28 / 51
28身も心も乱されて
しおりを挟むキスしながら指は蜜が滴るなかに滑り込まされて私の襞はぎゅうっと締まってひくひく蠢いた。
「もう、限界だ…」
ヴィルは我慢できないとばかりに下着を脱ぎ捨てた。
ぐっと押し当てられた熱くて大きく滾った彼のそれが姿を現す。
私はきっと一瞬固まったのだろう。
「大丈夫だ。優しくする。ほんとはこんな所で初めての予定じゃなかったが…」
彼は言葉こそ落ち着いて見えたの息遣いは荒く早い。
私の股の間に入るとぐっと両脚を開かれたと思ったら剥き出しになったソレが蜜にまみれた箇所にぐいと押し当てられた。
思わず腰を引くが彼はそれを許さなかった。腰をぐっと抱え込まれて前後にこすりつける。
それだけで襞がひくついて早く欲しいと漏らしてしまいそうで。
「す、すご…バイオレットここ、ヒクヒクしてるな。おー蜜が垂れて俺のに絡みつく…もう、っ!限界だっ」
ヴィルはそう言うとぐいっと私の中に入った。
「ひゃん!」
入り口がぐわっと広がった感じがして中がみしみし圧迫されるみたいな…でも、薬のせいなのだろうか。痛みはほとんどない。
ただ、圧がすごくて何だか苦しいような狭いところに追し込まれるみたいな。
ふぅ…息をゆっくり吐く。
「バイオレット?痛むか?」
私はううんと首を横に振る。
彼は足を気遣いながら私に優しくキスをしてまた起き上がった。
彼がふうっと息を吐くと私は眦から涙がひとすじ零れ落ちた。
「…やっぱり…っ!」
ヴィルは腰を引こうとしてそれを慌てて手で押さえて阻止する。
「大丈夫だから」
「ったく。こうしてるだけでもう、何か気持ちよくって…それにバイオレットが俺の事を好きだってわかると…あっ、もう」
「えっ?やだっ、さっきより…あっ、も、ヴィル」
「くぅ…ばい、お、れっ、とぉ…おれ、もう…」
ヴィルはもう我慢できないらしく、いけない子のような目をしながらもゆっくし腰を揺らし始める。
彼ったら、蕩けそうな顔で私を見下ろしてゆっくり抽送をしながら愛しいと言わんばかりの瞳を向けて来るから。
もう。
すぐに身体中の気持ちいいって感じる細胞がヴィルの高ぶりに集まって来てその周りでプチプチ覚醒し始める。
「あっ、はぁ、んっ。やぁ…ヴィルぅ」
ヴィルは私の敏感なところに手を伸ばして来て上下にゆるゆると擦る。
「あっ、や、ちょ…んっ」
くすっと嬉しそうな笑みを浮かべたと思ったらぎゅっと眉を寄せて唇を噛みしめる。
「こら、締め付けるな。がまんが…くぅ!」
彼は時々動きを止めるとそうやって尖った箇所を指先ではじいてまた腰を打ち付けた。
「バイオレット。好きだ。もう、すげぇ可愛い。こんなに引き込まれるの初めてだ。なんか、もう、はぁ…お前すごすぎ」
繰り返しそんな言葉を耳の奥に流しこまれ、とろけるようなキスをされ、ゆっくり繋がりを高められ、さらに敏感になった突起を擦られて。
熱くなった身体がひとつになって心がひとつになって私のすべてがヴィルフリート色に染まっていく。
それがとっても幸せで私はふわふわした綿菓子のような気持ちになって。
これって薬のせいなの?
それともヴィルのせい?
「もっと激しくしても?」
ヴィルが荒い息遣い混じりにささやくとたまらないように腰をぐっと突き上げて二度三度腰を振った。
「あっ、変になっちゃうかも。ヴィル、あ、んっ。ふぁぁん……!」
「もっと、変になって。可愛い声聞かせてくれ…ほらっ」
胸を掴まれてパチュンパチュンと音を響かせながら奥を突き始める。
ふたりの間で交わる蜜がグチュグチュ音を立てて私はおかしくなりそうなほど熱を感じてさらに高みを目指す。
「あっ、あっ、ヴィルぅ……」
「はぁ、ばいおれ、っとぉ、いぃ。たまらない。奥がぎゅってなってなかとろとっろで、んっ」
ぎゅっと抱きつかれてキスされて。
ヴィルは一層激しく動き始めさらに突き上げどんどん奥まで侵食して行って。
奥を突き上げられて飛ばされてしまうような感覚になって身体が弾けて行くみたいになってたまらず声を上げる。
「あっ、ひぃ、あん…あぁ、ぁあんっ……」
「バイオレット。俺、も‥一緒に。ほら、好きだ…愛してる」
激しく打ち付けられて最奥で彼の熱が爆ぜたらしい瞬間。彼が覆いかぶさって荒い息遣いでそうささやいた。
私たちは混じり合いとろけて行く。
それはまるで砂鉄が熱く熱されて溶けてそして固い固い鉄という物質が出来上がるみたいに。
「ああっ、ああああん……ヴィル、だいす、きぃぃぃ……」
私は幸せの真っ白い世界に飛び立って行った。
「俺も…愛してる。バイオレッ、ト‥」
12
あなたにおすすめの小説
【本編,番外編完結】私、殺されちゃったの? 婚約者に懸想した王女に殺された侯爵令嬢は巻き戻った世界で殺されないように策を練る
金峯蓮華
恋愛
侯爵令嬢のベルティーユは婚約者に懸想した王女に嫌がらせをされたあげく殺された。
ちょっと待ってよ。なんで私が殺されなきゃならないの?
お父様、ジェフリー様、私は死にたくないから婚約を解消してって言ったよね。
ジェフリー様、必ず守るから少し待ってほしいって言ったよね。
少し待っている間に殺されちゃったじゃないの。
どうしてくれるのよ。
ちょっと神様! やり直させなさいよ! 何で私が殺されなきゃならないのよ!
腹立つわ〜。
舞台は独自の世界です。
ご都合主義です。
緩いお話なので気楽にお読みいただけると嬉しいです。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セリフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セリフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セリフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセリフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセリフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セリフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
さようなら、私の愛したあなた。
希猫 ゆうみ
恋愛
オースルンド伯爵家の令嬢カタリーナは、幼馴染であるロヴネル伯爵家の令息ステファンを心から愛していた。いつか結婚するものと信じて生きてきた。
ところが、ステファンは爵位継承と同時にカールシュテイン侯爵家の令嬢ロヴィーサとの婚約を発表。
「君の恋心には気づいていた。だが、私は違うんだ。さようなら、カタリーナ」
ステファンとの未来を失い茫然自失のカタリーナに接近してきたのは、社交界で知り合ったドグラス。
ドグラスは王族に連なるノルディーン公爵の末子でありマルムフォーシュ伯爵でもある超上流貴族だったが、不埒な噂の絶えない人物だった。
「あなたと遊ぶほど落ちぶれてはいません」
凛とした態度を崩さないカタリーナに、ドグラスがある秘密を打ち明ける。
なんとドグラスは王家の密偵であり、偽装として遊び人のように振舞っているのだという。
「俺に協力してくれたら、ロヴィーサ嬢の真実を教えてあげよう」
こうして密偵助手となったカタリーナは、幾つかの真実に触れながら本当の愛に辿り着く。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる