【完結】 悪女は今日もパンを焼く 【R18】

灰色 猫

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「八神さん。今月から、コーヒーも煎れてもらうから」

アルバイト先のフロアマネージャーから、新しい仕事を言い渡された。
お昼のお客様が多い時間に、コーヒーを煎れる人が足りない。

バリスタの仙堂さんに、機械の操作を習う。
大手レストランチェーンなので、マニュアルが用意されるのは助かる。
ただ持ち帰り禁止なので、休憩時間に読み込む必要が有った。

土曜日、フロアの人手が足りなくて山下美優ちゃんが応援に来ていた。
久しぶりに一緒に仕事をして、帰りにご飯を誘った。

「紗栄子さん、専門学校に合格おめでとうございます。
奨学生になるって、凄いです」

「ありがとう、乾杯」

新橋のスペインバルで、スパーリングワインを頂く。
疲れた体に、冷たい泡の感覚が心地よかった。

「この前のデート、どうでした?」

「覚えてたの?」

「そりゃそうですよ、紗栄子さん普段以上に綺麗だったから」

「いいデートだったわ」
離婚後、初めてSEXをした日を思い出した。

「美優ちゃんは、好きな人はいないの?」

「います、でも片思いですけど」

「告白しないんだ」

「怖いです。紗栄子さんならどうします?」

「好きなら、自分から言う」

「この前のデートの彼氏にも言ったんですか?」

「SEXしてって、言ったよ」

「大人ですね」

「高校生の時も、言った気がする」

「怖くないですか?」

「怖いよ、でも好きが上回ってた。
美優ちゃんにそうしろって言ってないから、誤解しないで」

ロゼワインをボトルで注文して、飲んで、食べて、お喋りする。
久しぶりに、楽しい時間だった。

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