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84その後(最終話)
叔父様とラヴァード兄様じゃなくラビウド殿下は翌日には議会の招集をした。
その議会で母の手紙を読み上げラヴァード事ラビウドが正式なオスロ王の子供である事を発表した。
マクリート大神官はすべてを暴露してクリス殿下が自分と王妃メルローズの間に出来た子どもであることを証言した。
そして長年にわたりセレストを支配して来たのも王妃とマクリート大神官だという事実も判明した。
そのことには天狼の頭であるナジの証言と持っていた証文によってはっきりした。
王妃はセレストの弱みを握るため天狼を使ってわなを仕掛け賭博や人身売買の証拠を持っていてセレストは王妃の言うことを聞くしかない図式が出来ていた。
これによって王妃とマクリートは処刑が決まるとすぐに処刑がされた。王妃は最後まで悪態をつき恨み言を言いながらこの世を去って行ったと聞いた。マクリートはそんな王妃をさめざめと見つめて黙って処刑台に上がったと。
クリス殿下、いや、クリスは生涯辺境の修道院で幽閉されることになった。
クリス殿下の旅立ちの日。
王城の裏手の門からひっそりとクリスの馬車が出て行く。
クリスは私を見つけると走り寄って来た。
隣にはエバン様がいてくれる。周りにはガビアン様の率いる騎士隊がぐるりと囲っている。兄はもう言うこともないのだろう。
「知らなかったんだ。母がそんな恐ろしい事に手を染めていたなんて、それにあの時は切羽詰まっていてフレイシアと結婚出来なければ母は王城を追い出されると泣き疲れて‥つい、すまなかった。でも、君が好きだった。この気持ちに嘘はなかったんだ」
「あなたはあの時私を好きという気持ちを手放したのです。まあ、あなたにも事情があったのでしょうから‥もう、過ぎた事です。どうかお身体をご慈愛下さい」
「あ”、あ”、あ”ぁぁぁぁぁ~」
クリスはその場に泣き崩れた。彼の王妃に利用された一人なのだろう。子供までこんな気持ちにさせたあの人が憎いと思った。父や母を貶め兄にも苦渋を味あわせた人。
「フレイシア、行こうか。クリス頑張って償いを‥では」
騎士隊員がクリスを引きずるように馬車に乗せた。
そしてこれがクリスとの永遠の別れとなるだろう。
その後、エバン様と私はすぐに婚約を発表した。
ニルス国の王族との婚姻にキアラルダの人たちは驚き険悪な空気もあったが、ラビウド王(兄)がエバンの下で働いていた事などを話すとあっという間に誤解は解けて行った。
エバン様はチェスナット辺境伯をグラスリン侯爵の甥にあたるコール・クラレット伯爵の嫡男に譲りニルス国を後にした。
エバンはキアラルダ帝国民になる事を決意したのだ。
私は聖教会の聖女として忙しい毎日を送り、半年間エバンはニルス国とキアラルダ帝国を行ったり来たりの生活をしている間に決意したらしい。
そして半年後私たちは結婚した。
エバン様はラビウド王からアダリオ公爵位をと言われたが私と一緒に聖教会の仕事をする方がいいとそれを拒否した。
もう、信じられないんですけど。でも、そんなエバンが好き。
住まいは帝都にある屋敷を購入して甘い新婚生活の始まり。
エバンは驚いた事に神官の試験を受けて見事合格。
私とふたりであちこちの領地に出向ける事になった。
初めての夜。緊張した。だって辺境領に行った日のエバン様すごく恐かったから。
でも、そんなのまったくの杞憂だった。
私はエバン様に優しく、優しくとろかされ甘やかされ、初めてはすごく痛いって聞いてたけど‥
とにかくすごく気持ちよかった。
もう、やっぱり女慣れしてるのかなって思ったけど、エバン様が初めてだったって聞いて驚いた。
ウソ!って思ったけど私には比べるものがないし、彼が嘘をつくはずがないって信じれるから。
こんな幸せあっていいのかな?でも、私すごく幸せ。
ナジさんたちはラビウド王の采配で、私の直属の諜報員となる事になった。と言っても裏組織のような仕事ではなく調査員の仕事を頼んでいる。
ちょうど、キアラルダ帝国内の孤児院や診療所の実態を知りたいと思っていた私は各領地の孤児院や診療所の調査をナジさんたちに依頼した。
彼らの仕事ぶりは素晴らしく、各領地の実情が包み隠さず報告された。
これによって早急にやることリストが出来上がった。
そして私とエバン様はリストに沿って領地を巡る事に。
イリはそのまま私の侍女と護衛としてそばにいてくれる。子供が生まれたらお世話もすると張り切っている。
ラキスさんはラビウド殿下の側近としてシグスさんメイトさんフォートさんは諜報部に配属されて活躍しているらしい。
帝都はすっかり元の姿を取り戻し、疫病や飢饉から立ち直りつつある。
キアは私が呼ぶといつだって応えてくれる。エバンにも姿を見せてくれるようになってまずます仲良くしてる。
キアは今では私の守護精霊として私のそばにいる。
そう、すっかり平和。我が家は毎朝こんな感じ。
今日も元コバート公爵領に赴くことになっているのに~。
昨晩、散々愛されて‥
「フェイ‥ああ、可愛い。もっと欲しい。やっと俺だけのものに」
もう、エバンったらこのセリフ毎日なんだから。
「エバン、そろそろ起きなきゃね」
「やだ。フェイといたい。俺、フェイを喜ばすの得意だろ!!なぁ‥」
なぜか、フェイって呼ばれることになっている。エバンったらすっかり甘えん坊さんになってしまって。
そんなに言うなら私だって‥
「そんな事言って昨日だって女の人とイチャイチャしてたじゃない‥」
エバンががばっと上半身を起こす。
「そんなことない。あれは神官として仕方なく。フェイだって知ってるだろ!!」
「もう、知らない!!」
いきなり後ろから羽交い絞め。
「エバン!もぉ、放してよ」
「フェイが俺に嫉妬してる~おれ、もう限界突破!愛してるふれいしあ」
押し倒されて激しくキスされて、その後は愛されまくられて。
「もう、どうするの?こんなの見せられないよ。エバンのばか!」
首筋についた赤色の花びら。
「そうだな。見せれないよな。今日はもうこのまま‥」
「エバン!!起きるわよ。もう置いて行くんだから!」
「待て。俺も行くってわかってるだろ。もう、怒るなよ~フェイ~」
これがあのエバン?初めて見た時はいかつい男だったのに。
これが同じ人物だなんてきっと神様も想像つかなかったよね。
でも、私にだけ甘えん坊なエバンが大好き。
(ちょっとキア?まさかのぞき見してないでしょうね?)
ふっとキアの気配を感じて。
(まさか、私そんな趣味ないから!でも、ふたりが仲が良くてうれしいわ。じゃ)
(ちょ、待ってよキア。エバンにやり過ぎだって言ってよ~)
(‥‥‥)
キアはすでにどこかに行ったみたい。
(もう、キア!)
「フェイ、ごめん。もう、起きるから。今日は忙しいんだよな。さあ、朝ごはん、朝ごはん!」
「もう、エバンまで!!」
「なんだ?キアか?キア、おはよう。今日もフェイを頼むぞ」
(それはエバンの仕事よ)
「おお!」
すごく嬉しそうにほほ笑む彼に抱き寄せられた。ほんとに。彼が結婚絶対無理ランキング1位だったなんて信じられない!
「エバン愛してる!」
「ドタッ!‥くっ、いきなり‥おれもあいしてる」
エバンはベッドの端につまずきながら。
ふふ。私はそんなたわいない幸せを噛みしめる。
~おわり~
今回の話、意外と長編になってしまいました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
紆余曲折を経てやっと幸せな二人にほっとしています。
恋愛大賞に応募してます。応援何卒よろしくお願いします。読んでいただき本当にありがとうございました。
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