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第16話
魔天界の国王
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みんなで食事をしていたその時だった、コンコンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「失礼するよ~。」
男性の低い声がするとドアはゆっくり開いた。
そこに現れたのは、マックと同じくらいの大きさの王冠をかぶった可愛らしいクマだった。
「あれ?マッくんにそっくりなクマちゃんじゃん!もしかしてマッくんの兄弟?」
「本当!そっくりなクマさん!可愛いわねぇ!」
「違うよ!」
マックはなぜか下を向いている。
「王様!どうかなされましたか?」
ピーシュは慌てた様子でドアまで出迎えた。
「えっ?ピーちゃん今、何て言った?」
「王様と申しました。」
「えーーー???王様って!マッくんのお父さん??」
勝利と香音はとても驚いた。
「そう、僕のお父様だよ。」
マックは相変わらず下を向いている。
それに気付いた勝利はマックの肩に手を回した。
「さっきからどーしたんだよ。元気無いじゃん。もしかしてお父さんに説教くらったの、まだ尾をひいてんの?」
「ちがうよ!ほっといて。」
「ほっとけるわけないだろ?友達が落ち込んでんのにさぁ。」
「そうよ、マックくん。どうして下を向いてるの?でもまぁ言い辛いのなら無理にとは言わないけど。」
「言いたくない。」
「分かった、じゃあ聞かないわ。でも、なんで言いたくないのかだけでも教えてくれないかな?」
「・・・言ったら、きっと2人に嫌われちゃうから。」
「嫌われるって?一体どういう事だよ?!めっちゃ気になるじゃんか‼︎もう俺我慢できねぇ‼︎マッくんが言えないならお父さんから聞く‼︎」
「ちょっと先輩‼︎マックくんは嫌われるから聞かれたくないって言ったんですよ?」
「香音ちゃん大丈夫!オレ、どんなことがあってもマッくんの事、ぜったいに嫌いにならないから‼︎」
勝利は親指を立ててにかっと笑顔を見せた。
「すっごい自信‼︎」
香音は勝利のあまりの自信に満ち溢れた笑顔を見てこれ以上言うのを諦めた。
勝利はマックの父親である王様に歩み寄った。
勝利が王様の前に立つと、小さな王様の目線に合わせるため低く屈むとその場で正座をした。
「はじめまして!オレはマックくんの友達の勝利と言います!」
「やぁ、はじめまして。ようこそ我が城へ。マックの父です。ピーシュからあらかた話は聞いていますよ。マックが世話になったようで、誠にありがとうございました。」
「いえいえ、ご丁寧にどうも。こちらこそお城にまでお邪魔させてもらっちゃいまして、ありがとうございます。」
「遠慮なくゆっくりとお過ごし下さいね。
あぁ、そう言えばあなたが『魔手』を装着されたカツどんさんですね。」
「いや、カツトシです。たしかにマッくんはカツ丼にハマっちゃいましたけども。」
「これは失礼、息子がカツ丼が美味しかったと言っていたものですから、私も一度食べてみたいものですね。」
「お父さんもカツ丼食べますか?良かったらあっちで一緒に食べながらお話しさせて頂いて良いですか?色々と聞きたい事あるんで。」
「それはありがたい。もちろんですよ。ご一緒させて下さい。」
王様と勝利はすっかり意気投合し、香音とマックの座るテーブルへと向かった。
「これはたまげました!あの2人めちゃくちゃ気が合っている。」
ピーシュは2人の会話を聞いて驚いた。
「ピーちゃんも一緒にカツ丼食おうぜ!」
「いえ、私は菜食主義ですので。」
「先輩!ピーシュさんは野菜サラダの方が良いんじゃないですか?」
「あぁ、そっかぁ。じゃぁピーちゃんには野菜サラダを出してあげるねー。」
勝利はテーブルに特盛りの野菜サラダを両手から出した。
「野菜サラダ?!」
ピーシュはゴクリと生唾を飲んだ。
「そこまでおっしゃるならお言葉に甘えてご一緒させて頂きま~す。」
ピーシュは嬉しそうにテーブルへとスキップしながら向かった。
こうして異色のメンバーによって食事会が催された。
「失礼するよ~。」
男性の低い声がするとドアはゆっくり開いた。
そこに現れたのは、マックと同じくらいの大きさの王冠をかぶった可愛らしいクマだった。
「あれ?マッくんにそっくりなクマちゃんじゃん!もしかしてマッくんの兄弟?」
「本当!そっくりなクマさん!可愛いわねぇ!」
「違うよ!」
マックはなぜか下を向いている。
「王様!どうかなされましたか?」
ピーシュは慌てた様子でドアまで出迎えた。
「えっ?ピーちゃん今、何て言った?」
「王様と申しました。」
「えーーー???王様って!マッくんのお父さん??」
勝利と香音はとても驚いた。
「そう、僕のお父様だよ。」
マックは相変わらず下を向いている。
それに気付いた勝利はマックの肩に手を回した。
「さっきからどーしたんだよ。元気無いじゃん。もしかしてお父さんに説教くらったの、まだ尾をひいてんの?」
「ちがうよ!ほっといて。」
「ほっとけるわけないだろ?友達が落ち込んでんのにさぁ。」
「そうよ、マックくん。どうして下を向いてるの?でもまぁ言い辛いのなら無理にとは言わないけど。」
「言いたくない。」
「分かった、じゃあ聞かないわ。でも、なんで言いたくないのかだけでも教えてくれないかな?」
「・・・言ったら、きっと2人に嫌われちゃうから。」
「嫌われるって?一体どういう事だよ?!めっちゃ気になるじゃんか‼︎もう俺我慢できねぇ‼︎マッくんが言えないならお父さんから聞く‼︎」
「ちょっと先輩‼︎マックくんは嫌われるから聞かれたくないって言ったんですよ?」
「香音ちゃん大丈夫!オレ、どんなことがあってもマッくんの事、ぜったいに嫌いにならないから‼︎」
勝利は親指を立ててにかっと笑顔を見せた。
「すっごい自信‼︎」
香音は勝利のあまりの自信に満ち溢れた笑顔を見てこれ以上言うのを諦めた。
勝利はマックの父親である王様に歩み寄った。
勝利が王様の前に立つと、小さな王様の目線に合わせるため低く屈むとその場で正座をした。
「はじめまして!オレはマックくんの友達の勝利と言います!」
「やぁ、はじめまして。ようこそ我が城へ。マックの父です。ピーシュからあらかた話は聞いていますよ。マックが世話になったようで、誠にありがとうございました。」
「いえいえ、ご丁寧にどうも。こちらこそお城にまでお邪魔させてもらっちゃいまして、ありがとうございます。」
「遠慮なくゆっくりとお過ごし下さいね。
あぁ、そう言えばあなたが『魔手』を装着されたカツどんさんですね。」
「いや、カツトシです。たしかにマッくんはカツ丼にハマっちゃいましたけども。」
「これは失礼、息子がカツ丼が美味しかったと言っていたものですから、私も一度食べてみたいものですね。」
「お父さんもカツ丼食べますか?良かったらあっちで一緒に食べながらお話しさせて頂いて良いですか?色々と聞きたい事あるんで。」
「それはありがたい。もちろんですよ。ご一緒させて下さい。」
王様と勝利はすっかり意気投合し、香音とマックの座るテーブルへと向かった。
「これはたまげました!あの2人めちゃくちゃ気が合っている。」
ピーシュは2人の会話を聞いて驚いた。
「ピーちゃんも一緒にカツ丼食おうぜ!」
「いえ、私は菜食主義ですので。」
「先輩!ピーシュさんは野菜サラダの方が良いんじゃないですか?」
「あぁ、そっかぁ。じゃぁピーちゃんには野菜サラダを出してあげるねー。」
勝利はテーブルに特盛りの野菜サラダを両手から出した。
「野菜サラダ?!」
ピーシュはゴクリと生唾を飲んだ。
「そこまでおっしゃるならお言葉に甘えてご一緒させて頂きま~す。」
ピーシュは嬉しそうにテーブルへとスキップしながら向かった。
こうして異色のメンバーによって食事会が催された。
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