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みんなだいすき、ざまあ文学。『12のつきのおくりもの』、『源氏物語』ほか
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いきなりですが、トウモロコシが大好きです。
幸運なことに近くに産直野菜を扱う店があるので、収穫して半日以内の物が手に入り、初夏から秋にかけて幸せをかみしめます。
そんなある日、産直野菜コーナーで数本のトウモロコシを見つけました。
忘れもしない、クリスマスも終わった年の瀬だというのに、隣県産のトウモロコシ。
三度見くらいしたと思う。
しかも、旬のころとと変わらぬお値段。
迷わず一本掴んで帰りました。
幻では・・・と疑いましたが、電子レンジで火を通してみるとちゃんと美味しい・・・本物のトウモロコシでした。
真冬のトウモロコシは、雪原で苺を探すようなものだよな…ということで。
つられて連想したのは、スロバキア民話の絵本、『12のつきのおくりもの』です。
本棚を探してみたら、なんと初版本が出てきた・・・。
母が知人から譲って頂いたもののようです。
内田莉莎子さん訳、丸木俊さん挿絵。
福音館書店発行。
言葉も絵も、とても美しい絵本です。
あらすじとしては、継母と義姉と暮らす主人公は二人にいじめられこき使われながらも美しく成長し、それがまた気に入らない彼女らから、『帯に飾るすみれを取ってこい』と真冬のさなか森の中へ出され、途方に暮れて森をさまようと12人の男たちが囲む大きな焚火にたどり着く…。
あとは、昔話を知る人ならだれもが思う展開です。
その後、イチゴ、りんごと取りに行かされるものの、主人公は難なくそれらを持ち帰り、欲張りな義姉は主人公が簡単にできるなら、自分はもっとたくさん収穫できるはずと森へ出て、十二人の男たち(精霊)と焚火に出会うものの横柄な態度をとって命を落とし、継母もまた・・・というしめくくりで、これぞ典型的なざまあ文学だなと思った次第です。
おとぎ話は、悪者に鉄槌を下すのが鉄則。
善き人には幸せな結末を。
ちなみにこの物語で12人の男たちは春が若く季節を巡るうちに成熟し12月は最年長の老人となっておりまして、ヒロインは春の月の精霊に似た若い美男子と幸せになりました・・・とありますが、私としては秋冬の渋く美しい男が昔から好みだったのでそこがちょっと不満。
昔から、ガンダルフ推しだったので。
ところで、勝手に命名しているこの『ざまあ文学』というジャンルですが、私の中では因果応報的な展開の物語を指します。
昨年あたりからネット小説を読むようになり、そこで今更ながら知ったのは『ざまあ』というタグでした。
『ざまあ』タグ。
それは『ざまあ見ろ』から派生して、主人公を虐待する登場人物たちにきっちりカタをつけますよ、という意味のようです。・・・たぶん。
『ざまあ』タグを検索して読む人は報復展開を楽しみにアクセスするので、裁きが甘い作品の感想欄に『ざまあが足りない』とお叱りの言葉が書き込まれているのを見かけたことがあり、その当時そのサイト初心者の私は震えあがりました。
そのジャンルははいわゆるライトノベルで、読者も書き手も年齢層が広いからこその事例かなとは思いますが。
そんな『ざまあ』は、ある意味人間ならではの娯楽なのだと思います。
昭和のころに流行った時代劇は必ず最後の十分くらいにお裁きの場面があったし、サスペンス劇場なら断崖で犯人を追い詰める。
『十二月のおくりもの』はスロバキア民話ですが、『森は生きている』というよく似たロシア民話が存在し、継子いじめなら欧州は『シンデレラ』が鉄板で、日本は『落窪物語』。
子どもの紙芝居なら『かちかちやま』や『はなさかじいさん』など、主人公が幸せになるか否かは置いといて、とにかく因果が巡る。
『悪いことをするといつか報いを受けるのですよ』という教育的な目的で作られた物語もあるだろうけれど、そうであってほしいと願いも込められているのではないかと思うことがあります。
ちなみに、『源氏物語』は日本最古の長編スペクタクルざまあ文学だと私は思います。
多少不遇な生まれではあるものの、天皇の子という最高の血筋と両親の容姿のいいとこどりをした絶世の美青年光源氏が、なんだかんだと図にのって次々と女性たちをつまみ食いした挙句、その報いがじわりじわりと・・・本人の気付かぬうちにまるで毒のように効いてくる物語ではないかなと。
そもそも、あの人生の集大成の六条院(恐ろしく豪奢な大邸宅)は、怨霊として初期に出る六条御息所の遺領を元に彼女の娘の後見人になる名目で大改修し、女たちを住まわせ、ついでにその死の床で託された六条御息所の娘に食指がわいてちょっと手を出そうとしたりもし、そりゃあ呪われますがなと思う私は、つくづくアンチ光源氏。
ついでに言わせてもらうならば『源氏物語』にまともな男はほとんど存在しない。
右を見ても左を見ても屑ばかり・・・。
これは、屑の頂上決戦物語なのだろうか。
いわゆる白馬の王子様に憧れても、そんなものは都市伝説。
居並ぶ屑の中からましな男を掴めばなんとか生き残れると諭している・・・と考えるのはさすがに極論でしょうか。
なんにせよ、紫式部の筆力の凄さを年月を経れば減るほど痛感します。
ついでに告白すると、六条院建設の財源の多くと生活費はおそらく成金と見下している明石君(正確には明石入道の隠し財産)からだよね?というテーマで卒論を書いたのですが、当時の私は資料集めと検証が下手で詰めが甘く、時間切れとなって散々な出来でした。
いずれまたきちんと向き合って掘り下げたいところです・・・。
話がちょっとそれましたが。
常々やらかす考えなしな私としては、ざまあ的な応酬は物語の中だけであってほしいな・・・と、都合の良い事を願います。
今の私がポンコツなのは、何かの報いでないと思いたい。
幸運なことに近くに産直野菜を扱う店があるので、収穫して半日以内の物が手に入り、初夏から秋にかけて幸せをかみしめます。
そんなある日、産直野菜コーナーで数本のトウモロコシを見つけました。
忘れもしない、クリスマスも終わった年の瀬だというのに、隣県産のトウモロコシ。
三度見くらいしたと思う。
しかも、旬のころとと変わらぬお値段。
迷わず一本掴んで帰りました。
幻では・・・と疑いましたが、電子レンジで火を通してみるとちゃんと美味しい・・・本物のトウモロコシでした。
真冬のトウモロコシは、雪原で苺を探すようなものだよな…ということで。
つられて連想したのは、スロバキア民話の絵本、『12のつきのおくりもの』です。
本棚を探してみたら、なんと初版本が出てきた・・・。
母が知人から譲って頂いたもののようです。
内田莉莎子さん訳、丸木俊さん挿絵。
福音館書店発行。
言葉も絵も、とても美しい絵本です。
あらすじとしては、継母と義姉と暮らす主人公は二人にいじめられこき使われながらも美しく成長し、それがまた気に入らない彼女らから、『帯に飾るすみれを取ってこい』と真冬のさなか森の中へ出され、途方に暮れて森をさまようと12人の男たちが囲む大きな焚火にたどり着く…。
あとは、昔話を知る人ならだれもが思う展開です。
その後、イチゴ、りんごと取りに行かされるものの、主人公は難なくそれらを持ち帰り、欲張りな義姉は主人公が簡単にできるなら、自分はもっとたくさん収穫できるはずと森へ出て、十二人の男たち(精霊)と焚火に出会うものの横柄な態度をとって命を落とし、継母もまた・・・というしめくくりで、これぞ典型的なざまあ文学だなと思った次第です。
おとぎ話は、悪者に鉄槌を下すのが鉄則。
善き人には幸せな結末を。
ちなみにこの物語で12人の男たちは春が若く季節を巡るうちに成熟し12月は最年長の老人となっておりまして、ヒロインは春の月の精霊に似た若い美男子と幸せになりました・・・とありますが、私としては秋冬の渋く美しい男が昔から好みだったのでそこがちょっと不満。
昔から、ガンダルフ推しだったので。
ところで、勝手に命名しているこの『ざまあ文学』というジャンルですが、私の中では因果応報的な展開の物語を指します。
昨年あたりからネット小説を読むようになり、そこで今更ながら知ったのは『ざまあ』というタグでした。
『ざまあ』タグ。
それは『ざまあ見ろ』から派生して、主人公を虐待する登場人物たちにきっちりカタをつけますよ、という意味のようです。・・・たぶん。
『ざまあ』タグを検索して読む人は報復展開を楽しみにアクセスするので、裁きが甘い作品の感想欄に『ざまあが足りない』とお叱りの言葉が書き込まれているのを見かけたことがあり、その当時そのサイト初心者の私は震えあがりました。
そのジャンルははいわゆるライトノベルで、読者も書き手も年齢層が広いからこその事例かなとは思いますが。
そんな『ざまあ』は、ある意味人間ならではの娯楽なのだと思います。
昭和のころに流行った時代劇は必ず最後の十分くらいにお裁きの場面があったし、サスペンス劇場なら断崖で犯人を追い詰める。
『十二月のおくりもの』はスロバキア民話ですが、『森は生きている』というよく似たロシア民話が存在し、継子いじめなら欧州は『シンデレラ』が鉄板で、日本は『落窪物語』。
子どもの紙芝居なら『かちかちやま』や『はなさかじいさん』など、主人公が幸せになるか否かは置いといて、とにかく因果が巡る。
『悪いことをするといつか報いを受けるのですよ』という教育的な目的で作られた物語もあるだろうけれど、そうであってほしいと願いも込められているのではないかと思うことがあります。
ちなみに、『源氏物語』は日本最古の長編スペクタクルざまあ文学だと私は思います。
多少不遇な生まれではあるものの、天皇の子という最高の血筋と両親の容姿のいいとこどりをした絶世の美青年光源氏が、なんだかんだと図にのって次々と女性たちをつまみ食いした挙句、その報いがじわりじわりと・・・本人の気付かぬうちにまるで毒のように効いてくる物語ではないかなと。
そもそも、あの人生の集大成の六条院(恐ろしく豪奢な大邸宅)は、怨霊として初期に出る六条御息所の遺領を元に彼女の娘の後見人になる名目で大改修し、女たちを住まわせ、ついでにその死の床で託された六条御息所の娘に食指がわいてちょっと手を出そうとしたりもし、そりゃあ呪われますがなと思う私は、つくづくアンチ光源氏。
ついでに言わせてもらうならば『源氏物語』にまともな男はほとんど存在しない。
右を見ても左を見ても屑ばかり・・・。
これは、屑の頂上決戦物語なのだろうか。
いわゆる白馬の王子様に憧れても、そんなものは都市伝説。
居並ぶ屑の中からましな男を掴めばなんとか生き残れると諭している・・・と考えるのはさすがに極論でしょうか。
なんにせよ、紫式部の筆力の凄さを年月を経れば減るほど痛感します。
ついでに告白すると、六条院建設の財源の多くと生活費はおそらく成金と見下している明石君(正確には明石入道の隠し財産)からだよね?というテーマで卒論を書いたのですが、当時の私は資料集めと検証が下手で詰めが甘く、時間切れとなって散々な出来でした。
いずれまたきちんと向き合って掘り下げたいところです・・・。
話がちょっとそれましたが。
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