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情死
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彼女の末路。
都内 MSビルの一室にて
腹部を20ヶ所
鋭利な刃物で刺されたと思われる
男性の遺体が発見された。
後に 男性の遺体は
MSビルの4階に入っている
本村法律事務所の弁護士で
ある事がわかった。
男性弁護士の周辺では、
警察に疑われていた怨恨や
女性問題などの話は無く
男性弁護士について
欠席した1人の弁護士を除いて
本村弁護士事務所の他の弁護士達は
「とても真面目な人でした。
まさか 彼が殺されるなんて…」や
「優しくて恨まれるような人じゃないのに
どうして彼が…」と口々に言っていた。
『真面目ねぇ~』
私の斜め右 おかま口調の男の人がそう言うと
眼鏡をかけた女の人が『まぁ、
真面目と書かれていますし
彼は既に
お亡くなりになっておりますから』と
言い 資料から目を離した。
『んで、
この弁護士を殺したのが
同じ弁護士事務所の
休んでいた女性弁護士って事だろ?』
私の前の男の人がそう言うと
オカマ口調の男の人が
『資料によると
殺された弁護士は
休んでた女性弁護士…面倒ね。
彼女って言うわ。
彼女と不倫関係にあったみたいよ』と
言った。
『ふりん?』
長い髪をポニーテールのように束ねた
少女がオカマ口調の男の人に言うと
オカマ口調の男の人が
『簡単に言うと
奥さんに隠れて
他の女と繋がってるって事よ』と言った。
『まぁ…不倫はダメだな』
スキンヘッドの男の人が言うと
『うんうん。
不倫はダメだよ。
大好きな人を大切に出来ないとか
恋愛する資格無しだよ!!』と
マシュマロヘアーの女の人が言った。
私も同意見。
好き同士だから結婚してるのに
他の人と不倫するとかありえない。
『痴情のもつれからの
グサリ!!って感じだろ?
なら、
もうこれは
立派な殺人で決まりだ』
男の人がそう言うと
スキンヘッドの男の人が
『まぁ、
殺したは殺したんだから
彼女が悪いは確かだな。
けど、
彼女はそれだけの理由で
彼を殺したのか?』と言い
眼鏡をかけた女の人が
『と言うと?』と
スキンヘッドの男の人に言った。
『いや、
なんというか ちょっと臭いんだよな。
被害者の男性弁護士が発見されたのは
同ビルの2階休憩室で
警察の見立てでは
なんらかの理由で
2階の休憩室でタバコを吸っていた
男性弁護士を
背後から1突き
続け様に
背中へ凡そ5ヶ所
逃げ出そうとしたところを突き飛ばし
仰向けにして胸を凡そ10ヶ所
息絶えたところで 滅多刺しにしたんだろ?
恨みはわかるけど
恨み1つでそこまでやるか?』
スキンヘッドの男の人がそう言うと
アンジェラアキ風の女の人が
『確かに…なんか、
その男性弁護士に
不倫以外にも恨みがありそう…』と言った。
『男と女はいつの時代も
恨み恨まれよね…』
オカマ口調の男の人が言うと
私が『恨み…』と呟き
資料を捲り見始めた。
痴情のもつれだとして、
ただ不倫していた それだけだったとしても
殺されてたかもしれない…けど
彼女が男性弁護士を殺した本当の理由が
別にあるとしたら…。
そんな事を考えていると
資料を見ていた私を見て少女が
『けど、
お姉さん 可哀想。
あともう少しだったのにね…』と言った。
『うん?
あともう少しって…
何があともう少しだったの?』
マシュマロヘアーの女の人が少女に言うと
少女が『この男の人と
この女の人は子供を殺したんだよ』と言った。
『はぁ!?』
マシュマロヘアーの女の人を含め
全員が少女の発言に驚いた。
『いやいや、
子供を殺したって…
この2人に子供はいないはずだぞ?』
スキンヘッドの男の人が
資料を見つつ言うと
眼鏡をかけた女の人も
『えっと…子供と言う記述はありませんが
それはどう言う意味でしょう…』と
驚きを隠せないまま少女に言った。
『それは、
お姉ちゃんが知ってるよ』
そう言うと
少女は私を指差し
『お姉ちゃん、
彼女の成長記録のページだよ』と言った。
『えっ?
成長記録のページ…』
言われるままに
私は彼女の成長記録のページを開き
言葉を失った。
『堕胎手術って…』
私がそう呟くと
スキンヘッドの男の人が
私の見ていたページを開き
『そういうことか…』と言った。
『えっと…つまりどういうこと?
説明してほしいよ』
マシュマロヘアーの女の人が
そう言うとスキンヘッドの男の人が
『えっと…
人工中絶ってわかるか?』と
マシュマロヘアーの女の人に言った。
『えっ…人工中絶って…まさか…』
マシュマロヘアーの女の人がそう言うと
男の人が『子供を殺したって
そう言う事か…胸糞悪い話だな』と言った。
資料には、
彼女は男性弁護士と不倫して数ヶ月後
産婦人科に行き 赤ん坊が出来たことを知る。
けど、
男性弁護士に赤ん坊のことを話すと
男性弁護士は彼女に
「赤ん坊を堕ろせ!!
さもなきゃ、
君をここ(本村法律事務所)から
地方に飛ばしてもらう」と脅し
築き上げたキャリアと
男性弁護士との関係を失いたくなかった
彼女は堕胎手術を…
『最低ですね…』
眼鏡をかけた女の人が言うと
スキンヘッドの男の人が
『まぁ、
自分達が好き勝手して産まれてきた命を
自分達の身勝手のまま殺すなんて
最低以外の何者でも無いな…』と言った。
『それもそうだけど、
男性弁護士が脅さなければ
きっとこんなこと…
起こらなかったと思…』
マシュマロヘアーの女の人が言いかけて
子供が『それは無い』と言い 話を続けた。
『俺の親は虐待の末 俺を殺した。
痛くて 寒くて 息苦しくて…
そんな事をされなかっただけ
赤ん坊は幸せだっただろうな』
子供がそう言うと
マシュマロヘアーの女の人が
『そんな言い方!!』と言い
子供が言い返すように
『赤ん坊に罪は無いさ。
そんな罪の無い赤ん坊を
己の理由で殺すような…
そんな親なんて…親と名乗る資格も無ければ
子供を持つ資格もねぇよ!!』と怒鳴った。
『ストップ!!
はい、
どちらの意見もわかった!!
まず、
私の意見を言わせて!!』
睨み合う2人を遮るように
私がそう言うと
『私の意見は…』と話を続けた。
『私の意見は、
確かに 赤ん坊を殺した彼女の選択も
彼女を見捨てようとした彼の選択も
2人が浮気をした選択も
全て間違ってると思う。
いや、
最初からだから
2人が浮気をしなければ
赤ん坊が堕胎されることは無かったとしたら
そもそも2人が浮気をしたのが間違いだね』
そう言うと
子供が『俺は
こう言う奴ら嫌いだね。
大切に出来ないなら
そもそも作るなって気分』と言った。
『それはわかるけど…
愛してるから赤ちゃん欲しいって
思ったんじゃないの?』
マシュマロヘアーの女の人が言い終えた
次の瞬間 子供が
『不倫だろ?
そんな事考えるわけ無いだろ!!』と言った。
う~ん、
どちらの意見もわかる。
愛してる人の赤ちゃん…けど
その愛してる人とは不倫で
さらに 赤ちゃんを堕ろせと言われて…。
それだけでも
十分殺す理由になる気はする。
けど、
たぶん 彼女が
男性弁護士を殺した理由は…
『まぁ、
赤ん坊も重要だが
そもそも赤ん坊を堕ろせと言われ
堕ろした後で彼女は
男性弁護士を殺したんだよな?
なんか変じゃないか?』
スキンヘッドの男の人が言うと
私が『私も思った。
普通、
堕ろせと言われた事を
許せなくてなら
堕ろす前に殺すだろうし
何より
今現在の彼女の半死状態に
疑問が残る』と言った。
『疑問?』
オカマ口調の男の人が言うと
私は『彼女って
彼を殺した後、
睡眠薬を1瓶飲み干してるんだよね。
なんか…ね』とオカマ口調の男の人に
言葉を返した。
『なによ、
罪の意識から自殺しようとしただけでしょ?
それのどこがおかしいのよ』
オカマ口調の男の人が言うと
私は『まぁ、
私の想像と言うか…
彼女って嫌いで殺したのかなって…』と
言葉を返した。
『当たり前よ。
じゃなきゃ、
20ヶ所も刺さないわ』
オカマ口調の男の人がそう言うと
少女が『生きてる時は、
どうやっても
自分のものに出来ないよね…』と私に言った。
『何を言って…』
オカマ口調の男の人が言いかけて
私は『うん。
きっと、
彼女は思ったと思う。
生きてる間は彼をものに出来ないって…』と
言い 話を続けた。
『これは私の仮説。
彼女は、
男性弁護士と不倫していたけど
本当は男性弁護士を
自分のものにしたかった。
だから、
彼が赤ちゃんを堕ろせと言えば
その言葉に従った。
けど、
ある時 気づいてしまった。
いくら彼に従っても
生きてる間は 不倫なんだ と。
だから、
彼女は先に逝った赤ちゃんのところに
彼を送る為に殺し
自分も睡眠薬を1瓶飲み干して
自殺する予定だった』
私が言い終えると
『そんなの…不純だわ』と
オカマ口調の男の人が言った。
『不純…うん。
私もそう思う。
子供染みた考えかもだけど
恋愛って好きな人とするのが当たり前だし
一途な恋が普通だと思うから
彼女の考えは私にはわからない。
けど もし…
考え方によっては
一方的だけど彼女の考えも
一途と言えなくないよね?』
私がそう言うと
マシュマロヘアーの女の人が
『う~ん、
一途って言えば確かに一途かな…。
けど、
共感は出来ないよ』と言い
男の人とスキンヘッドの男の人も
首を縦に振りつつ
『愛が重すぎるなぁ…』と言った。
『はぁ…一方的で一途な愛ねぇ…』
ため息を吐きつつ言うと
眼鏡をかけた女の人が
『えっと…この場合、
殺人に自殺もしてますから
彼女は 死 の判定が妥当になりますが…』と
私の方を見つつ言った。
確かに…
殺人に自殺は
半死者の判定的に 死 となるのが当たり前。
けど、
そう言う理由も大事だけど
私は…
『うん。
私も 死 の判定で良いと思う』
私がそう言うと
全員が『えっ…』とでも言いたげな顔で
私の方を向いた。
『えっと…
死 の判定で良いんですか?』
眼鏡をかけた女の人がそう言うと
私が『うん。
仮説が違ったなら違ったで
彼女は堕胎した赤ちゃんに謝らないとだし
彼も同じでしょ?
それに そこから 家族になることだって…』
と言葉を返した。
『う~ん、
なんというか…
それはそれで大変そうだが…』
スキンヘッドの男の人がそう言うと
私は『大変なんだよ。
本当の家族になるのって』と言葉を返した。
しばらくして
自宅に訪ねてきた
同僚に発見され
病院に搬送された彼女だったが
睡眠薬の過剰摂取により間もなく
死亡が確認された。
『幸せ…だと良いわね』
その様子を見ていたオカマ口調の男の人が
窓から死亡した彼女を見て言った。
『うん。
そうだね』
私がオカマ口調の男の人に言うと
オカマ口調の男の人が
『私ね、
好きな男が居たの』と言い 話を続けた。
『すごくイケメンで
すごくお金持ちで
超がつくほど幸せ…だった。
けどね、
彼の目的は私が持っていた
オカマバーの土地とお金だった…皮肉よね。
信じられず彼を問い詰めた私は
拳銃で撃ち殺されて このざまよ』
オカマ口調の男の人がそう言うと
痛みが伝わってくる気がして
『そんな…』以上の言葉が出てこなかった。
『仕方ないわよ。
私は違っても
彼は最初からそう思ってたんだから』
『ねぇ…ここに来たこと 後悔してる?』
私がそう言うと
オカマ口調の男の人は
『う~ん、
そうね 後悔して無いかって言われたら
後悔はしてないわね。
ただ、
店の子達に別れを言えなかった事が
唯一の後悔かしらね』と言い笑った。
それからしばらくして
本村弁護士事務所の面々や
彼女の両親や友人が参加し
彼女のお葬式がしめやかに行われた。
葬儀の最中、
彼女の母親がお焼香を行っていて
ふと彼女の遺影を見た瞬間
彼女がとても笑っているように見えた。
「菜月…幸せにね」
~~~情死~~~
END
都内 MSビルの一室にて
腹部を20ヶ所
鋭利な刃物で刺されたと思われる
男性の遺体が発見された。
後に 男性の遺体は
MSビルの4階に入っている
本村法律事務所の弁護士で
ある事がわかった。
男性弁護士の周辺では、
警察に疑われていた怨恨や
女性問題などの話は無く
男性弁護士について
欠席した1人の弁護士を除いて
本村弁護士事務所の他の弁護士達は
「とても真面目な人でした。
まさか 彼が殺されるなんて…」や
「優しくて恨まれるような人じゃないのに
どうして彼が…」と口々に言っていた。
『真面目ねぇ~』
私の斜め右 おかま口調の男の人がそう言うと
眼鏡をかけた女の人が『まぁ、
真面目と書かれていますし
彼は既に
お亡くなりになっておりますから』と
言い 資料から目を離した。
『んで、
この弁護士を殺したのが
同じ弁護士事務所の
休んでいた女性弁護士って事だろ?』
私の前の男の人がそう言うと
オカマ口調の男の人が
『資料によると
殺された弁護士は
休んでた女性弁護士…面倒ね。
彼女って言うわ。
彼女と不倫関係にあったみたいよ』と
言った。
『ふりん?』
長い髪をポニーテールのように束ねた
少女がオカマ口調の男の人に言うと
オカマ口調の男の人が
『簡単に言うと
奥さんに隠れて
他の女と繋がってるって事よ』と言った。
『まぁ…不倫はダメだな』
スキンヘッドの男の人が言うと
『うんうん。
不倫はダメだよ。
大好きな人を大切に出来ないとか
恋愛する資格無しだよ!!』と
マシュマロヘアーの女の人が言った。
私も同意見。
好き同士だから結婚してるのに
他の人と不倫するとかありえない。
『痴情のもつれからの
グサリ!!って感じだろ?
なら、
もうこれは
立派な殺人で決まりだ』
男の人がそう言うと
スキンヘッドの男の人が
『まぁ、
殺したは殺したんだから
彼女が悪いは確かだな。
けど、
彼女はそれだけの理由で
彼を殺したのか?』と言い
眼鏡をかけた女の人が
『と言うと?』と
スキンヘッドの男の人に言った。
『いや、
なんというか ちょっと臭いんだよな。
被害者の男性弁護士が発見されたのは
同ビルの2階休憩室で
警察の見立てでは
なんらかの理由で
2階の休憩室でタバコを吸っていた
男性弁護士を
背後から1突き
続け様に
背中へ凡そ5ヶ所
逃げ出そうとしたところを突き飛ばし
仰向けにして胸を凡そ10ヶ所
息絶えたところで 滅多刺しにしたんだろ?
恨みはわかるけど
恨み1つでそこまでやるか?』
スキンヘッドの男の人がそう言うと
アンジェラアキ風の女の人が
『確かに…なんか、
その男性弁護士に
不倫以外にも恨みがありそう…』と言った。
『男と女はいつの時代も
恨み恨まれよね…』
オカマ口調の男の人が言うと
私が『恨み…』と呟き
資料を捲り見始めた。
痴情のもつれだとして、
ただ不倫していた それだけだったとしても
殺されてたかもしれない…けど
彼女が男性弁護士を殺した本当の理由が
別にあるとしたら…。
そんな事を考えていると
資料を見ていた私を見て少女が
『けど、
お姉さん 可哀想。
あともう少しだったのにね…』と言った。
『うん?
あともう少しって…
何があともう少しだったの?』
マシュマロヘアーの女の人が少女に言うと
少女が『この男の人と
この女の人は子供を殺したんだよ』と言った。
『はぁ!?』
マシュマロヘアーの女の人を含め
全員が少女の発言に驚いた。
『いやいや、
子供を殺したって…
この2人に子供はいないはずだぞ?』
スキンヘッドの男の人が
資料を見つつ言うと
眼鏡をかけた女の人も
『えっと…子供と言う記述はありませんが
それはどう言う意味でしょう…』と
驚きを隠せないまま少女に言った。
『それは、
お姉ちゃんが知ってるよ』
そう言うと
少女は私を指差し
『お姉ちゃん、
彼女の成長記録のページだよ』と言った。
『えっ?
成長記録のページ…』
言われるままに
私は彼女の成長記録のページを開き
言葉を失った。
『堕胎手術って…』
私がそう呟くと
スキンヘッドの男の人が
私の見ていたページを開き
『そういうことか…』と言った。
『えっと…つまりどういうこと?
説明してほしいよ』
マシュマロヘアーの女の人が
そう言うとスキンヘッドの男の人が
『えっと…
人工中絶ってわかるか?』と
マシュマロヘアーの女の人に言った。
『えっ…人工中絶って…まさか…』
マシュマロヘアーの女の人がそう言うと
男の人が『子供を殺したって
そう言う事か…胸糞悪い話だな』と言った。
資料には、
彼女は男性弁護士と不倫して数ヶ月後
産婦人科に行き 赤ん坊が出来たことを知る。
けど、
男性弁護士に赤ん坊のことを話すと
男性弁護士は彼女に
「赤ん坊を堕ろせ!!
さもなきゃ、
君をここ(本村法律事務所)から
地方に飛ばしてもらう」と脅し
築き上げたキャリアと
男性弁護士との関係を失いたくなかった
彼女は堕胎手術を…
『最低ですね…』
眼鏡をかけた女の人が言うと
スキンヘッドの男の人が
『まぁ、
自分達が好き勝手して産まれてきた命を
自分達の身勝手のまま殺すなんて
最低以外の何者でも無いな…』と言った。
『それもそうだけど、
男性弁護士が脅さなければ
きっとこんなこと…
起こらなかったと思…』
マシュマロヘアーの女の人が言いかけて
子供が『それは無い』と言い 話を続けた。
『俺の親は虐待の末 俺を殺した。
痛くて 寒くて 息苦しくて…
そんな事をされなかっただけ
赤ん坊は幸せだっただろうな』
子供がそう言うと
マシュマロヘアーの女の人が
『そんな言い方!!』と言い
子供が言い返すように
『赤ん坊に罪は無いさ。
そんな罪の無い赤ん坊を
己の理由で殺すような…
そんな親なんて…親と名乗る資格も無ければ
子供を持つ資格もねぇよ!!』と怒鳴った。
『ストップ!!
はい、
どちらの意見もわかった!!
まず、
私の意見を言わせて!!』
睨み合う2人を遮るように
私がそう言うと
『私の意見は…』と話を続けた。
『私の意見は、
確かに 赤ん坊を殺した彼女の選択も
彼女を見捨てようとした彼の選択も
2人が浮気をした選択も
全て間違ってると思う。
いや、
最初からだから
2人が浮気をしなければ
赤ん坊が堕胎されることは無かったとしたら
そもそも2人が浮気をしたのが間違いだね』
そう言うと
子供が『俺は
こう言う奴ら嫌いだね。
大切に出来ないなら
そもそも作るなって気分』と言った。
『それはわかるけど…
愛してるから赤ちゃん欲しいって
思ったんじゃないの?』
マシュマロヘアーの女の人が言い終えた
次の瞬間 子供が
『不倫だろ?
そんな事考えるわけ無いだろ!!』と言った。
う~ん、
どちらの意見もわかる。
愛してる人の赤ちゃん…けど
その愛してる人とは不倫で
さらに 赤ちゃんを堕ろせと言われて…。
それだけでも
十分殺す理由になる気はする。
けど、
たぶん 彼女が
男性弁護士を殺した理由は…
『まぁ、
赤ん坊も重要だが
そもそも赤ん坊を堕ろせと言われ
堕ろした後で彼女は
男性弁護士を殺したんだよな?
なんか変じゃないか?』
スキンヘッドの男の人が言うと
私が『私も思った。
普通、
堕ろせと言われた事を
許せなくてなら
堕ろす前に殺すだろうし
何より
今現在の彼女の半死状態に
疑問が残る』と言った。
『疑問?』
オカマ口調の男の人が言うと
私は『彼女って
彼を殺した後、
睡眠薬を1瓶飲み干してるんだよね。
なんか…ね』とオカマ口調の男の人に
言葉を返した。
『なによ、
罪の意識から自殺しようとしただけでしょ?
それのどこがおかしいのよ』
オカマ口調の男の人が言うと
私は『まぁ、
私の想像と言うか…
彼女って嫌いで殺したのかなって…』と
言葉を返した。
『当たり前よ。
じゃなきゃ、
20ヶ所も刺さないわ』
オカマ口調の男の人がそう言うと
少女が『生きてる時は、
どうやっても
自分のものに出来ないよね…』と私に言った。
『何を言って…』
オカマ口調の男の人が言いかけて
私は『うん。
きっと、
彼女は思ったと思う。
生きてる間は彼をものに出来ないって…』と
言い 話を続けた。
『これは私の仮説。
彼女は、
男性弁護士と不倫していたけど
本当は男性弁護士を
自分のものにしたかった。
だから、
彼が赤ちゃんを堕ろせと言えば
その言葉に従った。
けど、
ある時 気づいてしまった。
いくら彼に従っても
生きてる間は 不倫なんだ と。
だから、
彼女は先に逝った赤ちゃんのところに
彼を送る為に殺し
自分も睡眠薬を1瓶飲み干して
自殺する予定だった』
私が言い終えると
『そんなの…不純だわ』と
オカマ口調の男の人が言った。
『不純…うん。
私もそう思う。
子供染みた考えかもだけど
恋愛って好きな人とするのが当たり前だし
一途な恋が普通だと思うから
彼女の考えは私にはわからない。
けど もし…
考え方によっては
一方的だけど彼女の考えも
一途と言えなくないよね?』
私がそう言うと
マシュマロヘアーの女の人が
『う~ん、
一途って言えば確かに一途かな…。
けど、
共感は出来ないよ』と言い
男の人とスキンヘッドの男の人も
首を縦に振りつつ
『愛が重すぎるなぁ…』と言った。
『はぁ…一方的で一途な愛ねぇ…』
ため息を吐きつつ言うと
眼鏡をかけた女の人が
『えっと…この場合、
殺人に自殺もしてますから
彼女は 死 の判定が妥当になりますが…』と
私の方を見つつ言った。
確かに…
殺人に自殺は
半死者の判定的に 死 となるのが当たり前。
けど、
そう言う理由も大事だけど
私は…
『うん。
私も 死 の判定で良いと思う』
私がそう言うと
全員が『えっ…』とでも言いたげな顔で
私の方を向いた。
『えっと…
死 の判定で良いんですか?』
眼鏡をかけた女の人がそう言うと
私が『うん。
仮説が違ったなら違ったで
彼女は堕胎した赤ちゃんに謝らないとだし
彼も同じでしょ?
それに そこから 家族になることだって…』
と言葉を返した。
『う~ん、
なんというか…
それはそれで大変そうだが…』
スキンヘッドの男の人がそう言うと
私は『大変なんだよ。
本当の家族になるのって』と言葉を返した。
しばらくして
自宅に訪ねてきた
同僚に発見され
病院に搬送された彼女だったが
睡眠薬の過剰摂取により間もなく
死亡が確認された。
『幸せ…だと良いわね』
その様子を見ていたオカマ口調の男の人が
窓から死亡した彼女を見て言った。
『うん。
そうだね』
私がオカマ口調の男の人に言うと
オカマ口調の男の人が
『私ね、
好きな男が居たの』と言い 話を続けた。
『すごくイケメンで
すごくお金持ちで
超がつくほど幸せ…だった。
けどね、
彼の目的は私が持っていた
オカマバーの土地とお金だった…皮肉よね。
信じられず彼を問い詰めた私は
拳銃で撃ち殺されて このざまよ』
オカマ口調の男の人がそう言うと
痛みが伝わってくる気がして
『そんな…』以上の言葉が出てこなかった。
『仕方ないわよ。
私は違っても
彼は最初からそう思ってたんだから』
『ねぇ…ここに来たこと 後悔してる?』
私がそう言うと
オカマ口調の男の人は
『う~ん、
そうね 後悔して無いかって言われたら
後悔はしてないわね。
ただ、
店の子達に別れを言えなかった事が
唯一の後悔かしらね』と言い笑った。
それからしばらくして
本村弁護士事務所の面々や
彼女の両親や友人が参加し
彼女のお葬式がしめやかに行われた。
葬儀の最中、
彼女の母親がお焼香を行っていて
ふと彼女の遺影を見た瞬間
彼女がとても笑っているように見えた。
「菜月…幸せにね」
~~~情死~~~
END
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王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
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