【神託】で選ばれた<真実の愛>の相手がくそなんですけど

はなまる

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12兄弟げんか?

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 「ではそろそろコンビを組んでも訓練に入ろう」

 指導員のベイリー先生が声をかけた。

 副神官も結界を張り終えたらしくひと息ついている。


 私は一番にユーゴ殿下に駆け寄る。

 「ユーゴ殿下さっきのあれすごいです。殿下が雷魔法の使い手だなんて知りませんでした」

 「いや、驚かせた?まあ、いつもはこんな所に来ないから」

 「こんな才能があるのにもったいない‥」

 私は独り言をつぶやく。

 ユーゴ殿下がいきなり私の手を握る。

 「セリーヌにそう言われるなんて感激だよ!」

 ぎゅっと手を握られて嬉しそうに顔を破顔させる。

 他の生徒が驚いた顔で私達を見て通り過ぎて行く。

 そこにはオデロ殿下とアーネの姿もあった。


 「まあ、オデロ殿下に振られたからってもう別の人に乗り換えるなんて、私、信じられませんわぁ~」

 オーバーなリアクションで手を口に当ててアーネが声を荒げた。

 「おい、ユーゴ!お前いい加減にしろよ。セリーヌは俺の婚約者なんだからな!」

 オデロ殿下の声が背中で響いた。

 ユーゴ殿下が私の目を見て(大丈夫だから)と合図をすると、手を握ったままで彼に牙をむく。

 「兄上。よくそんな事が言えますね。そんな気持ちの悪い女をそばに置いておいて」

 「お前!喧嘩を売ってるのか?大体何でお前がここにいる?」

 「やるんですか?今日はセリーヌと組むことになりましたから兄上には負けませんよ!」

 ああ~言い返すユーゴ殿下も殿下だ。

 これはまずいのでは?

 二人の男の魔力がぶわ~んと空気中に漂う。


 オデロ殿下はまだ何か言いたげだが、ここには他の生徒もいて指導員や副神官の目もあるからぐっとこらえたらしい。

 「覚えてろよ。訓練で恥をかかせてやる!」

 「オデロ殿下ぁ、さあさあ、今日は私たちの初めての共同作業なんですからぁ、うふっ、さあ、気持ちを切り替えて‥ユーゴ殿下もぉ喧嘩はだめですよぉ」

 アーネがさっとオデロ殿下の手を取って話しかけるとユーゴ殿下にも愛想を振りまいた。

 その身体はくねくねとせわしなく動く。


 チッ!心の中で舌打ちが。いけませんわ。私ったら。ぎゅと唇を噛んで気持ちを引き締める。


 「ああ、そうだな。今は集中しなくては。行こうかアーネ」

 オデロ殿下にはそんなあざといアーネの行いは目に入らないらしい。


 ああ~恋は盲目ってやつ?

 それになに?あれは。初めての共同作業って?結婚式じゃあるまいし。

 初めての共同作業って前世の結婚式のウェディングケーキ入刃の常套句だったんじゃ?

 そんな事を思い出したおかげで私は緊張がほぐれる。

 「ユーゴ殿下、すみません。私のために無理しなくていいんですよ」

 「別に無理なんかしていない。俺は思っていたことを言ったまでだ。あんな女気持ち悪いだろ!なんだ?あのくねくねした格好は骨がないみたいだ」

 「ぶっ!」

 ユーゴ殿下旨い事言う。

 私は少し唾毛を飛ばしてしまいそっと口元を拭いながら体裁を整える。

 「さあ、私達もそろそろ行きましょうか」

 ユーゴ殿下は令嬢らしからぬ私にくっと笑いをこらえたのか口元に手を当てたと思ったら反対の指先で唐突に私の唇をすっとなぞった。

 「ひゃっ!」おかしな声が出た。

 「ごめん。唇が‥」

 ユーゴ殿下は怒られた子供みたいにすっと手を引っ込めた。

 さっき唇を噛んだからだ。何だか胸が熱くなった。

 何でもないから。そう何でもないわ。



 そして二人で組んでの訓練が始まった。

 まずは子爵家や伯爵家の人たちから、比較的魔力が弱いので迫力には欠けるが、それでも他の人に比べたら数段魔力は多いので学園を卒業すれば騎士隊や治癒師、魔道局など引く手あまただ。

 二人で的を狙って魔力を練り上げ攻撃を浄化の魔法を行う。

 ユーゴ殿下は私の距離を取っていながらも近くでみんなを見学している。


 ベイリー先生はひとりひとりと向き合い良いところは褒め足りないところは助言をしてくれるので、みんな真剣に取り組み一生懸命練習をするようになる。

 マリーズとラバンの番が来た。

 二人はユーゴ殿下の助言を行かして少しマリーズがタイミングを待つつもりらしい。

 ラバンが氷魔法を展開させてブリザードが猛烈な勢いを起こして行く。

 それに合わせてマリーズが手のひらで光魔法を丹念に練り上げてタイミングを見計らっている。

 今よ。私は心の中で合図を送る。

 マリーズが身体全体を押し出すようにして練り込んだ光をブリザードに覆いかぶせて行く。

 いつもは一瞬ずれが生じる二人の魔法が見事に絡み合いすごい威力を起こした。

 光のシャワーがブルザードの中に溶け込むように入って行きそして一気に消滅した。

 現実にこれが魔粒毒だったら完璧に浄化出来ていたはずだ。

 ベイリー先生が驚いた顔で二人を褒めちぎる。

 良かった。ふたりともすごく嬉しそう。

 私は自分の事のようにうれしかった。



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