枯渇聖女は婚約破棄され結婚絶対無理ランキング1位の辺境伯に言い寄られる

はなまる

文字の大きさ
78 / 84

78クリス殿下救出からまた牢へ(イリ)

 
 「フェイって?この人は聖女フレイシア様。あなた一体何を言ってるんです?」

 「ったく、フェイは嘘なのか。まあ、名前なんてどうだっていいけどよ。聖女なのか、どうりでな‥って言うか俺らが天狼だってどうしてそれを?お前ら何者だ!」

 ナジと呼ばれた多分天狼の頭と思われる男が尋ねた。

 
 「ぐっ!」

 まずった。どうする?

 するとキトと呼ばれた男がしゃしゃり出た。

 「こいつらビーストハンターとか言う魔物ハンターですぜ。頭、こいつらの言ってる事は確かですぜ。頭がフェイって言ってる女は確かにフレイシアって言って聖女で間違いありません。それにこの女王城で見かけたことがありますぜ。確か聖女の侍女とか言ってましたが護衛だと思います。それにこっちの男は最近よく店の周りをうろついてましたし‥おい、お前ら何者だ?」

 「俺たちはビーストハンター。魔獣狩りの集団だが仕事にあぶれて今は帝都で仕事をしている」

 ラキスがそう言った。

 「ふん、傭兵って事か。お前ら余計な事に首を突っ込まない方がいいぞ。俺らについているお方はお前の雇い主なんかよりもっともっと上のお方なんだ。フレイシアに危害を加えるつもりはない。さっきも言ったように彼女は命の恩人。目を覚ませばきちんと王城に‥いや、王城が危険なら聖教会に送って行く。心配せずもう帰れ!」


 はっ?天狼のアジトにフレイシア様を置いて帰れ?ふざけてるの?それにあんたが信用できるとでも?散々みんなを苦しめておいて‥!!!



 「バァン!‥」

 いきなり部屋が光に包まれて人が降って来た。


 「もう少しやり方はないのか。クッソ、頭がくらくらする」

 「ったく!申し訳ありませんね殿下。ですが牢から連れ出したんです。感謝くらいしてもらってもいいんじゃないです?」


 現れたのはクリス殿下と黒ずくめの男。


 「ラド。一体何があった?」

 私達だけでなくナジも驚いた様子だ。

 「いえね頭。何だか様子がおかしいんです。ガビアンって騎士隊長がいきなり王妃の部屋にやって来て王妃を拘束しようとしたんです。王妃は間一髪でアナンと一緒に逃げましたがクリス殿下の所にも騎士隊員が向かっていて殿下は拘束されて牢にぶち込まれてしまって、仕方ないんで俺が牢から転移で連れ出して来たんですよ。それなのに…ったく。殿下ときたら文句ばっかり!」

 「どうやら、そろそろやきが回って来たらしいな。俺ももう引き上げ時だと思っていたんだ。それで王妃はどこに?」

 「はい、聖教会に行ったはずです。あそこにはマクリート大神官もいますから引き渡しに応じる事もないでしょうし。で?クリス殿下はどうします?」

 「ああ、王妃と一緒の所でいいんじゃねぇか。そこにクリス殿下を連れて行ったら俺達は帝都を出るぞ。そろそろヤバイ感じだからな。ラド急げ。アナンにもそう伝えて一緒に帰って来い!」



 はい?あなた達逃げれるとでも思ってるわけ?

 とにかくフレイシア様の安全を確保したらこいつらを縛り上げてやるわ。

 私はラキスとシグスにフレイシア様を安全な所にと目くばせする。



 「フレイシアじゃないか?どうしてこんな所に。彼女は王城にいたはず。迎えに行こうとしていたら騎士隊員に拘束されて‥良かった。フレイシア大丈夫か?おい、お前ら彼女に何があったんだ?」

 しまった。クリス殿下もいたんだ。



 「何があったってクリス殿下が幻覚剤を飲ませたんじゃないですか。彼女を操って結婚して次期王になろうって王妃に言われて」

 ラドという男が呆れたように言う。

 「ぐっ。そ、それはわかっている!でも、どうして眠っている?誰か説明しないか!全く、これだから低俗な人間は嫌なんだ!」

 

 ナジの眉が上がる。

 「てめぇがフェイ、じゃねぇ、フレイシアに薬を持ったのか?こんないい子に何てことをしやがる!!」

 クリス殿下の首を締め上げる。クリス殿下の脚は宙に浮き顔が真っ蒼になって行く。

 「頭、行けません。こいつは王族ですぜ。こいつを殺めたら頭もただじゃ済まねぇ。やめて下さい!」

 「おい、こいつは助ける必要はない。ラドこいつをもう一度牢に戻してこい。フレイシアを傷つけるような野郎なんざ許しちゃおけねぇからなぁ。さあ、早く行け!」

 「で、でも、いいんですか?王妃を怒らせたら‥」

 「俺を誰だと思ってやがる。あいつがごねたって構やしねぇ。こっちにだってあいつが困るような証拠があるんだ。契約を結んだときの証文がな。いいから早くそいつを牢にぶち込んで来い!」

 「わかりました」

 

 「ラド、何を言っている?!私を牢に戻すなどバカな事を。一体私を誰だと‥」

 「バスッ!」ラドの拳がクリス殿下の腹に決まる。

 「うっ!」

 そう一声挙げてクリス殿下は意識を失った。そしてラドがおっという間にクリス殿下を担ぎ上げて転移して行った。

 恐らく話の内容から元の牢内に戻したのだろう。

 ナジ、あんたいいとこあるじゃない!!





あなたにおすすめの小説

《完結》とんでもない侯爵に嫁がされた女流作家の伯爵令嬢

ヴァンドール
恋愛
面食いで愛人のいる侯爵に伯爵令嬢であり女流作家のアンリが身を守るため変装して嫁いだが、その後、王弟殿下と知り合って・・

〖完結〗終着駅のパッセージ 

苺 迷音
恋愛
過去、使用人に悪戯をされそうになった事がきっかけとなり、分厚い眼鏡とひっつめた髪を編み帽で覆い、自身の容姿を隠すようになった女性・カレン。 その事情を知りながらも夫ローランは、奇妙で地味な姿の妻を厭い目を逸らし続けた。 婚姻してからわずか三日後の朝。彼は赴任先の北の地へと旅立ちその後、カレンの元へと帰省してきたのは、片手で数えるほどだった。 孤独な結婚生活を送る中。 ある冬の日に、ローランの上官であり北の地を治める領主ハルシオン公爵が、カレン夫妻の邸にやってきた。 始まりは、部下の家族を想う上司としての気遣いだった。 他愛もない会話と、節度を守ったやり取り。ほんの僅かな時間を重ねていく。 そのうちに、お互いに灯り始めた小さな心の想い。 だが二人は、それを決して明かさず語ることはなかった。 それから一年ほどたった冬の夜。 カレンから届いた手紙に、たった一度だけハルシオンは返事を書く。 そこには彼の想いが書かれてあった。 月日は流れ、カレンとローランが婚姻して三年目の冬の日。 カレンはひとつの決意と想いを胸に、北へ向かう汽車に乗った。 ※微さまぁか、もしくはざまぁになっていないかもしれないです。 ※舞台は近世・産業革命初頭を基にした架空世界だと思っていただけましたら有難いです。 稚拙な作品ではありますがご覧くださいましたら凄く嬉しいです。よろしくお願い致します。

婚約破棄された令嬢は、“神の寵愛”で皇帝に溺愛される 〜私を笑った全員、ひざまずけ〜

夜桜
恋愛
「お前のような女と結婚するくらいなら、平民の娘を選ぶ!」 婚約者である第一王子・レオンに公衆の面前で婚約破棄を宣言された侯爵令嬢セレナ。 彼女は涙を見せず、静かに笑った。 ──なぜなら、彼女の中には“神の声”が響いていたから。 「そなたに、我が祝福を授けよう」 神より授かった“聖なる加護”によって、セレナは瞬く間に癒しと浄化の力を得る。 だがその力を恐れた王国は、彼女を「魔女」と呼び追放した。 ──そして半年後。 隣国の皇帝・ユリウスが病に倒れ、どんな祈りも届かぬ中、 ただ一人セレナの手だけが彼の命を繋ぎ止めた。 「……この命、お前に捧げよう」 「私を嘲った者たちが、どうなるか見ていなさい」 かつて彼女を追放した王国が、今や彼女に跪く。 ──これは、“神に選ばれた令嬢”の華麗なるざまぁと、 “氷の皇帝”の甘すぎる寵愛の物語。

【連載版】婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
短編では、なろうの方で異世界転生・恋愛【1位】ありがとうございます! 読者様の方からの連載の要望があったので連載を開始しました。 シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます! ※連載のためタイトル回収は結構後ろの後半からになります。

【完結】冷遇され続けた私、悪魔公爵と結婚して社交界の花形になりました~妹と継母の陰謀は全てお見通しです~

深山きらら
恋愛
名門貴族フォンティーヌ家の長女エリアナは、継母と美しい義妹リリアーナに虐げられ、自分の価値を見失っていた。ある日、「悪魔公爵」と恐れられるアレクシス・ヴァルモントとの縁談が持ち込まれる。厄介者を押し付けたい家族の思惑により、エリアナは北の城へ嫁ぐことに。 灰色だった薔薇が、愛によって真紅に咲く物語。

【完結】長い眠りのその後で

maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。 でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。 いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう? このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!! どうして旦那様はずっと眠ってるの? 唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。 しょうがないアディル頑張りまーす!! 複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です 全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む) ※他サイトでも投稿しております ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです ※表紙 AIアプリ作成

【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!

美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』  そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。  目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。  なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。  元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。  ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。  いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。  なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。  このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。  悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。  ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――

王子、おひとり様で残りの人生をお楽しみください!

ちゃっぴー
恋愛
「ラーニャ、貴様との婚約を破棄する!」 卒業パーティーの真っ最中、ナルシストな第一王子ウィルフレッドに身に覚えのない罪で断罪された公爵令嬢ラーニャ。しかし、彼女はショックを受けるどころか、優雅に微笑んで拍手を送った。 なぜなら、ラーニャはとっくに王子の無能さに愛想を尽かし、この日のために完璧な「撤退準備」を進めていたからだ。