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第八話
復讐の連鎖
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海運貿易会社 北斗七星株式会社 社長 ホウジョウ カイガンは、人々を困らせ悪さを繰り返す悪狐の退治を旧友である陰陽導師マツヤマ ドウゴに依頼した。
そして時空間移動術を使ってやって来たドウゴとその長男クウコウを屋敷の中へと招き入れた。
【社長室・応接間】
「まぁまぁどうぞ。お掛け下さいな。」カイガンは2人を社長室の応接間にある座り心地の良さそうな2人掛けのソファーへと案内した。
「おぉ、ありがとうね。では失礼して。よっこらしょ!」ドウゴはブファッと勢いよく腰を掛けた。
「すみません。失礼します。」クウコウはソファーに座るやいなや柔らかいソファーに尻がめり込んだ事で。
「うわっ!」と少し高めの声を発した。
「どうした?クウコウくん。大丈夫かな?」カイガンは心配そうに聞いた。「あっ!はいすみません!このソファーのあまりの柔らかさに少し驚いてしまって。」クウコウは恥ずかしそうに言った。
「おいおいクウコウ!そんな事を言ったらウチにソファーが置いて無いみたいじゃないか!」とドウゴが言うと「父上、我が家にはソファーはありません!あるのは椅子代わりの硬い岩くらいです。」とクウコウはドウゴにそう言ってたしなめた。
「あ?そうだっけか?」ドウゴはトボけたフリをした。
「わはははは。ドウくんは相変わらずだなぁ。そうだカシマさん。ドウくんとクウコウくんにお茶と甘いものでも出してあげて下さい。」
「はい。かしこまりました。」カシマはカイガンにそう言われ部屋を出て行った。
「そう言えばドウくん。ソウコウくんは来なかったんだね?やはり研究で忙しいのかい?」カイガンは思い出したようにドウゴに聞いた。
「あぁ。そうなんだ。本当は一緒に連れて来たかったんだがね。急遽こちらに出向く事になったもんで。ソウコウも研究の最中で手が離せなかったようでね。また改めて顔を見せに連れて来るよ。」ドウゴは残念そうな表情で答えた。「そうか。久しぶりに会いたかったなぁ。なぁクウコウくん。弟のソウコウ君とはいくつ離れていたかな?」カイガンはクウコウに質問した。
「ソウコウとは2歳違いです。ソウコウは僕とは対照的で内向的な性格なもので、あまり外には出たがらないので。一日中研究室に篭っていても平気なくらいなんです。だから今日も単に来たくなかったんじゃないですかね。」クウコウは笑顔で答えた。
するとコンコンッとドアをノックする音が聞こえた。
「おっ?ちょっと失礼。」カイガンは席を立った。
「パパ~?入るわよ~?」
扉を開けて社長室に入ってきたのは学制服を着た清楚な少女だった。
【カイガンの愛娘・コーコ】
「おぉっ!コーコかぁ!もうそんな時間だったか!おかえりぃ!」
カイガンは慌てて愛娘を迎え入れ両手を広げて優しくハグをした。
「パパただいまぁ。うん、さっきね。玄関に誰もお出迎えがなかったから。もしかしたらパパの部屋かなぁと思って。」コーコは少し頬を膨らませて言った。
「気がつかなくてすまなかったな。」
そこへカシマがお菓子とお茶を持って戻って来た。
「はっ!お嬢様ぁ!おかえりなさいませ!私とした事がお嬢様が帰られた事に気が付かずお出迎えに上がる事ができませんで申し訳ございません!」
カシマは肩をすぼめて深々と頭を下げて謝った。
「いいの、いいのよカシマさん。大丈夫だから気にしないで。あなたも1人で忙しいんだから。それより応接間にお客様がいらっしゃってるのね。」コーコは応接間の磨りガラスの向こうの人影を見て来客があることに気がついた。そこへ応接間からカイガンが出て来た。
「あぁ、丁度良かった!コーコもこっちに来なさい。紹介しよう。」カイガンはコーコに手招きをしてエスコートしながら一緒に応接間へと入った。
部屋の中へと入って来たコーコを見たクウコウはコーコと一瞬目があったがクウコウは目線を逸らした。
「コーコちゃんじゃないかぁ~!久しぶりだねぇ!キレイな女性に成長したねぇ!昔はこんなに小さかったのに。おじさんの事覚えてるかな?」ドウゴは目尻を垂らして嬉しそうに話しかけた。
「え、ええ。お久しぶりです。」コーコは少し困ったような笑顔で答えた。
「あの頃はまだコーコは小さかったからねぇ。覚えてはいないでしょう。」カイガンが後からフォローした。
「まぁ、そりゃそうだな!たしか、うちのクウコウの方がコーコちゃんより2つ年上だったかな。」
「コーコ、改めて紹介するよ。
お2人は陰陽導師をされている方でな。こちらがお父さんの古い友人のマツヤマ ドウゴさん。そしてこちらが息子さんのクウコウくんだ。」
「こんにちは。父がお世話になっております。」コーコは両手を前に重ねて軽く会釈をした。
それを見たクウコウも軽く会釈をした。
「こんにちは。ねぇコーコちゃん?今日はねぇ、私達が何故君の家にやって来たか分かるかい?」ドウゴは嬉しそうに質問した。
「えっ?何をって。パパとお仕事の話では?」コーコは咄嗟の質問に困った様子で答えた。
「それもあるがね。本題はそうじゃないんだよ。
実はね、私達は君を悪狐の魔の手から守りにやって来たんだよ!」
ドウゴはキリッとした表情の中に笑顔を残してながら真剣に言った。
「えっ?!悪狐ですか??なぜわたしが?」
コーコは驚いた表情になり両手で口を押さえた。
「驚くのも無理はない。悪狐はいつも女性ばかりを狙う。しかも美しい女性ばかりをな。コーコちゃん、君は美しい。だから君のお父さんがそれを懸念して私達はここへ呼ばれたんだよ。」
「そうだったんですね。ありがとうございます。それではどうか宜しくお願い致します。」コーコは深く頭を下げた。それに続いてカイガンもコーコの背に優しく手を添え一緒に頭を下げた。
「どうぞ頭を上げて下さい。
まぁ、悪狐が来るか来ないかはヤツの気分次第と言うのもあるが、だが悪狐は家族との絆がとても強い。
以前退治した悪狐にも子供が居たんだが、きっと今回のヤツはその子供が親の仇を取る為に人里に現れたんだろう。
だから私達がここにいればきっとあの時の匂いを嗅ぎ付けてやって来るはずだ。」
「えっ?お二人がいらっしゃると悪狐はやって来るんですか?それって来ちゃったらマズイじゃないですか?」
コーコはドウゴの話を聞いて不安な表情で言った。
すると、ずっと黙っていたクウコウが口を開いた。
「大丈夫だよ!安心してコーコさん。その為に僕達がいるんだ。遅かれ早かれ退治はしておかないといけないんだよ。
さっき父上が話した親の仇で今現れたのだって、これは僕達が人々の為に悪狐退治をした事で復讐の連鎖が起こってしまった。
だからこそ、その復讐の連鎖ごと僕達が止めてみせます!
じゃないとこのままでは人々が大変な被害を受けてしまう。安心してくれ!君は必ず僕達が守るから。」
「わかったわ。あなた方を信じます。どうぞ宜しくお願い致します。」
コーコは深々と頭を下げた。
ドウゴとクウコウは互いの顔を見合わせ頷いた。
「そうだ、カイ君。早速なんだがどこか部屋をお借りしたいんだが良いかな。コーコちゃんに結界を張りたいんだ。」
「あぁ。承知した!カシマさんに案内させよう。」
「ええ。宜しくお願いします。
それからコーコちゃんはなるべく白い着物に着替えて来てくれるかな。」
「あ、はい。分かりました。」
「お嬢様。白いお着物ご用意しておきます。」
「ええ、よろしくね。カシマさん。」
そして、ドウゴとクウコウは、カシマの案内で一階にある和室へと案内された。
カシマに案内されたのは一階にある来客用の和室。
10畳程の広さで、まるで旅館の一室の様で縁側の引き戸を開けると外には日本庭園の様な庭に出られる様になっている。
「父上!素晴らしいですね!この部屋!」
クウコウは目をキラキラさせながら部屋の様子を見回している。
「こらこら!クウコウ!ガキじゃあるまいし。キョロキョロするんじゃない!」
ドウゴは無邪気なクウコウに半笑いで注意した。
「あれ?そのに誰かいる!」
クウコウは庭な誰かがいることに気付いた。
するとカシマがクウコウの隣にやって来た。
「あぁ。あの人は庭師さんですよ。
キスケさ~ん!ご苦労様~!」
カシマは庭師に声をかけたが聞こえなかったのか庭師は振り向きもしなかった。
「あれ?聞こえなかったかしら?
きっと仕事に集中しているんだわ。
キスケさんの邪魔しちゃ悪いから部屋に戻って戸は閉めておきましょうね。」
そう言ってカシマは引き戸を閉めた
するとコンコン!っと部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「失礼しま~す。」
そう言って部屋に入って来たのはコーコだった。
コーコはドウゴの指示通りに白い着物に着替えている。
「おじさま、これで構いませんか?」
「おお!着替えてくれたか!バッチリだよ。よし!コーコちゃん。ここに座ってくれるかな。」
ドウゴはコーコに背もたれのある椅子に座る様に指示をした。
「コーコちゃん。これから君に結界を張るよ。この結界はもしも悪狐がコーコちゃんに近づいたとしても君の姿は悪狐には見えない。ただ声や物音は聞こえるから決して声を出さないように注意して欲しい。それからその場から動かないこと。結界の外に出た瞬間に術の効力が消えてしまうんだ。いいかい?この2つを必ず守って欲しい。出来るね?」
「はい!分かりました。」
コーコはコクンっと頷きながら元気に返事をした。
「よろしい。それじゃあ始めるよ。」
そしてこの後結界の儀式が執り行われた。そして無事にコーコの周りに結界が張り巡らされたのだった・・・・。
そして時空間移動術を使ってやって来たドウゴとその長男クウコウを屋敷の中へと招き入れた。
【社長室・応接間】
「まぁまぁどうぞ。お掛け下さいな。」カイガンは2人を社長室の応接間にある座り心地の良さそうな2人掛けのソファーへと案内した。
「おぉ、ありがとうね。では失礼して。よっこらしょ!」ドウゴはブファッと勢いよく腰を掛けた。
「すみません。失礼します。」クウコウはソファーに座るやいなや柔らかいソファーに尻がめり込んだ事で。
「うわっ!」と少し高めの声を発した。
「どうした?クウコウくん。大丈夫かな?」カイガンは心配そうに聞いた。「あっ!はいすみません!このソファーのあまりの柔らかさに少し驚いてしまって。」クウコウは恥ずかしそうに言った。
「おいおいクウコウ!そんな事を言ったらウチにソファーが置いて無いみたいじゃないか!」とドウゴが言うと「父上、我が家にはソファーはありません!あるのは椅子代わりの硬い岩くらいです。」とクウコウはドウゴにそう言ってたしなめた。
「あ?そうだっけか?」ドウゴはトボけたフリをした。
「わはははは。ドウくんは相変わらずだなぁ。そうだカシマさん。ドウくんとクウコウくんにお茶と甘いものでも出してあげて下さい。」
「はい。かしこまりました。」カシマはカイガンにそう言われ部屋を出て行った。
「そう言えばドウくん。ソウコウくんは来なかったんだね?やはり研究で忙しいのかい?」カイガンは思い出したようにドウゴに聞いた。
「あぁ。そうなんだ。本当は一緒に連れて来たかったんだがね。急遽こちらに出向く事になったもんで。ソウコウも研究の最中で手が離せなかったようでね。また改めて顔を見せに連れて来るよ。」ドウゴは残念そうな表情で答えた。「そうか。久しぶりに会いたかったなぁ。なぁクウコウくん。弟のソウコウ君とはいくつ離れていたかな?」カイガンはクウコウに質問した。
「ソウコウとは2歳違いです。ソウコウは僕とは対照的で内向的な性格なもので、あまり外には出たがらないので。一日中研究室に篭っていても平気なくらいなんです。だから今日も単に来たくなかったんじゃないですかね。」クウコウは笑顔で答えた。
するとコンコンッとドアをノックする音が聞こえた。
「おっ?ちょっと失礼。」カイガンは席を立った。
「パパ~?入るわよ~?」
扉を開けて社長室に入ってきたのは学制服を着た清楚な少女だった。
【カイガンの愛娘・コーコ】
「おぉっ!コーコかぁ!もうそんな時間だったか!おかえりぃ!」
カイガンは慌てて愛娘を迎え入れ両手を広げて優しくハグをした。
「パパただいまぁ。うん、さっきね。玄関に誰もお出迎えがなかったから。もしかしたらパパの部屋かなぁと思って。」コーコは少し頬を膨らませて言った。
「気がつかなくてすまなかったな。」
そこへカシマがお菓子とお茶を持って戻って来た。
「はっ!お嬢様ぁ!おかえりなさいませ!私とした事がお嬢様が帰られた事に気が付かずお出迎えに上がる事ができませんで申し訳ございません!」
カシマは肩をすぼめて深々と頭を下げて謝った。
「いいの、いいのよカシマさん。大丈夫だから気にしないで。あなたも1人で忙しいんだから。それより応接間にお客様がいらっしゃってるのね。」コーコは応接間の磨りガラスの向こうの人影を見て来客があることに気がついた。そこへ応接間からカイガンが出て来た。
「あぁ、丁度良かった!コーコもこっちに来なさい。紹介しよう。」カイガンはコーコに手招きをしてエスコートしながら一緒に応接間へと入った。
部屋の中へと入って来たコーコを見たクウコウはコーコと一瞬目があったがクウコウは目線を逸らした。
「コーコちゃんじゃないかぁ~!久しぶりだねぇ!キレイな女性に成長したねぇ!昔はこんなに小さかったのに。おじさんの事覚えてるかな?」ドウゴは目尻を垂らして嬉しそうに話しかけた。
「え、ええ。お久しぶりです。」コーコは少し困ったような笑顔で答えた。
「あの頃はまだコーコは小さかったからねぇ。覚えてはいないでしょう。」カイガンが後からフォローした。
「まぁ、そりゃそうだな!たしか、うちのクウコウの方がコーコちゃんより2つ年上だったかな。」
「コーコ、改めて紹介するよ。
お2人は陰陽導師をされている方でな。こちらがお父さんの古い友人のマツヤマ ドウゴさん。そしてこちらが息子さんのクウコウくんだ。」
「こんにちは。父がお世話になっております。」コーコは両手を前に重ねて軽く会釈をした。
それを見たクウコウも軽く会釈をした。
「こんにちは。ねぇコーコちゃん?今日はねぇ、私達が何故君の家にやって来たか分かるかい?」ドウゴは嬉しそうに質問した。
「えっ?何をって。パパとお仕事の話では?」コーコは咄嗟の質問に困った様子で答えた。
「それもあるがね。本題はそうじゃないんだよ。
実はね、私達は君を悪狐の魔の手から守りにやって来たんだよ!」
ドウゴはキリッとした表情の中に笑顔を残してながら真剣に言った。
「えっ?!悪狐ですか??なぜわたしが?」
コーコは驚いた表情になり両手で口を押さえた。
「驚くのも無理はない。悪狐はいつも女性ばかりを狙う。しかも美しい女性ばかりをな。コーコちゃん、君は美しい。だから君のお父さんがそれを懸念して私達はここへ呼ばれたんだよ。」
「そうだったんですね。ありがとうございます。それではどうか宜しくお願い致します。」コーコは深く頭を下げた。それに続いてカイガンもコーコの背に優しく手を添え一緒に頭を下げた。
「どうぞ頭を上げて下さい。
まぁ、悪狐が来るか来ないかはヤツの気分次第と言うのもあるが、だが悪狐は家族との絆がとても強い。
以前退治した悪狐にも子供が居たんだが、きっと今回のヤツはその子供が親の仇を取る為に人里に現れたんだろう。
だから私達がここにいればきっとあの時の匂いを嗅ぎ付けてやって来るはずだ。」
「えっ?お二人がいらっしゃると悪狐はやって来るんですか?それって来ちゃったらマズイじゃないですか?」
コーコはドウゴの話を聞いて不安な表情で言った。
すると、ずっと黙っていたクウコウが口を開いた。
「大丈夫だよ!安心してコーコさん。その為に僕達がいるんだ。遅かれ早かれ退治はしておかないといけないんだよ。
さっき父上が話した親の仇で今現れたのだって、これは僕達が人々の為に悪狐退治をした事で復讐の連鎖が起こってしまった。
だからこそ、その復讐の連鎖ごと僕達が止めてみせます!
じゃないとこのままでは人々が大変な被害を受けてしまう。安心してくれ!君は必ず僕達が守るから。」
「わかったわ。あなた方を信じます。どうぞ宜しくお願い致します。」
コーコは深々と頭を下げた。
ドウゴとクウコウは互いの顔を見合わせ頷いた。
「そうだ、カイ君。早速なんだがどこか部屋をお借りしたいんだが良いかな。コーコちゃんに結界を張りたいんだ。」
「あぁ。承知した!カシマさんに案内させよう。」
「ええ。宜しくお願いします。
それからコーコちゃんはなるべく白い着物に着替えて来てくれるかな。」
「あ、はい。分かりました。」
「お嬢様。白いお着物ご用意しておきます。」
「ええ、よろしくね。カシマさん。」
そして、ドウゴとクウコウは、カシマの案内で一階にある和室へと案内された。
カシマに案内されたのは一階にある来客用の和室。
10畳程の広さで、まるで旅館の一室の様で縁側の引き戸を開けると外には日本庭園の様な庭に出られる様になっている。
「父上!素晴らしいですね!この部屋!」
クウコウは目をキラキラさせながら部屋の様子を見回している。
「こらこら!クウコウ!ガキじゃあるまいし。キョロキョロするんじゃない!」
ドウゴは無邪気なクウコウに半笑いで注意した。
「あれ?そのに誰かいる!」
クウコウは庭な誰かがいることに気付いた。
するとカシマがクウコウの隣にやって来た。
「あぁ。あの人は庭師さんですよ。
キスケさ~ん!ご苦労様~!」
カシマは庭師に声をかけたが聞こえなかったのか庭師は振り向きもしなかった。
「あれ?聞こえなかったかしら?
きっと仕事に集中しているんだわ。
キスケさんの邪魔しちゃ悪いから部屋に戻って戸は閉めておきましょうね。」
そう言ってカシマは引き戸を閉めた
するとコンコン!っと部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「失礼しま~す。」
そう言って部屋に入って来たのはコーコだった。
コーコはドウゴの指示通りに白い着物に着替えている。
「おじさま、これで構いませんか?」
「おお!着替えてくれたか!バッチリだよ。よし!コーコちゃん。ここに座ってくれるかな。」
ドウゴはコーコに背もたれのある椅子に座る様に指示をした。
「コーコちゃん。これから君に結界を張るよ。この結界はもしも悪狐がコーコちゃんに近づいたとしても君の姿は悪狐には見えない。ただ声や物音は聞こえるから決して声を出さないように注意して欲しい。それからその場から動かないこと。結界の外に出た瞬間に術の効力が消えてしまうんだ。いいかい?この2つを必ず守って欲しい。出来るね?」
「はい!分かりました。」
コーコはコクンっと頷きながら元気に返事をした。
「よろしい。それじゃあ始めるよ。」
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