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第一四章 挑戦

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「久しぶりに、一緒の休みだね」

俺のインターシップと、聖苑の仕事が重なって休みが取れなかった。
久しぶりの休みに、何もしたくない。

「朝ご飯、食べる?」

「仕事のし過ぎで、疲れちゃった」

「あんな買収劇で決着すれば、脱力感は半端無いね」

「本当だよ、いきなり佐藤頭取の銀行で知らされたもん」

「俺もインターシップで、疲れた。
テレビの密着が普段と違う緊張感で、1週間過ごしてた」

聖苑と二人で、風呂に入った。
土曜日の昼間から彼女を抱きしめて、バスタブでゆっくりする。

「大学生ってバイトして、合コンして、サークルを頑張るんじゃなかった?」
俺が思いつくまま言った。

「大学4年生だけど、どれもやってないね」

「聖苑と出会ったから、普通の大学生じゃ出来ないことを体験したよ」

「真凛がスカウトされたところから、運命変わったよね」

一緒に風呂から上がって、自然にベッドルームに入る。
別にどちらかが誘った訳でも無い。

「今日は、時間もスケジュールも気にしなくていいよ」
そう言って、彼女を抱き締めた。

「私たち、周りに振り回されてた」
彼女の言う通りだ。

「今は、俺たちのことだけ考えて」
キスで彼女に返事をさせない。
口を塞ぐと、彼女から舌を滑り込ませて来て絡め合う。
熱い返事だった。

一気に盛り上がって、彼女の体中にキスをしていく。
その度に、甘い吐息が漏れていた。
更に中心を攻めると、吐息が嬌声に変わる。

「来て」

「急ぐんだね」

「早く一つになりたいの」
彼女の脚を抱えるようにして、中心に俺の先端を当てる。
ゆっくりと中に入っていった。

「ああ、いい」
俺たちは一つになった。

それから夜まで、愛し合ったり、眠ったり、また抱き合ったりした。

「久しぶりに、真凛の事だけ考えてた」
彼女の言葉が、嬉しかった。

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