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47クリス殿下に見つかる(ラヴァード)
部屋を出てもエバンはぐずぐずした。
「ラヴァード。どうすりゃいい?フレイシアはもう俺を許しちゃくれそうにない」
「隊長。その程度で諦めるようならフレイシアにふさわしい男じゃないですね」
「だ、誰が諦めると言った。ああ、まだまだこれからだ。フレイシアは嫌いだって言わなかった。それはまだ俺が好きだって事だろう?なぁ、ラヴァード。お前もそう思うよな?」
「女の気持ちが俺にわかると思ってるんです?わかるわけないですよ」
「お前、いつもより厳しいんじゃないか?そこは脈ありですって言ってくれなきゃ!」
「知るもんですか!そんなの自分で考えればいいでしょう。俺を巻き込まないで下さい!」
「そういうなって、フレイシアの帰り際の顔見ただろう?名残惜しそうな‥ずっと俺らの方を見てたじゃないか」
「早く出て行ってくれって思ってたんじゃないですか?俺たち嫌われてますもんね」
「それはお前だけだ。フレイシアは俺の事を好きだって言ってくれたんだ」
「ええ、カトリーナとお楽しみの所を見られるまではでしょ?」
「だからそれは誤解だって!!フレイシアに会えてうれしかった。思いはどんどん膨らんで行くばかりなんだ。なのに‥クソ!どうすりゃいいんだ?」
「それは‥レオニール!」
俺はエバンを廊下の死角に引きずり込んだ。
「しっ!静かに誰か来る」
俺たちは身を潜め人が通り過ぎるのを待つ。ったく。何で俺がエバンの応援をしてるんだ! そんな事を思いながら身を潜める。
「どうして知らせなかったんだ。フレイシアが熱を出したって!」
「クリス殿下お待ちください。ここは女性専用のスペースなんです。いくら殿下でも立ち入られては困ります」
そう言っているのはシスターだろう。
声を聞きつけたのかイリが出て来た。
「殿下、声が大きいです。フレイシア様は今お休みになられていますので静かにしていただけませんか?」
「イリ、フレイシアの具合は?良く効く薬を持って来た。案内しろ」
みんなの迷惑も関係なくクリス殿下は歩みを止めない。
力ずくで止められない事はわかっているらしい。
俺の脳が真っ赤な炎で焼き尽くされそうになるところでぐっと引き寄せられた。
「ラヴァード、あいつは誰だ?」
「あれはクリス殿下。キアラルダの次期王です」
「あれが?あいつも銀色の髪で緋色の瞳だな。キアラルダ人ってのはあの髪色が多いのか?いや、帝都でもそんな髪色はいなかったな。お前だって髪色を変えてるもんな。ラヴァード、お前メイズの親戚だって言ったよな。フレイシアもキアラルダ人だ。あの殿下の髪色や目の色とお前とフレイシアは同じ。って事は王族と親戚なのか?」
気づかれたか?この人こういう事には勘が鋭いからな。まあいずれはばれる事か‥
俺はばれるより言っておいた方がいいと即座に判断した。
「驚かないで下さいよ。俺とフレイシアは兄妹なんです」
「おまえと?」
エバンが大きな声を出すので慌てて口を塞ぐ。
「静かに!母はメイズの娘で前国王の側妃でした。フレイシアは生まれる前に帝都を追われてメイズに帰りましたが母はフレイシアを守るためニルス国に逃げたのでしょう」
「ラヴァード、お前知ってたのか?」
「知るわけないでしょう!知ったのはついこの前フレイシアがキアラルダの王女だと分かったからですよ」
「フレイシアが王女‥」
エバンは腰が向けたようにへたへたと座り込む。
「‥って事はラヴァードお前も?」
エバンの顔が青ざめて行く。俺はそうだと頷いて口止めをする。
「誰にも言わないで下さい。俺のことは秘密なんですから、フレイシアだって知りませんから」
「お前ら‥どうなってるんだ!」
「だから困ります。殿下!」
突然イリの大きな声がした。
俺たちは反射的に飛び出しフレイシアの部屋に飛び込んでしまう。
「フレイシア心配した。ほら、この薬を飲むといい。熱には良く効‥誰だ?」
クリス殿下が振り返った。
しまった!
「護衛兵、すぐにこいつらを捕らえろ!」
クリス殿下の怒号が響くとどこから現れたのかすぐに護衛兵が数人現れた。
「チッ!まずい事になった。逃げますよ」
俺は魔法で炎を出し護衛兵を下がらせると神官服を脱ぎ捨てた。そしてエバンと共に窓から飛び出した。
つもりだった。
猛ダッシュで走り森に駆け込んで後ろを振り返る。あれ、エバンは?
あいつ、捕まったのか?うそだろ。どうして逃げなかったんだ。あのばか!
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