【神託】で選ばれた<真実の愛>の相手がくそなんですけど

はなまる

文字の大きさ
102 / 102

番外編

しおりを挟む
 
 王都に帰るとすぐさま皇王から皇太子になれとの話があったがカイヤートは嫌だと言って皇太子にはイエンスの弟のホーコンがなる事になった。

 やっとカイヤートの屋敷に帰って来るとみんなから大歓迎を受けた。



 そしてやっと二人きりの時間がやってきた。

 「セリ、愛してる。これからはずっと一緒だ」

 「ええ、カイヤート私も愛してる」

 熱に浮かされた金赤色の瞳の中にいるのが自分の姿に心から喜びを感じた。

 互いを乞うように舌を絡め身を寄せれば身体の中心がじゅくりと熱を帯びて行って。

 前にも交わした口付けなのにいつもとは違う濃厚な色香に酔いしれているわたし。

 手のひらに寄せられる唇にほとばしるほどの喜びを感じながらその熱さが胸を焦がして惹かれ合うように私は身を委ねて行く。

 湿った感触が舌先にねじ込まれ身をよじれば離さないとばかりに背中を強く抱き込まれキスはますます深くなって。

 「かいやーと‥」

 「せり」

 呼び合う名前すら今はもう蕩ける雫みたいで。


 自分とは違う彼の体温を感じれば感じるほど私の下腹部はじりじりと熱を持ち甘い吐息が漏れた。

 やだ‥恥ずかしい。

 もぉ‥じっとカイヤートに見つめられていたなんて。



 彼の喉元がゴクリとうごいて激しいキスの嵐に襲われる。

 その先にある甘い快感に期待している自分に狼狽えながらも私は何度も彼を受け入れていた。

 ああ、まさに!極上の幸せぇぇぇぇぇぇ~!



 その後、カイヤートはアンティ辺境伯領を賜り家族を連れて引っ越した。

 ヨールやトロンドさん、その他の家族みんなで。

 アンティ辺境伯領は彼がカイヤート・スヴェーレンとなったため名前を改めスヴェーレン辺境伯領となった。

 そしてカイヤートがプロシスタン国の初のドラゴン騎士隊の騎士隊長にもなった。

 というわけでカイヤートは毎日ビーサンやシルバ、ペッカルなどと訓練をしている。

 そしてキアード様もこのドラゴン騎士隊に入って来た。もちろんマリーズも一緒だ。

 もう、みんな仲良すぎじゃない?

 ああ、そうそう。ドラゴンのリガキスはやっぱり月光美人の葉が効果があることが分かって今ではドラゴンのリガキス駆除には月光美人の薬湯が主流になった。


 それからコニハのお父さんが帰って来てもうみんな大喜びをした。

 
 そして遂に私たちの結婚式がやって来た。

 ウエディングドレスは皇妃様から送られたそれはもう豪華なシルクとレースで出来たマーメイドラインのドレスだった。

 私は残していた母のベールを直して使うことにした。

 朝から教会の表には花のアーチが飾られ柱には金色や赤色、銀色に緑色のリボンがあしらわれている。

 いよいよ式の始まり。

 教会の鐘が鳴り叔父様と一緒にバージンロードを歩く。

 もう、バージンではないけどね。

 裾をひこずるように長いベールは後ろから可愛いコニハ、チャーレ、ミコが仲良く持ってくれている。

 三人ともすごく真面目な顔で可愛い。ドレスはお揃いの淡いピンク色で作った。

 もう、スマ〇とかあったら絶対写真撮ったのに!!

 私は悔しい気持ちになったが、まあ、ここまで来るのは大変だったから‥

 最初は私が持つ!ううん、私よ!いやよ、私が!ってそりゃ大変な騒ぎで、みんなで持つことになってやっと三人は納得してくれた。

 こんなに慕われて私は幸せだと思う。

 更にバージンロードの端では可愛い礼服を着たフラワーボーイたちが色とりどりの花びらを床に散らして行く。

 ああ‥なんて幸せなの。



 そして目の前には少し照れ臭そうなカイヤートがいた。

 彼はいつにもまして端整な顔がさらにパワーアップされたみたい。

 はにかみながら私に微笑む姿に胸の奥がきゅんとなって。また、幸せだって思った。

 そしてリンネさんに神父様役をしてもらって誓いのキスを交わし私達は晴れて夫婦となった。

 彼のキスは甘くてほんとに蕩けそうになって思わずカイヤートが私を抱き上げたほど。

 その後は、カイヤートがうれし泣きをしてそれはもう大変で‥すごくいい結婚式だった。




 そしてやっと落ち着いたけど、私は屋敷でじっとなんかしていられなくてすぐに教会で働き始めた。

 もちろん聖女としてもだけど、他にも治癒師、孤児院の養母などをかねて毎日楽しい日々を送っている。

 ちなみに月光美人は薬湯は苦味があってドラゴンに不評なので月光美人羊羹。ゼリー。キャラメルなどを開発中だ。

 ドラゴンは甘いものに目がないらしい。

 それからトランプゲームはすごく人気でプロシスタン国中に広まりつつある。

 シェルビ国でもそろそろブームらしい。

 あっ、実はリンネさんが教会で究極の愛のカップル商品を売り出した。

 イヤリングや指輪、腕輪などにつけるチャームなんだけど。

 これがそのカップルにあった商品が選べるとあって大人気!

 最初に私達の究極の愛ってチャームを売り出したんだけど。

 カイヤートが狼で私がお姫様をモチーフにしたもので、もう、すごい人気になった。

 まずカップルの互いの瞳や髪色の色を決めるでしょう。そして次は材料。宝石はもちろんだけど木とか革などもちらほら出始めた。

 宝石は割と安いものが中心。

 ほんと、この世界には合金とかプラスチックがないのが残念。

 そんな可愛いチャームをカップルでつけたら恋愛成就間違いなしとかで人気はうなぎ上りで、ここ最近は教会の仕事はそのチャーム作り一辺倒になってるほど。

 今ではチャームだけでなく髪飾りや封筒なんかにも絵柄として付けるのも流行り始めた。

 リンネさんったら今度はハンカチに刺繍したものや男性のクラバットなんかもどうかって。

 もうカレヴィさんも一緒になって言うもんだから、ドラゴンのマークもすぐに商品化されそう。




 そうそう大事な人を忘れてた。

 イヒム様はって、あれから何度呼びかけても返事がなくてもう無理かと思っていたらやっとイヒム様からお声が聞こえた。

 『セリ、お前も仲良くやってるのぉ。良かった。良かった。わたしゃぁアードと蜜月をすごしておったんじゃ。ふふ、実はな。‥子が出来た』

 『イヒム様お久しぶりです。いきなり、おめでた報告ですか?それはおめでとうございます。神様のご出産なんてすごいですけど、また揉めたりしないで下さいよ』

 『ああ、もう二度とあんなことにはさせん。そこは約束しておくからのぉ。お前たちも幸せにな。仲良くやれ!』

 『はい、イヒム様もどうかお幸せに』

 『ああ、じゃな。もう、こうやって言葉を交わす事もしばらく無理になるかのぉ~、セリお前も忙しくなるじゃろうからな』

 『えっ?もういらっしゃらないんです?』

 『しばらくはのぉ。セリもわしも育児に忙しくなるからのぉ~』

 『私は違いますよ?』

 『わしゃ神だからのぉ~、セリ,よ~くお聞き。おめでたじゃよ』

 私はしばらくボー然として、やっとイヒム様の言った意味を理解した。



 『わたし?に、にんしんしてるんですぅぅぅ?』

 『ああ、大切にな。じゃあな』

 『あっ、はい。イヒム様ありがとうございます。イヒムさものどうかお身体お大事になさってくださいね。イヒム様?いひむさま~‥‥』

 イヒム様はそれっきり返事をしてくれなかった。



 イヒム様の爆弾発言のすぐ後。私は診療所に駆け込んだ。

 うふっ、リンネさんったら心配して診察に付き添ってくれた。

 あっ、リンネさんは司祭を引退して今はカレヴィさんと一緒に暮らしている。

 もう、ふたりは熱々の仲良しなのだ。

 「セリ、あなた妊娠してるわ!おめでとう。でも、まだ妊娠の初期だからくれぐれも気を付けなさい」

 「まあ、セリすごいじゃない。もう、カイヤートが聞いたら大喜びするわね」

 リンネさんは大喜びだ。

 私は驚き半分のまま急いで、でもゆっくり歩いてカイヤートに知らせた。

 「カイヤート‥あの、ちょっといい?」

 「どうしたセリ?まさか具合でも悪いのか?」

 「まあ、そうかもしれないわね‥」

 カイヤートが慌てる。

 「診療所に入ったのか?」

 「ええ、さっき」

 「それでどうだって?」

 「あのね‥にんしんした」

 私は恥ずかしくて早口で言った。

 「にんじんがどうした?」

 「もぉ!カイヤートの赤ちゃんが出来たの!!」

 「俺のあかちゃん?‥」

 一瞬固まった。



 でも、カイヤートは眩しいほどの破顔した顔を見せた。

 彼ったら尻尾をぶんぶん振り回してそれはもう大変で。

 「セリ!お前とうとうおれの子を?マジ、うれしい。うわっ、俺どうしよう。セリ、もう動くなよ。じっとそこに座ってろ。ほら‥」

 うわっ、カイヤートの過剰反応ったらすごい。

 「もう、カイヤートったら!過保護は良くないのよ。適度な運動がちょうどいいんだから。でも、今は初期だから気を付けるわ。だからちゃんと私の話を聞いてね」

 「わ、わかった。セリ、俺、何でもするからな」

 「ええ、お願いねパパ!」

 「パパ?俺がパパ‥‥やべっ~」

 しばし放心状態のカイヤートだったが、その後キスの嵐が待っていたのは言うまでもない。

 

 そんな彼を見て、わたし心の底から幸せだなって思いました。

 これから先も私たちはますます永遠の幸せループを作って行くんだろうなぁ~

                      

                          ~おしまい~




 ほんとにこんな長いお話になる予定ではなかったんですけど(笑)長い長~い話になってしまいほんとに申し訳ありません(ペコリ)

 最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。

 見放さず皆さんに読んでいただけたこと感謝しかありません!!

 次回作もまたよろしくお願いしま~す。~はなまる~



 
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

王宮侍女は穴に落ちる

斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された アニエスは王宮で運良く職を得る。 呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き の侍女として。 忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。 ところが、ある日ちょっとした諍いから 突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。 ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな 俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され るお話です。

私、異世界で獣人になりました!

星宮歌
恋愛
 昔から、人とは違うことを自覚していた。  人としておかしいと思えるほどの身体能力。  視力も聴力も嗅覚も、人間とは思えないほどのもの。  早く、早くといつだって体を動かしたくて仕方のない日々。  ただ、だからこそ、私は異端として、家族からも、他の人達からも嫌われていた。  『化け物』という言葉だけが、私を指す呼び名。本当の名前なんて、一度だって呼ばれた記憶はない。  妹が居て、弟が居て……しかし、彼らと私が、まともに話したことは一度もない。  父親や母親という存在は、衣食住さえ与えておけば、後は何もしないで無視すれば良いとでも思ったのか、昔、罵られた記憶以外で話した記憶はない。  どこに行っても、異端を見る目、目、目。孤独で、安らぎなどどこにもないその世界で、私は、ある日、原因不明の病に陥った。 『動きたい、走りたい』  それなのに、皆、安静にするようにとしか言わない。それが、私を拘束する口実でもあったから。 『外に、出たい……』  病院という名の牢獄。どんなにもがいても、そこから抜け出すことは許されない。  私が苦しんでいても、誰も手を差し伸べてはくれない。 『助、けて……』  救いを求めながら、病に侵された体は衰弱して、そのまま……………。 「ほぎゃあ、おぎゃあっ」  目が覚めると、私は、赤子になっていた。しかも……。 「まぁ、可愛らしい豹の獣人ですわねぇ」  聞いたことのないはずの言葉で告げられた内容。  どうやら私は、異世界に転生したらしかった。 以前、片翼シリーズとして書いていたその設定を、ある程度取り入れながら、ちょっと違う世界を書いております。 言うなれば、『新片翼シリーズ』です。 それでは、どうぞ!

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜

四葉美名
恋愛
「危険です! 突然現れたそんな女など処刑して下さい!」 ある日突然、そんな怒号が飛び交う異世界に迷い込んでしまった橘莉子(たちばなりこ)。 竜王が統べるその世界では「迷い人」という、国に恩恵を与える異世界人がいたというが、莉子には全くそんな能力はなく平凡そのもの。 そのうえ莉子が現れたのは、竜王が初めて開いた「婚約者候補」を集めた夜会。しかも口に怪我をした治療として竜王にキスをされてしまい、一気に莉子は竜人女性の目の敵にされてしまう。 それでもひっそりと真面目に生きていこうと気を取り直すが、今度は竜王の子供を産む「運命の花嫁」に選ばれていた。 その「運命の花嫁」とはお腹に「竜王の子供の魂が宿る」というもので、なんと朝起きたらお腹から勝手に子供が話しかけてきた! 『ママ! 早く僕を産んでよ!』 「私に竜王様のお妃様は無理だよ!」 お腹に入ってしまった子供の魂は私をせっつくけど、「運命の花嫁」だとバレないように必死に隠さなきゃ命がない! それでも少しずつ「お腹にいる未来の息子」にほだされ、竜王とも心を通わせていくのだが、次々と嫌がらせや命の危険が襲ってきて――! これはちょっと不遇な育ちの平凡ヒロインが、知らなかった能力を開花させ竜王様に溺愛されるお話。 設定はゆるゆるです。他サイトでも重複投稿しています。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎ 王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。 ……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。 追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。 無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」 騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

処理中です...