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第1話 落ちた紅い石
しおりを挟むポココココッ、
今年もやってるなー
海の真上から一瞬飛びかい、舞う太陽の光たち。赤、黄色、白に緑色。たくさんの色が見える。海にはこんなに光るものなんて深海魚か鮮やかな熱帯魚ぐらいだ。
バシャッバシャッ、バシャバシャバシャッ
「お母さん………!!!!お母さん!!!助けt…」
おっと、こんなところで海を叩いている人の子がいるじゃないか。パニックになって足がつくのに溺れていると勘違いしているに違いない。ここは僕が本気を出してあげますか。
人の子は繊細と聞く。きっと普段大きい人に当たっているせいで気づいてもらえないのだろう。今回はきっと上手くいく。気づいてもらえる。手足でツンツンッと人の子に足を叩く。人の子はパッと冷静になり海を叩くのをやめた。
「だぁれ?僕の足つついたの、」
まずい、人の子に見つからないようにせねば…
人の子の足に駆け寄り当たらない程度に近づく。案外気づかれないものだ。
「また来るから待ってて………」
目の下の二つの穴からたくさんドロッとした液体を垂らしながら人の子は明るい陸へ走った。人とはよく分からないものよ。感情が豊かというべきか、いろんな顔をして面白い。さっきの人の子となれば命の危機なら泣いて、安全だと分かれば泣き止んで走りに行くし、全く見当もつかない。
「さっきの足つついてくれた子、いる?」
人の子が帰ってきた。案外早かったかもしれん。
「これねあげる。僕の好きなリンゴ飴」
人の子はそう言い、紅くてデカい石を口で噛んで、ペッと海に吐き出した。
「これねきっとね、美味しいよ。教えてくれてありがと、」
やはり、人は変だ。こんな石、食べることも出来ず沈んでしまうだけなのに。
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