この度学園を卒業するために婚約しなければならなくなりまして

はなまる

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27貴方が欲しいの

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 ヴィルはベッドの上に戻って来ると慌てて着ていたシャツを脱いでズボンのベルトを緩めた。

 「知らないからなバイオレット。煽ったのはお前だぞ…俺は…いや、いいんだ。もう」

 「もう、はやくぅ…ヴィルお願い」

 私はたまらない疼きに太ももをぎゅっと合わせてそんな彼を見つめる。

 「わかってる。今…」

 金色の髪をㇰシャリと描き上げる。そんな光景に目を奪われさらに均等に引き締まった筋肉の盛り上がりにうっとりとしてしまう。

 この人こんなにたくましかったんだって今さらながらに思ってしまう。

 うん?ヴィルったら緊張してるの?胸の筋肉がピクリってなったけど…

 私ったらおかしい。うん、おかしい。


 いつもは冷静な彼がいつになく焦っていて私のシュミーズを掴んで引き下ろす指が小刻みに震えている。

 「でも…やっぱり…バイオレット後で後悔しないか?今は薬でハイになってるからこんな事思うだけで…なぁ」

 すっかり引き下ろされたシュミーズが私の腰でくしゃくしゃになったままで。

 彼は私の肩口に両手をついて見たこともないような真面目な顔で私を見下ろしたと思ったら大きく吐息を吐き出した。

 一線を越える覚悟を決める瀬戸際だと彼は言いたいらしいのだろう。けど。


 「足首だって…なぁ、ひどくなったら…」

 私はそんな事を言い続けているヴィルの背中に手を回して彼を引き寄せた。

 がくんと彼の上半身が私の上に重なる。

 目の前に来た彼の少し尖らせた唇にふっと唇を押し付けて彼と瞳を見合わせる。

 「いいの、私もう決めたんだから、あなたとならいいって。だからもう何も言わないで…」

 それだけ言うと目を閉じてもう一度彼の唇にキスをした。


 彼は下唇をぷちゅりと吸い上げて離すと同時に「もう知らないからな」ってつぶやくと指先で胸の先をくにっと摘まんだ。

 「あ、んっ…」

 ギラギラに滾った欲望は身体中が性感帯になったみたいに、ほんの少し触れられてもひどく気持ちいい。

 「きれいだ。ほんとにすごっ…もうたまらない。なんかさぁ、俺の創造と違ってたんだよな。もっとこうしとやかで澄ましたお嬢さんかと思ってたんだ。バイオレットの事」

 ヴィルは私の横に沿うように寝そべって話をしている。相変らず胸の先を指先でクニクニ弄りながら弾いたり勃ちあがった先をきゅっとつまんでいる。

 私は甘美な刺激に翻弄されながら。

 「そしたらさ。男勝りで剣は奮うわ、正義感は強いわ、明るくて一生懸命だわ…もう、俺の好みドンピシャで…さぁ」

 彼は次の言葉を私の耳殻の奥でささやいた。

 「いや、まじ、お前の事すげぇ好きだ」

 その瞬間、思考が停止した。

 「心からお前が欲しいって思う。俺はバイオレット。お前を愛してるんだ」

 熱い吐息がさらに熱を持ってとうとう私の脳は溶け落ちた。

 とろんとした目で彼を見つめると目尻にしわを寄せて照れたように口元をほころばせた。


 そのままかがんで彼の唇が胸の先端に吸い付いた。

 「ここもすげぇきれいだ」

 なぶるように舐め上げられすするように吸い上げられる。

 彼の声は少しかすれていてその瞳はメラメラ炎が燃えあがって行く。

 堰き止められていたダムが決壊するかのようにヴィルは私の身体を貪り始める。

 でも、そんないやらしい行為も今は全然いやじゃない。


 ヴィルは片方の指先で胸をこねてもう片方の胸は唇を押し付けて、その指も舌も私の身体を甘くとろけさせていくばかりで。

 「はぁん、んっ……」

 唾液で濡れた胸の先がぷっくりと勃ち上がってもっともっと触ってって言うみたいに主張する。

 「ここ、いいか?ふっ、すごいな、こんなになって」

 もう、意地悪。

 彼はにやついて舌先をちろりとのぞかせた。彼が憎たらしい。けど…もっと触れて欲しい。

 「も、もっとぉ…」

 チリチリした熱が胸の周りや下腹部の辺りにまとわりついてたまらなくなって。

 は、恥ずかしい。自分でそんな事を言ってる事が信じらんない。

 なのに、身体の中がじゅくじゅくくすぶった焔みたいに焦れったくて声が勝手に洩れ出てしまう。

 「おいおい、バイオレット…ったく。ぐちゅ」

 彼は言葉を押し付けるように胸の先に吸い付く。

 もう片方の指は急かされたみたいにシュミーズを飛び越えてその先の秘所にあてがわれた。

 「うん?ああ…だめだ。り、理性が…」

 彼の髪が胸にばさりと被さって獣みたいに胸に吸い付かれた。がちゅ、がちゅう、ちゅるり、じゅく、じゅるり下から舐め上げ上からしごかれ、斜めからなぞられ円を描いて舐めとられる。

 「やっ、あん…ふあぁ……ん、ん、んっあっ、あぁん…」

 最期に甘く歯を立てられて私は絶頂に達してしまう。



 彼の筋肉のひとつひとつが脇腹やおへその辺りに擦られそれさえも甘く感じているとぎゅっうと襞が痺れた。

 彼の指が奥まで入っていてじゅるって音がして私はそこを締め付けた。

 「はぁ、バイオレット。すげぇ締まってる。おいおい、もっと力抜けって…ほら。これはどうだ?」

 いつも意地悪だが、今日はさらに意地悪じゃない?

 「もう。ヴィルのいじわるぅ」

 これが自分かと思えるような甘えた声に彼はクスクス笑いながらズボンをごそごそ脱ぎ捨てる。


 「すげぇきれいだな…ここ」

 いつの間にか彼が脚の間にいて、そこを割り開いていている。

 割れた秘所がくちゅと音がしたと思ったらひやりと空気が襞にかかる。

 「やぁ、どこ。もう…やだぁ」

 「どうして?男って好きな女のここ。すげぇ見たいって思ってるんだぞ。それにめちゃくちゃ興奮する」

 「そんなぁ…」

 また指がなかにくちゅって音を立てて入って行くとすぐに疼いてきてなかは快感でまみれて行く。

 さらにさっきいじられて剝き出しになっている粒を親指で腹で擦られ私はもう何も考えられなくなる。

 感じるまま覚醒する快感に溢れ出る蜜はだだ洩れで甘い感覚が身体中を支配していく。

 「あっ、あん、ふぁ、ああぁ……」

 指は激しく出し入れされて襞がひくひくうごめいて、ぐっと勃ち上がったところが痺れて私は背をのけ反らす。

 腰が勝手に浮き上がってぎゅっとなかがとろけた。

 私は必死に手のひらで医務室のベッドの薄っぺらいシーツをぐっと握りしめた。


 「…いたぁ!」

 「あっ、もう。ほら。足、ちゃんとしとかないと」

 ヴィルが呆れたように捻挫した足首を抱えてその上にクッションを重ねると振り向いた。

 「あのさぁバイオレット、ほんとに俺のものにしていいのか?」

 「いいに決まってるから…どうして何度も聞くの?いつもはやりたいとか言ってるくせに」

 薬のせいかいつもより言いにくい事もぼんぼん言葉になって口から飛び出して行く。


 「もう、いざとなったら怖くなったの?もう、案外意気地なしなのね…」

 彼は裸のまま(下着はまだつけている)私の巻かれた包帯の足首から太もも辺りをそわそわ撫ぜながら身体はピタリと私にくっつけたままで。

 何だかヴィルが可愛く見えてくる。

 「ばか。そんな問題か?バイオレットの一生を左右することなんだぞ」

 「だって私たち結婚するのよ。その予定で婚約してるんだし…えっ?もしかしてヴィルは違うの?」

 「卒業したら婚約解消するって言わなかったか?」

 「あ、あの時はまだ気持ちが決まっていなかって言うか…」

 「じゃあ、気持ちは決まったって事?それで間違いない?」

 私はあっけにとられたみたいにこくんとうなずいた。

 「だってあなたの事こんなに好きになっちゃたんだもの。責任取ってくれるんでしょう?」

 「ああ…俺もう、もう止まらないから。俺今すぐバイオレットを俺のものにするから。なっ!」


 ヴィルは嬉しそうに琥珀色の瞳を輝かせた。

 「ん」

 唇を奪われて唇の隙間から踊るように舌が入って来て、ちゅくちゅく口内をまさぐられ舌を吸い上げられていくと私は身も心も幸せ色に染まり始めた。







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