【完結】 悪女は今日もパンを焼く 【R18】

灰色 猫

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「これは、ワインとピッタリだ」

私が焼いてきた明太フランスパンを、みんなで食べていた。
博多の名店の味を再現しようと、色々と調べてチャレンジしたものだ。
想作は真似から始まると、常々思っている。
先ず、やってみないと先に進めない。

「有名店の味を、再現しようとしました。
達成度50%まで、行ってないですね」

「チャレンジする心意気が、大事です。
これは、美味しい」

麻未の母親の料理は、美味しかった。
これを毎日食べてれば、舌は肥えている。
カフェをしても、不味いものは出さないだろう。

「麻未が、ライ麦パンを焼いてくれるようになりました」
母親が喜んでいる。
ライ麦パンは糖質が低くミネラルが豊富なので、年配者には健康に良い。
ましてや娘が焼いてくれるなら、これ以上のものは無い。

「麻未ちゃん、ライ麦はどれ位なの?」

「3割にしてます」

「半分を超えると、難しくなる。
両親の為にも、頑張って」

「ええ、今一番の研究対象です」
自分のテーマが見つかると、急に上達が早くなる。
食べさせる相手が居ると、尚更だ。

「麻未が、大人になりました。
貴女のお陰です」
父親が、お礼を言ってくれる。

「私のお陰なんて、思ってないです。
それより、もっと彼女を褒めて下さい。
もがいてる、彼女の助けになります」

武尊との事で、彼女なりの決断をした。
人の目が気になって不登校になった子が、失恋しても堂々としている。
春先の麻未とは、別人だ。

「お着物は、勉強されたんですか?」
母親が聞いてきた。

「実家の母が、師範です。
大学時代から少しずつ教わって、結婚してから本格的に覚えました」

楽しい時間ほど、早く進む。
遅くなる前に、自宅に帰り着いた。
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