れはじめる。
そして鬱屈した青春は、想像もしていなかった熱と痛みを帯びて動き出す。
すべてに触れたとき、
明希は何を守り、何を選ぶのか。
光と影が交錯する、“遅れてきた”ひと夏の物語。
Hand in Hand - 二人で進むフィギュアスケート青春小説
宮 都
青春
幼なじみへの気持ちの変化を自覚できずにいた中2の夏。ライバルとの出会いが、少年を未知のスポーツへと向わせた。
美少女と手に手をとって進むその競技の名は、アイスダンス!!
【2022/6/11完結】
その日僕たちの教室は、朝から転校生が来るという噂に落ち着きをなくしていた。帰国子女らしいという情報も入り、誰もがますます転校生への期待を募らせていた。
そんな中でただ一人、果歩(かほ)だけは違っていた。
「制覇、今日は五時からだから。来てね」
隣の席に座る彼女は大きな瞳を輝かせて、にっこりこちらを覗きこんだ。
担任が一人の生徒とともに教室に入ってきた。みんなの目が一斉にそちらに向かった。それでも果歩だけはずっと僕の方を見ていた。
◇
こんな二人の居場所に現れたアメリカ帰りの転校生。少年はアイスダンスをするという彼に強い焦りを感じ、彼と同じ道に飛び込んでいく……
――小説家になろう、カクヨム(別タイトル)にも掲載――
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
幽縁ノ季楼守
儚方ノ堂
キャラ文芸
「季楼庵当主の代理を務めてもらう」
幼少期、神隠しにあった過去を待つ青年ユメビシ。
迷い込んだ先で、事件に巻き込まれ両手を失い、生死を彷徨うことに。
ただ「死にたくない」と望んだ願いは、ある故人の手を移植することで実現した。
これを境に不死の体質へと変貌したユメビシは、約70年の時を経て、因縁の土地『瞑之島(みんのとう)』へ帰還する。
しかし、どうして今自分がここにいるのか、その理由となる記憶がすっぽり抜け落ちた状態で……。
奇妙な忘却に焦りを抱えながら、手がかりを求め探索するさなか、島の中枢を担う組織『季楼庵(きろうあん)』の面々と関わりを持ち、次々と巻き起こる騒動に身を投じていくのだった。
現代において、人と人ならざる者が共存する瞑之島を舞台に、半ば強制的に当主代理に据えられたユメビシの非日常。
異色の現代ファンタジー✖️和風奇譚✖️ミステリー
様々な思惑が交錯する中、彼の帰還を以て、物語は一つの結末へ動き出す。
その約束は、何十年何百年経ち、たとえ本人達が覚えていなくとも。
幽かな縁で繋がり続け、決して解けない糸となる。
それを人は、因縁――またの名を『呪い』と呼ぶのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる