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衝突事故
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彼の末路。
大阪府 難波の路上にて
自動車と自転車による交差点
衝突事故が起きた。
警察の調べでは
赤信号で交差点に侵入してきた自転車に
青信号で走ってきた自動車がぶつかり
自転車に乗っていた男性は
救急車で搬送中に死亡した。
不審な事に
自転車のブレーキ痕は無く
自動車にそのまま激突し…
『交通事故だな』
スキンヘッドの男の人が言うと
アンジェラアキ風の女の人が
『そのまんまじゃん』と言った。
『あ~う~ん、
と言われても
自転車と車の交通事故だよな?
不審な点は無いように見えるが…』
スキンヘッドの男の人がそこまで言うと
私の前の男の人が『うん?
自転車の方には
ブレーキ痕が無かったそうだぞ』と言った。
うん?
確かに、
自転車は赤信号を無視して
青信号で走ってきた車と衝突し
自転車の運転手は亡くなったって…あれ?
ブレーキ痕が無いってことは、
自転車はノーブレーキで
赤信号を渡ろうとして
青信号で走ってきた車と
衝突したってこと…それってなんか…
私が考えていると
茶髪の女の人が資料片手に
『はい。
自転車側にブレーキ痕は無く
大破した自転車のタイヤは
ブレーキですり減ったと思われる痕跡は
1つも見当たらなかったと書かれてます』と
言った。
『それって変だよ。
赤信号ってわかってるなら
普通 渡らずにブレーキかけて止まるし…』
マシュマロヘアーの女の人が言うと
眼鏡をかけた女の人が
『えぇ、
それに変なのはもう一つ。
自転車が大破していたとありましたが
きっとすごい速度で
交差点に侵入したんだと思われますが
何故 そんな速度で走っていたのでしょう?』
と言った。
自動車と自転車の衝突事故…
自転車側はすごい速度を出していたのか
交差点に侵入後
すぐに自動車に衝突し大破してしまい
運転手は救急車で搬送中に死亡した…
何故 そこまで自転車の彼は急いでいたのか…
そこも気になるけど
そもそも自転車と衝突したドライバーは
何故半死したのか…
そんな事を考えていると
ギャル男が『いや、
自転車の運転手は死亡したから
わからないけど
交通ルール守らず走ってた彼が悪いし
ドライバーは悪く無くね?』と言った。
『まぁ、
悪いか悪く無いかと言われたら
半死者のルールから見て
殺人を犯した訳じゃないし…そうなのかな』
アンジェラアキ風の女の人がそう言うと
少女が『ねぇ、
約束を守ろうとした人と
約束を破ろうとした人は
どちらが悪いんだろう?』と言った。
『えっ?
約束を守ろうとした人と
約束を破ろうとした人?』
私がそう言うと
少女は真顔で『うん』と応えた。
『そりゃあ、
約束を破ろうとした人だろ。
どんな約束か知らないが
約束を破る奴は最低だ』
男の人が言うと
マシュマロヘアーの女の人が
『けど、
約束によっては
破っちゃう事もあるよ。
私の場合、
生きてる時に
苦手だった叔母さんとの食事が嫌で
その日 部活は無かったけど
部活を理由に逃げたことあるし』と言った。
『そのくらいの経験なら俺もある。
先輩との飲み会に出たくなくて
何回かすっぽかした事とか…』
スキンヘッドの男の人が言うと
アンジェラアキ風の女の人も
『先輩か…うん。
私もあるよ』と言った。
約束を守ろうとした人と
約束を破ろうとした人
どちらが悪いんだろう…
私は、
記憶が無いからわからない…けど
さっきから気になってるけど
少女の言う約束の内容ってなんだろう…
『ねぇ、
その約束って
どんな内容なの?』
気になった私が少女に聞くと
少女は『えっと…結婚式かな?』と言って
資料を捲り あるページを開いて
全員に見せた。
『うん?
「自動車側のドライバーは
友人の結婚式に参列する約束をしたが
昔の思い出から心が耐えられず
友人との約束を破り
結婚式場から逃亡…」ってなんだこれ?』
男の人が言うと
スキンヘッドの男の人が
『昔の思い出ってなんだ?
それに
友人との約束って…』と言った。
『う~ん、
この書き方だと友人の性別がわからないから
なんとも言えないけど
結婚式に出席すること的な感じかな…』
マシュマロヘアーの女の人が言うと
黙って資料を読んでいた子供が
『友人は女だろ?
それに約束の内容は
「20歳になったら結婚しようね」だ』と
言った。
『はぁ?
いったいどこにそんな事
書かれてるんだよ』
男の人がそう言うと
子供は『資料の12ページ目
小学生の頃
ドライバーの彼と友人は
結婚の約束をしたって書かれてるぞ。
資料をよく読め』と言った。
『本当だ…けど、
小学生で告白って…』
スキンヘッドの男の人が言いかけて
マシュマロヘアーの女の人が
『あるあるだよ。
私は…無いけど』と言葉を返した。
『進んでんだな。
俺が小学生の頃は
告白とかよりザリガニだったからな』
スキンヘッドの男の人が言うと
眼鏡をかけた女の人は
『私は勉強ばかりでした…』と言い
男の人は
『俺は野球ばっかしてた』と言った。
私は…何してたんだろう…
そんな事を考えていると
茶髪の女の人が
『って事は、
花嫁の友人が
自転車に衝突したドライバーである彼で
彼は小学生の頃の約束を破ってしまい
友人に合わせる顔が無くなり
結婚式に出席せず帰る途中で
自転車と衝突したってとこですかね?』と
言った。
たぶん そうだと思う。
けど、
ドライバーの彼はわかったけど
自転車の彼が急いでいた理由はなんだろう…
そもそも、
少女の言い方からすると
自転車の彼は
約束を守ろうとした人ってことだけど…
『つうか、
彼が約束を破ろうとした方なら
自転車の運転手は
約束を守ろうとしたって事だよな?
自転車の運転手の約束ってなんだ?』
ギャル男が言うと
スキンヘッドの男の人が
『うん?
ここを見てみろ』と言い
開いていた資料を
全員に向け見せた。
『あれ?
自転車の運転手さんの服装…
モーニングコート?』
資料の写真を見た
アンジェラアキ風の女の人がそう言うと
マシュマロヘアーの女の人が
『モーニングコート?』と言った。
『モーニングコートも知らないのか?
モーニングコートっていうのは、
結婚式で新郎が着る服装だよ』
子供がそう言うと
マシュマロヘアーの女の人が子供に
『そんなの知らないし~』と言い
私が『へぇ~、
そうなんだ。
私も知らなかった』と言った。
『ふむ、
確かにこれはモーニングコートだな。
だが、
どうして自転車の運転手が
モーニングコートなんて着てるんだ?』
スキンヘッドの男の人が言うと
何か思いついた素振りをして
マシュマロヘアーの女の人が
椅子から立ち上がり
『もしかして、
結婚式に遅刻しそうだったから
着てたんじゃない?』と言った。
『いや、
それは無いだろ。
そもそも、
新郎も着せてもらうだろうし』
男の人がそう言うと
スキンヘッドの男の人が
『いや、
着せてもらうだけじゃ
無いみたいだぞ』と言い
モーニングコートの写真の下に
貼られたボロボロの紙切れの写真に
書かれていた言葉を読み始めた。
『格安プラン
新婦着付け 必
新郎着付け 否(当日着てくる)って
書かれてるみたいだから
いくら安くなったか知らないが
新郎は当日の着付けを拒否し
自分で着てこようとしたんだろう』
スキンヘッドの男の人が言い終えると
男の人が『つう事は、
遅刻したのか急いでいた新郎は
結婚式から逃亡したドライバーである彼と
運悪く衝突したって事か?』と言った。
う~ん、
なんか違う気がする…
運悪くなら
なんで結婚式場の方へ急ぐ新郎と
結婚式場の方から来た彼が
衝突したんだろう…
だって、
結婚式場はいくつもあるし
偶然だとしたら
あまりにも…
『いや、
運が悪いとは思えない』
子供がそう言うと
男が『どう言う事だ?』と言った。
『資料によると
新郎と彼は友人であり
新郎の花嫁は彼が
約束をした友人だ。
無論、
遅刻かどうかまではわからないが
彼からしたら
友人である新郎は…』
子供がそこまで言いかけて
マシュマロヘアーの女の人が
『そっか…恋人を奪ったんだ』と言った。
『恋人を奪った?
いやいや、
資料には奪い取ったんじゃなく
彼が正式に花嫁に告白したと
書かれてるぞ』
男の人がそう言うと
眼鏡をかけた女の人が
『きっと、
小学生の頃の約束を破ったのは
彼だけじゃなく
花嫁である彼女もって事ですね』と言った。
『なにそれ…
ドライバーの彼が可哀想…』
アンジェラアキ風の女の人が言った。
確かに、
可哀想…だけど
なんかおかしいような…
そもそも、
自転車の彼が急いでいたのはわかるけど
事故現場には自転車のブレーキ痕は
一切無い的な事が書かれてたような…
急いでるとはいえ
ブレーキもかけずに
交差点に突入するだろうか…
『ねぇ、
ブレーキ痕が無いって書かれてたけど
普通赤信号ならブレーキかけるよね?
なんで、
自転車の彼はかけなかったんだろう…』
私がそう言うと
ギャル男が
『渡れるって思ったんじゃね?』と
言葉を返した。
『渡れると思ったんじゃねって…
それに 交差点侵入時
ぶつかれば自転車が大破するほどの
速度だったなら尚更
ブレーキかけないっておかしいよ』
私がそう言うと
スキンヘッドの男の人が『確かに』と呟き
『いくら衝突とはいえ
一切ブレーキもかけずに
赤信号で渡ろうとするのはおかしいな』と言った。
『けど、
急いでる時は
信号無視をすることくらいあるし
ブレーキだって
寝ぼけて乗ってたとしたら…』
ギャル男がそこまで言いかけて
男の人が『いや、
寝ぼけて乗ってないだろ』と言い
さっきのモーニングコートを着た
自転車の彼の写真を見せ 話を続けた。
『遅刻かなんかで
焦ってたとしても
正装を着る余裕があったなら
交通ルールくらい守れるはずだ。
それに、
赤信号も守れない奴が
自転車に乗る資格は無い』
男の人がそう言うと
スキンヘッドの男の人が
『まぁ、
乗る資格は無いは言い過ぎだが
確かにモーニングコートを着れたなら
少なくともブレーキの判断が
出来ない状態では無いな』と言った。
確かに…
焦っていたなら
しっかりと着こなすなんて
出来ないだろうし
服装から見て
交通ルールが守れないほどの
状態では無いと思う。
なら、
どうしてブレーキもかけずに
赤信号を渡ろうとしたのか…
『あれ?
ドライバーの彼と
自転車の彼って
住所かなり近いね』
資料を見ていた
マシュマロヘアーの女の人が言った。
『うん?
確かに…』
スキンヘッドの男の人が
資料を捲り確認しつつ言い
私も資料を捲り住所を確認した。
『確かに…うん?
ドライバーの彼って
近所のバイクショップで働いてたの?』
自転車の彼と
ドライバーの彼の住所の下に
ドライバーの彼が働いていた
バイクショップの住所が書かれていた。
『そうみたいだな…うん?
売るだけじゃなく
修理もしてたみたいだぞ』
男の人が
ドライバーの彼が働いていた
バイクショップについての情報が載った
ページを見つつ言った。
修理…うん?
ブレーキ痕が無くて
スピードの出た状態で
赤信号の交差点に侵入…
青信号で走ってきた
自動車に衝突し…
何かが噛み合う感覚がして
私は『ねぇ、
もしかしたらわかったかも…』と言った。
『わかったって…
なんでブレーキが
効かなかったのかって話のか?』
男の人がそう言うと
私は『うん』と言って
話を続けた。
『これは、
私の仮説なんだけど
ドライバーの彼が勤めてた
バイクショップって
きっと修理に持ち込まれていたのは
バイクだけじゃなく自転車もだと思う』
そこまで言うと
スキンヘッドの男の人が
『まぁ、
確かにそうだな』と言った。
『自転車の彼とドライバーの彼は友人であり
友人だったからこそ
自転車の彼はドライバーの彼が働く
バイクショップに自転車の修理依頼をした。
預けられた自転車を見て
ドライバーの彼はきっとこう思ったと思う。
「なんでこいつが付き合うんだよ」って』
そこまで言うと
マシュマロヘアーの女の人が
『あっ…そういうことか。
自転車の彼の花嫁は
ドライバーの彼の友人であり
結婚の約束をした人だから
裏切られたって思ったんだね…』と言った。
『うん、
そういうこと。
だから、
ドライバーの彼は妬みから
修理を依頼されていた彼の自転車に
ちょっとだけ細工を施した』
そう言うと
スキンヘッドの男の人が
『細工って…まさか、
ブレーキを効かなくするとかか?』と言い
私が『そう。
ブレーキを効かなくすれば
きっと何処かで事故を起こすだろうし
そうなれば結婚式どころじゃないよね』と
言葉を返した。
『うむ…噛み合う部分はあるなぁ。
うん?…ブレーキを効かなくするって事は
ドライバーの彼は初めから
自転車の彼の殺害を考えてたのか?』
スキンヘッドの男の人が言うと
私が『どうだろう…
自転車のブレーキは効かなくしたけど
自分の車と衝突事故を起こしたのは
ドライバーの彼も予想外だったと思うよ』と
言葉を返した。
『きっと、
天罰が当たったんだよ』
少女がそう言うと
私は『うん。
私もそう思う』と言った。
その様子を見ていた眼鏡をかけた女の人が
咳払いをすると全員が
眼鏡をかけた女の人の方に視線を向けた。
『では、
そろそろ採決を採ります』
しばらくして、
自転車に衝突し逃げた自動車は
大きな通りの交差点に赤信号で侵入し
侵入した事に気づかなかった
トラックに追突され
弾き飛ばされた自動車は
電柱にぶつかり運転手が乗ったまま
自動車は爆発炎上した。
『良いのか?
てっきりあんたはまた
生きて償わせるって言うと思ったけど』
その様子を見ていた
子供が私の方を見て言った。
『う~ん、
ちょっとそれも思ったよ。
けど、
半死者のルールで
殺人は 死 に値する罪って書かれてるし…』
そこまで言うと
子供は私から目を逸らしつつ
『なんか、
あんたらしくないな』と言った。
『らしくないって…』
言いかけて
「エステルらしくないよ。
そんな野蛮なこと…それに
困ったことがあったらエリスに言って。
エステルとエリスは家族なんだから」と
よく知らない女の子が私に
微笑みながら語りかける
イメージが浮かんだ。
『エステル?』
呟くように出た言葉に
子供が『どうした?』と言い
私が『あっ…うんうん、
なんでもない』と言葉を返した。
けど、
なんでよく知らない女の子は
私を「エステル」と呼ぶんだろう…
同時刻 結婚式場で
新郎を待っていた新婦のスマホが鳴り
電話に出た新婦は
受話器から聞こえる言葉に耳を疑った。
「そんな…」
持っていたスマホをその場に落とし
泣きながら結婚式場を出た新婦は
その足で 新郎の遺体が運ばれた病院に行き
新郎と再会した。
物言わぬ新郎を前に泣き崩れる新婦に
医者は『こちらを』と言って指輪を渡した。
「えっ…」
「最後まで握りしめていました。
どうか、
彼の気持ちと思って受け取ってください」
医者はそう言うと
遺体安置室を後にした。
「…死んじゃうなんて…酷いよ…
私 一人ぼっちになっちゃったじゃん…」
そう言いつつ涙を拭い
彼の顔にかけられた布を取り
口付けをすると
そっと微笑みながら
「さよなら」と言って
再び彼の顔に布を被せ
遺体安置室から出て行った。
~~~衝突事故~~~
END
大阪府 難波の路上にて
自動車と自転車による交差点
衝突事故が起きた。
警察の調べでは
赤信号で交差点に侵入してきた自転車に
青信号で走ってきた自動車がぶつかり
自転車に乗っていた男性は
救急車で搬送中に死亡した。
不審な事に
自転車のブレーキ痕は無く
自動車にそのまま激突し…
『交通事故だな』
スキンヘッドの男の人が言うと
アンジェラアキ風の女の人が
『そのまんまじゃん』と言った。
『あ~う~ん、
と言われても
自転車と車の交通事故だよな?
不審な点は無いように見えるが…』
スキンヘッドの男の人がそこまで言うと
私の前の男の人が『うん?
自転車の方には
ブレーキ痕が無かったそうだぞ』と言った。
うん?
確かに、
自転車は赤信号を無視して
青信号で走ってきた車と衝突し
自転車の運転手は亡くなったって…あれ?
ブレーキ痕が無いってことは、
自転車はノーブレーキで
赤信号を渡ろうとして
青信号で走ってきた車と
衝突したってこと…それってなんか…
私が考えていると
茶髪の女の人が資料片手に
『はい。
自転車側にブレーキ痕は無く
大破した自転車のタイヤは
ブレーキですり減ったと思われる痕跡は
1つも見当たらなかったと書かれてます』と
言った。
『それって変だよ。
赤信号ってわかってるなら
普通 渡らずにブレーキかけて止まるし…』
マシュマロヘアーの女の人が言うと
眼鏡をかけた女の人が
『えぇ、
それに変なのはもう一つ。
自転車が大破していたとありましたが
きっとすごい速度で
交差点に侵入したんだと思われますが
何故 そんな速度で走っていたのでしょう?』
と言った。
自動車と自転車の衝突事故…
自転車側はすごい速度を出していたのか
交差点に侵入後
すぐに自動車に衝突し大破してしまい
運転手は救急車で搬送中に死亡した…
何故 そこまで自転車の彼は急いでいたのか…
そこも気になるけど
そもそも自転車と衝突したドライバーは
何故半死したのか…
そんな事を考えていると
ギャル男が『いや、
自転車の運転手は死亡したから
わからないけど
交通ルール守らず走ってた彼が悪いし
ドライバーは悪く無くね?』と言った。
『まぁ、
悪いか悪く無いかと言われたら
半死者のルールから見て
殺人を犯した訳じゃないし…そうなのかな』
アンジェラアキ風の女の人がそう言うと
少女が『ねぇ、
約束を守ろうとした人と
約束を破ろうとした人は
どちらが悪いんだろう?』と言った。
『えっ?
約束を守ろうとした人と
約束を破ろうとした人?』
私がそう言うと
少女は真顔で『うん』と応えた。
『そりゃあ、
約束を破ろうとした人だろ。
どんな約束か知らないが
約束を破る奴は最低だ』
男の人が言うと
マシュマロヘアーの女の人が
『けど、
約束によっては
破っちゃう事もあるよ。
私の場合、
生きてる時に
苦手だった叔母さんとの食事が嫌で
その日 部活は無かったけど
部活を理由に逃げたことあるし』と言った。
『そのくらいの経験なら俺もある。
先輩との飲み会に出たくなくて
何回かすっぽかした事とか…』
スキンヘッドの男の人が言うと
アンジェラアキ風の女の人も
『先輩か…うん。
私もあるよ』と言った。
約束を守ろうとした人と
約束を破ろうとした人
どちらが悪いんだろう…
私は、
記憶が無いからわからない…けど
さっきから気になってるけど
少女の言う約束の内容ってなんだろう…
『ねぇ、
その約束って
どんな内容なの?』
気になった私が少女に聞くと
少女は『えっと…結婚式かな?』と言って
資料を捲り あるページを開いて
全員に見せた。
『うん?
「自動車側のドライバーは
友人の結婚式に参列する約束をしたが
昔の思い出から心が耐えられず
友人との約束を破り
結婚式場から逃亡…」ってなんだこれ?』
男の人が言うと
スキンヘッドの男の人が
『昔の思い出ってなんだ?
それに
友人との約束って…』と言った。
『う~ん、
この書き方だと友人の性別がわからないから
なんとも言えないけど
結婚式に出席すること的な感じかな…』
マシュマロヘアーの女の人が言うと
黙って資料を読んでいた子供が
『友人は女だろ?
それに約束の内容は
「20歳になったら結婚しようね」だ』と
言った。
『はぁ?
いったいどこにそんな事
書かれてるんだよ』
男の人がそう言うと
子供は『資料の12ページ目
小学生の頃
ドライバーの彼と友人は
結婚の約束をしたって書かれてるぞ。
資料をよく読め』と言った。
『本当だ…けど、
小学生で告白って…』
スキンヘッドの男の人が言いかけて
マシュマロヘアーの女の人が
『あるあるだよ。
私は…無いけど』と言葉を返した。
『進んでんだな。
俺が小学生の頃は
告白とかよりザリガニだったからな』
スキンヘッドの男の人が言うと
眼鏡をかけた女の人は
『私は勉強ばかりでした…』と言い
男の人は
『俺は野球ばっかしてた』と言った。
私は…何してたんだろう…
そんな事を考えていると
茶髪の女の人が
『って事は、
花嫁の友人が
自転車に衝突したドライバーである彼で
彼は小学生の頃の約束を破ってしまい
友人に合わせる顔が無くなり
結婚式に出席せず帰る途中で
自転車と衝突したってとこですかね?』と
言った。
たぶん そうだと思う。
けど、
ドライバーの彼はわかったけど
自転車の彼が急いでいた理由はなんだろう…
そもそも、
少女の言い方からすると
自転車の彼は
約束を守ろうとした人ってことだけど…
『つうか、
彼が約束を破ろうとした方なら
自転車の運転手は
約束を守ろうとしたって事だよな?
自転車の運転手の約束ってなんだ?』
ギャル男が言うと
スキンヘッドの男の人が
『うん?
ここを見てみろ』と言い
開いていた資料を
全員に向け見せた。
『あれ?
自転車の運転手さんの服装…
モーニングコート?』
資料の写真を見た
アンジェラアキ風の女の人がそう言うと
マシュマロヘアーの女の人が
『モーニングコート?』と言った。
『モーニングコートも知らないのか?
モーニングコートっていうのは、
結婚式で新郎が着る服装だよ』
子供がそう言うと
マシュマロヘアーの女の人が子供に
『そんなの知らないし~』と言い
私が『へぇ~、
そうなんだ。
私も知らなかった』と言った。
『ふむ、
確かにこれはモーニングコートだな。
だが、
どうして自転車の運転手が
モーニングコートなんて着てるんだ?』
スキンヘッドの男の人が言うと
何か思いついた素振りをして
マシュマロヘアーの女の人が
椅子から立ち上がり
『もしかして、
結婚式に遅刻しそうだったから
着てたんじゃない?』と言った。
『いや、
それは無いだろ。
そもそも、
新郎も着せてもらうだろうし』
男の人がそう言うと
スキンヘッドの男の人が
『いや、
着せてもらうだけじゃ
無いみたいだぞ』と言い
モーニングコートの写真の下に
貼られたボロボロの紙切れの写真に
書かれていた言葉を読み始めた。
『格安プラン
新婦着付け 必
新郎着付け 否(当日着てくる)って
書かれてるみたいだから
いくら安くなったか知らないが
新郎は当日の着付けを拒否し
自分で着てこようとしたんだろう』
スキンヘッドの男の人が言い終えると
男の人が『つう事は、
遅刻したのか急いでいた新郎は
結婚式から逃亡したドライバーである彼と
運悪く衝突したって事か?』と言った。
う~ん、
なんか違う気がする…
運悪くなら
なんで結婚式場の方へ急ぐ新郎と
結婚式場の方から来た彼が
衝突したんだろう…
だって、
結婚式場はいくつもあるし
偶然だとしたら
あまりにも…
『いや、
運が悪いとは思えない』
子供がそう言うと
男が『どう言う事だ?』と言った。
『資料によると
新郎と彼は友人であり
新郎の花嫁は彼が
約束をした友人だ。
無論、
遅刻かどうかまではわからないが
彼からしたら
友人である新郎は…』
子供がそこまで言いかけて
マシュマロヘアーの女の人が
『そっか…恋人を奪ったんだ』と言った。
『恋人を奪った?
いやいや、
資料には奪い取ったんじゃなく
彼が正式に花嫁に告白したと
書かれてるぞ』
男の人がそう言うと
眼鏡をかけた女の人が
『きっと、
小学生の頃の約束を破ったのは
彼だけじゃなく
花嫁である彼女もって事ですね』と言った。
『なにそれ…
ドライバーの彼が可哀想…』
アンジェラアキ風の女の人が言った。
確かに、
可哀想…だけど
なんかおかしいような…
そもそも、
自転車の彼が急いでいたのはわかるけど
事故現場には自転車のブレーキ痕は
一切無い的な事が書かれてたような…
急いでるとはいえ
ブレーキもかけずに
交差点に突入するだろうか…
『ねぇ、
ブレーキ痕が無いって書かれてたけど
普通赤信号ならブレーキかけるよね?
なんで、
自転車の彼はかけなかったんだろう…』
私がそう言うと
ギャル男が
『渡れるって思ったんじゃね?』と
言葉を返した。
『渡れると思ったんじゃねって…
それに 交差点侵入時
ぶつかれば自転車が大破するほどの
速度だったなら尚更
ブレーキかけないっておかしいよ』
私がそう言うと
スキンヘッドの男の人が『確かに』と呟き
『いくら衝突とはいえ
一切ブレーキもかけずに
赤信号で渡ろうとするのはおかしいな』と言った。
『けど、
急いでる時は
信号無視をすることくらいあるし
ブレーキだって
寝ぼけて乗ってたとしたら…』
ギャル男がそこまで言いかけて
男の人が『いや、
寝ぼけて乗ってないだろ』と言い
さっきのモーニングコートを着た
自転車の彼の写真を見せ 話を続けた。
『遅刻かなんかで
焦ってたとしても
正装を着る余裕があったなら
交通ルールくらい守れるはずだ。
それに、
赤信号も守れない奴が
自転車に乗る資格は無い』
男の人がそう言うと
スキンヘッドの男の人が
『まぁ、
乗る資格は無いは言い過ぎだが
確かにモーニングコートを着れたなら
少なくともブレーキの判断が
出来ない状態では無いな』と言った。
確かに…
焦っていたなら
しっかりと着こなすなんて
出来ないだろうし
服装から見て
交通ルールが守れないほどの
状態では無いと思う。
なら、
どうしてブレーキもかけずに
赤信号を渡ろうとしたのか…
『あれ?
ドライバーの彼と
自転車の彼って
住所かなり近いね』
資料を見ていた
マシュマロヘアーの女の人が言った。
『うん?
確かに…』
スキンヘッドの男の人が
資料を捲り確認しつつ言い
私も資料を捲り住所を確認した。
『確かに…うん?
ドライバーの彼って
近所のバイクショップで働いてたの?』
自転車の彼と
ドライバーの彼の住所の下に
ドライバーの彼が働いていた
バイクショップの住所が書かれていた。
『そうみたいだな…うん?
売るだけじゃなく
修理もしてたみたいだぞ』
男の人が
ドライバーの彼が働いていた
バイクショップについての情報が載った
ページを見つつ言った。
修理…うん?
ブレーキ痕が無くて
スピードの出た状態で
赤信号の交差点に侵入…
青信号で走ってきた
自動車に衝突し…
何かが噛み合う感覚がして
私は『ねぇ、
もしかしたらわかったかも…』と言った。
『わかったって…
なんでブレーキが
効かなかったのかって話のか?』
男の人がそう言うと
私は『うん』と言って
話を続けた。
『これは、
私の仮説なんだけど
ドライバーの彼が勤めてた
バイクショップって
きっと修理に持ち込まれていたのは
バイクだけじゃなく自転車もだと思う』
そこまで言うと
スキンヘッドの男の人が
『まぁ、
確かにそうだな』と言った。
『自転車の彼とドライバーの彼は友人であり
友人だったからこそ
自転車の彼はドライバーの彼が働く
バイクショップに自転車の修理依頼をした。
預けられた自転車を見て
ドライバーの彼はきっとこう思ったと思う。
「なんでこいつが付き合うんだよ」って』
そこまで言うと
マシュマロヘアーの女の人が
『あっ…そういうことか。
自転車の彼の花嫁は
ドライバーの彼の友人であり
結婚の約束をした人だから
裏切られたって思ったんだね…』と言った。
『うん、
そういうこと。
だから、
ドライバーの彼は妬みから
修理を依頼されていた彼の自転車に
ちょっとだけ細工を施した』
そう言うと
スキンヘッドの男の人が
『細工って…まさか、
ブレーキを効かなくするとかか?』と言い
私が『そう。
ブレーキを効かなくすれば
きっと何処かで事故を起こすだろうし
そうなれば結婚式どころじゃないよね』と
言葉を返した。
『うむ…噛み合う部分はあるなぁ。
うん?…ブレーキを効かなくするって事は
ドライバーの彼は初めから
自転車の彼の殺害を考えてたのか?』
スキンヘッドの男の人が言うと
私が『どうだろう…
自転車のブレーキは効かなくしたけど
自分の車と衝突事故を起こしたのは
ドライバーの彼も予想外だったと思うよ』と
言葉を返した。
『きっと、
天罰が当たったんだよ』
少女がそう言うと
私は『うん。
私もそう思う』と言った。
その様子を見ていた眼鏡をかけた女の人が
咳払いをすると全員が
眼鏡をかけた女の人の方に視線を向けた。
『では、
そろそろ採決を採ります』
しばらくして、
自転車に衝突し逃げた自動車は
大きな通りの交差点に赤信号で侵入し
侵入した事に気づかなかった
トラックに追突され
弾き飛ばされた自動車は
電柱にぶつかり運転手が乗ったまま
自動車は爆発炎上した。
『良いのか?
てっきりあんたはまた
生きて償わせるって言うと思ったけど』
その様子を見ていた
子供が私の方を見て言った。
『う~ん、
ちょっとそれも思ったよ。
けど、
半死者のルールで
殺人は 死 に値する罪って書かれてるし…』
そこまで言うと
子供は私から目を逸らしつつ
『なんか、
あんたらしくないな』と言った。
『らしくないって…』
言いかけて
「エステルらしくないよ。
そんな野蛮なこと…それに
困ったことがあったらエリスに言って。
エステルとエリスは家族なんだから」と
よく知らない女の子が私に
微笑みながら語りかける
イメージが浮かんだ。
『エステル?』
呟くように出た言葉に
子供が『どうした?』と言い
私が『あっ…うんうん、
なんでもない』と言葉を返した。
けど、
なんでよく知らない女の子は
私を「エステル」と呼ぶんだろう…
同時刻 結婚式場で
新郎を待っていた新婦のスマホが鳴り
電話に出た新婦は
受話器から聞こえる言葉に耳を疑った。
「そんな…」
持っていたスマホをその場に落とし
泣きながら結婚式場を出た新婦は
その足で 新郎の遺体が運ばれた病院に行き
新郎と再会した。
物言わぬ新郎を前に泣き崩れる新婦に
医者は『こちらを』と言って指輪を渡した。
「えっ…」
「最後まで握りしめていました。
どうか、
彼の気持ちと思って受け取ってください」
医者はそう言うと
遺体安置室を後にした。
「…死んじゃうなんて…酷いよ…
私 一人ぼっちになっちゃったじゃん…」
そう言いつつ涙を拭い
彼の顔にかけられた布を取り
口付けをすると
そっと微笑みながら
「さよなら」と言って
再び彼の顔に布を被せ
遺体安置室から出て行った。
~~~衝突事故~~~
END
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