枯渇聖女は婚約破棄され結婚絶対無理ランキング1位の辺境伯に言い寄られる

はなまる

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37フレイシア頼むから待っていてくれ(エバン)

 
 エバンは意識を取り戻して卒倒した。

 なんで?どうして?はっ?カトリーナお前何で裸なんだ?って、俺も何で裸‥

 ベッドの上でカトリーナはすっ裸で固まっていた。その隣で俺は何が何だかわからないまま脳内???

 待て待て‥‥

 記憶をたどって行く。

 そう言えばグラスリン侯爵と王城に出向いてアレクの見舞いに行って国王に話をしたが月光水晶を手放すのは無理だと言われ、そしたらアレクの首元にあの竜の刻印があることに気づいた。

 それを国王に言ってすぐにカトリーナが近付いて来て怪しい光を振りかけられて‥‥そこからは記憶があいまいだった。

 カトリーナがすごく好きだと思って彼女が欲しいと身体が疼いた。本能の赴くまま‥身体を重ねて。

 魅了魔法か?

 俺は‥フレイシアが部屋に入って来た気がする。ショックを受けた彼女の顔が身体が力を失って‥

 ああ、当然だろう。あんなところを見たら、でも、あれはきっと魅了魔法で操られていたんだ。そうでなけりゃ・・絶対だ!だから不可抗力で‥

 何て言ってもフレイシアに分かってもらえるかどうか‥

 ショックで立ちあがれないほどだったがふと思い出す。

 そう言えばあの時、あれは月光水晶だったと思う。でも、どうして王宮に?

 月光水晶は聖教会にあるはずなのに。

 いや、確かにあれは月光水晶だった。そして月光水晶は黒くなって弾けた。

 うそだろ?どうして?



 その時声がした。

 (私は月の精霊キア。この国を亡ぼすって決めたの。この国の人間はずっと聖女を虐げて来た。利用して私腹を肥やし己の欲の為に精霊の力を利用して来た。そしてなにより私の大切なフレイシアを苦しめた。もう、許さない。こんな国滅びなさい!)

 聞き間違いかと思った。でも、違うとすぐに分かった。

 月光水晶が壊れて散らばった破片が辺り一面に散らばっていたから。

 俺はすぐにキアに話しかける。

 (待ってくれ。確かにそうだった。でも、俺たちはこの国の領民を守る義務がある。フレイシアだってそんなひどい事望んでないだろう?俺が俺たちが責任を持って悪い奴らをさばく。そしてニルス国の民の為の政務が出来るようにする。だから、国を亡ぼすのは止めてくれ。頼む)

 (だったら証拠を見せて。そしたら考えてあげる)

 (わかった。だからキア。俺を信じて欲しい)

 (一度だけチャンスを上げる。それに私結構疲れてるの。月光水晶もなくなっちゃたしいつまで力が持つかわからないわよ)

 (急ぐから頼む)

 (わかった)



 そう言われて俺はすぐに国王たちを探した。国王は力尽きたようにうなだれて固まっていた。エグブランド公爵も彫像のように固まり、カトリーナも固まり、ジェリク殿下も固まっていた。アレクは元気になって起き上がっていた。

 どうやら、月光水晶の力であくどい事をしていたものが硬直状態になっているようだった。

 そんな事をしていると王宮の門がぶち破られたと騎士が走り込んで来た。

 王都の民が暴徒化して王宮に押し寄せて来た。

 俺はすぐにアレク殿下、グラスリン侯爵と他に動けるものでエグブランド公爵やジェリク殿下を拘束して、王宮の騎士たちに暴徒化した人々を止めさせた。

 国王はもはや生きる屍と化し目はうつろで正気を失っているようにも見えた。

 そしてみんなの前でエグブランド公爵やジェリク殿下のやって来たことを暴露しそれを正すと約束した。

 そして王都の救助を開始した。騎士も平民もなかった。皆が協力して出来る事をした。けがをした人を救助したり、道路を塞いでいる飛来物を撤去したり倒壊した建物で助けを求めている人を助けたりと。



 フレイシアの事を思わない時はなかった。

 最初はとんでもない勘違いをしていた。酷い態度を取って‥初めての夜、寝室で暴言を吐いた。

 でも彼女は清らかでその言葉に嘘はないってすぐにわかった。なぜかはわからん。
 だが、人に虐げられるって事はすごく辛いことだって知ってる。

 彼女の緋色の瞳が、瞳の奥のくぐもた光が子供の頃の俺を思い出させた。

 まずいと思って俺は真摯に謝った。まあ、それくらいで許せることではないだろうが、それでも彼女は前向きだった。

 魔物を倒したって聞いた時は驚いたなんてもんじゃない。

 驚くことは次々に起こった。

 フレイシアが作ったくれたプリンを食べた時のことを。彼女はそれは美味しそうに食べる姿はめちゃくちゃ可愛かった。

 キャラメルに乗って一緒に歩いた日の事を。不器用な俺の選んだ髪飾りを嬉しそうに受け取ってくれたあの顔を。

 俺のような人間にフレイシアは‥

 それなのに俺は彼女を傷つけた。

 最後はいつも彼女のあの血の気の引いた顔を、うなだれて床に倒れ込んだ時の姿を思い出した。

 すぐに会って真実を伝えてフレイシアを愛していると伝えたい。

 どうかあんな事をした俺を許してほしいと謝りたい。

 跪いて彼女に許しを乞いたい。

 それでも許してもらえないかもしれない。そんなもどかしさや焦燥感に押しつぶされそうになる。

 でも、今は己の都合を優先していいときではないとわかっている。



 だから、フレイシアどうかわかってほしい。俺が君に会いに行くまでどうかどうか俺を見捨てないで欲しいと。

 でも、君はどこにいるんだろうか?

 いや、彼女がこの国を見捨てるとは思えない。きっとチェスナット辺境に戻ったに違いない。もしかしたら故郷のグラマリンにいるのかもしれない。

 フレイシアどうか俺が行くまで待っていてくれ。

 俺はラキスとスクトに事の状況を知らせてフレイシアの捜索をするように指示を出した。

 辺境ではラヴァードがすぐに動いてくれるはずだ。

 頼むぞラヴァード。俺もすぐに辺境に戻るから。



 そしてやっと王都にめどが立った。

 (キア、聞こえるだろうか?俺たちを信じてもらえただろうか?)

 キアに呼びかけた。

 (ええ、あなたは信じてたわよ。でも、あの女の事で信頼は失墜したけど、まあ、これならきっと大丈夫ね。ニルス国を亡ぼすのは止める。だから頑張って、じゃ、私はこれで、もう話をする事もないと思うわ)

 (キア?ありがとう。あの‥フレイシアはどこか知ってるか?)

 (‥‥‥)

 返事は帰って来なかった。

 その後何度もキアを呼んでみたがそれっきり一切繋がりはなくなった。

 その後も王都でやる事が山済みで結局俺が辺境に戻れるようになったのは3週間ほどが過ぎていた。

 俺はアレク殿下とグラスリン侯爵に王都を任せると一目散に辺境に急いだ。

 フレイシア頼む。頼むから待っていてくれ!!





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