蒼い海 ~女装男子の冒険~

灰色 猫

文字の大きさ
107 / 322
第六章 イベント

18

しおりを挟む
Japan Ladys Fashion Weekが開幕した。

会場に響く音楽と歓声を楽屋で聞きながら、メイクを受ける。
ヘアメイクも完成して、今日の衣装を着た。
スタイリストの月奈が小物やアクセサリーをつけてくれて、出雲真凛が完成した。

「真凛ちゃん、今日は特別キレイ」聖苑が褒めてくれる。
cloud nineの3人も衣装を着て、スタンバイしていた。
副社長の加山氏が入ってきて、挨拶をする。

「新生solemnityの初陣だ。
俺たちは以前より進化しているところを、皆に見せつけてやれ」

バックヤードでスタンバイする。
ここで自分にスイッチが入ったのが判った。

若いみさきが震えている、後ろから抱きしめて言った。

「fortunaに勝ちたければ、ここで勝負しよう」
彼女は、コクンと頷いた。

ランウエイを軽快に歩く。
観客の声援が心地いい、真凛と書いた団扇を振ってくれるファンがいる。
そっちに手を振ると、悲鳴が聞こえた。

センターステージですれ違う時に、詠美と二人でポーズを決める。
「気持ちいい」彼女が小さく言った。

最後に黒のワンピースドレスで、ランウエイを静々と歩く。
あえて目線を高く胸を張って、表情を変えずに歩いた。
大騒ぎだった会場が一気に静かになった。

1周して戻ってきてバックヤードに下がる前に、客席に一礼した。
一斉に拍手が起きて、歓声に包まれた。

「真凛ちゃん、ありがとう」みさきが飛びついてきた。

「どうだった?」

「歩きながら、負けるもんかって言ってた」
アイドルって、これぐらいじゃないとやっていけない。

「3人とも、すごく良かった」
思った通りを言葉にした。

足利プロデューサーも満足そうだ。

「真凛さんに推薦して頂き、今日のステージに立てました。
有難うございます」

「私は、cloud nineを利用しようと思っただけです」

「それでもいいんです。
今は、どんなチャンスも掴まないといけないから」

「また一緒に仕事が出来たら、いいですね」
この世界、最後は義理と人情だ。

「クリスマス、私達のコンサートに真凛ちゃんを呼びたい」晴夏が言った。

「cloud nineがスタコンしたら、寸劇に出たい」
俺が言ったら、スタッフを含めたみんなが大笑いした。

加山副社長が、興奮して言った。

「ECサイトが完売した」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...