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透明人間
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彼だった人の話。
『つまり 虐めって事でいいのか?』
私の前の男の人がそう言うと
眼鏡をかけた女の人は
少し迷いつつ『だと思います』と言った。
『無くならないんだな そう言うの』
ため息混じりに男の人の
右隣の椅子に座る
野球帽を深く被った男の人が言った。
『弱い者虐めとかぜってぇ許せねぇ!!』
ギャル男がいつに無く怒り混じりに言うと
年配の男の人が『まぁまぁ、
カリカリしても仕方ありませんよ。
それより、
彼はいったい何故
虐められてたのですか?』と言った。
『えっと…彼の父親は、
元々製鉄所を経営しており
彼のクラスメイトの親も
何人かその製鉄所で働いていたみたいです。
ただ、
彼がこうなる2年前
不況の煽りを受けた製鉄所は
あっという間に潰れ
彼の父親は従業員に給料を支払う前に
首吊りをして亡くなりました』
眼鏡をかけた女の人がそう言うと
年配の男の人は『なっ…
製鉄所が潰れて
その借金に苦しんだ末の
自殺ということですか…』
と驚きつつ言葉を返した。
『可哀想…』
話を聞いていた少女が俯きそう呟くと
子供が『で、
なんで彼が
虐められなきゃいけないんだ?』と言った。
『私、
わかったかも…』
マシュマロヘアーの女の人がそう言うと
子供が『どうせ、
工場が潰れた腹いせみたいなもので
親が子供に子供(彼)を
虐めさせたんだろ?』と
呆れ口調で言った。
すると、
黙っていた少女が
子供に『少し黙って…
お姉ちゃんの話が聞きたい…』と言い
子供を黙らせつつ
マシュマロヘアーの女の人に
『わかったって…
何がわかったの?』と言った。
『えっと…ちょっと被ったというか…
私の昔話を話してもいい?』
マシュマロヘアーの女の人が
恐る恐る言うと
少女は『うん…』と首を縦に振った。
『私の両親は、
少しだけ有名な会社の
下請け会社に勤務していたんだ。
生活は裕福じゃなかったから
そこら辺の子供が買ってもらえるような
おもちゃも買ってもらえなければ
筆記用具だって…けど、
そんな物より 私は両親と居られるだけで
すごく幸せだった…でもある時、
親会社が起こした問題の煽りを受けて
下請け会社の仕事が無くなっちゃって…
気づいたら
私だけ1人 家に置き去りにされて…
お父さんとお母さんは…』
いつものように明るい口調ではなく
涙を堪えながら言う
マシュマロヘアーの女の人に
眼鏡をかけた女の人は
『わかりました。
それ以上は大丈夫です』と
言葉を返した。
『ごめんね…』
マシュマロヘアーの女の人が
椅子に腰掛けると
ギャル男が自らの膝を手でパンッと叩き
『理由なんてどうでもいい。
そんな最低な事をする奴も
その親もみんな悪者じゃねぇか!!』と
怒鳴り声を上げた。
『確かに 悪者だな。
だけど、
いつの時代も
テレビの中にヒーローが居るように
家の外には 苛めっ子とか
悪者がいるのが当たり前だ。
そいつらを責めても
彼を蘇らせるか否かの
判断には辿り着けないぞ』
私の前の男の人が 落ち着いた口調で言った。
確かに その通りだと思う。
彼が虐められていた事実も重要だけど
私達がしなければいけない判断は
彼の生き死に…。
『だけどよぉ…』
ギャル男が言いかけて
スキンヘッドの男の人が
『気持ちはわかる。
だけど、
今やらければいけないのは
彼の生き死についての話だ』と
言葉を返した。
『……くっ…』
悔しそうな顔で黙るギャル男を後目に
スキンヘッドの男の人は
資料のあるページを開き
『半死した彼の制服のポケットから
カッターナイフが
見つかったと書かれているが
このカッターナイフは
一体何に使ったんだ?』と言った。
『カッターナイフ…
普通に考えるとしたら
何かに使った後
ポケットにしまったままになってたとか?』
アンジェラアキ風の女の人がそう言うと
眼鏡をかけた女の人が
資料を見ながら
『う~ん、
その可能性はなきにしもあらずですが
それよりもカッターナイフの刃先に
何か付着してたと書いてありますが
いったい何が付着していたんでしょう?』と
言葉を返した。
カッターナイフに付着したもの…資料には、
彼は刃先を何度もハンカチで拭き
拭いたハンカチを校舎裏の焼却炉に捨てたと
書かれていた。
カッターナイフに付着したもの…
『おや?
なんだか殺人の匂いがしますね…』
声のする方に視線を向けると
さっきまで誰も座っていなかった椅子に
執事のような格好の男の人が座っていた。
『殺人?
いや、
逆だろ?
彼は虐めによって
精神的に追い詰められた末に
校舎の屋上から飛び降りて
意識を失った半死者だ。
加害者じゃない!!』
ギャル男がそう言うと
執事のような格好の男の人は
『有名な書物に
こんな言葉が書かれております。
「被害者の顔をした加害者は存在する」』
とギャル男に言葉を返した。
『てめぇ~!!
彼は虐めの被害者なんだぞ!!』
声を荒げ言うギャル男に
執事のような格好の男の人が
『えぇ、
半死する少し前までは ですよね?』と
言い 話を続けた。
『親の工場が潰れた事により
そこで働いていた人間は
給料もろくに支払われない事で
彼の父親…いえ、
彼も含め一家全員を憎みました。
もちろん、
それは子供には関係無いこと。ですが、
子供とは残酷なもので
自分の親が話してる事を聞き
そのままろくに確かめもせず
鵜呑みにして
彼を虐めの標的にしたのでしょう』
確かに、
彼が虐められた事に
彼を虐めてた子供もその親も
必ず関係しているはず。
けど、
その事と殺人とどう関係するのだろう…。
『初めは些細な事で
学校の先生もいじめっ子側の言う
「ふざけてるだけです」を信じて
関わらなかったのでしょう…或いは
面倒な事に
関わり合いたく無かったのでしょう。
だから、
彼が 助けて と
何度もシグナルを出していた事も
気づけなかった。
やがて、
植えられた種が芽吹くように
彼の感情の中に
「どうして?」と疑問が湧いた』
執事のような格好の男の人がそう言うと
私は『疑問?』と
質問するように言葉を返した。
『おや?
彼が何故「どうして?」と思ったか
わかりませんか?』
執事のような格好の男の人が言うと
私の前の男の人が
『なんとなく言いたい事はわかった。
それで、
彼はなんで
校舎の屋上から飛び降りたんだ?』と言った。
『その問いはとても簡単です。
彼はカッターナイフで
いじめっ子を刺してしまった罪悪感と
生きていてもしょうがないという絶望感から
飛び降りを選んだんです』
執事のような格好の男の人が言い終えると
『…要するに
自殺をしようとしたということですね』と
眼鏡をかけた女の人が言葉を返した。
『ご明察です。
自殺は至上者への冒涜であり
議論無くあの世へいかなければいけません。
それは、
至上者より
説明があって存じているはず…では、
採決を採りましょうか…』
執事のような格好の男の人が言い終える前に
私は立ち上がり『待って!!』と言った。
『…なんですか?』
執事のような格好の男の人が
私の方を向き言う。
『彼は 自殺じゃないよ』
私がそう言うと
執事のような格好の男の人は
『自殺ではない?
おかしいですね。
彼は飛び降り自殺を企て
実際に屋上から飛んだ。
なのに、
自殺ではないと?』と言葉を返した。
『まだ死んでない。
彼は 屋上から飛び降りたけど
意識を失ってるだけ』
『それがどうしたのですか?
自殺を企てたのは事実ですよね?
自殺は大罪です』
私の言葉を塗り替えるように
執事のような格好の男の人は
ここ での正論を言う。
確かに、
自殺はもっともやってはいけないこと。
けど だから 彼が行った罪は
彼自身が償わなければいけない。
『…わかってる。
けど、
死んでないなら
自殺とはまだ言わない!!』
私がそう言うと
眼鏡をかけた女の人が
『確かに…自身を殺すと書いて
自殺なので まだ彼は半分生きてます』と言い
その言葉にギャル男が
『死んでないなら
自殺じゃねぇだろ』と言葉を返した。
『ほう…では、
自殺ではないと譲りましょう。
ですが、
彼がいじめっ子を殺したのは
カッターナイフの証拠から事実。
同級生を殺すような殺人鬼を
蘇らせてよろしいのですか?』
執事のような格好の男の人の言う事は正論。
殺人鬼を蘇らせる事はいけない事。
けど…
『生きて…罪を償わせる事も必要…』
私が言う前に
少女が執事のような格好の男の人に
言葉を返した。
『生きて償わせる?
そんな事をして
第2第3の被害者が出たら…』
言い終える前に
私が『出ない』と言った。
『出ない?
その根拠はなんですか?』
執事のような格好の男の人が
私の方を向き言う。
『断言できないけど、
きっとこのまま
死んだら彼は後悔すると思う。
だって、
その瞬間はわからないけど
それまでは殺そうとなんて
思ってなかったのかもしれないし…』
私がそう言うと
執事のような格好の男の人は
ため息を吐きつつ
『優しさですか…』と言い
椅子に座った。
『違う…優しさじゃなく容赦だよ。
後悔しない為の…』
それからしばらくして
校舎の屋上から飛び降り自殺しようとして
運が良かったのか花壇に落ち
頭を強く打ちつけ気を失った彼は
病院の病室のベットの上で目を覚ました。
『彼、
2度と立ち上がれないんだって…
さっき主治医の人が母親に話してた…』
その様子を窓の外から見ていた
マシュマロヘアーの女の人が
隣の私を見つつ言い 続けた。
『私はお父さんとお母さんに置いて行かれて
助かることが出来なかったけど
彼は 助かったんだよね。
なら、
せめて後悔しないでほしいな…』
振り返り彼を見つつ言う
マシュマロヘアーの女の人の背中に
私は『うん、
きっと大丈夫…』としか言えなかった。
それからしばらくして
刑事が2人 彼の病室に訪ねてきて
彼は何かを悟ったのか
静かに頷きつつ
「僕が やりました」と言葉を返した。
~~~透明人間~~~
END
『つまり 虐めって事でいいのか?』
私の前の男の人がそう言うと
眼鏡をかけた女の人は
少し迷いつつ『だと思います』と言った。
『無くならないんだな そう言うの』
ため息混じりに男の人の
右隣の椅子に座る
野球帽を深く被った男の人が言った。
『弱い者虐めとかぜってぇ許せねぇ!!』
ギャル男がいつに無く怒り混じりに言うと
年配の男の人が『まぁまぁ、
カリカリしても仕方ありませんよ。
それより、
彼はいったい何故
虐められてたのですか?』と言った。
『えっと…彼の父親は、
元々製鉄所を経営しており
彼のクラスメイトの親も
何人かその製鉄所で働いていたみたいです。
ただ、
彼がこうなる2年前
不況の煽りを受けた製鉄所は
あっという間に潰れ
彼の父親は従業員に給料を支払う前に
首吊りをして亡くなりました』
眼鏡をかけた女の人がそう言うと
年配の男の人は『なっ…
製鉄所が潰れて
その借金に苦しんだ末の
自殺ということですか…』
と驚きつつ言葉を返した。
『可哀想…』
話を聞いていた少女が俯きそう呟くと
子供が『で、
なんで彼が
虐められなきゃいけないんだ?』と言った。
『私、
わかったかも…』
マシュマロヘアーの女の人がそう言うと
子供が『どうせ、
工場が潰れた腹いせみたいなもので
親が子供に子供(彼)を
虐めさせたんだろ?』と
呆れ口調で言った。
すると、
黙っていた少女が
子供に『少し黙って…
お姉ちゃんの話が聞きたい…』と言い
子供を黙らせつつ
マシュマロヘアーの女の人に
『わかったって…
何がわかったの?』と言った。
『えっと…ちょっと被ったというか…
私の昔話を話してもいい?』
マシュマロヘアーの女の人が
恐る恐る言うと
少女は『うん…』と首を縦に振った。
『私の両親は、
少しだけ有名な会社の
下請け会社に勤務していたんだ。
生活は裕福じゃなかったから
そこら辺の子供が買ってもらえるような
おもちゃも買ってもらえなければ
筆記用具だって…けど、
そんな物より 私は両親と居られるだけで
すごく幸せだった…でもある時、
親会社が起こした問題の煽りを受けて
下請け会社の仕事が無くなっちゃって…
気づいたら
私だけ1人 家に置き去りにされて…
お父さんとお母さんは…』
いつものように明るい口調ではなく
涙を堪えながら言う
マシュマロヘアーの女の人に
眼鏡をかけた女の人は
『わかりました。
それ以上は大丈夫です』と
言葉を返した。
『ごめんね…』
マシュマロヘアーの女の人が
椅子に腰掛けると
ギャル男が自らの膝を手でパンッと叩き
『理由なんてどうでもいい。
そんな最低な事をする奴も
その親もみんな悪者じゃねぇか!!』と
怒鳴り声を上げた。
『確かに 悪者だな。
だけど、
いつの時代も
テレビの中にヒーローが居るように
家の外には 苛めっ子とか
悪者がいるのが当たり前だ。
そいつらを責めても
彼を蘇らせるか否かの
判断には辿り着けないぞ』
私の前の男の人が 落ち着いた口調で言った。
確かに その通りだと思う。
彼が虐められていた事実も重要だけど
私達がしなければいけない判断は
彼の生き死に…。
『だけどよぉ…』
ギャル男が言いかけて
スキンヘッドの男の人が
『気持ちはわかる。
だけど、
今やらければいけないのは
彼の生き死についての話だ』と
言葉を返した。
『……くっ…』
悔しそうな顔で黙るギャル男を後目に
スキンヘッドの男の人は
資料のあるページを開き
『半死した彼の制服のポケットから
カッターナイフが
見つかったと書かれているが
このカッターナイフは
一体何に使ったんだ?』と言った。
『カッターナイフ…
普通に考えるとしたら
何かに使った後
ポケットにしまったままになってたとか?』
アンジェラアキ風の女の人がそう言うと
眼鏡をかけた女の人が
資料を見ながら
『う~ん、
その可能性はなきにしもあらずですが
それよりもカッターナイフの刃先に
何か付着してたと書いてありますが
いったい何が付着していたんでしょう?』と
言葉を返した。
カッターナイフに付着したもの…資料には、
彼は刃先を何度もハンカチで拭き
拭いたハンカチを校舎裏の焼却炉に捨てたと
書かれていた。
カッターナイフに付着したもの…
『おや?
なんだか殺人の匂いがしますね…』
声のする方に視線を向けると
さっきまで誰も座っていなかった椅子に
執事のような格好の男の人が座っていた。
『殺人?
いや、
逆だろ?
彼は虐めによって
精神的に追い詰められた末に
校舎の屋上から飛び降りて
意識を失った半死者だ。
加害者じゃない!!』
ギャル男がそう言うと
執事のような格好の男の人は
『有名な書物に
こんな言葉が書かれております。
「被害者の顔をした加害者は存在する」』
とギャル男に言葉を返した。
『てめぇ~!!
彼は虐めの被害者なんだぞ!!』
声を荒げ言うギャル男に
執事のような格好の男の人が
『えぇ、
半死する少し前までは ですよね?』と
言い 話を続けた。
『親の工場が潰れた事により
そこで働いていた人間は
給料もろくに支払われない事で
彼の父親…いえ、
彼も含め一家全員を憎みました。
もちろん、
それは子供には関係無いこと。ですが、
子供とは残酷なもので
自分の親が話してる事を聞き
そのままろくに確かめもせず
鵜呑みにして
彼を虐めの標的にしたのでしょう』
確かに、
彼が虐められた事に
彼を虐めてた子供もその親も
必ず関係しているはず。
けど、
その事と殺人とどう関係するのだろう…。
『初めは些細な事で
学校の先生もいじめっ子側の言う
「ふざけてるだけです」を信じて
関わらなかったのでしょう…或いは
面倒な事に
関わり合いたく無かったのでしょう。
だから、
彼が 助けて と
何度もシグナルを出していた事も
気づけなかった。
やがて、
植えられた種が芽吹くように
彼の感情の中に
「どうして?」と疑問が湧いた』
執事のような格好の男の人がそう言うと
私は『疑問?』と
質問するように言葉を返した。
『おや?
彼が何故「どうして?」と思ったか
わかりませんか?』
執事のような格好の男の人が言うと
私の前の男の人が
『なんとなく言いたい事はわかった。
それで、
彼はなんで
校舎の屋上から飛び降りたんだ?』と言った。
『その問いはとても簡単です。
彼はカッターナイフで
いじめっ子を刺してしまった罪悪感と
生きていてもしょうがないという絶望感から
飛び降りを選んだんです』
執事のような格好の男の人が言い終えると
『…要するに
自殺をしようとしたということですね』と
眼鏡をかけた女の人が言葉を返した。
『ご明察です。
自殺は至上者への冒涜であり
議論無くあの世へいかなければいけません。
それは、
至上者より
説明があって存じているはず…では、
採決を採りましょうか…』
執事のような格好の男の人が言い終える前に
私は立ち上がり『待って!!』と言った。
『…なんですか?』
執事のような格好の男の人が
私の方を向き言う。
『彼は 自殺じゃないよ』
私がそう言うと
執事のような格好の男の人は
『自殺ではない?
おかしいですね。
彼は飛び降り自殺を企て
実際に屋上から飛んだ。
なのに、
自殺ではないと?』と言葉を返した。
『まだ死んでない。
彼は 屋上から飛び降りたけど
意識を失ってるだけ』
『それがどうしたのですか?
自殺を企てたのは事実ですよね?
自殺は大罪です』
私の言葉を塗り替えるように
執事のような格好の男の人は
ここ での正論を言う。
確かに、
自殺はもっともやってはいけないこと。
けど だから 彼が行った罪は
彼自身が償わなければいけない。
『…わかってる。
けど、
死んでないなら
自殺とはまだ言わない!!』
私がそう言うと
眼鏡をかけた女の人が
『確かに…自身を殺すと書いて
自殺なので まだ彼は半分生きてます』と言い
その言葉にギャル男が
『死んでないなら
自殺じゃねぇだろ』と言葉を返した。
『ほう…では、
自殺ではないと譲りましょう。
ですが、
彼がいじめっ子を殺したのは
カッターナイフの証拠から事実。
同級生を殺すような殺人鬼を
蘇らせてよろしいのですか?』
執事のような格好の男の人の言う事は正論。
殺人鬼を蘇らせる事はいけない事。
けど…
『生きて…罪を償わせる事も必要…』
私が言う前に
少女が執事のような格好の男の人に
言葉を返した。
『生きて償わせる?
そんな事をして
第2第3の被害者が出たら…』
言い終える前に
私が『出ない』と言った。
『出ない?
その根拠はなんですか?』
執事のような格好の男の人が
私の方を向き言う。
『断言できないけど、
きっとこのまま
死んだら彼は後悔すると思う。
だって、
その瞬間はわからないけど
それまでは殺そうとなんて
思ってなかったのかもしれないし…』
私がそう言うと
執事のような格好の男の人は
ため息を吐きつつ
『優しさですか…』と言い
椅子に座った。
『違う…優しさじゃなく容赦だよ。
後悔しない為の…』
それからしばらくして
校舎の屋上から飛び降り自殺しようとして
運が良かったのか花壇に落ち
頭を強く打ちつけ気を失った彼は
病院の病室のベットの上で目を覚ました。
『彼、
2度と立ち上がれないんだって…
さっき主治医の人が母親に話してた…』
その様子を窓の外から見ていた
マシュマロヘアーの女の人が
隣の私を見つつ言い 続けた。
『私はお父さんとお母さんに置いて行かれて
助かることが出来なかったけど
彼は 助かったんだよね。
なら、
せめて後悔しないでほしいな…』
振り返り彼を見つつ言う
マシュマロヘアーの女の人の背中に
私は『うん、
きっと大丈夫…』としか言えなかった。
それからしばらくして
刑事が2人 彼の病室に訪ねてきて
彼は何かを悟ったのか
静かに頷きつつ
「僕が やりました」と言葉を返した。
~~~透明人間~~~
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