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番外編
番外編 バレンタイン②
しおりを挟む間に合わなかったーーっ!!
ってわけで、もう、ホワイトデーに投稿でいいかなあ、って思って、遅くなりました。
ホワイトデーにはまだ早いけどいいかな?
番外編 バレンタイン① の続きです。真相?編。
絶望している深月の視点から始まります。
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一宮深月視点
嘘だろ?なんでだ?毎年、チョコくれてたはなが?
混乱する俺に、はなはキョトンとしながら、「…どうして…?」と聞いてくる。それに対して、「いや…。なんでもない」と答えながらも、内心では、「マジか…。はなのバレンタインちょこ…。今年は貰えないのか。えっ?はな、好きな奴でも出来たのか?」と思い絶望する。
はなは俺の答えに、小さく「…そう…」と答え、首を傾げながらも、すたすたと廊下を歩いて先を行く。千夏がフッと勝ち誇った笑みを浮かべ、小走りではなの元まで行き、はなの腕に抱きついた。
クソッ。あいつ、わざわざ見せつけやがってっ!!
そう思いながら、はなと千夏を追いかける。
その日は、一日中上の空で沈んだままだった。教室に授業しに来る先生が揃って二度見して、「おい、一宮大丈夫か!?」と聞いてくるくらいには。それに対して、適当に返しつつ、心の中では(ちょこ…。はなのチョコ…)と、ぐるぐると回り、それだけが頭の中にあった。だから、その時は、後ろの席で、プルプルバイブレーションのように笑いを堪えて震えている千夏のことなんて目に入ってなかったし、頭になかった。
憂鬱な気分のまま、一日が終わるかと思った放課後。
はなに、一緒に帰ろうと誘われた。迷わず一緒に帰ると即答した。千夏は着いてきたが。まあ、いつも一緒に帰ってるけど。千夏も含めて。
千夏が喋り、はなが相槌をうち、俺が返事をする。いつもの会話のペース。とはいえ、俺は沈んだ気分のままだから、返事には覇気がなかったかもしれない。俺は当時気づいていなかったが、千夏はこの時俺を見て可笑しそうに笑っていた。
そんなこんなで、いつもの別れ道。いつもは、ここでお互い手を振りそれぞれ帰路につく。千夏は、今日はじゃあねー、また明日ねーと大きく手を振りルンルンと帰って行った。いつもならここで、はなも小さくヒラヒラと手を振りてくてくと歩いて帰って行く。そして、俺はその後ろ姿を見えなくなるまで見送ってから帰るのがいつものことなのだが、今日は、はなが中々歩き出さない。何でだ?
「深月…」
名前を呼ばれ、はなを見る。じっと上目遣いに(多分無意識)こちらを見てくる。少し狼狽えながらも、「どうした?」と普通に返した俺。誰か褒めてくれ。
「…今日…、家、寄ってって…?」
は?今、はな、何て言った?聞き間違いじゃなきゃ、はなの家に寄ってって、って聞こえたんだけど。え?聞き間違いじゃない?俺の返答をはなが待ってる?マジで?え?何で?
「え?お、おう。いいけど」
おい、俺!?もうちょっと何か言えねーのかよ!?あぁ、クソっ!こんなんだから、姉貴にヘタレとか言われるんだ!
「…ん…。よかった…。じゃ、行こ」
心なしかホッとしたように、そう言ったはなは、今、俺の横を歩いている。小柄なはなは、俺が一歩歩く度、はなの頭が二回揺れる。つまり、俺の一歩は、はなの二歩。俺より一回りほど小さなその身体は酷く華奢に見えた。
俺の横で揺れる小さな頭を見て、中学に入学したての時のことを思い出す。その時、はなはタチの悪い野郎に絡まれたことがあった。はなはそれを嫌がっていたが、はなは表情には出にくい。だからこそ、他の野郎は嫌がっているのに気づかない。もちろん、その時、はなに絡んできた輩は、俺やはなの兄貴達が成敗したが。俺が助けた時、俺の手をとって珍しくほっとした顔でふにゃっと微笑んで、「…ありがと」って言ったはなを見て、俺は、はなの華奢で小さな手とはなの笑顔に、はなは俺が守らなきゃって思った。この頃は、まだ身長差はそれほど開いてはおらず、はなの澄んだ綺麗な紫色の瞳が近くで見えていた。
そんなことを考えていたら、はなの家についたようだ。
「…ん。入って…」
はなにそう言われて、慣れた様子で「お邪魔します」と挨拶しながら、はなの後を追ってはなの家のリビングに向かう。
リビングに入ると、寛いだ様子のはなの兄貴の、蓮さんと藍さんがいた。おぉ来たかって感じで何やかんやと俺をからかい俺に絡んでくる双子。暇かよ。はなの兄貴だし、無視するとどうなるのかは分かっているので、適当に相手をする。そして、はながその場に何か紙袋を持ってやって来た。
「…深月…。ん…これ…」
「?何だ?これ」
「?……バレンタイン、チョコ」
は!?嘘だろ!?(歓喜)
「俺にはなかったんじゃねぇの?」
「?涼香ねぇと…菜香(なのか)と…星波(せいは)の分……持って、帰ってもらう……から…家に寄ってもらおう、と思って……」
あぁぁぁぁ…。そういうことか…。あの、俺を絶望に陥れたあの一言は、「(家にあるから、今は持って)ない」ってことか…。
「そう言ってくれれば良かったのに…」
一日中へこんだだけに、ついついそう恨み言が零れる。でも、俺はそう恨み言を言っても、今だけ許されると思う。
「?…千夏が………放課後って…」
あぁ…!言うのは放課後でいいよって千夏が言ったのか…。なるほどな。どうせ、はなにチョコ貰えないでショック受けてる俺見て面白がって楽しんでたんだろ。(正解)
あいつ、マジでタチ悪ぃ。許さん。
こうして、無事、はなからチョコを貰えてホクホクとしたものの、ハラハラドキドキ出来れば二度と味わいたくないバレンタインデーが過ぎて行った。
つぅーか、マジで、今度千夏には仕返ししてやるっ!!と決意したのだった。
####
っつぅのが、俺が中学の時の、マジで災難だったバレンタインデーの時の話だったんだけど、どうだった?
え?はなちゃんマジ小悪魔。可愛い。って?
ンなもん当たり前だろ?
は?バレンタインチョコ貰えて羨ましいって?
だろ?
は?なんだ?ホワイトデーの話は?って、知るかそんなもん。俺は普通にはなにお菓子あげただけだが?
は?つまらん?告白しろよって?
そんなん、振られたら死ぬって!!
途中で出てきた、はなが野郎に絡まれた時の話?
そりゃ、お前。こう色々とあってな?
そいつら、結局どうなったかって?
そりゃ、お前、こう、な?今の自分が恥ずかしく思うように、精神的に、な…。
うん。え?詳しく?うーん、それはまあ機会があれば、な…?(遠い目)
────────────
作者です。
最後のは、この話を、深月が高校入って出来た友達?に話してるっていう設定です。それに対する反応とか想像して…、ちょっと長くなってしまった。
絶望する深月、そして、その状況を面白がりはなちゃんに入れ知恵した千夏、の二人の掛け合い。全ては千夏の思い通り(計算通りニヤリ)
書いててめっちゃ楽しい。マジで。
千夏のささやかな嫌がらせ。みなさんどうでしたか?
作者的には、もうちょっと深月を絶望させたかったんですよね~。深月は振り回される苦労人タイプなんで。でも、千夏にあくどいことさせたくなかったし、と許容範囲的にこの辺かな~、とこんな感じになりました。
でも、はなちゃんがなかなか喋らなかったからなあ…。
結局、落とすのも上げるのもはなちゃんでしたけど。
そういうキャラだから仕方ないけど、内面書くの1番楽しいのはなちゃんだから…。やっぱり本編書くのが一番かな…。いや、番外編も息抜きにはいいけども。深月、めっちゃ書きやすい部分もあるけど。
となりつつも、番外編、書き上げました。
みなさん、HappyValentine!&HappyWhiteday!
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