悪役令嬢に転生してしまったが、魔法チートで冒険者目指します。

Haruru

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1章 転生してしまったが、魔法チート発見!!

5.お茶会 Part2

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「ついにこの日がきてしまった……。」

あの日から2ヶ月はあっという間に過ぎてしまった。ドレスを作ったり、王宮で失礼のないようにお母様から直々にお作法を学んだりした。

それにしても、ドレス1つ作るのに1ヶ月もかかるなんて!今はその薄い緑色の可愛いドレスを着せられて、パールの耳飾りやネックレスを身につけて、侍女であるシャルロッテに髪を編み込まれている。わあ、どうやったらそんなに難しい髪型にできるの……。

「お嬢様、お似合いです!」
「そう?ふふふ、ありがとう。」
「ああ、可愛い…!天使だわ……。お嬢様のあのグルングルンの縦ロールの趣味がなくなって良かった。」

いや、シャルロッテさんよ、それはロゼリアに趣味が悪いと言ってるようなものだよ……。確かに趣味悪かったけど。

「ロゼリア、準備はできたか。」
「はい、お父様。」
「あら~、ロゼリアそのドレス、やっぱり似合うわね。」

そして、私たちは馬車に乗って1時間半くらいかけて王宮に行った。

「うわあ、大きい……。」

王宮はものすごく大きくて驚いた。

「ロゼリア、あまり目立たないようにね。王子様に目をつけられては困る。」
「わかっておりますわ、お父様。」
「ああ、絶対にロゼリアは渡さん!」

王宮に入ると会場である庭園に案内された。

「わあ、すごい……。」

そこには色とりどりの花たちが咲き誇っていた。さすが王宮……。ロッテンシュタイン侯爵家の庭園もものすごく綺麗だけど、王宮の庭園は比べものにならないほど美しかった。どうやったらこんなに美しく咲くのだろう?魔法で咲かせてるのかな?と考えているうちに、同い年くらいのご令息やご令嬢が集まっていた。もちろん、みんな憧れの王子様のご友人に、婚約者にという者ばかりだろう。これは目立たないで済むかも……!すると、急に歓声があがった。

「レオン殿下よ!」
「とても美しい方ね!」
「絶対ご友人になってみせるぞ!」

王様と王妃様、そして王子のレオン殿下が入場したところだった。

身分の高い者から順に王族たちへの挨拶がはじまった。ロッテンシュタイン侯爵家は3番目に挨拶をする。どうやら、自分の子供のアピールをしているらしい。なんとしてでも王族に気に入られたいのかな。レオン殿下はニコニコしながら話を聞いていた。それにしても、レオン殿下は本当に美しい方だ。さらさらの金髪は後ろに一つにして、青い目はまるで宝石のように輝いている。

「ロゼリア、行くぞ。」
「は、はい……。」
「ふふふっ、大丈夫よロゼリア。王様も王妃様もお優しい方だから。」

私たちは王族たちの前まで行き、深々とお辞儀した。

「お久しぶりです、シュバルツ王。」
「お久しぶりです。」
「ああ、久しぶりだな、アルバートにソフィア。顔を上げろ。」
「本当に久しぶりだわ。ソフィア、たまには遊びに来たらよろしいのに。」
「まあ、ジャスミン様ったら!」

うん?どうやら私のお父様とお母様は王族の方たちと仲が良いらしい。

「あら、そちらのお嬢さんは?」

王妃様が私に尋ねた。

「ロッテンシュタイン侯爵家が長女、ロゼリアと申します。」

「顔を上げなさい。」

私は顔を上げ、シュバルツ王とジャスミン王妃、そしてレオン殿下を見た。
レオン殿下はにっこりと微笑んだ。

「ロゼリア嬢、よく来てくださいました。」
「はい、こちらこそご招待いただきありがとうございます。」

うわっ、王様も王妃様もとても綺麗な方だ。こんなに美しい王子が生まれるのも頷ける。

「まあ、礼儀正しい可愛らしい子ね!」
「ありがたきお言葉です。」
「うふふ、そんなに堅くならなくてもいいのよ。楽しんでいってね。」
「では、私達はこのくらいで……。」

そうお父様がおっしゃるとシュバルツ王とレオン殿下はとても驚いた顔をした。

「なんだ、もう行くのか?他の者は嫌になるほど自分の息子や娘のことを話していくのに。」
「ええ……。」
「もしや、自分の娘が可愛いから、まだ婚約者などいらん、などと思っている訳ではないな、アルバート?」
「くっ……!なぜそれが……!」

お父様、バレてんじゃん。殿下も殿下で不思議そうに私をじっと見ている。オ、オホホホホ…そんなに見つめられると恥ずかしゅうございますわ……!

「ふふふっ、なんだか面白いことになりそうね、ソフィア。」
「そうですね~、ジャスミン様。」

いや、お母様はこっちの味方でしょ!?助けてよ!!いや、困ってることわかってて助けてくれない……??

「まあ、また後でレオンと話すこともあるだろう。レオン、ロゼリア嬢の相手をしっかりしてやれよ。」
「ええ、私もロゼリア嬢とお話をしたいな、と思っていたところです。よろしくお願いしますね、ロゼリア嬢?」

私は、にっこりと可愛らしく微笑むレオン殿下を恐ろしく思いました。



「やっと挨拶終わった……。」
「あら、ロゼリア。本番はこれからよ?」

あああ、おうちに帰りたいーー!王子怖いーー!死亡フラグしか見えない……。何よこの敗北感は……。

気合いよ、ロゼリア!ここを乗り切ったら愛しの家に帰れるのだから……。

よし、頑張ってレオン殿下から逃げよう!
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