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第7話
魔天城
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りゅうまは魔天城敷地内の中庭に降りた。
降りやすいように姿勢を低くく伏せをした状態のりゅうまからみんなはジャンプして飛び降りていく。
中庭を見回す勝利はあることに気づいた。
「これ、どこから中に入るんだ?入口が無ぇじゃんか!変わった造りしてんなぁ。」
「大丈夫ですよ。入口はちゃんとございますのでご安心下さい。」そう言うとピーシュは壁に向かってテクテク歩いて行った。そして壁にそっと手を当てると、一瞬で入口の扉が現れた。
「スゲ~~!入口が出てきた!魔法みたいじゃん!」
「ご名答ですカツ殿。これはまさしく魔法でごさいます。この隠し扉からはセキュリティ上、関係者以外は中に入れないようになっております。今回お二人は特別にご招待と言う事で城内にご案内させて頂きます。」
「へぇ~、なんか俺たちVIP待遇!」
「先輩、私招待なんてされるの初めてでなんかドキドキします。」
「香音ちゃん、俺もドキドキ~。」ピーシュが扉に手を押し当てると扉がゆっくりと開いていく。「では、どうぞお入り下さい。ようこそ!!魔天城へ!!」
中へ入ると天井にはきらびやかなシャンデリア、壁には肖像画や壁画がある。そして待ち受けていたのは猫のメイドたちが両サイドに並び出迎えていた。「おかえりにゃさいませ。」猫メイドたちは声を揃えてお辞儀をしている。ピーシュの案内で歩きながら勝利は周りをキョロキョロと物珍しそうに見回している。石畳の廊下を進んで行くとピーシュは扉の前で足を止めた。
そして扉を開け中へと入って行く。「こちらが来客の間になります。お二人共どうぞゆっくりとおくつろぎ下さい。」そこは2人ではもったいない程に広々とした豪華な部屋。大理石で出来た長方形のテーブルにふかふかのソファー、高い天井まである本棚には日本語でも英語でもない文字が書かれた、分厚い本がギッシリと陳列されている。勝利はテンションが上がり、香音と一緒に無邪気に部屋の隅々を見て回っている。
「香音ちゃん!これ見てよ!このクマの肖像画、今動いたよ!」「あっ!ホントですね!面白い!」
その肖像画は恰幅の良い大きなクマが甲冑を着て、盾と矛を持ち凛々しく立っている絵が描かれている。その動くクマを見上げていると突然、その平面な絵からゆっくりと立体的に頭からぐわーっと飛び出てきた。
「うわー!!」「きゃー!!」
2人はあまりにも驚き尻もちをついた。すると飛び出してきた絵のクマが口を開けた。
「うわー!食べられるー!」
2人は腰を抜かしたのか尻もちをついたまま動けないでいる。
「おやおや、驚かせてしまって悪かったねぇ。これは珍客だな。この国に人間なんてなかなか来ることは無いからねぇ。」
「こ、これも魔法なのか。たまげたなぁ。あなたは誰ですか?」勝利は恐る恐る質問をした。
「ようこそ、我が城へ。私の名は、【ラエブ・A・キレマ】と言います。この国の創始者だよ。」
「ええー!?この国の創始者って言ったら、ピーちゃんの話じゃ、マックんのお父さんのお父さんのお父さんってこと??」
「先輩!それってマックくんのひいお爺さんって言うことですね!」
「あっ!そうとも言うね!そうだ申し遅れました。俺の名前は羽佐宮勝利と言います。」「あっ、私は香音です。」2人は元気に自己紹介をした。
「勝利くんに香音ちゃんだね。なにやらマックがお世話になった様でありがとう。人間は親切で優しいですねぇ。」キレマはにこやかに言った。
「いえいえ。僕たちは何も。」勝利は顔の前で手を振りながら答えた。
「まぁまぁ、この部屋でゆっくりとくつろいでいってください。君たち人間と話が出来て良かった。おっ、そろそろみんながやって来るようだ。それではまた後ほど。」キレマは再びスーッと絵の中に戻って行った。
「すげー!また戻った!不思議な国だなぁここは!」勝利は驚きを隠せないでいた。その時、コンコンッ!とドアをノックする音が聞こえた。
降りやすいように姿勢を低くく伏せをした状態のりゅうまからみんなはジャンプして飛び降りていく。
中庭を見回す勝利はあることに気づいた。
「これ、どこから中に入るんだ?入口が無ぇじゃんか!変わった造りしてんなぁ。」
「大丈夫ですよ。入口はちゃんとございますのでご安心下さい。」そう言うとピーシュは壁に向かってテクテク歩いて行った。そして壁にそっと手を当てると、一瞬で入口の扉が現れた。
「スゲ~~!入口が出てきた!魔法みたいじゃん!」
「ご名答ですカツ殿。これはまさしく魔法でごさいます。この隠し扉からはセキュリティ上、関係者以外は中に入れないようになっております。今回お二人は特別にご招待と言う事で城内にご案内させて頂きます。」
「へぇ~、なんか俺たちVIP待遇!」
「先輩、私招待なんてされるの初めてでなんかドキドキします。」
「香音ちゃん、俺もドキドキ~。」ピーシュが扉に手を押し当てると扉がゆっくりと開いていく。「では、どうぞお入り下さい。ようこそ!!魔天城へ!!」
中へ入ると天井にはきらびやかなシャンデリア、壁には肖像画や壁画がある。そして待ち受けていたのは猫のメイドたちが両サイドに並び出迎えていた。「おかえりにゃさいませ。」猫メイドたちは声を揃えてお辞儀をしている。ピーシュの案内で歩きながら勝利は周りをキョロキョロと物珍しそうに見回している。石畳の廊下を進んで行くとピーシュは扉の前で足を止めた。
そして扉を開け中へと入って行く。「こちらが来客の間になります。お二人共どうぞゆっくりとおくつろぎ下さい。」そこは2人ではもったいない程に広々とした豪華な部屋。大理石で出来た長方形のテーブルにふかふかのソファー、高い天井まである本棚には日本語でも英語でもない文字が書かれた、分厚い本がギッシリと陳列されている。勝利はテンションが上がり、香音と一緒に無邪気に部屋の隅々を見て回っている。
「香音ちゃん!これ見てよ!このクマの肖像画、今動いたよ!」「あっ!ホントですね!面白い!」
その肖像画は恰幅の良い大きなクマが甲冑を着て、盾と矛を持ち凛々しく立っている絵が描かれている。その動くクマを見上げていると突然、その平面な絵からゆっくりと立体的に頭からぐわーっと飛び出てきた。
「うわー!!」「きゃー!!」
2人はあまりにも驚き尻もちをついた。すると飛び出してきた絵のクマが口を開けた。
「うわー!食べられるー!」
2人は腰を抜かしたのか尻もちをついたまま動けないでいる。
「おやおや、驚かせてしまって悪かったねぇ。これは珍客だな。この国に人間なんてなかなか来ることは無いからねぇ。」
「こ、これも魔法なのか。たまげたなぁ。あなたは誰ですか?」勝利は恐る恐る質問をした。
「ようこそ、我が城へ。私の名は、【ラエブ・A・キレマ】と言います。この国の創始者だよ。」
「ええー!?この国の創始者って言ったら、ピーちゃんの話じゃ、マックんのお父さんのお父さんのお父さんってこと??」
「先輩!それってマックくんのひいお爺さんって言うことですね!」
「あっ!そうとも言うね!そうだ申し遅れました。俺の名前は羽佐宮勝利と言います。」「あっ、私は香音です。」2人は元気に自己紹介をした。
「勝利くんに香音ちゃんだね。なにやらマックがお世話になった様でありがとう。人間は親切で優しいですねぇ。」キレマはにこやかに言った。
「いえいえ。僕たちは何も。」勝利は顔の前で手を振りながら答えた。
「まぁまぁ、この部屋でゆっくりとくつろいでいってください。君たち人間と話が出来て良かった。おっ、そろそろみんながやって来るようだ。それではまた後ほど。」キレマは再びスーッと絵の中に戻って行った。
「すげー!また戻った!不思議な国だなぁここは!」勝利は驚きを隠せないでいた。その時、コンコンッ!とドアをノックする音が聞こえた。
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