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2そもそも一体どうして?
しおりを挟むどうして?何が起きたの?で、でも、なんだかわからないけどとっても気持ちいい気分。
唇をチュッと吸われ舌先が唇にそっと触れてついばむように食まれそしてまた唇をちゅっと吸われるうちにとろけるような気持ちが沸き上がって来た。
そのうち彼の手は胸の膨らみをすくい上げやわやわ胸を揉み始める。
そんな事やめて!
そう言おうとするのにヴィルフリートに舌を差し入れられて喉の奥に言葉を押し込まれて行く。
どうなってるの???私。
蕾をきゅっとつままれるとズクンと下腹の奥が痺れて行く。
秘めやかな部分がひくひくしてそのうちとろりとしたものが下履きに流れた気がした。
「こっちはどう?」
いつの間にか自分の横に沿うように転んでいるヴィルフリートにぎょっとする。
「や、やめて下さい」やっと言葉が出たが、そんな事構う気はないとばかりにヴィルフリートの指は太腿の間に入って行った。
じゅくり。
「やっ!何するんです。変態」
思わず腰が引けて脚をぎゅっと閉じようとしたが、すでに脚の間には彼の脚が入っていた。
下履き越しにも濡れている事を知られた。
焦って手の平を彼の胸について押し返す。
「ちょ…やめて下さい。いいから出て行ってよ!こんなの時間が経てばおさまるわ!」
まあ、なんてはしたない。そんな先生の声が聞こえてきそうだと思いながらもう止まらなかった。
私は思わず声を荒げた。
当たり前だ。一体何の権利があって私の体に触って来るのよ。
それにこのなれなれしい態度は何?
理解できないとい訝しい顔で彼を見る。
なのにそんな事お構いなしに彼の手は濡れた秘所を探り始める。
「いいのか。ほんとに?辛いんだろう?まっ、恥ずかしい気持ちはわかる。でも、今すぐ楽にしてやるから、いいから気持ちを楽にして俺に任せろ。もちろん他の奴なら出来るはずもないだろうが。ほら、俺となら大丈夫だから…」
一体何を根拠にそんな事が言えるのか?
婚約者と決まってもいないあなたが?それとも国家機関の役人だから?超エリートだからってそんなばかな事がまかり通るとでも思っているのだろうか?
いっそ本気を出して叩きのめして…いや、それは出来ない。
その前に腰がふらふらして起き上がることすらままならないのだから
それにここでは淑女としての私を押し通さなければならないって言うのも問題なのだけど。
いや、彼は私が淑女ではないと知ってるんだから…
もう、どうすれば…迷っているうちに。
散々ナカを指でかき回され、一番敏感な秘所を擦り上げられるうちに快感は途方もないほど跳ね上がる。
彼の猛攻に身体はそれを簡単に受け入れてしまいやめてと言うことも出来なくなった。
ああ…どうしよう。き、きもちいい。脳芯がとろけそうになって思わず卑猥な声が漏れて行く。
頭ではこんなはずではないのにと思うほど身体は熱く燃え上がるように感じてしまう。
「あっ、はぁん、ゃあぁぁぁ……」
「そうだ、感じるままにそうすればこの辛さを解消できるから、さあ、バイオレットもっと感じていいんだ」
ヴィルフリートは優しく言い聞かせるように私の耳元でささやく。
あっ、もぉ、そんな。違うの。こんなつもりないから。
あっ、もう、どうして。
次々に否定の言葉が浮かび上がるが身体はそうではないらしく。
私はヴィルフリートのしなやかな指使いで何度も快楽の極致に押し上げられてしまった。
ああ、こんなはずじゃないのに…一体どうしたのだろう。こんなことは初めてで。ほんとに…も、もう。
抗おうとするのに身体はそれを嬉々として受け入れてしまう。
思うようにはならない自分が腹立たしいけれど。
あっ、も、もう、だめぇ…身体の奥がとろとろに気持ち良くて…あぁぁん。
我慢できずに声がだだ漏れしてしまう。
「だ、だめぇ…ふぅ、んっ、あぁぁん…やっ……あぁぁんっ……」
「いいぞ。感じるままイけばいい。さあ…」
優しい声で後押しされて私はその瞬間初めての絶頂に背中をのけ反らした。
真っ白い世界が脳内に広がり身体がひくひく痺れた。
そんな私を彼はまるで良く出来ましたとでも言うようにそっと抱きしめた。
そして私はそのままあまりの事にぐったり意識を失ってしまった。
「いいんだ。俺は婚約者として当然の事をしたまでだ。結婚するまではすべてを奪うわけにはいかないからな。これでバイオレットが楽になれたなら良かった」
ヴィルフリートは私にそっとキスを落とすと医務室を出て行った。
だが私にはそんな記憶さえとどめておく余裕はなかったと思うが…
それからしばらくして意識を取り戻した私は一体何がどうなったのかを考え始めた。
そもそもこのペンダル学園は100年以上の歴史を持つ学園で王都のパブリックスクールとして名を馳せて来た。
貴族制度廃止となってからも、この学園の教育方針である紳士淑女を育成するという精神は変わっておらず、学園の威厳と誇りはますます高く評価され、元貴族は貴族でなくなって尚さらにこぞってこの学園に通わせるようになった。
生徒は主に元貴族の子供、そしてお金持ちの商家の子供たちばかりだ。
小中高とある学園の中で高等部は16歳から18歳までの3年間だが、その高等部は地方からの元貴族の子供も入学して来る。
私もご多分にもれずそのひとりだ。
騎士隊がなくなった今でもこの学園には騎士の学科があり男子生徒は皆騎士練習生として授業を受ける事になる。もちろん希望すれば女生徒も入れる。
そしてそのたったひとりの女生徒が私だ。
そんな学園にいきなりやって来たのがヴィルフリートだった。
彼は3か月前いきなり騎士練習生の講師として学園にやって来た。
彼は剣を振ったりする実践的授業は行わず、主に戦術や騎士としての連帯責任とか規律などを教える講師だった。
だが、甘い顔立ちに整ったスタイルであっという間に女生徒からは憧れの的になった。
私はそんな彼の事など気にも留めていなかった。だってわたしの好みは筋肉マッチョなくせに優しいヨハンみたいな人がタイプだからだ。
顔は問題ではない。まあ少しは整ってる方がいいけど…
練習生になったのだってヨハンに少しでも近づけるのと剣が振れるからで。
おかげで3年生になって生徒会執行部にも入れた。
それに卒業まであと少し、婚約が整っていないのはもうヨハンと私だけで実は内心もしかしてなんて期待もしていた。
それで思い切って告白してみようかと思っていたところだったのに。
それなのに、何?あんな奴と婚約だなんて嘘に決まっている。
お兄様は家柄さえ公爵家だったら誰でも言い訳?
あんな軟弱な男なんてこっちから願い下げよ。
もし婚約が整わなくたっていいわよ。
卒業できないならこんな学園辞めてやるんだから。
仕事はいくらでもあるし、ただし国家機関への就職は絶望的だけどそれでも家庭教師とかお店の店員なんかもあるし。
私にだって選ぶ権利があるというものだわ。
そうよ。こんな婚約決まらないうちに早く断らなくちゃ。
もぉ、彼とあんな事したくせに…心の中で悪魔がつぶやいた。
それは私のせいじゃありませんから!
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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