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第一話
開門
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あの日とべ動物園にて陰陽神達と金長、クウコウ、カンコウの戦いの後。
狛犬の金と銀が用意周到に要請したはずの「地獄ノ門」は何故か「天国ノ門」に変わっていた。
だがそれは偶然にも同じタイミングで、ある者が地獄ノ門を強引にかつ優先的に開けるために人知れず他の場所でその門は開かれていたのだった。
伊予ノ国北部にある太山寺。
時を同じくしてその場所に、本来ならばとべ動物園に現れるはずだった地獄ノ門は現れていた。
そして、その地獄ノ門は、今まさに開門しようとしていた。
ギギギギィと言う錆び付いた耳障りな音を立てながらその扉はゆっくりと開いていく。
すると扉が半開きになった頃に暗い扉の中から何か大柄で耳の尖った姿の影が出て来た。
その影が半開きの扉に両手をかけるといきなり勢い良く扉をドーーンと全開に開け放った。
「ぐはぁ~!やっと外へ出られたぜ~!!」
そう言って現れ出て来たのは大きな図体をした【赤毛の狐】だった。
狐は大きな図体のわりにクタクタにくたびれた容姿だ。
「何が【生き地獄】だ!あんな場所に居るくらいなら死んだほうがマシだぜ!
不動明王様マジで半端ねぇ!生き地獄やべえぜ!
だが俺の化ける能力が無けりゃ門番の餓鬼共を欺きこの地獄ノ門を開けさせることは出来なかっただろう!
白虎め!覚えろよ!
まぁしかし、幸い白虎の妹を喰っていたおかげで変化してこの門を開けさせられたからなぁ。まあ仕方ねぇ。シャクだがこれでチャラにしてやるかぁ。」
赤毛の狐はブツブツと独り言を言っている。
彼の名は【タマモ】。
彼は通称「百面相の悪狐タマモ」と呼ばれており、かつては人を喰らっては人に化けて人を騙し欺くことを楽しみとし数々の悪行を働いていた事で人々から嫌われ恐れられていたのだった。
それは彼のイカツイ容姿もそうだがそれよりも何よりも体の中の構造が異形なのだ。
このタマモの体の中には普通は存在しない特殊な臓器を備えている。
それは2つ目の『特殊な胃』である。
1つは通常の食物を消化する胃。
もう1つは「喰われた者がその胃の中に入る事でそれに模してその者の姿に化けられる」と言う何とも不思議な第2の胃を所有しているのだ。
ただしタマモは「大の女好き」とも言われていて、そのため女しか喰わないと言うのを自らの決め事としている。
また第2の胃には消化機能はなく、その中に入ったものは歳を取らないという。
その代わりもう一つ特殊な機能が備わっているのだが、それはまた後に明らかになる。
そして今、そんなタマモの腹の中には白虎の妹の他に【2名の女性】が喰われ入っているのだった・・・。
果たしてそれは一体だれなのか?
狛犬の金と銀が用意周到に要請したはずの「地獄ノ門」は何故か「天国ノ門」に変わっていた。
だがそれは偶然にも同じタイミングで、ある者が地獄ノ門を強引にかつ優先的に開けるために人知れず他の場所でその門は開かれていたのだった。
伊予ノ国北部にある太山寺。
時を同じくしてその場所に、本来ならばとべ動物園に現れるはずだった地獄ノ門は現れていた。
そして、その地獄ノ門は、今まさに開門しようとしていた。
ギギギギィと言う錆び付いた耳障りな音を立てながらその扉はゆっくりと開いていく。
すると扉が半開きになった頃に暗い扉の中から何か大柄で耳の尖った姿の影が出て来た。
その影が半開きの扉に両手をかけるといきなり勢い良く扉をドーーンと全開に開け放った。
「ぐはぁ~!やっと外へ出られたぜ~!!」
そう言って現れ出て来たのは大きな図体をした【赤毛の狐】だった。
狐は大きな図体のわりにクタクタにくたびれた容姿だ。
「何が【生き地獄】だ!あんな場所に居るくらいなら死んだほうがマシだぜ!
不動明王様マジで半端ねぇ!生き地獄やべえぜ!
だが俺の化ける能力が無けりゃ門番の餓鬼共を欺きこの地獄ノ門を開けさせることは出来なかっただろう!
白虎め!覚えろよ!
まぁしかし、幸い白虎の妹を喰っていたおかげで変化してこの門を開けさせられたからなぁ。まあ仕方ねぇ。シャクだがこれでチャラにしてやるかぁ。」
赤毛の狐はブツブツと独り言を言っている。
彼の名は【タマモ】。
彼は通称「百面相の悪狐タマモ」と呼ばれており、かつては人を喰らっては人に化けて人を騙し欺くことを楽しみとし数々の悪行を働いていた事で人々から嫌われ恐れられていたのだった。
それは彼のイカツイ容姿もそうだがそれよりも何よりも体の中の構造が異形なのだ。
このタマモの体の中には普通は存在しない特殊な臓器を備えている。
それは2つ目の『特殊な胃』である。
1つは通常の食物を消化する胃。
もう1つは「喰われた者がその胃の中に入る事でそれに模してその者の姿に化けられる」と言う何とも不思議な第2の胃を所有しているのだ。
ただしタマモは「大の女好き」とも言われていて、そのため女しか喰わないと言うのを自らの決め事としている。
また第2の胃には消化機能はなく、その中に入ったものは歳を取らないという。
その代わりもう一つ特殊な機能が備わっているのだが、それはまた後に明らかになる。
そして今、そんなタマモの腹の中には白虎の妹の他に【2名の女性】が喰われ入っているのだった・・・。
果たしてそれは一体だれなのか?
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