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初任務な皇弟⑴
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任務が降りてから二週間。ポテンシャルの高いルグランジュはすぐに基礎を修得した。魔力の扱いは幼い頃から一流の魔法師に師事していたからか、アクリュス並みに長けている。
イノデス伯爵邸の構造、家具の配置等の情報を元にアクリュスは暗殺計画を立てていた。今回は任務遂行期限が短いため、潜入ではなく侵入し、暗殺することにした。これにはもう一つの理由がある。ルグランジュの精神状態だ。第十三番隊の誰もが経験した初の暗殺。その任務をこなした後は、誰一人例外なく精神状態が著しく不安定になった。それはルグランジュにも当てはまるだろう。しかし、それが回復するまでにどれだけ時間をかけてもいいという訳ではない。特に彼の場合は約一ヶ月半後に西国の反乱軍制圧の指揮を控えている。それに間に合わせるためにもアクリュスは早く任務を遂行すべきだと判断したのだった。
第十三番隊の塔の地下。執務室を模したスペースはセグルク伯がいた部屋の配置に変更されており、アクリュスは、暗殺遂行当日セグルク伯が座っているだろうと考えられる肘掛けに腰掛けている。彼女の右手にある小テーブルの上には計画が書き込まれた紙が数枚重なっていた。彼女が何パターンもの計画を書き出している最中にも、ルグランジュは彼女の首からスカーフを取ろうと躍起になっている。
書き物をしているため正面からではなく背後からルグランジュが足音を消し、魔力を隠蔽し、息も気配も殺して近づくも、手が深緑の背もたれを越えた瞬間に万年筆の先を中指の腹に当てられる。決まってアクリュスはルグランジュの方を見向きもせず、ただひたすらに紙を眺めて計画を立てているだけ。どこから攻めても必ず中指の腹に万年筆の先を当てられるため、ルグランジュの中指の腹はインクで黒くなっていた。
「時間切れだルグランジュ。だが今回の任務遂行にあたっては充分だろう。正直魔力の扱いに関してはレージュやデイモスよりも上回っているし、足音は常人には聞こえまい」
首元に迫ってきていたルグランジュの手首をそっと掴んだアクリュスは、彼を振り返った。瞬間的にルグランジュは固まった。それは振り返ったアクリュスの息が指先に触れたせいなのか、あの大鎌を振り回しているとは思えないほどに滑らかな指に手首を掴まれたせいなのか。はたまた、そのどちらもなのか。理由がどうであったでせよ、アクリュスが振り返った瞬間にルグランジュが固まったのは事実。アクリュスは不思議そうに目を瞬いた。
その翌日。目立ちにくい黒系統の服を纏った二人は宵闇に紛れ、平民街と貴族街の境にある裏路地にいた。アクリュスはいつも通り夜色の髪を三編みにし、百合の葉が刻印された黒い仮面で目元を覆っている。しかし、ルグランジュはいつもと違った。インディアンレッドの髪はそのままだが、皇族特有のアメジストのような瞳はありふれた青に変わっている。アクリュスが特別にセバスに注文し作ってもらったのだ。魔導具作製が専門ではあるが、セバスは薬やちょっとした魔法薬の調合も心得ている。もちろん、その値段はぼったくりと言えるが。
目の色を変えても人相を変えることはできない。いや、幻影を見せて人相を変えることも、魔法薬で一時的に人相を変えることもできないわけではないのだが、万が一幻影が破られたり魔法薬の副作用が出たりしては困る。そのため人相だけは変えることができなかった。しかたなく深くフードを被ることで凌ぐことにしたルグランジュは、顔がよく見えない。
路地を巧みに使いながら人目を避けてイノデス伯爵邸に到着した二人は、軽々と塀の上に上ると白塗りの屋根の上に飛び移った。二人とも身体強化を使っているため常人離れした動きである。
頭の中にある屋敷の造りを元にセグルク伯がいる部屋の上に辿り着くと、アクリュスは突然ゆっくりとルグランジュを振り返った。
「少しでも躊躇いがあるなら今すぐ帰れ。今ならまだ間に合う」
彼女の髪色が溶け込んでしまいそうな闇の中、一対の光るアクアマリンがまっすぐにルグランジュを射ぬく。覚悟を問う彼女の仮面の奥を、ルグランジュは黙って見返していた。その瞳に覚悟を見とったアクリュスは、ふっ、と口の端を上げる。
「計画通りに。……では行こうか」
魔力を隠蔽し、完全に気配を消した二人が静かにテラスへ降り立った。物音一つ立てない二人に気付かないセグルク伯
は、ガラスの向こうで二人に背を向け肘掛けに座っていた。何やら読んでいるらしいセグルク伯は頭が足りないのか、ガラス戸を空けて夜風を部屋に入れている。初冬とは言え、比較的温暖なバスティーナ帝国の夜風は気持ちよく感じられる。
アクリュスは開いたガラス戸からマナキャンセルを一つ放り込んだ。これで外との通信は絶たれる。あとはセグルク伯が叫びでもしなければいい話だ。
当たり前のように室内へと侵入した二人は、それぞれ行動を起こす。ルグランジュは素早く廊下へと繋がる扉の前へと移動し、アクリュスはセグルク伯の背後に回った。ホルダーから外した大鎌を元の大きさに戻し、セグルク伯の首にかける。
背後からセグルク伯を見下ろしながら、彼女は毒殺するのは難しいだろうと考えていた。毒は体積の大きい生物ほど致死量が多くなり、毒殺は困難になる。小太りなセグルク伯は体積が大きい。
「こんばんは、セグルク伯爵。お静かに願えますか?」
頭が足りない割に頭髪は足りているらしいセグルク伯にアクリュスが語りかける。今まで誰もいなかったはずの部屋にいつの間にか二人の人間が侵入し、一人は自分に刃物を突きつけているという状況にまだ理解が追い付いていないセグルク伯の耳元で、アクリュスは罪状を言い渡した。
つらつらと彼女の口から出てくるセグルク伯の悪行は数え切れない。さすがに全てを覚えてきてはいないアクリュスは、最後にその他もろもろ、と付け加えた。
「『影』か……」
罪状を並べ立てられている間に脳が再起動したらしいセグルク伯は押し出すように呟いた。貴族や裏家業の者たちの間でも知る人ぞ知る皇族の影。帝国の裏側も治める皇族に暗殺者の一人や二人いてもおかしくはないと噂されていた。その人数、正体については何一つ分かっていないものの、影が実際に存在することは知っていたらしい。
「ご名答」
馬鹿にするようなアクリュスを見たセグルク伯は彼女の仮面を見て息を呑んだ。ただでさえ有名な第十三番隊の中でも一際有名でミステリアスな隊員。仮面に覆われた素顔は火傷でただれ、ひどく醜い、逆にこの世のものとは思えないほどに恐ろしく美しい。死神に相応しい大鎌は幾千もの命を屠ってきた。そう噂されるアクリュスをセグルク伯が知らないわけがない。
息を呑んだセグルク伯だったが、すぐに侮蔑の表情を浮かべる。
「フラウデン家ごときが……」
聞き捨てならない言葉に、アクリュスは眉をひそめた。少し記憶を辿り、帝国議会にセグルク伯が参加していたのを思い出すと、不機嫌そうに大鎌の刃をセグルク伯の首に一層近付けた。
「ひっ!」
「しー……」
ひきがえるのような呻き声を出すセグルク伯に、アクリュスは口元に人差し指を立てた。そしてその指をセグルク伯の首に添え、魔法で声帯を麻痺させる。一連の動作を口元だけ微笑みながら行うのは不気味でしかない。
「ルグランジュ」
わざとルグランジュの名を呼び手招きする。アクリュスに呼ばれてセグルク伯の目の前に来た彼は、彼女の指示でそっとフードを脱いだ。
「……?!」
彼の顔を見たセグルク伯はハクハクと魚のように口を開閉し、助けを乞うようにルグランジュにすがる目を向ける。冷や汗が流れ、恐怖が刻まれた顔を向けられたルグランジュの瞳が揺れた。知人のこのような顔を見ると皇弟であろうが誰であろが動揺する。ルグランジュは不安に揺れる瞳をアクリュスに向けた。
(所詮、温室育ちの皇弟……かしら)
「止めるか?」
冷ややかに短く問いかけると、ルグランジュは口を一文字に結ぶ。小さく横に首を振った彼の顔には、苦渋が滲んでいた。
今少し決心に時間がかかるだろうと考えたアクリュスは彼から目を離し、小テーブルの上に置いてある資料を見た。その資料を読んでいくうちに、彼女の冷静さが一瞬で吹き飛びそうになった。
イノデス伯爵邸の構造、家具の配置等の情報を元にアクリュスは暗殺計画を立てていた。今回は任務遂行期限が短いため、潜入ではなく侵入し、暗殺することにした。これにはもう一つの理由がある。ルグランジュの精神状態だ。第十三番隊の誰もが経験した初の暗殺。その任務をこなした後は、誰一人例外なく精神状態が著しく不安定になった。それはルグランジュにも当てはまるだろう。しかし、それが回復するまでにどれだけ時間をかけてもいいという訳ではない。特に彼の場合は約一ヶ月半後に西国の反乱軍制圧の指揮を控えている。それに間に合わせるためにもアクリュスは早く任務を遂行すべきだと判断したのだった。
第十三番隊の塔の地下。執務室を模したスペースはセグルク伯がいた部屋の配置に変更されており、アクリュスは、暗殺遂行当日セグルク伯が座っているだろうと考えられる肘掛けに腰掛けている。彼女の右手にある小テーブルの上には計画が書き込まれた紙が数枚重なっていた。彼女が何パターンもの計画を書き出している最中にも、ルグランジュは彼女の首からスカーフを取ろうと躍起になっている。
書き物をしているため正面からではなく背後からルグランジュが足音を消し、魔力を隠蔽し、息も気配も殺して近づくも、手が深緑の背もたれを越えた瞬間に万年筆の先を中指の腹に当てられる。決まってアクリュスはルグランジュの方を見向きもせず、ただひたすらに紙を眺めて計画を立てているだけ。どこから攻めても必ず中指の腹に万年筆の先を当てられるため、ルグランジュの中指の腹はインクで黒くなっていた。
「時間切れだルグランジュ。だが今回の任務遂行にあたっては充分だろう。正直魔力の扱いに関してはレージュやデイモスよりも上回っているし、足音は常人には聞こえまい」
首元に迫ってきていたルグランジュの手首をそっと掴んだアクリュスは、彼を振り返った。瞬間的にルグランジュは固まった。それは振り返ったアクリュスの息が指先に触れたせいなのか、あの大鎌を振り回しているとは思えないほどに滑らかな指に手首を掴まれたせいなのか。はたまた、そのどちらもなのか。理由がどうであったでせよ、アクリュスが振り返った瞬間にルグランジュが固まったのは事実。アクリュスは不思議そうに目を瞬いた。
その翌日。目立ちにくい黒系統の服を纏った二人は宵闇に紛れ、平民街と貴族街の境にある裏路地にいた。アクリュスはいつも通り夜色の髪を三編みにし、百合の葉が刻印された黒い仮面で目元を覆っている。しかし、ルグランジュはいつもと違った。インディアンレッドの髪はそのままだが、皇族特有のアメジストのような瞳はありふれた青に変わっている。アクリュスが特別にセバスに注文し作ってもらったのだ。魔導具作製が専門ではあるが、セバスは薬やちょっとした魔法薬の調合も心得ている。もちろん、その値段はぼったくりと言えるが。
目の色を変えても人相を変えることはできない。いや、幻影を見せて人相を変えることも、魔法薬で一時的に人相を変えることもできないわけではないのだが、万が一幻影が破られたり魔法薬の副作用が出たりしては困る。そのため人相だけは変えることができなかった。しかたなく深くフードを被ることで凌ぐことにしたルグランジュは、顔がよく見えない。
路地を巧みに使いながら人目を避けてイノデス伯爵邸に到着した二人は、軽々と塀の上に上ると白塗りの屋根の上に飛び移った。二人とも身体強化を使っているため常人離れした動きである。
頭の中にある屋敷の造りを元にセグルク伯がいる部屋の上に辿り着くと、アクリュスは突然ゆっくりとルグランジュを振り返った。
「少しでも躊躇いがあるなら今すぐ帰れ。今ならまだ間に合う」
彼女の髪色が溶け込んでしまいそうな闇の中、一対の光るアクアマリンがまっすぐにルグランジュを射ぬく。覚悟を問う彼女の仮面の奥を、ルグランジュは黙って見返していた。その瞳に覚悟を見とったアクリュスは、ふっ、と口の端を上げる。
「計画通りに。……では行こうか」
魔力を隠蔽し、完全に気配を消した二人が静かにテラスへ降り立った。物音一つ立てない二人に気付かないセグルク伯
は、ガラスの向こうで二人に背を向け肘掛けに座っていた。何やら読んでいるらしいセグルク伯は頭が足りないのか、ガラス戸を空けて夜風を部屋に入れている。初冬とは言え、比較的温暖なバスティーナ帝国の夜風は気持ちよく感じられる。
アクリュスは開いたガラス戸からマナキャンセルを一つ放り込んだ。これで外との通信は絶たれる。あとはセグルク伯が叫びでもしなければいい話だ。
当たり前のように室内へと侵入した二人は、それぞれ行動を起こす。ルグランジュは素早く廊下へと繋がる扉の前へと移動し、アクリュスはセグルク伯の背後に回った。ホルダーから外した大鎌を元の大きさに戻し、セグルク伯の首にかける。
背後からセグルク伯を見下ろしながら、彼女は毒殺するのは難しいだろうと考えていた。毒は体積の大きい生物ほど致死量が多くなり、毒殺は困難になる。小太りなセグルク伯は体積が大きい。
「こんばんは、セグルク伯爵。お静かに願えますか?」
頭が足りない割に頭髪は足りているらしいセグルク伯にアクリュスが語りかける。今まで誰もいなかったはずの部屋にいつの間にか二人の人間が侵入し、一人は自分に刃物を突きつけているという状況にまだ理解が追い付いていないセグルク伯の耳元で、アクリュスは罪状を言い渡した。
つらつらと彼女の口から出てくるセグルク伯の悪行は数え切れない。さすがに全てを覚えてきてはいないアクリュスは、最後にその他もろもろ、と付け加えた。
「『影』か……」
罪状を並べ立てられている間に脳が再起動したらしいセグルク伯は押し出すように呟いた。貴族や裏家業の者たちの間でも知る人ぞ知る皇族の影。帝国の裏側も治める皇族に暗殺者の一人や二人いてもおかしくはないと噂されていた。その人数、正体については何一つ分かっていないものの、影が実際に存在することは知っていたらしい。
「ご名答」
馬鹿にするようなアクリュスを見たセグルク伯は彼女の仮面を見て息を呑んだ。ただでさえ有名な第十三番隊の中でも一際有名でミステリアスな隊員。仮面に覆われた素顔は火傷でただれ、ひどく醜い、逆にこの世のものとは思えないほどに恐ろしく美しい。死神に相応しい大鎌は幾千もの命を屠ってきた。そう噂されるアクリュスをセグルク伯が知らないわけがない。
息を呑んだセグルク伯だったが、すぐに侮蔑の表情を浮かべる。
「フラウデン家ごときが……」
聞き捨てならない言葉に、アクリュスは眉をひそめた。少し記憶を辿り、帝国議会にセグルク伯が参加していたのを思い出すと、不機嫌そうに大鎌の刃をセグルク伯の首に一層近付けた。
「ひっ!」
「しー……」
ひきがえるのような呻き声を出すセグルク伯に、アクリュスは口元に人差し指を立てた。そしてその指をセグルク伯の首に添え、魔法で声帯を麻痺させる。一連の動作を口元だけ微笑みながら行うのは不気味でしかない。
「ルグランジュ」
わざとルグランジュの名を呼び手招きする。アクリュスに呼ばれてセグルク伯の目の前に来た彼は、彼女の指示でそっとフードを脱いだ。
「……?!」
彼の顔を見たセグルク伯はハクハクと魚のように口を開閉し、助けを乞うようにルグランジュにすがる目を向ける。冷や汗が流れ、恐怖が刻まれた顔を向けられたルグランジュの瞳が揺れた。知人のこのような顔を見ると皇弟であろうが誰であろが動揺する。ルグランジュは不安に揺れる瞳をアクリュスに向けた。
(所詮、温室育ちの皇弟……かしら)
「止めるか?」
冷ややかに短く問いかけると、ルグランジュは口を一文字に結ぶ。小さく横に首を振った彼の顔には、苦渋が滲んでいた。
今少し決心に時間がかかるだろうと考えたアクリュスは彼から目を離し、小テーブルの上に置いてある資料を見た。その資料を読んでいくうちに、彼女の冷静さが一瞬で吹き飛びそうになった。
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