蒼い海 ~女装男子の冒険~

灰色 猫

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第十三章 変革

19

夜に新宿のホテルで、打ち上げパーティが行われた。
加山社長が挨拶をして、一ノ瀬社長が乾杯の音頭をとった。

「君が、本気で仕事をしているところを見せてもらった。
美しくて、感動したよ」
一ノ瀬社長が、俺の仕事ぶりを褒めてくれた。

「今回のショーは最高の舞台です。
スタッフ全員で仕事をして、ステージに立てました」

「みんなが君を盛り上げようとするのも、リーダーの資質の一つだ」

「今日は褒められていればいい」隣で聖苑が言っていた。

今日のJLW限定商品は完売した。
一ノ瀬社長は、買収した企業のスタートに手ごたえを感じてるようだった。

「真凛ちゃんと仕事して、楽しかった」
東條恵里衣が笑っていた。

「私が抱っこしたステージのモデルが、今日のメイクアップアーチストだった」

「月奈さん、あの時のモデルだったんだ」

「大人のモデルになれなくて、一ノ瀬聖苑がスカウトした」

「今や、トップスタイリストだもん。真凛ちゃん、凄すぎる」

「私の力じゃない、彼女の努力だよ」

「また一緒に仕事しようね」

「こちらこそ、よろしくお願いします」
シャンパンで乾杯した。

「私、どうしたらいいんでしょうか?」
野原美穂は迷っていた。

「美穂は私が見たアイドルの中で、一番モデルに向いてる。
私の妹より、ずっとモデルの才能がある」

「真凛さんに言われると、信じたくなる」

「ただスタイルだけでは、トップモデルにはなれない。
強烈な個性が大事だ」

「どうすれば?」

「それが分かれば、みんなやってる。
自分でもがき苦しんで、作るしかないんだ」

「見ててください、きっと夢を掴みます」

「期待してる」
握手した手の力は、強かった。

「お前は、ずいぶん美穂の事を買ってるんだな」
田中社長はさりげなく聞いていたようだ。

「早く契約したほうがいい。他所に取られても知らないよ」

「分かってる、俺に任せろ」
考えていることは、社長も一緒だった。

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