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第二十三話
生き地獄
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「ちょっと!待って下さいよ‼︎『生き地獄』といやぁ、生きたまま地獄を体験できるっていうアレですかぁ?!」
「あぁそうだ、これからお前をその『生き地獄』へと連行するんだよ。そこで身も心も清めてくるが良い。」
「マジですかぁ~?!でもいったいどうやって⁇」
「兄者、あたしが連れてくよ。」
「あぁ、分かった。頼んだぞ紅虎。」
「白虎様!紅虎様!この悪狐は封印の書で封印しないのですか?」
一部始終を見ていたクウコウは白虎と紅虎に言った。
「コイツには色々と聞かなきゃならない事があるからな。しかもコーコがまだコイツの腹の中で生きている可能性がある。だから『生き地獄』にしたんだよ。」
紅虎はクウコウに言った。
「コーコがまだ生きているかもしれないんですね?分かりました。それならお任せします。」
「大丈夫だ、きっと無事だ。」
「はい。」
「あぁ、お前はあの時俺が喰った女の旦那か。言っとくけどな、あの女は自ら望んで喰われた。俺は交換条件を飲んだだけだ、何も悪くはない。」
「交換条件だと?」
白虎はタマモに言った。
「先に喰ってた町の女達と、お前ら一族を今後一切襲わない事を条件に、あの女は身を捧げたんだよ。肝の座った女だよまったく。俺は全部喋った、これが真実だ。」
タマモは表情を変えずに真剣に話した。
「なんだと?コーコは町の人たちと私たち家族を守るために犠牲になっただと?なぜだ?なぜなんだ?!」
クウコウはタマモに問い詰めた。
「そんな事俺の知ったこっちゃねえよ!とにかく俺はお前の妻を喰いたくて喰った訳じゃねぇって事だ。分かったら早く俺を逃してくれ!生き地獄なんてまっぴらゴメンだぜ‼︎」
「それは出来ない。理由が分かった所で、コーコの無事が確認出来た訳ではない。」
「兄者、あたしタマモの中に入って直接見てくるよ!」
「そうだな。紅虎、宜しく頼む。」
「おいおいおい!何勝手に俺の中に入ろうとしてんの?ってかあんた俺と大きさ変わらないんじゃない?どう考えても入んないだろうよ!」
「いや、心配ないよ。『小虎‼︎』」
紅虎はそう言うと、みるみる小さくなっていった。
「これなら大丈夫でしょ?」
紅虎の体は人間と同じ程の大きさになった。
「ああ、たしかに。これなら問題ねぇ。」
タマモは突然の事に呆然としている。
小さくなった紅虎はタマモの鼻の上に乗っかっている。
「それじゃ、とりあえずあたしはアンタの中から誘導するから、『生き地獄』までちゃんと行くのよ!言う事聞かないとヤケドするからね!」
「もう、分かりましたよぉ。」
タマモはなす術なく、大きく口を開けるとしぶしぶ紅虎を口の中に入れた。
「俺、いよかんは食った事あるけど陰陽神様を喰ったのは初めてだなぁ。」
「これは特例だ。生き地獄の門までは私が連れて行く。」
白虎はタマモを連れて飛び立っていった。
「はいはい、分かりましたよ。」
タマモはもうなんとでもなれという諦め顔で腹をくくった。
こうして白虎とタマモは『生き地獄の門』がある場所へと向かった。
「あぁそうだ、これからお前をその『生き地獄』へと連行するんだよ。そこで身も心も清めてくるが良い。」
「マジですかぁ~?!でもいったいどうやって⁇」
「兄者、あたしが連れてくよ。」
「あぁ、分かった。頼んだぞ紅虎。」
「白虎様!紅虎様!この悪狐は封印の書で封印しないのですか?」
一部始終を見ていたクウコウは白虎と紅虎に言った。
「コイツには色々と聞かなきゃならない事があるからな。しかもコーコがまだコイツの腹の中で生きている可能性がある。だから『生き地獄』にしたんだよ。」
紅虎はクウコウに言った。
「コーコがまだ生きているかもしれないんですね?分かりました。それならお任せします。」
「大丈夫だ、きっと無事だ。」
「はい。」
「あぁ、お前はあの時俺が喰った女の旦那か。言っとくけどな、あの女は自ら望んで喰われた。俺は交換条件を飲んだだけだ、何も悪くはない。」
「交換条件だと?」
白虎はタマモに言った。
「先に喰ってた町の女達と、お前ら一族を今後一切襲わない事を条件に、あの女は身を捧げたんだよ。肝の座った女だよまったく。俺は全部喋った、これが真実だ。」
タマモは表情を変えずに真剣に話した。
「なんだと?コーコは町の人たちと私たち家族を守るために犠牲になっただと?なぜだ?なぜなんだ?!」
クウコウはタマモに問い詰めた。
「そんな事俺の知ったこっちゃねえよ!とにかく俺はお前の妻を喰いたくて喰った訳じゃねぇって事だ。分かったら早く俺を逃してくれ!生き地獄なんてまっぴらゴメンだぜ‼︎」
「それは出来ない。理由が分かった所で、コーコの無事が確認出来た訳ではない。」
「兄者、あたしタマモの中に入って直接見てくるよ!」
「そうだな。紅虎、宜しく頼む。」
「おいおいおい!何勝手に俺の中に入ろうとしてんの?ってかあんた俺と大きさ変わらないんじゃない?どう考えても入んないだろうよ!」
「いや、心配ないよ。『小虎‼︎』」
紅虎はそう言うと、みるみる小さくなっていった。
「これなら大丈夫でしょ?」
紅虎の体は人間と同じ程の大きさになった。
「ああ、たしかに。これなら問題ねぇ。」
タマモは突然の事に呆然としている。
小さくなった紅虎はタマモの鼻の上に乗っかっている。
「それじゃ、とりあえずあたしはアンタの中から誘導するから、『生き地獄』までちゃんと行くのよ!言う事聞かないとヤケドするからね!」
「もう、分かりましたよぉ。」
タマモはなす術なく、大きく口を開けるとしぶしぶ紅虎を口の中に入れた。
「俺、いよかんは食った事あるけど陰陽神様を喰ったのは初めてだなぁ。」
「これは特例だ。生き地獄の門までは私が連れて行く。」
白虎はタマモを連れて飛び立っていった。
「はいはい、分かりましたよ。」
タマモはもうなんとでもなれという諦め顔で腹をくくった。
こうして白虎とタマモは『生き地獄の門』がある場所へと向かった。
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