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私とこれから
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重く、長い純白のドレスを身につけ、私は深い息を吐いた。
「良かったですわ。ちゃんと結婚出来て」
揃いの衣装を着たルアン様がチラリと私の方を向いて肩を落とした。
シャラリと音を立て彼の耳に付けられたペリドットが輝く。
「あぁ、ブランシュ公爵に振りで留めるのだと念押ししていたのに、本当にするものがあるかとものすごい剣幕で詰められた時はどうしようかと思ったけどね」
「ふふっ、私も悪いのにルアン殿下にしか話されませんでしたものね。お可哀想に」
「もう結婚まで1年もなかったのだから、他の貴族の婚約者達は怒られない時期であるはずなのに、なんで僕だけなんだろう」
自分でも分かっているはずなのに、くすくすと笑いながらおどける姿は最近ようやく見られるようになったものだった。
あれから1年か。
「それでも、皆に祝われて結婚出来ましたし、良いではないですか」
殿下が私に執着し、私のためにと動かれた事が議会や貴族諸侯にも伝わっていたらしく、批判は思っていたよりも抑えられていた。
それに、歴代最高の力を持っていたサクラの自ら望む者との結婚をとの嘆願を受けた事も幸いしたらしい。
嘆願というよりは無理に結婚させられるようならヴルツェル様を連れて国外に出ると脅していたらしいが。
まぁ、国民や教会にしっかり受け入れられていたので無問題である。
「まぁ、そうだな」
ルアン殿下の手が私の手袋をなぞる。
「では、お手を」
「……ルアン様、これからもよろしくお願いいたします」
「もちろんだよ、リリー」
緩やかな音を立て目の前の扉が開き、バージンロードへの道が開けた。
(終)
「良かったですわ。ちゃんと結婚出来て」
揃いの衣装を着たルアン様がチラリと私の方を向いて肩を落とした。
シャラリと音を立て彼の耳に付けられたペリドットが輝く。
「あぁ、ブランシュ公爵に振りで留めるのだと念押ししていたのに、本当にするものがあるかとものすごい剣幕で詰められた時はどうしようかと思ったけどね」
「ふふっ、私も悪いのにルアン殿下にしか話されませんでしたものね。お可哀想に」
「もう結婚まで1年もなかったのだから、他の貴族の婚約者達は怒られない時期であるはずなのに、なんで僕だけなんだろう」
自分でも分かっているはずなのに、くすくすと笑いながらおどける姿は最近ようやく見られるようになったものだった。
あれから1年か。
「それでも、皆に祝われて結婚出来ましたし、良いではないですか」
殿下が私に執着し、私のためにと動かれた事が議会や貴族諸侯にも伝わっていたらしく、批判は思っていたよりも抑えられていた。
それに、歴代最高の力を持っていたサクラの自ら望む者との結婚をとの嘆願を受けた事も幸いしたらしい。
嘆願というよりは無理に結婚させられるようならヴルツェル様を連れて国外に出ると脅していたらしいが。
まぁ、国民や教会にしっかり受け入れられていたので無問題である。
「まぁ、そうだな」
ルアン殿下の手が私の手袋をなぞる。
「では、お手を」
「……ルアン様、これからもよろしくお願いいたします」
「もちろんだよ、リリー」
緩やかな音を立て目の前の扉が開き、バージンロードへの道が開けた。
(終)
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