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私は幼い時に学んだ事があるの

嘘を付く事

嘘を付く事はダメ?どうして?

嘘も方便と言うし.......嘘は人を幸せに出来るのよ?

私が嘘を付く事でみんな笑顔になってくれたわ!

正直に物事を言ったら傷つく人も居るし、お世辞でも喜ぶ人は居る

嘘を付くなんて酷い人?正論や正直に物事を言う人の方が酷いと思うけど......だって、現実を突きつけるのよ。

嘘と言っても些細な事しか言わないわ。

嘘がバレたらどうするのか?

バレる嘘は付かないけど......

嘘を付いても気付かない人を選ぶし、嘘の中にホントの事を入れてるわ。

あぁ、相手の知らない世界なら嘘を付きまくるけどね

貴方は知ってる?ある独裁者.......えぇ、独裁者と言えばすぐ思い付くはずよ。

その人の有名な言葉に『嘘をつくなら、小さな嘘ではなく大きな嘘を付け』と言っているわ

それに人は無意識に嘘を付いているの、話の10%は嘘と言われているしね。


だからアンデス様に嘘を付いた。

嘘の話なのにアンデス様はよく聞いてくれた。

私の話が面白いらしい。アンデス様は私の話を聞きたいからと頻繁に会いに来てくれた

そうなると嘘を付く回数が増える

嘘を見破れて居ないかと思い、【嘘を見破る方法!】と言う本を読んだ

・嘘を付いている人は上の方を見ているか

・声がいつもよりも大きくなっていると少し怪しい

などなどが有名だろう

私は嘘を付く時は相手の目を見て話している。だって、嘘だけど付きすぎてホントの事みたいに言ってしまうから。

声は変わらない。だって、慣れているもの

この【嘘を見破る方法!】は本当の嘘は無破れないのだろう。


私と姉は幼い時に母に言われた事があって

「貴女達ははとっても可愛いし、私達の子ならご機嫌取りも上手でしょうから....将来有望ね」

"ご機嫌取り"

私の家は中流階級の家だったが、交流関係は上流階級の貴族とばかりしていた。

理由は簡単。母も父も身分の上の人に取り入るのが上手かったから。


外の母は守りたくなるような危なっかしい人を演じていた。

外の父はとても愉快で場の空気を盛り上げるのが上手かった。

その結果、母は上流階級の貴婦人達から可愛がられていた

父はパーティやサロンに引っ張りだこで色んな人と交流関係があった。


しかし、家に帰ると

母は田舎貴族だった事もあって、乗馬も狩りもお得意なとっても逞しい人だった。

父は物静かで本をよく読んでいた。

どうして外と家でこんなにも違うのか気になって聞くと

「お母様とお父様は、どうして外と家では全然違うのですか?」

「それは家での性格だと外では生きていけないからなのよ」

生きていけない。それを聞いて私は怖くなった。


そんな家庭で育って行った私は6歳ぐらいで初めてお母様に嘘をついた。

嘘は可愛らしい内容で、家庭教師に褒められたという内容だ。

そしてお母様は信じてくれた。多分、まだ6歳だった事も大きいだろうし、本気で言ってるように言ったからだろう。それに子供の言うことは信じてしまうのだろう。大人は

お母様はご褒美におやつを多くくれた。

そして私は学んでしまった。

嘘を付けばいい事が起きると.......

それからは何気ない会話でも嘘を付く様になった。

9歳ぐらいになって、昔ついた嘘を言われた事があった。

「貴女はこの単元で家庭教師に褒められたのでしょう?なら出来るわよね」

その時に思った。お母様は私に意地悪をしているのかと

それと嘘は覚えて置かないといけないのだと

そして、嘘を付くのを止めようと思った。何度も

しかし、自然と嘘を付くようになってしまっていた。

嘘を付くのが嫌なのに嘘を吐き続ける自分に嫌気がさした。


そんな時に姉に婚約者が出来た

姉の婚約者は誰から見てもいい婚約者だった。姉には不釣り合いなぐらいの。


「君は姉とは全然似ていないね。妹の君と婚約したかったなぁ」


そんな事を言われたら、私は彼を欲しいと思ってしまった。

それからは姉を貶し、私は姉の婚約者の両親に取り入った。

彼は私に入れ込む様になり、彼の両親は姉に辛く当たった。



まさか姉が聖女だとは思わないだろう。いつも大人しい姉が何時まで経っても帰ってこなかった。

姉は聖女だからと教会で暮らす様になっていた。


それからは不幸の連続で姉はチヤホヤされて、婚約者は姉に復縁を迫った。

私はストレス発散で家の金を浪費した。

それは結婚後も変わらず、気づいたら借金まで手をつけていた。


私は正直者はバカを見ると考えていたが、そんな事は無いのだなと思う。


姉は第一王子と結婚し、美男美女の子供と産みこの国は将来安泰だろう。

姉の幸せを妬みつつ、私は今日も定石を買い漁る。

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